塚越 覚, 吉本 葉子, 佐藤 玲子, 篠山 浩文, 野田 勝二, 野間 豊
園芸学研究 4(3) 287-290 2005年
農業廃棄物の有効利用の一方法として, ナシ剪定枝を炭化し, 野菜栽培用土としての利用の可能性を検討した.市販栽培用土とナシ炭の混合試験では, ナシ炭はコマツナの生育にほとんど影響しなかった.栽培期間中にポットから流亡したNO_3-N量は, 粒径1cm以下の炭を容積比で20%混合すると減少した.ナシ炭には水溶性N成分がほとんど含まれず, 水溶性Kは高濃度であった.赤玉土との混合試験では, 粒径0.5cm以上のナシ炭の混合により, CECの増大が認められた.したがって, ナシ炭の土壌への混合は, 土壌改良資材, K肥料としての効果に加え, NO_3-N流亡の低減の可能性も指摘でき, ナシ剪定枝の有効利用が可能と考えられた.