三島孔明, 藤井英二郎
造園雑誌 55(5) 277-282 1992年 査読有り筆頭著者
色彩に対する脳波の時間経過に伴う変化について分析した。視覚対象として色布を用い,黄,緑,白,青,黒,赤,紫,灰の順に被験者に提示した。分析には,それぞれの対象物を提示した直後から5秒後,5〜10秒後,10〜15秒後の各時間帯におけるα波,β波,θ波の出現量の8色に対する相対値を用いた。その結果,α波,β波,∂波の相対値の分布範囲とその経時的変化に各色の特徴がみられ,男女間にもその違いがみられた。特に,女性では,黄においてα波,β波,θ波すべてが高い値を示したのに対し,黒,青,紫ではそれらのすべてが低い値を示す傾向がみられ,対照的であった。また,女性ではβ波の値が明度と対応する傾向がみられた。