鈴木 みずえ, 金盛 琢也, 内藤 智義, 稲垣 圭吾, 吉村 浩美, 御室 総一郎, 酒井 郁子, 澤木 圭介, 松下 君代, 佐々木 菜名代, 石原 哲郎, 大庭 富美子, 石垣 香ほり, 河島 智子, 八木 純, 寺田 千尋, 池田 千枝子, 達家 好美, 杉村 ますみ, 山梨 美鈴, 内田 聡美, 下山 美穂, 宮城島 知弘, 鈴木 美佳
日本老年医学会雑誌 61(2) 204-217 2024年4月25日
目的:本研究の目的は急性期病院の看護師を対象に多施設ランダム化比較試験によるパーソン・センタード・ケアのプログラム(介入群)と認知症の種類別プログラム(コントロール群)のそれぞれの有効性を明らかにすることである.方法:A県内の7病院をランダムに介入群,コントロール群の2群に割り付け,2021年7月から2022年1月にe-learningにて,研究を行った.結果:本研究の対象者はコントロール群58名,介入群100名の合計158名であった.介入群,コントロール群ともに受講直後,3ヵ月後,6ヵ月後の評価値の比較では,「認知症看護に関する専門知識」「認知症に関する医学的専門知識」「認知症高齢者の看護の自信」がすべてに有意に高かった.介入群の「認知症に関する知識」,倫理的感受性尺度の「尊厳の意識」においては,ベースラインと比較した受講直後,3ヵ月後,6ヵ月後に有意な改善が認められ,さらに変化量においてコントロール群と比較しても有意に大きかった.コントロール群の「認知機能と本人に合わせた独自性のあるケア」においては,ベースラインと比較した受講直後,3ヵ月後,6ヵ月後の評価値は有意に改善し,さらに介入群と比較して変化量においても有意に大きかった.結論:看護師に対するパーソン・センタード・ケアのプログラムでは,認知症に関する知識や倫理的感受性の尊厳の意識の改善が示唆された.また,認知症の種類別プログラムでは,医学的な知識や認知機能と本人に合わせた独自性のあるケアに対して有意な効果が示唆された.今後,看護実践におけるケアの質としての身体拘束率のアウトカム評価が必要である.(著者抄録)