研究者業績

藤川 大祐

フジカワ ダイスケ  (Daisuke Fujikawa)

基本情報

所属
千葉大学 教育学部 教授
学位
教育学修士(1991年3月 東京大学)

研究者番号
50288429
J-GLOBAL ID
200901073152860485
researchmap会員ID
1000212734

外部リンク

千葉大学教育学部教授(教育方法学・授業実践開発)。
メディアリテラシー、ディベート、環境、数学、アーティストとの連携授業、企業との連携授業等、さまざまな分野の新しい授業づくりに取り組む。学級経営やいじめに関しても研究。

論文

 133
  • 藤川大祐
    授業実践開発研究 18 1-10 2025年3月  
    本稿では、2023年から2024年にかけての生成AIの進化を踏まえ、生成AIにおけるハルシネーション (幻覚) と記号接地問題 (Symbol Grounding Problem) について2024年12月現在の状況を確認した。ハルシネーションに関しては、これまで報告されてきたハルシネーションの問題がテキスト生成においては基本的に解決していることが確認された。他方、日本語処理の問題に起因する数学的問題への誤答や画像生成における画像内の不適切な文字の生成といった問題が生じていることも確認された。記号接地問題については、AIが記号接地できない例として示されていたハルシネーション例が日本語処理による問題であったこと等から、子どもの学習の問題に当てはめることについては慎重な態度が求められることが示された。
  • 藤川大祐
    千葉大学教育学部研究紀要 73 175-182 2025年3月  
    学校や学校設置者のいじめ対応のあり方をゲーム的構造として捉え,不適切ないじめ対応がいかにして生じるかを明らかにすること,そして,不適切ないじめ対応がなされないようにするにはどのような方法がありうるのかを示すことを目的として,新聞記事で報道されたいじめ対応のあり方や,重大事態報告書に記された学校や学校設置者のいじめ対応に関わる課題を分析した。この結果,法令やガイドライン等に従っていじめ対応を行う「ゲームI」とは別に,一部の学校や学校設置者においては問題をできるだけ大きくせずに済ませようとする「ゲームII」がプレイされていると言えることが確認された。ゲーム関連研究の成果を踏まえれば,ゲームIを推進する側がゲームIIを批判するコミュニケーションを強力に行うこと,そしてゲームIを具体的にどのようにプレイすればよいかを示すことで,ゲームIIを止められる可能性があることが示唆された。
  • 藤川 大祐, 牧野, 太輝, 見舘 好隆, 小野 憲史, 小牧 瞳
    千葉大学人文公共学府研究プロジェクト報告書 393 1-11 2025年2月  筆頭著者
    本稿では、学習者が「オタク」であることを肯定され「オタク力」とされる諸能力を伸ばすことが期待されるようなサンクチュアリ(聖域)としての教室や授業のあり方を明らかにする目的で、「推し」という語の使われ方について検討した上で、中学校の総合的な学習の時間にゼミ形式で全19回の「推しごとゼミ」を実践し、授業中の様子や事後アンケートからこの授業のサンクチュアリとしてのあり方を検討した。まず、「推し」については、「推し活」という語が使われるようになり、「オタク」という語の否定的あるいは自虐的な意味合いが薄まったとともに、「推し」という語の使い勝手の悪さが払拭されたことを確認した。そして、「推しごとゼミ」においては、ゼミの序盤から多様性の尊重が教師や生徒によって繰り返し言及され、生徒たちは心理的安全性をもって探究活動ができ、諸能力の伸長が自覚されたことが確認された。
  • 藤川大祐
    デジタルゲーム学研究 17(2) 12-17 2024年12月31日  査読有り
    本研究は、複数のゲームが同時に並行して進行している状況を「多重ゲーム構造」と呼ぶこととした上で、学校教育を多重ゲーム構造として捉えることが具体的な問題の解決に資するかを検討するものである。まず、多重ゲーム構造に関係すると考えられる先行研究を概観した。次に、これをもとに多重ゲーム構造の一般形を検討し、時間・空間が限定されないゲームが継続的に、時間・空間が限定されるゲームが断続的に進行しており、これらゲームの中には互いに相容れないものがあったり、同じゲームに見えていたものが異なるゲームであったりしうることを示した。そして、学校教育に関して、複数のゲームの並立が取り上げられている例と、複数のゲームの並立と捉えられていない例を取り上げて検討した結果、いずれにおいても状況を多重ゲーム構造として捉えることによって解決への示唆が得られうることが確認された。
  • 小野憲史, 見舘好隆, 渡邉文枝, 藤川大祐
    デジタルゲーム学研究 17(1) 13-22 2024年4月30日  査読有り

MISC

 343

書籍等出版物

 127

講演・口頭発表等

 87
  • 藤川 大祐
    日本教育工学会 2025年春季全国大会 2025年3月9日
    教育での生成 AI 利活用において,事実と異なる内容等が出力されるハルシ ネーションが注目されてきた.しかしながら,生成 AI のバージョンアップとともにハルシネーションについても改善が進み,ウェブ検索に基づいてテキストを生成させるような場合には,これまで指摘されてきたようなハルシネーションはほぼ再現されなくなっている.数学的な問題についてはハルシネーションが再現されるが,これは日本語処理による問題だと考えられる.こうしたハルシネーションに関連して生成 AI の記号接地問題が取り上げられているが,扱われている具体例は記号接地問題とは無関係であり,AI の学習と子どもの学習とを類比させることには慎重さが求められることが確認された.
  • 見舘 好隆, 小野, 憲史, 渡邉文枝, 小牧, 瞳, 藤川 大祐
    日本教育工学会 2025年春季全国大会 2025年3月9日
    全国 748 名の経営者・人事担当者に対する調査の結果, オタクの価値を理解する企業は採用の工夫をしていること,またオタクは創造性やイノベーションに寄与していること, さらに創造性やイノベーションに影響する職場環境の4つの因子(良環境・仲間たち・遊び心・理不尽さ) のうち, 特に 10%ルール等 「遊び心」 がオタクに強く正の影響を与え,オタクを介して創造性やイノベーションに正の影響を与えることが示唆された.
  • 藤川大祐, 牧野太輝, 見舘好隆, 小野憲史, 小牧瞳
    日本デジタルゲーム学会第15回年次大会 2025年2月22日
    本研究では、学習者が「オタク」であることを肯定され「オタク力」とされる諸能力を伸ばすことが期待されるようなサンクチュアリ(聖域)としての教室や授業のあり方を明らかにする目的で、「推し」という語の使われ方について検討した上で、中学校の総合的な学習の時間にゼミ形式で全 19 回の「推しごとゼミ」を実践し、授業中の様子や事後アンケートからこの授業のサンクチュアリとしてのあり方を検討した。まず、「推し」については、「推し活」という語が使われるようになり、「オタク」という語の否定的あるいは自虐的な意味合いが薄まったとともに、「推し」という語の使い勝手の悪さが払拭され たことを確認した。そして、「推しごとゼミ」においては、ゼミの序盤から多様性の尊重が教師や生徒によって繰り返し言及され、生徒たちは心理的安全性をもって探究活動ができ、諸能力の伸長が自覚されたことが確認された。
  • 岡野健人, 藤川大祐
    日本教育工学会 2024年秋季全国大会 2024年9月7日

担当経験のある科目(授業)

 59

Works(作品等)

 15

共同研究・競争的資金等の研究課題

 12

社会貢献活動

 11

メディア報道

 239
  • 東京新聞 2025年3月26日 新聞・雑誌
    藤川大祐・千葉大教育学部教授(教育方法学)の話 生成AIはスマートフォンに標準対応となるほど、高校生に身近な存在。教科書で扱わないのは無理がある。急速な進化に編集が追いつけないので、多くの教科書の記述が概説にとどまるのは仕方ない。 最新の生成AIは文章だけでなく、画像や動画などさまざまな情報を扱えるマルチモーダル機能があり、授業で体験することで生徒の興味や関心を高められる。そこに着目して、活用方法を紹介した教科書があるのは注目に値する。 デジタル技術の急速な進化に、学校の情報モラル教育が追いついていない問題にも、対応する必要がある。進化に応じた補助的な教材を随時、学校現場に提供する工夫が必要だろう。
  • 読売新聞 2025年2月12日 新聞・雑誌
    メディアリテラシーに詳しい千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は、「『公共』で教える主権者教育は、政治にどう参加させるかという面に重点が置かれてきた。また、ネット空間で起きている問題は教科『情報』で学び、両者は別々に扱われてきた」と指摘する。 その上で、「SNSの影響力が大きくなった現在は、選挙とSNSを結びつけて学習するべきだ。どんな教材をどう教えるべきか、現場の教員や大学の研究者は早急に考えなければならない」と話した。
  • 読売新聞 2025年2月1日 新聞・雑誌
    1月16日、千葉市稲毛区の千葉大西千葉キャンパスの教室で、活発な議論が戦わされていた。テーマは高レベル 放射性廃棄物 の処分問題。「日本は高レベル 放射性廃棄物 の地層処分計画を撤廃し、地上での管理を義務づけるべきである」という主題に対し、それぞれ4、5人のグループが「肯定」と「否定」に分かれて議論を行った。議論は藤川大祐教授によって審査され、「肯定」のグループが僅差で勝利した。 授業は、東電福島第一原発事故後に学生から「放射線や原発について学びたい」という声が上がったことをきっかけに始まった。事故後、東葛地域で比較的高い放射線量が測定されたことが背景にあった。藤川教授は、原発維持の是非ではなく、具体的な議論ができる高レベル 放射性廃棄物 の処分問題をテーマに授業を続けてきた。 同廃棄物を巡っては、震災前の00年に同廃棄物の地層処分を行うための「特定 放射性廃棄物 の最終処分に関する法律」が成立している。授業では、処分を実施する「原子力発電環境整備機構」の協力を得て、同廃棄物の一時保管施設の見学なども行ってきた。授業では今後も処分問題を扱う予定で、藤川教授は「問題が解決しておらず、具体的な議論ができる」と話している。
  • 中日新聞 2025年1月31日 新聞・雑誌
    メディアリテラシー教育に詳しい千葉大教育学部の藤川大祐教授はSNSの普及に伴い、近年は「高校で起きるいじめ全体の2割程度はSNSが絡む」と話し、SNSに起因する不登校が増えているという。 SNSを使ったいじめは「対面と違って突きつける印象が強く、ダメージが大きい」といい、LINEやX上に投稿された悪口を苦に命を断つケースも多い。コロナ禍の影響もあり「子ども同士の距離ができ、人間関係をつくるのが難しくなっている」とみる。
  • 電気新聞 2025年1月17日 新聞・雑誌
    藤川教授は、地層処分を議題とした経緯について「福島第一原子力発電所事故後に放射性物質に関する問題を勉強したいニーズが上がった」と説明。「ディベートは相手を説き伏せるより第三者に自分の主張を聞いてもらうことが主眼。子どもたちを指導する際の方法として学んでほしい」と語った。
  • 教育新聞 2025年1月1日 新聞・雑誌
    藤川大祐氏(千葉大学教育学部長・教授)が選んだキーワード 生成AI、教員不足、不登校
  • 教育新聞 2024年12月27日 新聞・雑誌
    藤川大祐氏(千葉大学教育学部長・教授)が選んだ教育ニュース (最も注目した教育ニュース) ・㉒条件付きで教職調整額を段階的引き上げ 財務省案を提示(11月) (注目の理由) これからの学校の在り方を大きく左右しかねない問題なので。 (他に注目した教育ニュース) ・⑧水泳授業中に小4児童が溺れて死亡 中学校のプールで(7月) ・⑳【問題行動調査】不登校34万人超 11年連続で過去最多を更新(10月)
  • 産経新聞 2024年12月15日 新聞・雑誌
    千葉大教育学部長の藤川大祐教授(教育方法学)は「日向坂46は、昨年グループの方向性に迷いがあった中、正源司さんの初センター曲で盛り返した。しかし、次のシングル曲でハネきれなかった」と分析。「今年は、櫻坂46が好調を維持して盛り上がり、ライブや楽曲の人気も高く、(紅白出場は)納得のいく選考だ。他のグループは楽曲にそれほどパワーがなかった」と指摘した。 藤川教授は日本のアイドルグループについて、「楽曲の人気はどのグループも厳しい。櫻坂46が辛うじて頑張っているものの、他のグループでは人気曲が出ない状況が続いており、配信チャートやMVの再生回数が振るわない」と指摘。「国内のアイドルは、歌とダンスの力を上げていくしかない。乃木坂46の5期生は、歴代と比べても圧倒的なパフォーマンス力があるが、その魅力を生かし、かつ時代の空気を映した楽曲が必要だ。楽曲次第では、乃木坂46は今年が最後の紅白になりかねない」と危機感を募らせる。
  • 産経新聞 2024年12月13日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は子供のSNS利用について、「学習時間を奪いかねない」としながらも、「自分で考えたり、調べたりする手段であり、貴重なコミュニケーションの場にもなっている」と指摘。利用規制に関する議論には「子供の人権を尊重しながら、賢く学べるための最善の策を考えるべきだ」とする。
  • NHK ニュースウォッチ9 2024年12月3日 テレビ・ラジオ番組
    法案が可決されたことについて、SNSと子どもの問題に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授に聞きました。 〇法案の可決について SNSの利用を禁止すれば子どもたちの利用が大幅に減り、事件や事故の被害に遭うリスクが減るメリットはあるものの、子どもたちが必要な情報を受け取れなくなったり、自らの意見を表明できなくなったりして、居場所を奪われることを非常に懸念している。本来はSNSすべての利用を禁止するべきではなくて、安全な情報にはアクセスできて、安全でない情報だけブロックするのが望ましい。 〇国内での議論への影響 不十分な点はあるが、国内では基本的にはほぼすべての子どもたちが情報モラル教育を受けていて、どのようなネット利用が危険なのか、一定の知識を持っている。今後、議論が活発になると思うが、安全対策は進められてきているので、あまり過激な議論にはならないのではないか。
  • 産経新聞 2024年11月29日 新聞・雑誌
    いじめの問題に詳しい千葉大の藤川大祐教授は「いじめ防止対策推進法を守らない教育委員会が多いことが想定外だった」と説明。高槻市のケースについて「この法律に違反している上、保護者への合理的な説明もなく、行政機関としてあるまじき対応だ」と問題視した。 また、いじめ対応に積極的な自治体とそうでない自治体の差も大きいと指摘し、「対応できない教育委員会がある以上、独立性のある市長部局で対応することなども考える必要がある」とした。
  • NHK 2024年11月29日 テレビ・ラジオ番組
    SNSと子どもの問題に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授は、「SNSの利用を禁止すれば子どもたちの利用が大幅に減り、事件や事故の被害に遭うリスクが減るメリットはあるものの、子どもたちが必要な情報を受け取れなくなったり、自らの意見を表明できなくなったりして、居場所を奪われることを非常に懸念している。本来はSNSすべての利用を禁止するべきではなくて、安全な情報にはアクセスできて、安全でない情報だけブロックするのが望ましい」と述べました。 国内での議論への影響については「不十分な点はあるが、国内では基本的にはほぼすべての子どもたちが情報モラル教育を受けていて、どのようなネット利用が危険なのか、一定の知識を持っている。今後、議論が活発になると思うが、安全対策は進められてきているので、あまり過激な議論にはならないのではないか」と指摘しました。
  • 茨城新聞 2024年11月10日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「不慣れな教育委員会では、第三者委員会の委員選定からしてつまずく」と指摘。委員に学校関係者が含まれて問題がこじれるなど「終了まで年単位の時間がかかることもある」と明かす。 対応が遅れれば、被害を訴えた児童の救済はさらに遅れる。「小さな自治体は広域で常設の第三者委を組織するのも手だ」。藤川教授は力説する。
  • 教育新聞 2024年10月31日 新聞・雑誌
    藤川大祐氏(千葉大学教授・教育学部長)の話 不登校の児童生徒数が過去最多となった背景には、不登校へのマイナスのイメージが薄れ、「無理をして学校に行く必要はない」という認識が社会全体に広がった影響が大きい。加えてコロナ禍では休校措置や感染回避による欠席が相次ぎ、学校以外の学習も保障するようになった。「不登校は問題行動ではない」とする国の姿勢が周知されたところへ、コロナ禍が後押しをしたと見ている。 不登校の要因を分析する上では、調査方法が「学校が把握した事実」に変更されたことは重要だ。今回の調査結果と、3月に発表された子どもの発達科学研究所などによる『不登校の要因分析に関する調査研究報告書』を比べて分かることは多い。例えば研究所の調査で、不登校と絡めて体調不良を訴える児童生徒は約7割いたが、今回の調査では「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」は約2割だった。つまり学校側が起立性調節障害を見過ごしている恐れがある。調査項目の文言は研究所による調査内容と統一した方がいい。そうすれば不登校の要因や背景をさらに把握できる。 不登校への対策としては、文科省の『COCOLOプラン』により多様な支援の取り組みが進められる一方で、施設不足の問題が深刻化している。不登校の増加傾向に歯止めをかけなければ、多くの施設でキャパシティーオーバーの状態に陥ってしまう。国は「魅力的な学校づくり」を支援の柱に掲げているが、それには不登校の背景を具体的に分析し、一つ一つ改善していくことが欠かせない。いじめや理不尽な校則といった問題はもちろん、授業時間数等のカリキュラム・オーバーロードの弊害は大きい。教員は余裕がない中で子どもに向き合わざるを得ず、結果として早期対応が困難になり、学校への不信につながっている。トラブルを解決でき、多様な子どもが生きやすい場所であるよう学校を変えていく必要がある。(談)
  • 教育新聞 2024年10月31日 新聞・雑誌
    藤川大祐氏(千葉大学教授・教育学部長)の話 認知件数の増加は織り込み済みで想定内だと思うが、重大事態の激増が問題だ。重大事態にさせない努力が全くできていないのではないか。不登校にも言えることだが、初期対応がうまくいかず、子どもや保護者に不信感を抱かせてしまい、重大事態化させている。 現在行われている重大事態の調査は8割ぐらいが学校によるもので、第三者機関の実施した調査ではない。加えて、いじめを調査できる専門家の数も限られている。そのため調査はしてくれたが不十分、調査不足のため再調査を依頼したが受けてくれないといった保護者の声が多数上がっている。 今回の問題行動調査を見ると、いじめとして認知していなかった37.5%のうち、17.0%が「いじめに該当し得るトラブル等の情報があった」としている。つまり、法律上の定義ではなく、自分たちの感覚でいじめかそうでないかを決めてしまっている。「そんな(法律の定義のような)ことを言っていたら、何でもいじめに該当してしまう」と言う教員はいまだにいる。北海道旭川市の事件で顕著だが、いじめに関しては被害者に非があると思いがちだ。地域差もあるが、いじめをトラブルと捉え、被害者に非があると考え、相談があってもいじめと見なさない組織風土が根強く残っている。 こうした組織風土を変えていくのは大変だ。設置者、教育委員会が相当反省し、頑張らないと変わらない。例えば、大阪府寝屋川市では、市長部局がいじめ対応に関与するようになった。また茨城県取手市でも15年のいじめ自殺をきっかけにやり方を変えた。旭川市はどうなるのかも注視している。 いじめの態様について、実はネットいじめの方が対策しやすいと思っている。証拠が残りやすいからだ。被害に遭ったら必ずスクショを撮り、動かぬ証拠を突き付けて言い逃れさせないことが重要なのに、学校でそう教えていない。 私の造語だが、現在問題になっているのは「ダブルバインド型のいじめ」だと考えている。名指しするのではなく紛らわしいことを書いたり、匂わせたりするような曖昧ないじめだ。被害者は被害を訴えにくい上に、訴えても言い逃れされるという二重の苦しみを受ける。これも非常によくないことで、絶対にいけないと学校で教えなければならない。(談)
  • NHK 2024年10月25日 テレビ・ラジオ番組
    いじめ問題に詳しい千葉大学の藤川大祐教授は、「仮に再調査を行わないのであれば、調査が十分行われたことについて、丁寧に説明するべきだ。市長が説明責任を果たさなければ、被害者側は自治体に強い不信感を抱き、苦痛を増大させてしまう。今からでも対話や説明の場を設けるべきだ」と指摘しています。
  • 読売新聞 2024年10月6日 新聞・雑誌
    いじめ問題に詳しい千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「自治体任せでは積極的な公表は望めない」とみており、再発防止と被害者保護を両立させるために〈1〉被害者が卒業してから数年後〈2〉対策に関する部分――といった最低限の公表基準を国が一律に定める必要性を訴えている。
  • 産経新聞 2024年8月17日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「部活動を辞めると学校も辞めなければいけないのではないかと生徒は恐れてしまう」と指摘。「指導死」を防ぐには、教職員らへの指導を徹底するだけでなく、不適切な指導を把握するための無記名のアンケートを実施したり、生徒の相談窓口を設置したりして、「被害者が申し出やすい機会を設けることが必要だ」と話した。
  • 中日新聞 2024年7月14日 新聞・雑誌
    脅しのようなこういった方法は、児童にトラウマを生じさせる可能性がある。発達障害など、本人の努力ではどうしようもない条件の児童にとっては追い詰められるだけになり、救われない。できていないことは、課題を確認した上で児童に寄り添い、改善策を考えることが求められる。
  • 西日本新聞 2024年6月21日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「場合によっては、教育制度の根幹を揺るがすことにつながりかねない。ただ従来の学校側の対応に対する不信感がもたらしたとも言え、致し方ない部分がある。優秀な人材を配置しなければ機能しづらく、全国の自治体が導入するには課題が多い」と述べた。
  • 読売新聞 2024年6月5日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)の話「学校も市教委も教室に入れなくなったり、欠席が続くようになったりした時点か、遅くとも転校をした時点で自ら重大事態として対応すべきだった。被害者に放置されたと感じさせたことは二次被害だ。法の趣旨を無視した対応といえる」
  • 読売新聞 2024年5月30日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「互いの意思疎通がうまくいかなかったことが尾を引いている印象だ。初期の時点で、調査委はきめ細かな対応をする必要があった」と指摘。
  • 四国新聞 2024年4月11日 新聞・雑誌
  • 朝日新聞 2024年4月7日 新聞・雑誌
    藤川大祐・千葉大教授(教育方法学)の話 いじめが警察の捜査対象になると、特に加害者側は立件されるのを恐れ、実態解明のために設けられた第三者委員会などに対して証言しにくくなる可能性がある。第三者委員会などが行う調査は関係者の任意の協力を前提としているが、警察の捜査が入ったために協力を拒まれたという事例も聞いている。そうすると、深刻なケースなのに、結果的にいじめ防止対策推進法の目的である全容解明や再発防止につながらない恐れがある。 一方で、近年はスマートフォンやSNSの普及で誹謗(ひぼう)中傷や性的な画像・動画が短時間で拡散する恐れがあり、警察による迅速な対処が必要な事例が増えている。 数十年前の学校では暴行、器物破損、窃盗など犯罪行為が頻発し、いちいち警察沙汰にしていられないという事情もあり、学校の問題は校内で対処するという雰囲気ができあがった。そうした意識は今も根強く残っているが、警察と学校の一層の連携が必要な時代に入ったといえるだろう。 対応の遅れで事態が深刻化するのを防ぐためにも、各校の生徒指導主事や警察署の生活安全課員ら実務者同士の情報交換の機会を増やしたり、教育委員会に警察からの職員を配置したりするなど、日頃から垣根を低くしておくことが必要だ。 ただ、いじめ対策は「警察にお任せ」ではいけない。実際には犯罪に当たらないいじめが圧倒的に多いからだ。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなど専門職の力も借りて、いじめ自体が生まれないような学校作りをすることが最も重要だ。行政は、学校がもっと余裕を持っていじめ対策に当たれるよう、教職員の仕事を減らしたり人員を増やしたりするような政策に取り組んでほしい。
  • 日本教育新聞 2024年2月19日 新聞・雑誌
  • 北海道新聞 2024年2月9日 新聞・雑誌
    千葉大教育学部の藤川大祐教授(教育方法学)は「市教委や学校では、現場の経験に基づく内部のルールで対応する姿勢が根強い。法に基づいて対処し、リーダーシップを発揮できる人間を市教委と学校の両方に置く必要がある」と指摘している。
  • 読売新聞 2024年1月27日 新聞・雑誌
    教育方法学が専門の藤川大祐・千葉大教授は「部活指導などは教育実習と違い、子どもの役に立つことが最優先だ。教員志望の学生は主体的に教える力を身に付けられ、教員志望でない学生にとっても、専門分野を伝える方法を考える機会になる」と話している。
  • 共同通信 2024年1月21日 新聞・雑誌
    いじめ問題に詳しい千葉大の藤川大祐(ふじかわ・だいすけ)教授(教育学)は、いじめ防止対策推進法で、被害が疑われる時、学校には速やかな事実確認が求められているとして「全く法律にのっとっていない」と対応を批判した。 特に、屋上に行こうとした行為は「自死を考えるほど苦痛が大きかったということであり、(同法が自治体首長への報告を義務付けた)重大事態と認めて調査するべきだった」と指摘した。(略) 藤川教授は、生徒らが相談しやすい環境づくりが重要と訴える。「悩みを過小評価せず、知りたいという態度が必要だ。学校の組織風土を変えないといけない」と強調した。
  • 西日本新聞 2023年12月25日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「説明は文書でできるはずだ。生徒本人に面会できないことを理由に調査を遅らせてはならない」と話した。
  • 中日新聞 2023年12月23日 新聞・雑誌
    いじめ問題に詳しい千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「いじめかどうかや、誰が良い悪いとは関係なく、子どもにとって苦痛だと考えられる事案には、ただちに組織的に共有するよう徹底する必要がある。多面的な捉え方がされ、必要な対応がとられる可能性が高くなる」と話している。
  • NHK 2023年12月23日 テレビ・ラジオ番組
    いじめの問題に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授は、「いじめ防止対策推進法に従えば学校はいじめを把握したらきちんと事実確認をして、被害者への支援と加害者への指導を組織的に行わなければいけないのに、ほぼ行われていなかったと考えられる。被害を過小評価していたことがうかがわれるが、今回のケースでは小学校から中学校までいじめが続き、苦痛がずっと蓄積されていた。その過程で学校が効果的な対策をまったくしなかったことは大きな問題だ」としています。 その上で、「解決を期待して被害を訴えた子どもにとって、期待が裏切られたときの絶望感は非常に大きく、こうした“二次被害”がいじめ被害を深刻化させる。軽微ないじめに見えても複数の教職員の目で多角的に被害を受け止め、対応する必要がある」と指摘します。 また、いじめをした側への聞き取りなど調査のあり方については「事実認定のためにはいじめをしたとされる子どもからもしっかり話を聞く必要があるが、強制しても本当のことを話してもらえる保証はない。子どもたちが自発的に話したくなるよう、学校がいじめを把握した最初の段階から関係を築き、率直に話を聞ける状況を作っておくことが重要だ」としています。 そして、「いじめを訴えた子どもが頼っていた学校に裏切られ、亡くなったという非常に重い問題であり、人ごとと考えず、それぞれの学校が当事者意識を持って今日からでも改善に取り組んでほしい」と話していました。
  • 北海道新聞 2023年12月21日 新聞・雑誌
    ■学校もっと真剣に 千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)の話 いじめの事実があると思われる際、学校が事実確認を行い、児童生徒に必要な支援を講じることは基本的な対処方法だ。学校として当たり前の対応ができなかったため、いじめに苦しむ生徒の訴えをほごにし、自殺が起きてしまったとみられる。いじめが起きた際、当然の対処が行われない例は少なくない。子どもの苦しみを教員らがキャッチし、組織内で情報共有して解決を図るといった態勢をとれるよう、各学校はいじめ問題にもっと真剣に取り組む必要がある。
  • 読売新聞 2023年12月19日 新聞・雑誌
    藤川大祐・千葉大教育学部長が司会を務め、現職の教諭や元教諭らの質問に3人が答えた。 藤川理事長は、小中学校での生成AIの活用法について調査した結果、小学校では物語のたたき台、中学校以上では生徒の個別支援で使われることが、それぞれ多かったと紹介した。
  • 熊本日日新聞 2023年11月23日 新聞・雑誌
    運動部内でいじめが起きた熊本市の私立高の対応について、千葉大教育学部の藤川大祐教授(教育方法学)に聞いた。(後藤幸樹) -いじめを受けた生徒の欠席日数は40日程度に上っていますが、学校は重大事態と認定していません。 「いじめ防止対策推進法で要件とする『相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている』ことは明らかだ。国の指針が目安として定義する30日に達した時点で学校は重大事態と認識し、保護者と連絡を取り合って対応を検討すべきだった。法令に従っていないと言わざるを得ず、あり得ない対応だ」 -学校は顧問弁護士の助言に従い、重大事態に認定しないまま第三者委員会での調査を準備しています。 「学校が自分たちの都合の良いように解釈して判断したとすれば大きな誤り。法律にのっとっていない第三者委員会で、被害生徒や保護者が納得する調査ができるのか、不透明だ」 「被害生徒や保護者が求めるのであれば、重大事態に認定すべきだ。いじめで苦しみ、学校の対応にも不信感を募らせる『二重の苦しみ』を与えることは決して許されない」
  • 静岡新聞 2023年11月17日 新聞・雑誌
    子どもに関するSNS投稿の際、親が踏まえるべきことは。メディアリテラシーなど新しい分野の授業作りに取り組む千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)に聞いた。 -どんなリスクを認識しておくべきか。 「生成AIの発達もあり写真が加工されて悪用されるリスクは高まっている。悪くすれば性的な交流サイトや児童ポルノなどに転用されかねない。極めて低いとはいえ、複数の個人情報が集まれば、誘拐といった犯罪に巻き込まれる可能性もある」 ―投稿時の注意は。 「個人情報は単体では意味をなさないが、組み合わさることで一気に悪用のリスクは高まる。名前と顔、学校、自宅、自宅の外観や間取り、生活スタイル。そうした情報を一致させてしまうような投稿は意識して避けるべきだ」 ―SNSにはさまざまな種類がある。 「それぞれ特性があり、X(旧ツイッター)やインスタグラムなど、複数アカウントを作ることが可能なサービスは、悪意ある第三者が入り込みやすく、より警戒が必要だ。どういう目的で子どもの情報を発信するのかを明確にし、それに応じて公開範囲や内容を精査するのも大事になる」 -親の基本姿勢は。 「子どもの権利は子どものものという原則を忘れないこと。子どもが幼いうちはある程度親が代行して行使できるが、自分のものだと勘違いすれば、親子関係に亀裂が生じかねない。大事なのは親の想像力。子どもが大きくなってからやめてほしかったと言う可能性も含め、将来にまで責任を持つ意識が必要だ」 ―中傷などのトラブルはどうすれば避けられるか。 「匿名なら受け流されるようなことも、顔出し実名では嫉妬を買ったり、トラブルを招いたりしやすい。また、社会にはかつてない分断があり、子育ての苦労に関する投稿でも、欲しくても子どもができない人や望んでも結婚できない人にとってどうか、と考える冷静さが必要だ」
  • 西日本新聞 2023年11月16日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「いじめの被害児童やその家族は強いストレスを受けた状況にある。首長個人が不必要に介入することは避けるべきだし、加害者側との私的関係を脈絡なく伝えるのはおかしい」と指摘する。
  • 毎日新聞 2023年11月11日 新聞・雑誌
    いじめ問題に詳しい千葉大の藤川大祐(だいすけ)教授(教育方法学)は「重大事態の調査では、被害者側の『何があったか』という切実な思いを理解し、調査事項などを説明した上で被害者側にアンケートや聞き取りをする必要がある」と指摘。「公平性、中立性確保の点から委員名を被害者側に伝えるのは当然で、事態解決や再発防止のために指針に沿った適切な調査が必要だ」と話した。
  • 西日本新聞 2023年11月10日 新聞・雑誌
    いじめ調査に詳しい千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)の話 いじめが被害児童に与えた影響の考察は、再発防止策を考える上で重要だ。どのような事項を調査するのか、被害者側の意向を聞くべきだったし、調査に当たった委員が本当に第三者なのかを示すためにも指名を明かす必要がある。
  • 読売新聞 2023年10月5日 新聞・雑誌
    千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「委員の人選では、第三者の採用を徹底すべきだ。再調査が減らなければ、自治体の部署など、教育委員会から独立した組織が最初から調査できる仕組みを作る必要がある」と指摘している。
  • TBS THE TIME, 2023年10月5日 テレビ・ラジオ番組
  • 中日新聞 2023年10月1日 新聞・雑誌
    千葉大学教育学部の藤川大祐教授(教育方法学)は、罰する権限のない人による「私的制裁」の面があると指摘する。「法治国家にあって私的制裁は許されない」としつつ、「公的な制裁が十分ではないと考えている人が多いと、私的制裁は起きやすい。学校や教委のいじめ対応への不信感が背景にあるのでは」と推察する。
  • 産経新聞 2023年9月27日 新聞・雑誌
    千葉大教育学部教授の藤川大祐(教育方法学)は「感情のぶつけ合いには意味がない」と語り、こう続けた。/「主張のどこが一致し、どこが異なるのか。確認しながら合意形成を図らなければいけない。どんな考えをも尊重して伝え合う。民主的な社会をつくるためには、不可欠となるスキルだ」
  • 読売新聞 2023年9月21日 新聞・雑誌
    第三者委員の経験が豊富な千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「学校現場では長く、いじめに対処する際に慣習や教員の経験を法律や制度に優先させてきたため、対応に格差が生じていた」とし、「他自治体の先進的な事例を積極的に取り入れていく姿勢が求められる」と指摘する。
  • 西日本新聞 2023年9月21日 新聞・雑誌
    いじめ調査に詳しい千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)の話 私立学校に対する教育行政は公立に比べて手薄だ。それでも、生徒の自死を把握しておきながら、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」への対応が遅れたという事例は聞いたことがない。丁寧に学校側に確認していれば、いじめ被害を訴える遺書の存在を福岡県も当初から知ることができた可能性がある。県の意識は低かったと言わざるをえない。
  • 西日本新聞 2023年9月14日 新聞・雑誌
    複数の重大事態で第三者委員を務めた千葉大の藤川大祐教授(教育方法学)は「遺書が残されており、遺族から調査の申し立てもある今回のケースは誰がどう見ても重大事態だ。女子生徒もいじめが全くなかったのならば遺書には書かないだろう。学校の対応は十分ではないし、いじめ防止対策推進法に反している」と指摘する。
  • 朝日新聞 2023年8月31日 新聞・雑誌
    昨年度まで千葉大教育学部付属中の校長も務めた、同大教授の藤川大祐さんは「終わらない子はまず先生に相談を」と話します。そして先生に対しては「子どもたちの声を聞き入れてほしい」と言います。
  • NHK 愛媛 NEWS WEB 2023年8月30日 テレビ・ラジオ番組
    いじめ問題に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授は、「法律に照らして明らかに重大事態に該当する事実で、なぜ認定しなかったのか理解に苦しむ。先月、別のケースでもいじめ対応の問題が発覚したが教育委員会や学校の組織風土として問題があるのではないか。当時の対応に誤りがあったと被害者に謝罪したうえで、今からでも調査すべきだ」と話しています。

その他

 3