寺田 修久, 小林 皇一, 米倉 修二, 山崎 一樹, 鈴木 猛司, 茶薗 英明, 岡本 美孝, 今野 昭義
ENTONI (58) 13-20 2006年1月
口内乾燥症(xerostomia)の原因は, 1)腺因性, 2)薬剤性, 3)全身的要因, 4)神経性に大別される.実際の臨床の場においては,口内乾燥を訴える患者を診察する場合には,まずシェーグレン症候群を疑い,次に薬剤性を疑う.これらが否定的ならば,加齢による影響,心因性全身的要因などを念頭に置き鑑別診断をすすめる.舌痛は大きく,局所病変(炎症,悪性腫瘍など),全身疾患の舌病変,非器質的疾患(神経痛,舌痛症)に大別できる.このうち,局所病変は外見に異常があり,非器質的疾患は異常がないことが多い.全身疾患の舌病変は,初期では局所に明らかな病変がみられないこともある.悪性腫瘍を見逃さないように細心の注意をする.ポイントは,視診だけでなくかならず触診をして硬結を触れるか,頸部リンパ節腫脹がないかどうかを確認することである(著者抄録)