渡慶次 壮一郎, 板橋 孝, 萬納寺 誓人, 喜多 恒次, 板寺 英一, 川口 佳邦, 岡本 聖司, 府川 泰輔, 星 裕子, 三浦 道明, 平沢 累, 齋藤 正仁
整形外科 70(8) 861-864 2019年7月
56歳女性。右大腿外側部痛を主訴に保存的治療を受けるも改善せず、精査加療目的で今回、当科へ紹介となった。MRI、CT所見より、嚢腫全体の石灰化を呈した腰椎椎間関節嚢腫と診断され、骨形成的右L5片側椎弓切除による嚢腫の摘出を試みた。しかし、嚢腫壁は脆く一塊としての摘出が困難であったため、嚢腫内にネラトンカテーテルを挿入し、石灰化した内容物の流出が止まるまで繰り返し洗浄した。その結果、病理組織学的に椎間関節嚢腫であり、術後は下肢のしびれが軽快した。術後3ヵ月時点でのCTでは再発所見はみられず、石灰化組織はほぼ吸収されていた。