研究者業績

平原 潔

ヒラハラ キヨシ  (Kiyoshi Hirahara)

基本情報

所属
千葉大学 大学院医学研究院先端研究部門高次機能治療学研究講座免疫発生学 教授
学位
博士(医学)(新潟大学)

研究者番号
00707193
J-GLOBAL ID
201801001136657946
researchmap会員ID
B000302077

2001年新潟大学医学部卒。2008年同大学院医歯学総合研究科修了。医学博士。
2009年米国国立衛生研究所 Visiting Fellow、2013年千葉大学大学院医学研究院特任准教授を経て、2016年より千葉大学大学院医学研究院准教授、2022年より同教授(現職)。
内科医(特に呼吸器内科医)として、5年以上臨床医療に携わった後、基礎医学研究の世界へ飛び込みました。ベッドサイドへのフィ-ドバックを目標とした基礎研究確立を希い、日々研究活動に勤しんでいます。

専門分野:免疫学、呼吸器内科学
現在の主要なテーマ:
*肺線維化における獲得免疫系の役割
*組織常在性記憶CD4 T細胞の分化・維持機構
*アレルギー疾患の病態形成機構
*肺における免疫応答一般


論文

 94
  • Katsuhiro Nishimura, Takahiro Aoki, Midori Kobayashi, Mariko Takami, Ko Ozaki, Keita Ogawa, Wang Hongxuan, Daiki Shimizu, Daisuke Katsumi, Hiroko Yoshizawa, Shugo Komatsu, Tomozumi Takatani, Kiyoshi Hirahara, Haruhiko Koseki, Tomoro Hishiki, Shinichiro Motohashi
    Cancer Science 2025年2月6日  査読有り
    ABSTRACT While antibody‐dependent cellular cytotoxicity (ADCC) by anti‐disialoganglioside GD2 monoclonal antibody (mAb) has succeeded in increasing the survival rate of high‐risk patients with neuroblastoma, approximately 40%–50% of patients die from the disease. Recently, we developed induced pluripotent stem cell‐derived natural killer T (iPS‐NKT) cells, which exhibit NK‐like cytotoxicity. However, whether iPS‐NKT cells can induce ADCC function is unclear. Here, we investigated the ADCC of iPS‐NKT cells and the efficacy of the combination treatment of anti‐GD2 mAb and iPS‐NKT cells against neuroblastoma. Anti‐GD2 mAb enhanced the cytotoxicity and secretion of cytokines and cytotoxic granules of iPS‐NKT cells, which expressed CD16 to GD2‐expressing neuroblastoma cell lines. We also examined which Fcγ receptors contribute to ADCC of iPS‐NKT cells. CD16 stimulation against iPS‐NKT cells caused cytotoxicity and secretion of interferon‐gamma, tumor necrosis factor, and granzyme B. In contrast, CD32 and CD64 stimulation did not. In vivo, the intratumor administration of anti‐GD2 mAb and iPS‐NKT cells significantly inhibited tumor growth compared with the other treatment groups: no treatment, anti‐GD2 mAb alone, and iPS‐NKT cells alone. In conclusion, iPS‐NKT cells exhibit CD16‐mediated ADCC, and the addition of iPS‐NKT cells to anti‐GD2 mAb therapy may be a potential approach for immunotherapy against neuroblastoma.
  • Jun Sugihara, Chiaki Iwamura, Tomoya Tateishi, Tadashi Hosoya, Sho Shimada, Kiyoshi Hirahara, Shinsuke Yasuda, Yasunari Miyazaki
    Clinics 80 100584-100584 2025年1月  査読有り
  • Tatsuya Kaneko, Chiaki Iwamura, Masahiro Kiuchi, Akane Kurosugi, Miki Onoue, Tomoaki Matsumura, Tetsuhiro Chiba, Toshinori Nakayama, Naoya Kato, Kiyoshi Hirahara
    Journal of Allergy and Clinical Immunology: Global 100287-100287 2024年6月  査読有り
  • Ami Aoki, Chiaki Iwamura, Masahiro Kiuchi, Kaori Tsuji, Atsushi Sasaki, Takahisa Hishiya, Rui Hirasawa, Kota Kokubo, Sachiko Kuriyama, Atsushi Onodera, Tadanaga Shimada, Tetsutaro Nagaoka, Satoru Ishikawa, Akira Kojima, Haruki Mito, Ryota Hase, Yasunori Kasahara, Naohide Kuriyama, Sukeyuki Nakamura, Takashi Urushibara, Satoru Kaneda, Seiichiro Sakao, Osamu Nishida, Kazuhisa Takahashi, Motoko Y. Kimura, Shinichiro Motohashi, Hidetoshi Igari, Yuzuru Ikehara, Hiroshi Nakajima, Takuji Suzuki, Hideki Hanaoka, Taka-aki Nakada, Toshiaki Kikuchi, Toshinori Nakayama, Koutaro Yokote, Kiyoshi Hirahara
    Journal of Clinical Immunology 44(4) 2024年4月22日  査読有り
    Abstract Purpose Auto-antibodies (auto-abs) to type I interferons (IFNs) have been identified in patients with life-threatening coronavirus disease 2019 (COVID-19), suggesting that the presence of auto-abs may be a risk factor for disease severity. We therefore investigated the mechanism underlying COVID-19 exacerbation induced by auto-abs to type I IFNs. Methods We evaluated plasma from 123 patients with COVID-19 to measure auto-abs to type I IFNs. We performed single-cell RNA sequencing (scRNA-seq) of peripheral blood mononuclear cells from the patients with auto-abs and conducted epitope mapping of the auto-abs. Results Three of 19 severe and 4 of 42 critical COVID-19 patients had neutralizing auto-abs to type I IFNs. Patients with auto-abs to type I IFNs showed no characteristic clinical features. scRNA-seq from 38 patients with COVID-19 revealed that IFN signaling in conventional dendritic cells and canonical monocytes was attenuated, and SARS-CoV-2-specific BCR repertoires were decreased in patients with auto-abs. Furthermore, auto-abs to IFN-α2 from COVID-19 patients with auto-abs recognized characteristic epitopes of IFN-α2, which binds to the receptor. Conclusion Auto-abs to type I IFN found in COVID-19 patients inhibited IFN signaling in dendritic cells and monocytes by blocking the binding of type I IFN to its receptor. The failure to properly induce production of an antibody to SARS-CoV-2 may be a causative factor of COVID-19 severity.
  • Ryo Hatano, Eunyoung Lee, Hiromi Sato, Masahiro Kiuchi, Kiyoshi Hirahara, Yoshimi Nakagawa, Hitoshi Shimano, Toshinori Nakayama, Tomoaki Tanaka, Takashi Miki
    Molecular Metabolism 101934-101934 2024年4月  査読有り

MISC

 66
  • 熊谷 仁, 平原 潔, 中山 俊憲
    J.Clin.Immunol. 特集 39(2) 114-123 2016年  
    CD4 T細胞は宿主防御の適切な適応免疫応答に重要である一方,多くの慢性炎症疾患の病態形成に深く関与している.CD4 T細胞は,1980年代に同定されたTヘルパー(Th)1細胞とTh2細胞に加え,近年では,Th17やTh9,濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞,制御性T(Treg)細胞など多様なサブセットからなっている.また,ひとつのサブセットの中でも様々な性質を持つT細胞が存在すること(T細胞の多様性)や,ヘルパーT細胞は一度分化した後も周囲の環境で容易にその性質が変化すること(ヘルパーT細胞の可塑性(plasticity))が明らかになった.本総説では,CD4 T細胞サブセットの多様性および可塑性が,どのように免疫関連慢性炎症性疾患に関与しているのかについて,多発性硬化症や乾癬,気管支喘息などを例にあげて概説する.また,近年明らかになってきたCD4 T細胞可塑性の背景にある分子メカニズムについて述べる.近年のCD4 T細胞研究の進歩により,かつて提唱された"Th1/Th2バランス破綻"に基づいた免疫関連慢性炎症性疾患の病態形成モデルは再考が必要である.そこで,われわれが近年提唱した免疫関連慢性炎症性疾患の病態形成における"病原性Th細胞疾患誘導モデル"を最後に紹介する.(著者抄録)
  • 平原 潔
    上原記念生命科学財団研究報告集 29 1-7 2015年12月  
    複数のSTATsがサイトカインの多様な生理作用をもたらす機序を解明し、この機序の破綻が原発性免疫不全症候群に及ぼす影響について検討した。相反する生理作用を有するIL-6とIL-27をモデルサイトカインとし、同サイトカインの受容体を発現しているヘルパーT細胞をモデル細胞として用いた。IL-6、IL-27刺激にそれぞれ特異的に反応する遺伝子群、共通に反応する遺伝子群をゲノムワイドに定量化したこれらの遺伝子群(1193個)のうち、22個の遺伝子群が正反対に制御された。サイトカイン刺激後24時間では、IL-6はSTAT3-STAT3のホモダイマーを強く誘導し、IL-27刺激によってはSTAT1-STAT1のホモダイマーが誘導され、これらの二量体は刺激後48時間の時点で消失した。STAT1欠損によって、IL-6、IL-27刺激で誘導される遺伝子群間の特異性が失われ、STAT3欠損によって、両サイトカインにより誘導される遺伝子発現が著しく損なわれた。IL-27特異的遺伝子群の遺伝子発現調節は、STAT1-STAT1の二量体で行われている可能性が示唆された。
  • 遠藤 裕介, 平原 潔, 飯沼 智久, 篠田 健太, 山本 陛三朗, 本橋 新一郎, 大保木 啓介, 中江 進, 斎藤 博久, 岡本 美孝, 中山 俊憲
    アレルギー 64(3-4) 462-462 2015年4月  
  • 平原潔, 中山俊憲, 菅野由香
    ライフサイエンス新着論文レビュ- 2015年  
  • 平原 潔, 中山 俊憲
    実験医学 32(17) 2742-2746 2014年11月  
    1980年代に、MosmannらによりCD4+T細胞のなかに2つの亜集団(Th1/Th2細胞)が存在することが示されて以来、今日までそれぞれの亜集団について精力的な研究が行われている。現在では、CD4+T細胞は多彩な細胞亜集団からなっていることが明らかになっているが、本稿では、特にTh2細胞に焦点を当て、近年盛んに研究がなされているimmune metabolismやエピジェネティクス(ヒストン修飾・miRNA)とTh2分化の関係について近年の研究結果を中心に概説する。さらに、われわれの研究室において精力的な研究がなされているpathogenic(有害な)メモリーTh2細胞についての知見を紹介する。(著者抄録)
  • 平原 潔, 中山 俊憲
    Respiratory Medical Research 2(2) 135-137 2014年4月  
    <Points>1.エピジェネティクスとは、DNA塩基配列の変更を伴わない染色体の変化に起因する細胞の表現型について研究をおこなう学問領域である。2.エピジェネティックな遺伝子発現調節がおこなわれる代表的な機構として、(1)DNAのメチル化、(2)ヒストン蛋白質の化学修飾、(3)ノンコーディングRNA(noncoding RNA:ncRNA)の3つがある。3.抗炎症治療の新たな治療薬として、エピジェネティック・モジュレーターの開発が進められており、今後の進展が望まれる。(著者抄録)
  • 平原 潔, 中山 俊憲
    医学のあゆみ 247(12-13) 1203-1207 2013年12月  
    CD4陽性T細胞は、B細胞の分化成熟および抗体産生の誘導といった他の細胞の機能誘導を行うことからヘルパーT細胞とよばれ、細菌やウイルスなどの微生物病原体の感染から宿主を守る細胞集団である。一方で、ヘルパーT細胞の量的・質的異常はさまざまな自己免疫疾患や気管支喘息などのアレルギー性疾患の原因となりうる。アレルギー性疾患のなかでもアレルギー性気道炎症はマウスを用いた疾患モデルが確立しており、精力的な研究が行われている疾患のひとつである。近年の研究結果から、アレルギー性気道炎症の発症にはさまざまな免疫細胞が関与していることが明らかになってきた。本稿では、それらの細胞でもとくにヘルパーT細胞に注目し、近年あらたに同定された多様なヘルパーT細胞サブセットがアレルギー性気道炎症の病態形成にどのように関与しているかを概説する。さらに、気道炎症の慢性化に深く関与しているメモリーT細胞について近年得られた最新の知見を中心に紹介する。(著者抄録)
  • 平原 潔, 中山 俊憲
    実験医学 31(17) 2836-2840 2013年11月  
    気管支喘息は気道炎症の慢性化により気道壁の肥厚、リモデリング、気道過敏性の亢進が起こった結果、喘鳴発作をくり返す疾患である。現在、ステロイド吸入などの治療法があるが、高齢化に伴うステロイド抵抗性の成人喘息増加などの問題点があり根治的な治療法の開発が強く望まれている。気管支喘息の発症には、さまざまな免疫細胞の関与が知られているが、本稿では、特に、CD4+T細胞に注目し、近年新たに同定されたさまざまなCD4+T細胞サブセットが気管支喘息の病態形成にどのように関与しているかを概説する。さらに、気道炎症の慢性化に深く関与しているメモリーCD4+T細胞について近年得られた最新の知見を中心に紹介する。(著者抄録)
  • 伊藤 俊広, 平原 潔, 本橋 新一郎, 矢野 郁也, 中山 俊憲
    日本癌学会総会記事 72回 359-359 2013年10月  
  • 平原潔, 中山俊憲
    免疫・アレルギー疾患イラストレイテッド 20-27 2013年  
  • 平原 潔, 田中 純太, 伊藤 竜, 栗山 英之, 田中 洋史, 各務 博, 吉澤 弘久, 下条 文武
    癌と化学療法 35(1) 109-111 2008年1月  
    cisplatin(CDDP)とvinorelbine(VNR)の併用による非小細胞肺癌(NSCLC)の術後補助化学療法(POAC)は、標準治療として確立されつつあるが、日本人における毒性を危惧する報告も散見される。今回、本療法を連続5例に行い安全性を検討した。対象は男性3例、女性2例で、平均年齢は61.6歳、術後病期はII B/III A/III B期が各々1/2/2例であった。CDDPは第1日に80mg/m2、VNRは第1,8日に25mg/m2で使用し、21日ごとに4コースを目標に治療した。5例中4例が4コースを減量なく完遂し、平均治療間隔は23日であった。主な毒性は、血液毒性で4例にgrade(Gr)4の好中球減少を認め、非血液毒性では1例にGr3の肝障害を認めた。悪心・嘔吐は全例がGr1、GFR低下は3例がGr1であった。本療法の毒性は既存の報告と同程度で、実地診療としての忍容性が示唆された。(著者抄録)
  • 伊藤 竜, 田中 洋史, 田中 純太, 平原 潔, 栗山 英之, 各務 博, 伊藤 和彦, 佐藤 和弘, 下条 文武, 吉澤 弘久
    肺癌 47(5) 557-557 2007年10月  
  • 下畑 光輝, 平原 潔, 五十嵐 修一, 原 賢寿, 木島 一己, 小野寺 理, 田中 恵子, 西澤 正豊, 辻 省次, 早坂 清
    臨床神経学 45(3) 221-225 2005年3月  
    51歳男.両親が従兄弟婚.患者は幼少時から歩行困難感を自覚し,40歳中頃から握力が低下し,時々転倒するようになった.神経学的に下肢主体の四肢遠位筋力低下,凹足,四肢深部腱反射消失,両側下肢感覚障害等を認め,常染色体劣性遺伝を呈するCharcot-Marie-Tooth(CMT)病を疑った.運動神経伝導速度および振幅は著明な低下を認め,順行性感覚神経誘発電位は誘導されなかった.一方,腓腹神経の組織検査では,大径有髄線維優位に中等度の密度の低下と,残存神経線維の髄鞘菲薄化を認め,遺伝子解析ではCMT4Fの病因遺伝子Periaxinに,Arg 1070 Stopホモ接合体変異を認めた.以上,CMT病は臨床所見だけでの病型診断は困難であることから,詳細な遺伝子解析が必要であると示唆された
  • 新中須亮, 石井崇太郎, 金子高明, 平原潔, 則兼聡子, 山下政克, 中山俊憲
    日本免疫学会総会・学術集会記録 34 130-130 2004年11月5日  
  • 平原 潔, 坂井 邦彦, 中山 秀章, 長谷川 隆志, 塚田 弘樹, 吉澤 弘久, 鈴木 栄一, 下条 文武
    日本胸部臨床 63(5) 478-483 2004年5月  
    44歳女.小児期より内臓逆位を指摘されていた.また,気管支感染症を繰返していたが,十分にフォローアップされずにいた.診断時慢性呼吸不全に陥っており,その後肺炎を併発し,最終的には敗血症で死亡した.診断時に呼吸不全を呈していた理由として,呼吸不全の緩徐な進行,定期的なフォローアップの欠如,そして換気応答の減弱による呼吸困難感の低下などが考えられた.Kartagener症候群は予後は比較的良好とされているが,本症例のように呼吸器感染症を繰返す場合,積極的な治療を必要とし,呼吸器科医の適切なフォローアップが必要であると考えられた
  • 平原 潔, 高堂 裕平, 下畑 光輝, 五十嵐 修一, 田中 恵子, 辻 省次
    神経治療学 20(1) 81-85 2003年1月  
    62歳男.10ヵ月前に右側優位の両側大腿部痛が出現し,その後,右側優位,下肢近位筋優位の筋力低下,両下肢遠位部の左側優位の感覚障害をきたした.緩徐進行性の経過と検査所見より,糖尿病性感覚性ニューロパチー及び糖尿病性筋萎縮と診断された.異常感覚に対してclonazepam,epalrestat,mexiletineを投与したが,明らかな効果が現れず,プロスタグランジンE1誘導体,carbamazepine,phenytoin,phenobarbital,選択的セロトニン再取り込み阻害薬,三環系抗鬱薬を順次追加した.下肢異常感覚は多少改善したが,筋力回復はみられなかった.このため免疫グロブリン 0.4g/kg/日静注を5日間施行したところ,直後より下肢筋力は徒手筋力テストで1レベル程度の明らかな改善を認め,筋力評価器具による下肢筋力は左21.5Nm,右13.5Nmから左右29.3Nmとなった.感覚障害も改善し,歩行能力の向上が認められた

書籍等出版物

 5

講演・口頭発表等

 162

共同研究・競争的資金等の研究課題

 15

産業財産権

 1