横山 陽, 細谷 健夫, 荒野 泰, 堀内 和子
RADIOISOTOPES 35, 249-255(5) 249-255 1986年
ジェネレータから得られる62Cuポジトロン金属核種の核医学への利用を考え, その基礎研究としてジチオセミカルパゾン (DTS) 誘導体のCuキレートのin vitro, in vivoにおける性質を非放射性Cuおよび64Cuを用いて調べた。Invitro分析の結果, Cu2+はDTSキレート形成基と非常に速い反応速度で, コンパクト, 安定な中性単核キレートを形成することを認めた。また, マウス体内分布の検討の結果, 64Cu-KTSでは中性キレートの性質が, また64Cu-p-TPA-DTSではさらにbifunctional radiopharmaceuticalの性質が強く反映された。これらの結果は, 将来62Cu-DTSキレートの放射性医薬品への利用の可能性を強く示唆するものである。