宮崎瑞明, 村木憲子, 河野典博, 亀井克彦, 国友史雄, 栗山喬之, 菅野治重, 山岸文雄, 菊池典雄
he Japanese Journal of Antibiotics 43(2) 326-336 1990年 査読有り
急性気管支炎32例, 慢性呼吸器疾患の感染増悪51例及び肺炎16例の呼吸器感染症99例に対するCefteram pivoxil (CFTM-PI) の有用性を検討した。
1. 臨床効果は著明改善27例, 改善51例, やや改善9例, 不変10例, 悪化2例で, 改善率は78.8%であった。
2. 総合効果は著効12例, 有効9例, やや有効5例, 無効症例はなく, 有効率は80.8%であった。
3. 起炎菌別細菌学的効果は26株中21株消失し (消失率80.8%), 優れた抗菌力を示した。特にHaemophilus influenzae 10 株に対するCefteramのMICはβ-Lactamase産生性に関係なく, 接種菌量108, 106cells/ml共に, MICは0.05μg/ml以下であった。
4. 副作用は99例中4例に軽度の胃腸障害などがみられた。又, 臨床検査値異常では, GOT・GPTの軽度上昇が2例にみられたが, 2例とも投与前から異常値を示しており, 継続投与可能であり, 又, 投与終了後に改善した。
以上の結果から, CFTM-PIは急性呼吸器感染症, 及び慢性呼吸器疾患の感染増悪に対して有用な薬剤と思われた。