堀内 靖雄, 藤井 敦, 田中 穂積, Yasuo Horiuchi, Atsushi Fujii, Hozumi Tanaka, 東京工業大学理工学研究科情報工学専攻, 現, 千葉大学工学部情報工学科, 東京工業大学情報理工学研究科計算工学専攻, 東京工業大学情報理工学研究科計算工学専攻, Department of Computer, Science Tokyo, Institute of Technology, Present address) Department of Information, Computer Sciences Chiba University, Department of Computer, Science Tokyo, Institute of Technology, Department of Computer, Science Tokyo, Institute of Technology
コンピュータソフトウェア = Computer software 12(5) 465-473 1995年9月18日
本論文では「複数の人間と協調する演奏システム」について述べる.計算機が複数の人間と協調して自然なアンサンブル演奏を行なうためには,すべての演奏者の演奏を考慮してシステム自身のテンポを制御する必要がある.しかしメンバー全員の演奏をすべて等しく考慮するよりは,システムはアンサンブルで重要な演奏者ほど,良く合わせる方が良い.そこで本論文ではまず,アンサンブルにおける各演奏者の重要さを表わす尺度として「独立度」の考えを提案し,その意味付けと設定方法について述べる.次に独立度に応じてシステムの演奏を制御する手法として「アンサンブル時間」の考えを提案する.実際の演奏において,システムはアンサンブルをリードしている演奏者(独立度の高い演奏者)ほど良くテンポを合わせ,またシステムがアンサンブルの中心となるような(システムの独立度が高い)状況では自主的で表情豊かな演奏を行なうことができる.実験的なシステムにより,独立度の変化に応じて人間の演奏者に対する追従法の変化が確認された.