生命現象には、遺伝子や細胞、組織、個体、個体群、群集、生態系などさまざまな階層があります。また、それぞれの階層では、個体発生や行動のスケール、生態的スケール、小進化的スケール、大進化的スケールなど、さまざまな時間スケールで生命の質的、量的な変化が観察されます。私は、これらの階層や時間スケールをシームレスに繋ぐような新しくて(できるだけ)スマートで、統合的な生命観やその理論的枠組みを構築することを目指しています。具体的には、遺伝的変異と行動的な個体間相互作用、進化動態、生態的動態、大進化動態を結びつける研究や、遺伝子発現の変異と発生の揺らぎ、表現型可塑性、小進化、大進化を結びつける研究、確率的な進化と適応進化、生態的動態を結びつけるような研究などを進めています。また、都市化や季節変動、生物時計に着目し、生物の急速な適応(新規環境への定着など)やその遺伝基盤やエピジェネティックな基盤を明らかにする研究も行なっています。