研究者業績

岩田 美保

イワタ ミホ  (Miho Iwata)

基本情報

所属
千葉大学 教育学部 教授
学位
博士(心理学)(日本女子大学)

J-GLOBAL ID
200901043086639695
researchmap会員ID
1000254686

論文

 59
  • 岩田美保
    家族心理学研究 37(2) 155-169 2024年3月  査読有り
  • 広瀬由紀, 岩田美保
    共立女子大学家政学部紀要 70 115-123 2024年2月  
  • 翁川千里, 岩田美保
    関係性の教育学 22(1) 125-134 2023年5月  査読有り
  • 秋國郁, 岩田美保
    関係性の教育学 22(1) 113-124 2023年5月  査読有り
  • 中道圭人, 砂上史子, 高橋実里, 岩田美保
    保育学研究 60(1) 45-56 2022年8月  査読有り
  • 山田 千愛, 砂上 史子, 岩田 美保, 髙橋 実里, 中道 圭人
    千葉大学教育学部研究紀要 70 143-148 2022年3月  
  • Keito Nakamichi, Minori Takahashi, Fumiko Sunagami, Miho Iwata
    Early Childhood Research Quarterly 59 162-171 2022年  査読有り
  • 翁川千里, 岩田美保, 杉森伸吉
    関係性の教育学 20(1) 119-138 2021年  査読有り
  • 翁川千里, 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 68 111-115 2020年3月  
    [要約]従来の「一つの対象に対して二つの異なる感情価の感情が存在すること」(Smith, Glass, & Fireman, 2015)を指す "複雑な感情(mixed emotions)" 研究において,その理解ができるのは児童期中期以降であるという研究が主流であった。しかし,複雑な感情が発生すると想定される場面を用いた研究では,12歳でも複雑な感情の回答者数が半数に満たないという報告もある(久保,1999)。こうした回答者数の少なさは示された場面の内容が影響を与えた可能性がある。そのため本研究ではより適切な場面の精査をするべく,大学生を対象とした回顧法により,小学生時代までの過去に遡り年齢段階ごとに複雑な感情が引き起こされた経験について尋ねた。その結果,すべての年齢段階において,「仲間関係」,「恋愛」場面の回答がみられ,さらに年齢ごとに異なる場面が挙げられることも明らかになった。このような実体験に沿った場面を提示することで,より正確に児童の感情理解を捉えられる可能性がある。
  • 岩田美保
    乳幼児教育学研究 28 1-10 2019年12月  査読有り
  • 広瀬由紀, 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 67 167-172 2019年  
  • 岩田美保, 大芦治, 樽木靖夫, 小山義徳
    千葉大学教育学部研究紀要 66 59-63 2017年12月  
  • 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 65 73-78 2017年3月  
  • 縣拓充, 伊藤葉子, 岩田美保, 神野真吾
    美術科教育学会誌「美術教育学」 37 1-11 2016年3月  査読有り
    本研究では,近年注目を集めている「持続可能な開発のための教育(ESD)」の中にアートや体験型の活動を位置づけ,それらの実践を評価するための「想像力」や「感性」を捉える指標の検討を行った。はじめに芸術教育の専門家へのインタビュー回答等を整理し,4つのカテゴリから構成される「持続可能な社会のための想像・表現コンピテンシー」(CCS)を抽出した。さらに,大学生及び高校生に対して質問紙調査を実施し,尺度の妥当性の検証を行った。本研究が一つの契機となって,教育目標として設定されながらほとんど客観的に評価・議論されることのなかった想像力や感性等に関わる指標の検討が進み,それらの育成のための実践的・理論的知見が精緻化されることが期待される。
  • 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 63 1-6 2015年3月  
    本研究は,幼稚園での仲間遊びにおける自他の感情言及を含むやりとりの1年間のデータに基づき,3,4,5歳児クラス児の感情語にどのようなものがみられ,語彙の種類や言及量が年齢段階によってどのように異なるのかについて焦点を当て検討を行った。結果として,感情語の種類の全体数としては,3,4,5歳児クラス間で大きな違いはみられなかったが,4,5歳児クラスでは,ネガ感情に関わる語彙の幅が広がる傾向が窺われた。また,各年齢クラスでのポジ感情・ネガ感情・ニュートラル感情に関わる感情語への言及数を比較したところ,4歳児クラスではネガ感情が有意に多く語られ,ニュートラル感情への言及が有意に少ないこと,一方,5歳児クラスでは,ニュートラル感情への言及が有意に多い傾向が窺われた。これらの結果から,4歳児クラス頃を境に,仲間遊びにおいて特にネガ感情言及を含むやりとりの内容がより深まり,多様になっていく可能性が窺えた。本報告の分析にあたり,平成26年度科学研究費基盤研究C(研究代表者:岩田美保)の助成を受けた。
  • 岩田美保, 古重奈央, 鶴島規晃
    千葉大学教育学部研究紀要 62 129-132 2014年3月  
    本研究では,小学5年及び2年学級での特別活動での話し合いにおいて,やりとりが円滑に進まず,かつ,話し合いに対する自己評価と他者評価のずれが大きかったペア及びグループのやりとり(2事例)を葛藤状況が生じたやりとりと捉え,ネガティブ感情を含む意見表明のあり方に着目し,事例的検討を行った。結果として,2年生の事例では話し合いの継続には至らなかったものの,相互間のやりとりを調整するような発言が見受けられた。また,話し合いの内容に関し,両学年とも,一方の児童の一貫した主張に対し周りや第三者を配慮するような発言がみられ,2年生では率直な個人的意見としての発言に留まるものと考えられたが,5年生では,そうした発言を用いて,ネガティブな感情を含む意見表明をより明示的に行っていることが窺えた。特に5年生の結果については,筆者ら(岩田ら,2013)の6年生の検討結果と類似していることが窺われる結果であり,ネガティブ感情を含む意見表明のあり方についての低・高学年期の発達的特徴が示唆されるものとして,重要な点と考えられた。今後は話し合いのスタイルの違いも考慮に入れより詳細な検討を行う必要があるといえる。
  • 大芦治, 岩田美保, 鎌原雅彦, 蘭千壽
    千葉大学教育学部研究紀要 61 59-64 2013年3月  
    動機づけは教育心理学の主要なテーマの一つとされ,教職課程における教育心理学等の講義科目でも取り上げられている。本研究では,大学等で用いられている教育心理学等のテキストを収集し,それらにおいて動機づけに関連するテーマがどのように取り上げられているかを検討した。分析対象とされた54冊のうち動機づけに関する内容を扱っていた47冊を検討したところ,内発的動機づけ,学習性無力感など比較的共通した概念が取り上げられていた。また,それらの記述を実践的な利用という観点から,そのテキストが基礎理論の記述にのみ終始しているもの(30冊),実践的な利用につながる記述,動機づけを高めるための具体的な方略等の記述があるもの(15冊),基礎理論を実践場面に沿って理解するための具体例,事例などの記述があるもの(2冊)の3つのカテゴリーに分類し,その結果をもとに今後のテキストのあり方について考察を加えた。
  • 岩田美保, 古重奈央, 鶴島規晃
    千葉大学教育学部研究紀要 61 163-166 2013年3月  
    本研究はさまざまな感情を含む葛藤状況として,小学校高学年(6年)学級での特別活動の時間における葛藤を含むテーマ(女児グループの遊び)についての自主的な話し合い場面に着目し,効果的な解決に向けて,児童がネガティブ感情を含む意見をどのように表明するかについて焦点をあて検討を行った。結果として,話し合いの中で児童たちは,ネガティブな感情を含む意見を,「相手への受容」,「婉曲な表現」,「個人的な思い」,「周りへの配慮」,「具体的な提案」といった方略を用いて述べることがみられ,高学年児童たちが葛藤状況に対し,自他のネガティブ感情を含む複雑な感情をふまえた上で,相手側や学級全体に配慮した形で表現し,自主的に効果的な対処につながるような話し合いが可能になってきていることが示唆された。これらは,社会的文脈でのやりとりにおける高学年期の感情理解の発達が窺えるものとして,極めて重要な結果と考えられた。
  • 中山節子, 伊藤葉子, 古重奈央, 鎌野育代, 真田知恵子, 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 61 203-210 2013年3月  
    本稿は,幼・小・中・高校・大学それぞれの「ESDに関する発達段階」の基礎資料を得るために,写真投影法を用いて収集した資料分析とその考察を行うことを目的とするものである。調査対象者は,幼稚園年長組,小学校2年生,小学校5年生,小学校6年生,中学校2年生,高等学校2年生,大学2年生である。それぞれの発達段階の調査対象者に,ESDに関連するキーワードを指定して,そのキーワードに関する写真に撮る写真投影法を実施した。収集した写真を撮影されている内容を撮影した理由と照らし合わせながら,写真の分類と数量化を行った。写真は,10の分類:①自然や生き物②エコ③エネルギー④関係性⑤教育文化⑥経済・開発⑦公正・倫理・平和 ⑧安全 ⑨持続不可能⑩その他に大きく括ることができた。写真投影法の結果分析から,低年齢では自然や自分たちの日常生活の中にも持続可能性を感じているが,年齢が上がるにつれエコのための様々な装置や道具に集約されていく傾向があることが明らかとなった。また,他の発達段階の幼児,児童,生徒の写真を共有している高校2年生の反応から異世代のESDに関する発達段階を知ることは,自分達が忘れていた視点を発見することができるとともに,大人の視点に移行しつつある自分達の成長も確認できる利点が見受けられ,教育的効果があることも推察された。
  • 鎌原雅彦, 大芦治, 蘭千壽, 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 61 233-244 2013年3月  
    本研究は,鎌原ら(2011)に引き続き,学校心理学のなかでも動機づけに関連した概念について取り上げ,それらの概念が教育実践の側にある現職教員のなかでどのような体験事例と関連づけて理解されているかを調査により明らかにしようとした。教員免許更新講習の受講者(現職教員)142名を対象に「教育心理学,学校心理学」の講義に先立ち教育心理学,学校心理学に関する12の用語について理解度・有用度を評定させたあと,達成目標理論を含めて達成動機づけについて講義を行った。講義終了後,達成目標理論の概念をあてはめてみることでよりよく理解できる教育現場での事例を自由記述により収集した。理解度・有用度は鎌原(2011)の結果と概ね同一であり,これらの結果は安定してものであった。自由記述であげられた事例は,児童生徒の目標志向性の違い,およびそれと児童生徒の動機づけのありようの違いに関するものと,教員の側が目標の考え方について,どのような信念を持っているか,あるいはどのような指導を行っているかに大別された。前者は人格変数としての目標,後者は状況要因としての目標と考えられる。さらに発達的な目標志向の変化,2つの目標を統合する可能性についての記述がみられた。達成志向性と動機づけとの関連については,概ね理論的陳述と一致するものであったが,伝統的な2つの目標を階層的に統合する可能性や自己決定理論等他の理論との統合的理解の可能性が事例から示唆された。
  • Yoko ITO, Setsuko NAKAYAMA, Miho IWATA
    International Journal of Home Economics 5(2) 178-190 2013年3月  査読有り
  • 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 60 105-108 2012年3月  
    本研究は,幼稚園の新学期開始後3カ月間の3,4,5歳児クラスの仲間遊びにおける自他の感情への言及が含まれたやりとりをふまえ,そうした言及がどのような仲間遊びの文脈でみられるのか,それが年齢段階によってどのように異なるのかについてその様相を調べた。結果として,仲間遊びにおける自他の感情言及は3歳児クラスでは,「遊び(ふり以外)の共有」,4歳児クラスでは,「遊び(ふり以外)の設定・提案」,5歳児クラスでは「ふりの共有」文脈において自他の感情言及の割合が高かった。また,感情言及がみられた仲間遊びの文脈は,年齢段階が上がるほど多様になり,これまで感情理解との結びつきが指摘されてきた仲間間のふり遊び文脈だけでなく,ふり以外の遊びやそれらの交渉文脈,また,目の前の遊びとは直接関わらない文脈においても,自他感情言及がなされていることが示された。それらの点をふまえ今後の検討課題について考察した。
  • 鎌原雅彦, 蘭千壽, 大芦治, 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 60 301-313 2012年3月  
    本研究では,現職教員を対象に行った金子ら(2010)の調査から得られた学校心理学の動機づけ概念に関連づけて理解されうる教育実践場面での事例をもとに,活動領域,対象児童また理論的観点などから典型的なものをいくつかとりあげ,そのような事例が教育心理学的概念によって適切に理解されるものか,また教育実践現場でよくみられるという意味で,実践的適切性をもつものかについて調査することとした。学習性無力感5事例,内発的動機づけ6事例を用意し,現職教員150名を対象に適切性の評価とともに,事例についての自由記述を求めた。内発的動機づけにおける外的な報酬ないし罰のみによる事例を別とすれば,学習性無力感の事例よりも内発的動づけの事例でより適切であると評価された。学校心理学用語の理解度の高い被調査者や教職経験の長い被調査者では,学習性無力感というひとつの理論だけではなく,発達障害,信頼感,目標,生活体験あるいは自己決定等さまざまな視点から理解する可能性が示され,理論的視点を具体的な事例を通して統合する可能性が示唆された。内発的動機づけの事例における,外的報酬ないし罰のみの事例は,その概念的適切性が低く評価された。こうした事例は基本的にオペラント条件づけの原理で理解されるという視点も提供され,条件づけと学習性無力感理論や自己決定理論の関連を再考する必要性も示唆された。
  • 鎌原雅彦, 大芦治, 金子功一, 岩田美保, 中澤潤, 蘭 千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部研究紀要 59 151-158 2011年3月  
    本研究は,学校心理学のなかでも動機づけに関連した概念について取り上げ,それらの概念が教育実践の側にある現職教員のなかでどのような体験事例と関連づけて理解されているかを調査により明らかにしようとした。教員免許更新講習の受講者(現職教員)166名を対象に「教育心理学,学校心理学」の講義に先立ち教育心理学,学校心理学に関する12の用語について理解度・有用度を評定させたあと内発的動機づけと学習性無力感を中心に講義を行い,講義終了後,これらの概念をあてはめてみることでよりよく理解できる教育現場での事例を自由記述により収集した。理解度・有用度は鎌原ら(2008)のものよりわずかに低い傾向があったが概念の相対的な順位は概ね同一であった。自由記述のテキスト分析から,学習への無力感は,学習,より具体的な授業や試験の成果に対する自己及び他者の評価とそれにもとづく自己についての考えによって形成されること,また教師の指導的な関わりは,授業,評価の他,自己概念にも影響している可能性が示唆された。学習性無力感の考え方を適用できると思われる事例は,教科学習を中心に部活動,生徒指導,進路指導等様々な領域で実際の教育場面での例があげられ,またさまざまな理論的観点から理解可能な事例が示された。学習性無力感の概念の拡張や他の理論との統合的理解の可能性がこうした事例から示唆された。
  • 岩田美保
    千葉大学教育学部研究紀要 59 43-45 2011年3月  
    本研究は,3人きょうだいを含む一家族の夕食時の縦断的な会話データから,きょうだい3人(S(小5)・M(小4)・Y(小1))が学童期にあたる時期の,平日を中心とする母子4者間および休日を中心とする父母子5者間の夕食時においてどのような他者が話題に挙げられるのかについて検討した。母子4者間,父母子5者間に共通し,「友人」に関する言及が突出して多くみられ,また,「友人のきょうだい」に関してもよく言及されていた。一方,父母子5者間に特徴的な他者についての言及として,「社会的な人物(政治家など)」,「スポーツ選手・芸能人」,「TVアニメのキャラクター」,母子4者間に特徴的な言及として,「園の教師」「園の友人」が挙げられ,食事のメンバーが異なることで,他者についての言及や話題に違いが生まれることが示唆された。それら他者の話題の多様性は他者理解を支えるものとしての家族の会話として重要であると考えられた。
  • 岩田美保, 大元千紘
    千葉大学教育学部研究紀要 58 51-54 2010年3月  
    本研究は年長児のお話づくりにおける登場人物の内的状態への言及について絵本の提示方法の違いに着目して検討を行った。提示方法としては,絵本を用いた提示と,同一のタッチの絵で構成されたVTR映像を用いた提示を行った。総じて,絵本群の女児が,お話づくりにおいて,登場人物双方(主人公・非主人公)に言及しており,より多様な他者の心に言及しているといえた。また,女児は,提示方法にかかわらず,登場人物の内的状態(「知覚」・「感情」・「欲求」・「認知(的状態)」)のうち,特に「感情」についてより多く言及していた。こうした結果は,これまでの筆者たちの検討結果を支持するものといえた。これらの結果に基づき,テレビ等の映像や読書と想像力の関係に関する知見や,お話づくりにおける内的状態への言及に関する知見をふまえて考察を行った。
  • 岡田加奈子, 竹鼻ゆかり, 礒邊聡, 土田雄一, 北島善夫, 三村由香里, 松枝睦美, 高橋浩之, 中澤潤, 岩田美保, 新谷周平, 大芦治
    千葉大学教育学部研究紀要 58 203-210 2010年3月  
    教育用に検討されたケース(事例)を教材として,参加者がディスカッション(討論)を行いながら判断力や問題解決力を磨くことを目的としたケースメソッド教育を,学校の教員を対象とした研修に導入した。本研究では,ケース・講師・すすめ方等が同一ではない5回の独立したケースメソッドを用いた研修に対する評価を行うことを目的とした。方法は,ケースメソッド教育受講直後に研修の受講者350名を対象とした質問紙調査であった。その結果,研修に対してはすべての研修で「満足度」が高く,研修前後で自己変化を感じている者が多かった。本研究の対象となった教員研修におけるケースメソッド教育については,受講生の自己評価という点から,おおむね高く評価できると考えられた。Case method education is a learning style that is used to form a basis of comprehensive, hands-on and problemsolving ability, in which the participants discuss teaching such materials of simulated cases, with the requirement that they be judged and deal with the material by themselves, so that they can consider how they should behave in similar circumstances. 5case method trainings were conducted in teachers workshops . The participants were 350 and they filled in questionnaires after case method trainings. The questionnaire comprised multiple-choice queries and free description about the satisfaction level and self-evaluation. Many of the participants responded to the questionnaire that they were satisfied with the training, with many responding that they felt that they themselves had changed by attending the training. Their self-evaluation was generally high which suggested the possibility that the case method training is useful.
  • 岩田美保
    発達心理学研究 20(3) 264-277 2009年9月  査読有り
    本研究は,ある5歳男児(Y)の就学期にかけての母と学童期の兄姉との夕食場面の会話での言語的やりとりを通してみられる家族間コミュニケーションの発達的変化について,母と兄姉間の会話へのYの参入過程に焦点をあて検討を行った。会話の全体的な変化として,Yの就学期にはYの発話量が増加し,母を軸とした母子4者間のやりとりがより活発となることが推察された。また,Yの就学期前にはYと兄姉との教示的なやりとりが多くみられ,Yの就学期では就学期前からみられた『出来事の回想や人の行為や内的状態等』に関するやりとりがYと母や兄姉との間で中心となったことから,環境移行を伴う就学期だけでなく就学前の早い時期から,学校への適応に重要と考えられる,学校教育にも広く関わる知識や教養及び,学校での経験や教師・友人に関する内容を含むやりとりがなされていることが窺えた。母・兄姉間の会話へのYの参入過程については,観察開始直後(Yの就学期前/1期)では効果的な参入に結びつきにくい参入コメントが中心であったが,就学期にかけて,話題の文脈に沿った効果的な参入や兄姉や母との一定のテーマに沿った会話の継続がより一層可能になることが示された。また,Yの自主的な参入コメントへの応答に関し,母はより受容的な応答がみられ,文脈に直接的にはつながらない参入コメントに対しても多様な応答がなされるなど,母ときょうだいの関わりの違いが示唆された。
  • 大芦治, 岩田美保, 鎌原雅彦, 中澤潤, 蘭千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 57 79-86 2009年2月  
  • 鎌原雅彦, 大芦治, 岩田美保, 中澤潤, 蘭千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 57 167-174 2009年2月  
  • 岩田美保, 大芦治, 鎌原雅彦, 中澤潤, 蘭千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 57 103-108 2009年2月  
  • 大芦治, 岩田美保, 鎌原雅彦, 中澤潤, 蘭千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 56 155-162 2008年2月  
  • 鎌原雅彦, 大芦治, 岩田美保, 中澤潤, 蘭千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 56 67-74 2008年2月  
  • 岩田美保, 大芦治, 鎌原雅彦, 中澤潤, 蘭千壽, 三浦香苗
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 56 75-82 2008年2月  
  • 岡田加奈子, 葛西敦子, 三村由香里, 徳山美智子, 竹鼻ゆかり, 荒木田美香子, 荒川雅子, 井上智恵子, 齊藤理砂子, 西能代, 冨塚都仁子, 高田しずか, 外間朝子, 岩田美保, 山本雅
    日本養護教諭教育学会誌 10(1) 1-18 2007年3月  査読有り
  • 岩田美保
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 55 173-177 2007年2月  
    本研究は,子どもの"お話づくり"における登場人物の内的状態への言及について,小学校1,2年生の児童を対象として予備実験を行い,今後の幼児期から児童期にかけての発達的検討にむけて基礎的な資料を得ることを目的とした。結果として登場人物の「感情」語への言及と「認知」語への差がみられたが,その原因として,1.物語の進行に直接かかわるものとしては主として登場人物が心的(認知的)状態に基づき,行動を起こすことの繰り返しでストーリーが展開していくといえる内容であったこと,2.登場人物の「認知」語はすべてストーリーの中でセリフとして語られるものであったが,「感情」語はセリフ以外のストーリーの描写に含まれており,これらの点が影響した可能性,3.登場人物の心理描写を間接的に表現することがみられたことの3点が考えられた。今後はこの研究結果をふまえてさらに多くの児童のデータについて検討を進める必要がある。
  • 岡田加奈子, 齊藤理砂子, 山本雅, 酒井都仁子, 徳山美智子, 葛西敦子, 三村由香里, 高田しずか, 藤澤雅子, 井上智恵子, 岩田美保, 西能代
    日本教育保健学会年報 12 39-50 2005年3月  査読有り
  • 岩田美保
    千葉大学教育学部紀要Ⅰ:教育科学編 53 39-42 2005年2月  
    本研究は,一組の児童3人きょうだいの縦断的家庭観察データにおける夕食場面の自然な会話のうち,他者(自己含む)に関する因果性についての会話や発話に着目し,それを手がかりとして児童期における子どもの他者理解について検討を行った。今回のデータ(2003年7月および11月/Sが小学5年次)におけるSの夕食場面における因果性についての発話は,他者に関する発話では一貫した友人の人格特性などを客観視,評価する内容の言及がみられてくることが特徴としてみられた。また,他者に関する発話と比較して,特に自己に関する発話の増加がこの時期に顕著にみられたことが特徴的であった。すなわち,小学校4年次から5年次にかる時期にそれ以前からみられていた他者への言及に加え,自己への言及がみられること,それにより同時期には自他理解が複雑に絡み合い助長されるであろうことが示唆された。

書籍等出版物

 5

講演・口頭発表等

 114

共同研究・競争的資金等の研究課題

 13