南條 亮太, 橋本 研也, 山口 正恆, 花嶋 直之, 津々見 修司, 米沢 政
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス 97(151) 39-44 1997年7月4日
本報告では, ゾルゲル法によって最も作製し易い0.22-2.65μm厚PZT薄膜の超音波的性質について検討した. この膜厚のPZTで超音波デバイスを構成した場合, その共振周波数はUHFからSHF帯に及ぶ. その様な超高周波域で高精度の特性測定を行うには, 浮遊容量や寄生インダクタンスの影響低減が重要である. 測定方法並びに被測定デバイスの構造を検討し, UHF-SHF帯におけるPZT薄膜の電気的特性に対する測定法を確立した. そして, ゾルゲルPZT薄膜はUHF-SHF帯においても極めて大きな圧電性を有し, しかも誘電的特性も比較的良好であることが判った. 厚み縦振動トランスジューサを構築したところ, 共振周波数1.75GHzにおいて変換損失3.8dB以下, 共振周波数5.26GHzにおいて変換損失11dBを得た. さらに, SAWデバイスや薄膜バルク波共振子を試作し, その基本的特性を得た.