藤川 貴彬, 中谷 慎太郎, 吉田 憲司, 渡辺 好章
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 107(75) 33-38 2007年5月23日
剛体面及び柔軟体面に気泡を付着させ,超音波照射時における気泡崩壊挙動の光学的観測ならびに,崩壊挙動に伴う壁面加圧信号の観測を同時に行う.気泡付着面には,PVDF膜を取り付けた圧電トランスデューサ(剛体面)及び,圧電膜上に形成した寒天膜(柔軟体面)を使用し,硬さの異なる両壁面において,崩壊現象を比較検討した.その結果,光学的観測において,付着気泡の崩壊挙動に大きな違いが見られた.一方,壁面加圧波形の観測においては,低周波成分に周期的なインパルス状の高周波成分が重畳された信号が両壁面から観測された.また,インパルス状の信号は,光学的観測において崩壊挙動に違いが観測されたにも関わらず,両壁面に共通して,気泡が収縮から膨張に転じる際に確認された.この結果は,気泡崩壊挙動に伴う衝撃波が壁面に圧力を加える主な要因であることを示唆している.