羽石 秀昭, 山口 匡, 中村 亮一, 菅 幹生, 中口 俊哉, 川平 洋, 大西 峻
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 113(219) 31-34 2013年9月13日
肝胆膵外科領域において,体内に形成された固形がんに対して高精度に病変部位を検出し,内視鏡等を用いて低侵襲かつ高精度に治療することが求められている.著者らは,このような消化器がんに対する高精度低侵襲手術を実現することを目指し,診断から治療までのプロセスに導入する各種の新規イメージング技術やデバイス技術の研究開発を進めている.具体的課題として,診断・事前データ収集のフェーズでは,各種断層像からの臓器のセグメンテーション,粘弾性特性や音響特性など臓器物性のイメージング技術,呼吸による臓器変形量の計測,治療計画のフェーズでは,体位や呼吸による臓器変形の予測・モデル化,手術工程解析,治療のフェーズでは,腹腔鏡画像の視野拡大や,腹腔鏡画像と超音波画像との融合による手術支援,ステレオX線透視像による術中利用技術,などの研究開発が挙げられる.本講演では,プロジェクトの体制とこれらの課題のいくつかを紹介する.