研究者業績

宮寺 千恵

Chie Miyadera

基本情報

所属
千葉大学 教育学部 特別支援 准教授
学位
博士(心身障害学)(筑波大学)

researchmap会員ID
B000301293

研究キーワード

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論文

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MISC

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  • 細川かおり, 横山健司, 石田祥代, 平田正吾, 真鍋健, 宮寺千恵, 北島善夫
    千葉大学教育学部研究紀要 68 133-141 2020年3月  
    [要約]本稿では,知的障害特別支援学校における実践教育の展開と今日的な課題を明らかにすることを目的として,千葉大学教育学部附属特別支援学校の事例に基づいて,その意義と役割を論じた。千葉大学教育学部附属特別支援学校における歴史と概要をまとめ,「合わせた指導」を教育課程の中心に据えた実践の変遷を述べた。小・中・高等部の実践研究を俯瞰し,特色ある教育課程の提案,発達段階を考慮した授業づくり,地域の特別支援教育のセンター的機能の充実など各学部の課題が挙げられ,今後の取り組みの方向性が示唆された。また,千葉大学教育学部との連携研究を数多く行っており,実践・実態の分析,事例検討,教材や実施方法の開発など,様々な視点から共同での研究がなされている。附属特別支援学校は保護者のみならず,地域,大学からのニーズにもこたえる学校であることが求められており,三者のニーズをバランスよく追及することが必要である。
  • 石田祥代, 北島善夫, 宮寺千恵, 真鍋健
    千葉大学教育学部研究紀要 67 97-103 2019年3月  
    [要約] 本稿では,通常学校,特別支援学校そして教員養成系大学という特別支援教育に関わるそれぞれの学校現場で抱える今日的な課題について論じた。通常学級においては,学級全体への支援の在り方に関する効果のさらなる立証が、通級指導教室においては,特別支援学級との機能の明確化,通級指導の対象となる児童の基礎集団となる通常学級の学級経営や集団作りが課題として取り上げられた。また,これら通常学校での課題としては,高等学校まで巻き込んだ情報の共有や連携の必要性が示された。特別支援学校を柱とした移行支援の在り方について,特別支援学校が受け手または送り手となる引継ぎや移行支援の研究は非常に少ないこと,就労移行を除く移行支援の議論は行われていないことが明らかになった。教員養成系大学での授業に関する課題として、精神障害の病理,支援の制度や在り方について学ぶ機会が十分ではないことが指摘できた。
  • 北島善夫, 細川かおり, 真鍋健, 石田祥代, 宮寺千恵
    千葉大学教育学部研究紀要 66(2) 121-126 2018年3月  
  • 宮寺千恵, 石田祥代, 細川かおり, 北島善夫, 真鍋健
    千葉大学教育学部研究紀要 66(2) 113-120 2018年3月  
    type:text [要約] 本邦では現在,(1)特別な支援を必要とする子どもへの就学前から学齢期,社会参加までの切れ目ない支援体制整備,(2)特別支援教育専門家等配置,(3)特別支援教育体制整備の推進の3つの柱からなるインクルーシブ教育システム推進事業が展開されている。そのようななか,発達障害の児童及び生徒に対する支援体制の構築を目指し,重点的に支援が拡大されている。本稿では,発達障害の児童及び生徒に焦点を当てて,インクルーシブ教育の視点から,通常学級,通級指導教室,特別支援学級における教育課程と指導方法の取り組みと課題について整理を試みた。それぞれの場に応じた教員の専門性,高等学校を含めた連続的な学びの場としての支援体制の在り方,学校内で教員をサポートする校内委員会の役割,交流および共同学習の進め方等が課題として挙げられた。
  • 石田祥代, 岡田加奈子, 砂上史子, 宮寺千恵
    千葉大学教育学部研究紀要 66(1) 73-86 2017年12月  
    [要約] 養護学校から特別支援学校制度への移行や社会福祉分野の法律制定などにより「養護」という言葉を取り巻く環境は変化してきている。そこで,養護教諭教育,特別支援教育,保育・幼児教育,社会福祉の四領域における「養護」の使われ方と意味の共通性並びに多様性を明らかにすることを目的とした。その結果,領域間において,強調される点やその具体的実践が異なるという点で,「養護」という言葉の多様性がみられた。養護教諭教育領域では「健康」という切り口で支援を行うという点で独自性が,特別支援教育領域では特別な支援が必要な子どもに対して用いられていたものの特別支援教育制度への移行も相俟って「養護」という言葉が暫定的に用いられなくなってきている動向にあった。一方,保育・幼児教育では「一人一人の子ども」に即して個々の子どものニーズに応じることが強調されている。この背景には,保育所や集団生活を前提とした上で子ども一人一人に応じることの重要性をより強調し,社会福祉分野では「安定した生活環境」を整えることが重要視されていた。他方で,「養護」の共通性として,「幼少・未成年,高齢などの年齢的な理由による未熟さ,病弱や障害による心身の状況,家庭環境のような理由によって,日常生活を安定的に営むことが困難である人々を対象とし,生命の保持および情緒の安定を目指して生活を送ることができるように,それらの人々のニーズに合わせて行う意図的な支援」が示唆された。
  • 岡田加奈子, 磯邉聡, 小橋暁子, 砂上史子, 北島善夫, 中澤潤, 宮寺千恵, ホーン・ベヴァリー, 小林英恵, 互光子
    千葉大学教育学部研究紀要 63 311-316 2015年3月  
    ヘルス・プロモーティング・スクール(Health Promoting School;以下HPS)は,教職員,児童生徒,保護者,地域,専門家も含め,より主体的に連携して健康的な学校づくりに取り組む活動である。本研究においては,「HPS評価票〈2013年度〉」を用い,校園内の複数の立場の教職員が評価票を記入した後に,検討会を実施することで,「①分掌や立場による評価や認識の差異,②参加者の学校における健康問題に対しての気づき,もしくは,健康問題に対する認識の変化,③学校園における課題をふまえた,来年度の学校保健課題」を明らかにすることを主な目的とした。対象は幼稚園,小学校,中学校,特別支援学校各1校のHPS関連職員で,事前に調査票を記入し,それを一覧にした結果を基に検討会を各学校園ごとに行った。また,検討会後には,質問紙調査を実施した。実施時期は,平成25年12月~平成26年3月であった。その結果,①立場による評価や着眼点に差異が存在すること,②評価票を用いてチェックするだけではなく,合わせて検討会を行うことで,教職員間での振り返りや情報共有ができ,認識が深まることが明らかになった。A Health Promoting School(below: HPS)is a school in which teachers and students, parents, the local community,as well as professional experts actively cooperate to carry out activities to make a healthy school environment.In this research, we used"HPS evaluation sheets 2013"in some schools and a kindergarten. Teaching staff invarious positions filled in an evaluation sheet. Subsequently, an evaluation meeting was held to ①ascertainwhether there were differences in perception and evaluation related to the differences in the teachers'duties andposition. ②clarify whether the participants were aware of health problems occurring in their schools and whetherany changes had occurred in their awareness. ③share information about the common problems that occurred inthe schools and the kindergarten and clarify the school health objectives for the next school year. The targetschools were one school of each type: kindergarten, primary school, junior high school, and special educationschool. In each of the schools, the HPS staff were given an evaluation sheet to fill in and the results were tabulated.Based on these results, a review meeting was held in each of the participating schools. In addition, after themeeting, a questionnaire was administered between December 2013 and March 2014.The results were as follows: ①there were different viewpoints depending on each teacher's position. ②it wasrevealed that by not only checking an evaluation sheet, but also carrying out a review meeting, the teachers wereable to review the situation, share information and deepen their awareness of the issues.
  • 宮寺千恵, 吉澤智慧
    千葉大学教育学部研究紀要 63 43-49 2015年3月  
    発達障害の診断を受けた子やその可能性が高い子において,就学前の時期は早期支援のために重要である。本研究の目的は3歳から5歳の幼稚園児の行動特徴について,発達障害の診断の有無による違いを検討し,発達的な変化に伴う行動と発達障害による行動特徴を明らかにすることであった。石川ら(2007)が作成したスクリーニング質問票を用いて,幼稚園の集団生活場面をよく知る担任教諭が園児(3歳児301名,4歳児271名,5歳児310名)の行動を評価した。診断の有無による検討の結果,診断のある幼児は3歳から5歳まで他児や担任とのコミュニケーション面での困難さ,動作のぎこちなさが顕著であることが示された。また,診断のある5歳児群では自閉症スペクトラム,学習障害およびADHDに関連する項目,言語発達に関する項目で気になる行動が有意に多いことから,小学校に就学する前からの継続した支援の必要性が改めて示唆された。Supporting children in pre-school who have been diagnosed with or are suspected of having developmental disabilitiesis important. The purpose of this study was to investigate the differences with regards to the characteristicsof children who have been diagnosed with developmental disabilities between the ages of 3 and 5. We performeda screening questionnaire among kindergarten teachers who were familiar with the everyday behavior ofchildren. Teachers from five kindergartens answered the questionnaire(301 three-year-old children, 271 four-yearoldchildren, and 310 five-year-old children). The results showed that children who have been diagnosed with developmentaldisabilities have communication difficulties and an awkward behavior. Five-year-old children with thediagnosis showed significantly more behaviors, which relate to autism spectrum disabilities, learning disabilities, attention-deficit hyperactivity disorder, and language development. This study suggests the need to offer childrenan on-going support beyond pre-school.
  • 宮寺千恵
    千葉大学教育学部研究紀要 60 379-383 2012年3月  
    本研究では,高等学校での行動面や対人面,学習面で困難を示す生徒を「気になる行動を示す生徒」とし,教員は生徒の具体的にどのような行動を気になる行動と捉えるのか調査を行った。因子分析の結果,気になる行動は学習面での困難さ,衝動性や不注意,対人関係の築きにくさ,抑うつ傾向,感情コントロールの困難という5つの行動に分類された。そのうち,教員がとりわけ気になる行動として,学習面の困難と対人関係の築きにくさが挙げられた。診断の有無による比較をしたところ,診断なし群は診断あり群に比べて得点が高い傾向にあった。この結果から,診断なし群の中には保護者をはじめとする周囲の理解が得られずに,気になる行動が見過ごされてきて,有効な支援を受けてこなかった生徒もいることが示唆された。診断の有無に関わらず,保護者や教員をはじめとする周囲の理解を得ながら,支援を進めていくことが必要である。In high-schools there are some students who require special attention by teachers because they are not good atgetting along with other people or they have difficulty in learning. We investigated the behavioral characteristicsof such students by sending a questionnaire to high-school teachers. The factorial analysis showed that their behaviorscan be classified into five types:(i)failure in achievement tests,(ii)impulsivity and inattention,(iii)difficultyin associating with others,(iv)depression, and(v)difficulty with the emotional control. In addition, thescore was higher for the group without diagnosis than the group with diagnosis. This result implies that studentswithout diagnosis have not been paid sufficient attention thus far and they have not been provided proper supports.
  • C Miyadera, T Miyadera
    千葉大学教育学部研究紀要 59 247-252 2011年3月  
    In this study, we considered how the processingspeed of go-processes changes depending on variousconditions. To conduct our analysis, we employed the horse-race model and proposed new conditions to discriminate between fast and slow go-processes. We showed that the speed of go-processes decreases in the Non-Repetition condition for go-go trials and in the Repetition condition for stop-go trials. The speeds of go-processes in consecutive trials are correlated in each case. This observation implies that the slowdown is due to interference. In the Repetition condition for stop-go trials, we confirmed that the magnitude of slowdown is larger after an unsuccessful inhibition than after a successful inhibition. We hope that our results will be useful in further investigation of the aftereffects in the stop-signal task.

共同研究・競争的資金等の研究課題

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