稲田 俊也, 樋口 輝彦, 上島 国利, 中込 和幸, 岡島 由佳, 三村 將, 磯野 浩, 大坪 天平, 山田 光彦, 稲本 淳子, 岩波 明, 平島 奈津子, 篠田 淳子, 松尾 幸治, 大渓 俊幸, 三宮 正久, 中川 種栄, 西岡 玄太郎, 加藤 忠史, 山田 和夫, 田島 治, 神庭 重信, 岡崎 祐士, 長沼 英俊
臨床精神薬理 5(4) 425-431 2002年4月 査読有り
躁病の評価尺度として,海外の臨床試験においてしばしば使用されているYMRS(Young Mania Rating Scale)の日本語版を作成し,その信頼性の予備的検討を行った.米国で録画された躁病エピソードを呈する4症例の日本語吹替え版ビデオを用いて,日本人精神科医18名がビデオ面接法によりYMRSを用いて評価を行い,評価者間信頼性,試験再試験信頼性,及び米国における基準評価との一致率について検討した.個別の各評価項目の中には,一致率の低い項目もあり,評価者トレーニング等により一致率を高める必要性のあることが確認されたが,各評価項目の合計点の級内相関係数(ICC)は0.819と高値であったことから,同一評価者による経時的な合計点の変動を主要評価としてYMRS日本語版を臨床試験で使用することは十分に可能であると考えられた