永澤 一也, 河井 寛記, 高橋 応明, 齊藤 一幸, 伊藤 公一, 植田 琢也, 斉藤 正好, 伊東 久夫, 長田 久夫, 小柳 芳雄, 小川 晃一
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム 104(398) 7-12 2004年10月28日
電磁環境の多様化に伴い,様々な状況を考慮した生体内のSAR評価が不可欠となっている.本稿では,150MHz帯業務用無線端末アンテナが妊娠女性の腹部近傍で使用された場合の胎児への電磁波曝露量評価を目的として,MRI画像の計測データに基づく簡易妊婦モデル(胴体,羊水腔,胎児の3種類のファントムで構成)を用いたサーモグラフィ法によるSAR測定の結果を報告する.その結果,羊水腔層のSARが高くなり,その分布の概形が数値計算と一致していることがわかった.このことから,放射率の異なる複数の媒質で構成されたファントムでも,媒質の温度差を補正することで,同時に測定が可能であることを確認した.