研究者業績

中村 伸枝

ナカムラ ノブエ  (Nobue Nakamura)

基本情報

所属
千葉大学 大学院看護学研究院 教授
学位
博士(看護学)(千葉大学)
修士(看護学)(千葉大学)

J-GLOBAL ID
200901094252305753
researchmap会員ID
1000200592

研究キーワード

 3

経歴

 1

学歴

 3

論文

 125
  • 遠藤 健司, 中村 伸枝, 佐藤 奈保, 仲井 あや
    日本小児看護学会学術集会講演集 33回 155-155 2023年6月  
  • 中村伸枝, 水野芳子, 奥朋子, 川西智美, 眞嶋朋子, 仲井あや
    日本CNS看護学会誌 10 1-8 2023年5月  査読有り筆頭著者
  • 佐野 唯, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    千葉看護学会会誌 28(2) 49-59 2023年2月  
    本研究は,長期フォローアップ受診における青年期の小児がん経験者の判断と行動化の過程を明らかにし,小児がん経験者の長期フォローアップ受診過程の概念枠組みを洗練することを目的に,青年期の小児がん経験者4名に半構造化面接を実施し,改訂ヘルス・ビリーフ・モデルを参考に作成した長期フォローアップ受診過程の概念枠組みに沿って質的帰納的に分析した。その結果,判断の過程では【新たな異常が身体に生じる可能性がある】等,何らかの異常が生じうる可能性を感じ,受診の有効性が負担を上回ることにより長期フォローアップ受診を採択していた。また,新たな因子として,『長期フォローアップ受診の習慣化』の存在が明らかとなり,習慣化の高さにより長期フォローアップ受診を採択していた。行動化の過程では,長期フォローアップ受診の促進として,【親が受診,受診内容の共有,療養行動に関わっている】等が抽出され,促進因子が阻害因子を上回り,全ケースが長期フォローアップ受診の実現に至っていた。変容因子の特徴として3つのテーマが抽出され,判断の過程の因子に影響していた。行動化の過程の因子には,『属性』や『体験』が影響していた。『長期フォローアップ受診の習慣化』の因子を組み込んだ長期フォローアップ受診過程の概念枠組み図を検討し,受診過程の特徴から,晩期合併症や長期フォローアップへの理解および患者の主体性を高める支援の必要性が示唆された。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 水野 芳子, 奥 朋子, 川西 智美, 眞嶋 朋子, 仲井 あや
    日本看護科学学会学術集会講演集 42回 482-483 2022年12月  
  • 中水流 彩, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    日本小児看護学会誌 31 186-193 2022年12月  
    本研究の目的は、幼児期に先天性心疾患手術を受ける患児の思いと反応について明らかにし、患児の情動反応について記述すること、さらには看護援助の示唆を得ることである。先天性心疾患手術を受ける幼児4名を対象に質的縦断調査を実施し、入院中の患児が情動反応を示した85場面に対する参加観察を行った。参加観察において記述したフィールドノートを質的に分析した結果、幼児期に先天性心疾患手術を受ける患児の情動反応は、6つの体験に分類された。6体験の中で、[新たな環境への接触]、[入院中に生じた制限]、[苦痛を伴う処置]では、周術期に特有の体験であるにもかかわらず、患児の主体的反応がみられ自己防衛は軽微に止まった。一方、患児の自己防衛が強かったものは、療養生活の中で体験することの多い[服薬]、[苦痛を伴う検査]、[身体侵襲を伴う処置]であった。これらの体験に焦点を当てた教育的介入と患児の対処を高める支援の必要性が示された。(著者抄録)
  • 中水流 彩, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    日本小児看護学会誌 31 186-193 2022年12月  査読有り
  • 橋本 美穂, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    千葉看護学会会誌 28(1) 35-44 2022年9月  
    【研究目的】本研究の目的は食物アレルギーのある思春期の子どもの社会的食事場面におけるヘルスリテラシーを明らかにし,看護援助の示唆を得ることである。【研究方法】食物アレルギーのある13~15歳の6名に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析を行った。【結果】食物アレルギーのある思春期の子どもの社会的食事場面におけるヘルスリテラシーとして10項目が抽出された。親による食物アレルギーの安全のサポートを受けて【少しずつ食べる治療を自分に合わせて遂行する】,配慮してくれる友達との食事では【自分の経験をもとに友達の食べ物や場に合わせて楽しく食べる】,気を遣わなければいけない友達とは【食べたい物の原材料を読み取り友達と一緒に食べる】,学校では【生命に直結する自分の食物アレルギー情報をクラスメイトへ発信する】等がみられた。一方,【いつもと同じ環境で食べるときは食物アレルギー症状がでないと判断する】等,社会的食事場面におけるヘルスリテラシーが不十分な状況もみられた。【結論】食物アレルギーのある思春期の子どもの社会的食事場面におけるヘルスリテラシーを促進する看護援助として,友達との外食場面においてどのような問題が起こるのかを予測し友達の食べている物や場に合わせて調整できるという,自己管理への支援の必要性が示唆された。(著者抄録)
  • 中村伸枝, 水野芳子, 奥朋子, 瀬尾智美, 眞嶋朋子, 仲井あや
    文化看護学会会誌 14(1) 11-20 2022年5月  査読有り筆頭著者
  • 中村 伸枝, 雨宮 歩, 中島 由紀子, 仲井 あや, 下屋 聡平
    千葉看護学会会誌 27(2) 21-29 2022年2月  査読有り筆頭著者
    目的:持続皮下インスリン注入療法(CSII)を行う小児・青年は増加しているが、皮膚トラブルの問題が報告されている。本研究は、CSIIを行う小児・青年の皮膚トラブルと皮膚トラブルへの対応・予防について、季節や発達観階の視点から明らかにし、皮膚トラブルの予防に向けた支援への示唆を得ることを目的とした。方法:秋〜冬季の対象者は11名、夏季調査は8名、このうち7名は同一対象者であった。平均年齢は秋〜冬季調査11.4±7.1歳、夏季調査7.0±3.1歳、CSII使用期間は1.8年±1.4年と1.5±0.6年、平均HbA1cは7.3±0.9%と7.1±0.5%であった。CSIIの実施方法、皮膚トラブルと予防について面接を行い、季節及び年少児と年長者の比較を行った。また、皮膚トラブルの観察と角質水分量を測定し、秋〜冬季と夏季の比較、かぶれの有無による比較を行った。結果:秋〜冬季は夏季より有意に角質水分量は低く(p=0.003)、かぶれのある部位はかぶれのない部位より有意に角質水分量が低かった(p<0.001)。年少児では注入/挿入に適切な部位が限られ、親は皮膚トラブルの対応に困難を感じていた。年少児の親が行うスキンケアは年長者本人が行うより丁寧に行われていた。結論:皮膚の乾燥を防ぐための丁寧なスキンケアが年間を通して重要である。皮膚トラブルに関するさらなる研究と、セルフケア能力と皮膚トラブルのリスクに応じた少年児の親と年長者自身への指導を糖尿病教育に加える必要がある。(著者抄録)
  • 水野 芳子, 中村 伸枝, 奥 朋子, 瀬尾 智美, 真嶋 朋子, 仲井 あや
    日本看護科学学会学術集会講演集 41回 O1-03 2021年12月  
  • 中村 伸枝, 水野 芳子, 奥 朋子, 瀬尾 智美, 眞嶋 朋子, 仲井 あや
    日本看護科学学会学術集会講演集 41回 P1-15 2021年12月  
  • 湯口 梓, 佐藤 奈保, 中村 伸枝, 山出 史也
    日本小児臨床アレルギー学会誌 19(3) 267-276 2021年12月  査読有り
    食物アレルギー(以下FA)の学童のセルフケアの実際と子どものセルフケア拡大に向けた養育者のかかわりを明らかにすることを目的にFAの学童と養育者14組に半構造化面接を行い質的帰納的に分析した。誤食予防は低学年では大人に聞く、高学年は自分で判断すると発達段階で行動が異なった。食行動を伴う人とのかかわりの調整力は高学年の方が高かった。アナフィラキシー(以下An)への対応は、低学年より高学年でアドレナリン自己注射薬の知識が多かったが、緊急時に周囲に助けを求める行動は共通していた。子どものセルフケア拡大に向けた養育者のかかわりは、低学年より高学年の養育者の方が誤食予防や人とのかかわりを子ども自身に促す認識や行動が多かったが、Anへの対応は高学年でも養育者が行っていた。一方で多くの養育者は、思春期頃までにAnへの対応も含めた子どものセルフケアが自立することを望んでいた。FAの子どものセルフケア拡大に向けて、成長発達や養育者のかかわりだけでは育ちにくいAnへの対応能力を育てるヘルスケア専門職の支援が必要である。(著者抄録)
  • Katsuhiro Hiratsuka, Nobue Nakamura, Naho Sato, Takeshi Saito
    Journal of pediatric nursing 61 115-121 2021年5月20日  招待有り
    BACKGROUND: This study examines how the parents of adolescents and young adults with biliary atresia, surviving with their native livers, transfer medical treatment responsibility to their children, and how becoming a living liver transplant donor affects this process. The basis for the study was that becoming a living liver transplant donor may influence the transfer of responsibility. METHODS: A qualitative, descriptive design was employed using a modified grounded theory approach. Data were collected from eight parents from November 2016 to August 2017 through semi-structured interviews conducted in two Japanese hospitals. Interpretive analysis from the viewpoint of the analytical theme and analytical focus person was conducted, resulting in a diagram and storyline explaining the process. FINDINGS: Five categories were generated from one father and seven mothers (aged 40-60 years) of outpatients (aged 17-25 years): parental ability to cherish the child's "now" (live in the moment); put the brakes on their child's life; learn as they go; leave the child's life to the child; and openly express reservations about becoming a living liver transplant donor for their child. DISCUSSION: Parental transfer of responsibility for treatment may be influenced by close-knit parent-child relationships, perception of the child's growth, and parental concern about becoming a living donor. APPLICATION TO PRACTICE: Care providers should understand parent-child relationships and the parents' concerns about becoming living donors, thereby enabling them to recognize that medical treatment control must be relinquished to foster children's autonomy as adults.
  • 中村 伸枝, 奥 朋子, 水野 芳子, 瀬尾 智美, 眞嶋 朋子, 仲井 あや
    日本看護科学学会学術集会講演集 40回 P1-025 2020年12月  
  • 雨宮歩, 中村伸枝, 中島由紀子, 仲井あや, 下屋聡平
    日本糖尿病教育・看護学会誌 24(2) 103-109 2020年4月  査読有り
  • Aya Nakai, Nobue Nakamura
    Advances in Neonatal Care 2020年1月  査読有り
  • 雨宮 歩, 中村 伸枝, 中島 由紀子, 仲井 あや, 下屋 聡平
    日本糖尿病教育・看護学会誌 23(特別号) 101-101 2019年8月  
  • Nakamura N, Yakushijin Y, Kanamaru T, Tani H, Ideno K, Nakai A
    Diabetology international 10(2) 117-125 2019年4月  査読有り筆頭著者
  • 出野 慶子, 高山 充, 河上 智香, 天野 里奈, 中村 伸枝, 金丸 友
    日本糖尿病教育・看護学会誌 23(1) 18-24 2019年3月  査読有り
    <文献概要>本研究の目的は,インスリンポンプを使用している1型糖尿病をもつ小学生の学校生活の現状を明らかにし,学校生活における支援について検討することである.インスリンポンプ療法を実施している小学生6名を対象とし,家族会主催のキャンプにおいてグループインタビューを実施した.その結果,インスリンポンプの使用に関連して困ったこととしては,【ポンプトラブル】【自分に関心が集まる】【クラスメートの言動に困惑】【補食に対する羨望】の4カテゴリーが抽出され,学校関係者のかかわりに対しては,【特別扱いされたくない】【過剰な心配は不要】【病気の子どもと見られる困惑】【適切な対応の要望】の4カテゴリーが抽出された.学童期の子どもにとってクラスメートとの関係性は重要であり,クラスメートの理解・協力が得られる支援,および学童期の子どもの特徴を踏まえて学校関係者が子どもにかかわれるように支援する重要性が示唆された.
  • 中村 伸枝, 仲井 あや, 出野 慶子, 金丸 友, 谷 洋江, 薬師神 裕子, 高橋 弥生
    日本糖尿病教育・看護学会誌 23(1) 100-107 2019年3月  査読有り筆頭著者
    <文献概要>本研究の目的は,1型糖尿病をもつ年少児の糖尿病セルフケアに向けた親のかかわり尺度を開発し信頼性・妥当性を検討することである.文献検討および予備調査,専門家会議を経て58項目の試行版を作成し,1型糖尿病をもつ1歳〜小学校低学年の子どもの親34名のデータを得て,24項目から成る最終版を作成した.主因子法,プロマックス回転により因子抽出を行い,F1 糖尿病管理における負担,F2 子どもの低血糖対処能力の把握,F3 低血糖や血糖値に起因する余裕の欠如,F4 幼稚園や学校のサポート,F5 糖尿病管理の支えと子どもの将来を見すえたかかわり,F6 糖尿病管理と育児の自信,F7 子どもの意欲や関心の把握,を得た.24項目のCronbach's α係数は0.84,再テスト法でのPearsonの積率相関係数は0.93と許容範囲内であった.本尺度は,項目数が24項目と少なく,年少児に対する親の認識やかかわり,親のストレスやサポートを包括的に査定するために臨床での活用が期待できる.今後は,より大きなサンプルサイズでの分析を継続し,安定した構造をもつ尺度に洗練していく必要がある.
  • Sohei Shitaya, Nobue Nakamura, Naho Sato
    International Journal of Nursing Practice 24 2018年4月1日  査読有り
    Background: In Japan, owing to the progress in medical technology, more children with congenital life-threatening conditions survive than ever before. Nurses who care for these children may also influence decision making in difficult situations. Aim: We aimed to describe Japanese nurses' approach toward medical decision making when caring for families of infants with congenital life-threatening conditions. Frequently, these nurses must care for and support parents with ambivalent feelings. Design: Qualitative descriptive study. Methods: Participants were recruited from neonatal intensive care unit and paediatric wards at a university hospital in Japan from June to July 2016. Data were collected using semi-structured interviews and qualitatively analysed. Results: Japanese nurses described these situations as “decision making regarding the child's medical care” and “daily life at hospitals.” The themes included support of parents and the choices made about their children, nurses giving or holding their opinions about care choices, or withholding their opinions during decision-making events. The narratives included 5 focus areas: the parents the children, the family as a whole relationship between families and health care providers and the effect of the clinical environment on the children and families. Conclusion: When caring for children with life-threatening congenital conditions, nurses should develop supportive relationships with parents and contribute to the clinical decision-making process with empathy and based on the most current research data.
  • Katsuhiro Hiratsuka, Nobue Nakamura, Naho Sato
    INTERNATIONAL JOURNAL OF NURSING PRACTICE 23 2017年6月  査読有り
    The purpose of the current study was to describe the following: maternal coping with the prospect of becoming the living-donor liver transplant for their child; the daily lives of school-age children surviving biliary atresia with their native liver; and to explore the relationship between these individuals. Semistructured interviews were conducted with 6 school-age children surviving biliary atresia with their native liver and their mothers. The interviews were conducted from June to August 2014, and a qualitative content analysis was used. Results showed that mothers realized a possible need for transplantation in the future, which contributes to emotional and practical uncertainties. The mothers coexisted with this uncertainty and preferred to use a buffering strategy. In contrast, the children did not consider their illness and future and did not adhere to a therapeutic regimen. It is suggested that living with uncertainty about the health and survival of their children is advantageous for mothers. However, problems related to the psychosocial aspect and child's adherence may occur in the future. In addition, problem-solving coping strategies for mothers and the independence of chronically ill children with liver disease should be promoted.
  • Aya Nakazuru, Naho Sato, Nobue Nakamura
    INTERNATIONAL JOURNAL OF NURSING PRACTICE 23 2017年6月  査読有り
    BackgroundWith the growing number of severe congenital heart disease (CHD) surgeries, some hospitals in Japan are experiencing difficulty meeting the demand for CHD surgery. As a result, CHD surgery preparation is difficult for mothers of these infants. AimsTo examine the stress and coping of mothers whose infants needed CHD surgery and to identify the factors that influenced maternal coping. MethodsSemistructured interviews were conducted with 11 mothers whose infants had undergone CHD surgery. Qualitative analyses of transcribed interviews were performed. ResultsThe coping of mothers for surgery began when mothers received news of their infant's CHD diagnosis. Maternal stress appraisal and coping changed as surgery approached. In particular, maternal coping was influenced by diagnosis event, symptoms of their child, anticipated number of surgeries, presence of chromosomal abnormality, and infant age. ConclusionThe stressors and coping challenges of mothers whose infants needed CHD surgery changed as the surgery date approached, and these were influenced by 5 factors.
  • 平塚克洋, 中村伸枝, 佐藤奈保
    日本小児看護学会誌 26 91-96 2017年3月31日  査読有り
    <p> 思春期前期の胆道閉鎖症患児が療養行動をどのように意味づけて実施しているのかを明らかにして看護支援への示唆を得ることを目的に、ヘルスプロモーション・モデルを分析枠組みの参考とし、質的記述的研究を行った。10歳~14歳の患児3名に半構成的面接調査を実施した。</p><p> 結果として、患児らは、療養行動を実施することによる体調への影響に、曖昧さを認識していた。療養行動の意味づけが曖昧でも、親のかかわりなどをサポートとして自分なりに気をつけて療養行動を実施するという特徴が見出された。思春期前期の胆道閉鎖症患児の療養行動の意味づけと実際には、過去の体験、病気への思い・関心、胆道閉鎖症の特性などが関連していることが推察された。単に療養行動を実施しているかではなく、患児の療養行動の意味づけを理解し、患児が周囲のかかわりやペースに不必要に左右されずに療養行動を意味づけながら実施していけるよう支援することが重要である。</p>
  • 平塚克洋, 中村伸枝, 佐藤奈保
    小児保健研究 76(2) 186-193 2017年3月31日  査読有り
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 仲井 あや, 谷 洋江, 出野 慶子, 高橋 弥生
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 39(39) 65-69 2017年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、インスリンポンプ療法(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion:以下、CSII)を行う小児・青年のインスリン注入部位の皮膚トラブルについて、インスリン注射とCSIIの比較から検討し、さらなる検討に向けた調査票作成の資料とすることである。小学校3年生から高校3年生の1型糖尿病をもつ小児・青年に対し、自記式質問紙調査を行った。調査内容は、年齢、学年、性別、罹病期間、インスリン療法の種類(注射/CSII)、HbA1c(NGSP)。加えて、最近1年間のインスリン注射/注入部位の皮膚トラブルの有無、インスリン注射/注入部位のローテーションの仕方について3段階で回答を求めた。対象は、男子57名、女子60名、合計117名。インスリン注射94名(80.3%)、CSII 23名(19.7%)。平均年齢13.0±2.7歳、罹病期間6.8±4.0年、HbA1c値7.9±1.0%。皮膚トラブルがある群61名とない群56名を比較すると、皮膚トラブルのある群は、有意に年齢が低かった(t=-2.166、p=0.032)。皮膚トラブルは、CSIIは15名(65.2%)、インスリン注射では46名(48.9%)にみられ、CSIIで多かったが有意差はなかった。CSIIを行う小児は、同じところに注入を行う者、HbA1c 9.0%以上の全員に皮膚トラブルがみられたが、注入部位のローテーションやHbA1cによる有意差はなかった。CSIIを行う小児は、HbA1cが7.5%未満でも、注入部位をずらしていても半数以上に皮膚トラブルがみられた。小児の皮膚トラブルは複数の要因が組み合わさって生じていると考えられ、より詳細な検討に向けた調査票を作成する必要がある。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 仲井 あや, 谷 洋江, 井出 薫, 出野 慶子, 高橋 弥生, 内海 加奈子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 21(1) 11-18 2017年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,CSIIを行う小児・青年の療養生活と課題についてCSIIを使用している群とCSIIを中止した群との比較により明らかにし,CSIIを行う小児・青年と家族へのよりよい療養生活に向けた看護支援の示唆を得ることである.外来通院中のCSII群35名(年少児の親14名,年長者21名),CSII中止群9名(年少児の親3名,年長者6名),計44名を対象に,文献検討に基づく自記式質問紙を用いて,ボーラス忘れの頻度と理由,CSIIにしてよかったこと・困っていること等について回答を求め,記述統計,カイ二乗検定,および質的帰納的分析を行った.その結果,ボーラスを2回/月以上忘れる者はCSII群17名(48.6%),CSII中止群4名(44.4%)であり,インスリン注入が容易であるがゆえにうっかり忘れることが多かった.CSIIにしてよかったことは,CSII群は「学校での生活がしやすくなった」が25名(71.4%)と,有意に多かった(カイ二乗値4.490,p=0.034).CSIIで困っていることは,両群とも「注入部位が赤くなったり,硬くなったり,かぶれる」が半数以上にみられ,CSII中止群では「針の痛みが強い」(カイ二乗値5.382,p=0.023),「注入セットの挿入が難しい」(カイ二乗値8.568,p=0.010)が有意に多かった.両群共に「英語で書かれた表示が読みにくい」,「ポンプやカテーテルが服を着替えるときにじゃまになる」等が,年長者の半数以上にみられた.学校生活上の課題では,「学校でアラームが鳴るのが気になる」,「水泳など,学校でポンプを外したときの管理が難しい」が多かった.以上より,インスリンポンプの適切な操作やボーラス忘れを防ぐ支援,学校生活でのトラブル予防・対処と学校生活をしやすくする支援,皮膚トラブルの予防と穿刺時の疼痛軽減に向けた研究と支援の必要性が示唆された.(著者抄録)
  • 下野 純平, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    日本小児看護学会誌 25(3) 69-76 2016年11月  査読有り
    &lt;p&gt; 本研究は、日本における新生児集中治療室 (以下、NICU) に入院した児の父親を対象とした研究の動向を文献検討により明らかにし、今後の研究課題を検討することを目的に、医中誌 (Ver. 5) を用いて文献検索を行った。結果、NICUに入院した児の父親を対象とした文献37件を得た。&lt;/p&gt;&lt;p&gt; わが国においてNICUに入院した児の父親を対象とした研究は増加傾向にあり、2006年以降は継続的に研究がみられていた。研究の対象は、児の条件を早産もしくは/および低出生体重児と限定した文献が20件と最も多かった。研究方法は面接調査が19件と最も多かった。記述内容に関しては、父親の心理、体験、行動・意識の変容と影響要因の3つに分類された。今後は、NICUに入院している児の疾患的背景に関する条件を拡大して研究をしていくことや父親と母親間の関係性に着目した研究をより一層行い、両親を対象とした看護援助方法を検証していくことが必要である。&lt;/p&gt;
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 仲井 あや, 兼松 百合子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 20(1) 41-47 2016年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,国内外の小児・思春期を対象とした糖尿病セルフケアに関する測定用具について文献検討を行い,兼松ら(1997年)の開発した小児・思春期の糖尿病セルフケアの測定用具改訂への示唆を得ることであった.国内文献は,医中誌webを用いて検索を行ったが,信頼性・妥当性が検証された測定用具は,兼松らの測定用具のみであった.海外文献は,Academic Search Premier,CINAHL,MEDLINE,PsycINFOを用いて,「type 1 diabetes」および「self-care」「selfmanagement」に対して,それぞれ「measure」「questionnaire」「tool and validity or reliability」の3語,および,「children」「adolescent」「youth」の3語を掛け合わせて検索し,小児・思春期の糖尿病セルフケアに関わる18の測定用具を得た.下位尺度や項目の特徴を検討した結果,適切な療養行動を行う頻度を問う測定用具,療養行動を継続するために必要な要素に焦点をあてた測定用具,親や友達のサポートや親との協働に焦点をあてた測定用具があり,治療法や療養行動の変化を反映し,開発年による相違がみられた.小児が親や医療者の協力を得ながら自らインスリン注射を調節することを踏まえ,小児・思春期の生活状況に合わせたサポート,問題解決能力,親や医療者との協働などの視点を強化した改訂の必要性が示唆された.(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 仲井 あや, 谷 洋江, 出野 慶子
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 38(38) 31-37 2016年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、インスリンポンプ療法を行う小児のインスリンポンプの装着方法、装着に関して困っていることや装着の工夫を、発達段階や性別の特徴をふまえ明らかにし、看護支援に示唆を得ることである。インスリンポンプ療法中の小学校3年生から高校3年生の1型糖尿病の小児20名と、インスリンポンプ療法中の小学校2年生以下の1型糖尿病の子どもをもつ保護者14名を対象に、自作の自記式質問紙調査を行った。その結果、以下が明らかになった。小学校2年生以下では肩と腰に固定したり、腹巻に入れるなどしっかりと装着している者が多かった。一方で、運動時などには特別の工夫を要しない者も多かった。また、夜尿によりポンプが濡れることを防ぐため、防水性のケースを手作りするなどの工夫がみられた。小学校3年生から高校3年生では、ポンプを持ち歩くような装着方法も多くみられたが、運動時にはしっかりと固定したり、ぶつけないように行動したり、外すなど多様な対応をしていた。インスリンポンプの装着に関して困っていることは、小学校3年生から高校3年生および女子に多かった。女子では、ポンプ装着による外見上の課題が多く挙げられ、服装によって装着方法を変えたり、ルートを目立たなくするなどの工夫がみられた。本研究で明らかとなった発達段階や性別の特徴をふまえ、小児の生活に合わせたインスリンポンプの装着について、小児糖尿病外来やキャンプの場などを活用して具体的な情報提供や支援を行っていく必要がある。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 仲井 あや, 高橋 弥生, 兼松 百合子
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 37(37) 73-77 2015年3月  査読有り筆頭著者
    千葉大学大学院看護学研究科小児看護学教育研究分野では,30年間に渡り小児糖尿病キャンプに看護スタッフとして参加し,そのなかで看護の授業を行ってきた.この間,小児糖尿病治療は大きく進歩し,また,社会状況も変わるなかで,キャンプのあり方もまた変化してきた.本稿では,小学生以上を対象とした小児糖尿病キャンプの看護師による授業について,糖尿病治療の進歩や社会状況の変化,キャンプにおける看護活動の焦点の視点から約30年間を振り返り考察した.
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 出野 慶子, 谷 洋江, 白畑 範子, 内海 加奈子, 仲井 あや, 佐藤 奈保, 兼松 百合子
    千葉看護学会会誌 20(2) 1-10 2015年1月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、1型糖尿病をもつ10代の小児/青年の糖尿病セルフケアを体験の積み重ねの視点から明らかにし、小児の成長発達に沿った看護指針・評価指標の開発に有用な枠組みを構築することである。1型糖尿病をもつ10代の小児/青年の療養行動・日常生活の認識と実際、サポートについてケースごとの詳細な質的データを含む9編の学位論文から得られた52ケースを分析対象とした。各ケースの療養行動・日常生活の認識と実際、サポートについて質的帰納的に分析を行い「カテゴリー」を抽出した。ケースを9歳以下の年少発症群と10代発症で診断後1年以上の群、10代発症で診断後1年未満の群の3群に分け、小児/青年が直面する課題の状況、適切あるいは不適切なセルフケアにつながるカテゴリーの出現頻度とカテゴリー間の関係を分析した。その結果、以下が明らかとなった。年少発症の小児/青年は、時間をかけて糖尿病の基本的な療養行動を習得し療養行動がふつうになる一方で、病気のためにうまくいかない体験を積み重ねている者もいた。10代発症では、否定的な感情が強いときであっても糖尿病の基本的な療養行動の習得は短期間で可能であったが、日常生活の中で療養行動を行うためには多様なサポートを必要としていた。本研究の結果と先行研究を統合し【基本的な療養行動を習得する段階】と【生活の中で療養行動ができる段階】から成る、1型糖尿病をもつ10代の小児/青年の糖尿病セルフケアの枠組みを構築した。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 出野 慶子, 谷 洋江, 金丸 友, 高橋 弥生, 内海 加奈子, 仲井 あや, 佐藤 奈保
    日本糖尿病教育・看護学会誌 18(2) 187-194 2014年9月  査読有り筆頭著者
    インスリンポンプ療法(continuous subcutaneous insulin infusion:以下CSIIとする)を行う小児は増加してきているものの,小児やその家族がどのように療養行動を行い生活しているのかを示した研究は少ない.CSIIを行う小児や家族の療養生活や,療養上およびCSIIを続けるうえでの課題を小児と家族の視点から明らかにすることを目的に,海外の文献検討を行った.Academic Search Premier CINAHL,MEDLINE,PsycINFOを用いて,「insulin pumps」および「continuous subcutaneous insulin infusion」に対して,それぞれ「children」「addescent」「youth」の3語を掛け合わせ,検索期間を2003年1月から2012年12月まで,学術論文,全文に絞って検討し,31論文を分析した.その結果,インスリンポンプ療法への移行において親はストレスを体験していたが学童期以降の小児は純粋に再教育に興味を示しポンプの機器操作に精通していた.インスリンポンプ療法の利点として【子どもも親もエンバワーされる】ことが最も多く,インスリン注射と比較してQuality of lifeが改善していた.課題として【ポンプを装着したままの生活に困難を感じる】,【学校生活での問題が生じる】が多く挙げられていた.学童・思春期の療養行動上の課題では食事のボーラスミスが多く,インスリンポンプ療法の中止は,10歳以上,女子,導入時のHbA1cが高い者で多く,ボーラスミスを防ぐための親子の責任分担や,親の関わりの重要性が示されていた.本研究の結果を基に,日本におけるCSIIを行う小児と家族の療養生活の現状を明らかにするとともに、支援を充実させていきたい.(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 竹中 沙織, 仲井 あや, 上林 多佳子, 若菜 幸子, 和住 淑子, 黒田 久美子, 河部 房子
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 36(36) 21-26 2014年3月  査読有り筆頭著者
    千葉大学看護学部3年から4年時のX領域別看護実習において実習を行った学生を対象に大学教員と臨床指導者の間の連携・協働の取り組みを行っている実習の場における実習を通した指導と学生の学びの性質、大学教員と臨床指導者の連携・協働に対する学生の認識を明らかにする調査を行った。実習終了後学生に対して実習指導に対するグループインタビューを行い、データとした。対象となった学生は7名で、全員女性であった。学生の語りから、15の実習体験、16の体験を通した認識の変化、および12の実習を通した指導と学生の学びの性質が抽出された。学生が実習において受け入れられていると感じたり、困難を感じた場面として「部屋担当の看護師からも丁寧な指導がもらえてありがたかった」などの六つのカテゴリーが抽出された。学生の大学教員と臨床指導者の連携・協働に関わる感想や意見として「学生の学びや課題を教員と臨床指導者が共有することで学びが深まる」などの四つのカテゴリーが抽出された。
  • 出野 慶子, 河上 智香, 天野 里奈, 中村 伸枝
    日本糖尿病教育・看護学会誌 18(1) 33-39 2014年3月  査読有り
    1型糖尿病をもつ年少の子どもの療養行動における父親のかかわりや子どもの母親への働きかけを明らかにし、家庭内における父親の役割を検討することを目的とし、2〜8歳の子どもの父親7名を対象として、約70分のフォーカスグループインタビューを実施した。テーマは、(1)療養行動における父親のかかわり、(2)父親の母親への働きかけ、(3)父親の役割意識であり、インタビュー内容から逐語録を作成し、意味内容を損なわないようにコード化し、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出した。所属機関の倫理審査委員会の承認を得た後、研究参加者には研究の趣旨、方法などを口頭および文書で説明し、同意書にて同意を得た。父親は、【子どもの食べたい欲求への対応】【母親の判断を尊重】【状況に応じた療養行動への参加】【子どもの周囲の環境調整】を行い、母親への働きかけとして、【自由に使える時間の捻出】【気持ちを楽にする気遣い】【可能な範囲での療養行動へのかかわり】を行っていたが、【確信がもてないサポート】感を抱いていた。また、【子どもから頼られる存在】【母親との役割バランス】【社会・経済環境の調整】を父親の役割と意識していた。これらより、きょうだいや母親を含めた家族全体の生活を視野に入れながら、母親との役割バランスを父親がうまくとれるように支援することが重要であることが示唆された。(著者抄録)
  • 杉山 友理, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    日本小児看護学会誌 23(1) 29-35 2014年  査読有り
    在宅で生活する重症心身障害児(以下、重症児)を取り巻く制度や法律の変遷を踏まえ、在宅で生活する重症児とその家族に対する支援、訪問看護師による支援を明らかにし、課題を検討することを目的に文献検討を行った。その結果、136件の文献が得られ、キーワードの記載のあった83件を在宅で生活する重症児とその家族に対する看護の現状の対象文献とした。また、136件のうち、重症児の年齢、医療的ケアの有無、訪問看護の実施方法の内容、支援内容が含まれていた15件を支援の現状と課題の検討の対象文献とした。障害者自立支援法施行後より重症児の訪問看護の需要も高まり、訪問看護師による支援内容は多様なものとなっていた。法制度も刻々と変化し、医療技術の進歩によりケアの方法が変化している。関わる機会の多い訪問看護師が、様々な変化の中でも重症児とその家族が生活を維持できるよう支援を検討する必要がある。
  • 柚山 香世子, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    小児保健研究 72(講演集) 132-132 2013年8月  
  • 中村 伸枝, 宮本 茂樹, 松浦 信夫, 相吉 恵, 椨 瑞希子, 高橋 みゆき
    小児保健研究 72(4) 558-563 2013年7月  査読有り筆頭著者
    小児病棟で働く保育士の活動実態を把握するとともに、病棟保育で役立っている保育士としての教育や経験を明らかにし、小児病棟における医療者と保育士との協働や小児医療の場で働く保育士の教育について示唆を得ることを目的とした。全国の小児科学会専門医認定研修病院に調査票を送付し、保育士74人の回答を分析して以下の結果を得た。医療者と意見交換を行う場が定期的あるいは不定期にあるのは約6割であり、病児の学習支援やこころのケアなどは意見交換の場があるときに多く行われていた。保育士は、病児や疾患についての理解不足を多く感じており、病棟保育で役立っている教育や経験として、「発達心理学」や「保育実習」など保育士教育科目、保育士としての実践経験、子育て経験等を挙げていた。小児医療の場で働く非医療職種の専門的な教育や公認資格、職能、経済的な裏づけ等を検討し、医療者との専門職連携により病児を支援していく必要性が示唆された。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 谷本 真理子, 坂上 明子, 増島 麻里子, 斉藤 しのぶ, 小澤 治美, 河井 伸子
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 35(35) 21-24 2013年3月  査読有り筆頭著者
    文部科学省の「キャリアガイダンスを適切に大学の教育活動に位置づける」方針に基づく大学全体の初年次キャリア教育導入を受け,看護学部教務委員会が中心となり,キャリア教育として正課内の科目と正課外の活動を1年次から4年次まで位置づけ体系化するとともに,キャリアポートフォリオを作成した.正課内のキャリア教育として,1年次4月の専門職連携Ⅰ(学部独自プログラム),および,4年次後期の看護学セミナー統合を位置づけた.正課外キャリア教育としては,3年次の学部主催就職ガイダンス,4年次4月に行う卒業後の進路に関する意向調査と個別相談,就職に関する個別相談,および,学生が個別に参加するインターンシップや就職ガイダンスを位置づけた.また,キャリア教育の基盤的ツールとして既存の看護実践能力自己評価ポートフォリオと合体させた「看護実践能力自己評価/キャリアポートフォリオ」を作成した.キャリアポートフォリオの目的・定義は,「学生が,生涯に渡るキャリア形成の基盤として自己を理解し,将来の就職やキャリアデザインを考える力を育成する目的で,入学時から卒業時までの学習プロセスをひとつにまとめたもの」とした.内容や書式は他大学の視察も踏まえ,学部教務委員会と学部・研究科教授会での審議をくりかえし作成した.学生の就職支援を行う学生生活支援委員会と運用の調整を行った後,H24年4月より全学年で導入し,正課内および正課外で活用を開始した.学年進行に沿ってより丁寧なキャリア支援が可能となったが,今後も,学生が実際に活用していけるようガイダンスや支援の工夫,より記載しやすい書式の洗練と,キャリア支援を行う教員へのFDなどを検討していきたい.
  • 藤田 紋佳, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    日本小児看護学会誌 22(1) 102-108 2013年  査読有り
    本研究の目的は、日本における肝移植後の子どもと家族のQOL評価をどのような視点から評価しているのか及び、今後の課題を文献検討により明らかにすることである。医中誌Web版(Ver.5)を用いて文献検索を行い、肝移植後の子どもや家族のQOL評価に関する内容の記述がある文献、33件を得た。筆頭研究者の背景は、医師が最も多く、看護職による研究は3件であった。対象は、自施設における移植後の子どもが殆どであった。子どもに関しては、術後合併症や肝機能、免疫抑制剤の投薬状況や副作用、拒絶反応、感染症といった身体管理に関するQOLの検討であり、過去のデータからの評価による調査が多かった。家族に関しては、生体ドナーの評価が主であった。肝移植を受けた子どもやドナーとなった親だけではなく、子どもの療養生活に関わる家族を含めた包括的なQOL評価の視点の整備と、QOL向上のための継続的な支援方法を検討する必要がある。
  • 谷 洋江, 中村 伸枝, 佐藤 奈保
    千葉看護学会会誌 18(1) 61-68 2012年7月  査読有り
    本研究の目的は、摂食障害のリスクがある1型糖尿病をもつ思春期女性の類型を、摂食態度に関連する認知や行動と影響要因に基づき明らかにし、類型毎の健康的な摂食態度を促進する看護援助の視点を導くことである。1型糖尿病をもつ思春期女性を対象に、摂食態度に関連する認知や行動と影響要因を、自作の質問紙、日本版摂食態度調査表(EAT)、養育態度尺度、自尊感情尺度等を用いて調査した。このうち摂食態度に関連する認知と行動の両方に何らかの問題をもつ6名を摂食障害のリスクがあるとして分析対象とした。分析は、筆者の先行研究と文献から導いた枠組みを用い摂食態度に関連する認知や行動と影響要因の類似性と相違性から類型化し、類型毎の特徴を抽出した。その結果、3つのタイプに類型化された。3つのタイプは摂食障害に関連する病理性の深さやリスク要因に特徴がみられた。看護援助の視点として、まずタイプを把握するためのアセスメントの枠組みが示された。それを基に健康的な摂食態度を促進する看護援助として、全てのタイプに共通の「食事とボディイメージと血糖コントロールのバランス」を促す看護援助と、タイプ毎の特徴に応じた看護援助の視点が示された。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 出野 慶子, 金丸 友, 谷 洋江, 白畑 範子, 内海 加奈子, 仲井 あや, 佐藤 奈保, 兼松 百合子
    千葉看護学会会誌 18(1) 1-9 2012年7月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、1型糖尿病をもつ幼児期から小学校低学年の子どもの療養行動の習得に向けた体験の積み重ねを親の関わりと共に明らかにし、看護援助に有用な枠組みを構築することである。国内文献は、医学中央雑誌およびCiNiiを用いて1992〜2011年、海外文献は、CINAHL、MEDLINE、Academic Search Premier、PsycINFOを用いて2002〜2011年について「小児/幼児」、「1型糖尿病」「親/母親」のキーワードで検索を行った。国内論文8件、海外文献8件が得られ、これら16文献をPattersonのmeta-studyの手法を用いて分析した。その結果、以下の結果が得られた。「1型糖尿病をもつ幼児・小学校低学年児童の療養行動の習得に必要な要素」として、幼児期・小学校低学年までの発達課題の達成を基盤にした、療養行動に対する子どもの気持ち・関心、知識や技術の習得に必要な子どもの能力が導かれた。また、母親と子どもへの周囲からのサポート、および、子どもの療養行動の習得と安全な環境づくりを目指した母親の関わりが抽出された。1型糖尿病をもつ幼児期・小学校低学年の子どもの療養行動の習得に向けた体験の積み重ねは、子どもの成長発達や、それに伴うサポートの広がり、母親の糖尿病管理や育児の習熟を含む複雑な過程であり、子ども、母親、周囲のサポートが相互に関係しながらダイナミックに変化していく枠組みとして示された。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 宮本 沙織, 高橋 弥生, 内海 加奈子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 16(1) 35-38 2012年3月  査読有り筆頭著者
    小児糖尿病キャンプは、1型糖尿病をもつ子ども達にとって糖尿病に関する継続教育の場としても重要である。A県で行われた平成22年度小児糖尿病キャンプでは、年長の参加者が多かったことやカーボカウントの講義と演習が企画されていたため、カーボカウントの知識も活用した災害対策の学習を看護の授業で実施した。その結果、子ども達は、緊急時に持ち出す物品として日常使用している医療や生活に必要な物品を挙げることができたが、保険証やお薬手帳など親が管理している物品を挙げることはできなかった。また、使用しているインスリンの種類や量を覚えていたが、災害時に自分が使用しているインスリンが手に入らない場合の理解は難しかった。更に、炭水化物に偏りがちな被災地での食事に合わせたインスリン調節についてカーボカウントの知識を活かして考えることができた。小児糖尿病キャンプを活用した災害対策の学習の意義が確認された。(著者抄録)
  • 荒木 暁子, 中村 伸枝, 臼井 いづみ, 渡辺 尚子, 松田 直正
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 34(34) 9-14 2012年3月  査読有り
    専門看護師の活用に関わる看護管理者と専門看護師の共通認識をはかるために,千葉県立病院群の看護管理者と共に,専門看護師クリニカルラダー(臨床実践能力段階別到達目標)および育成ラダー(専門看護師の育成指標)を作成した.また,ラダー作成の目的は,「県立病院において共通して活用できる,専門看護師として高い専門性を発揮するための能力指標およびサポート指標を明らかにすることで,専門看護師の育成・キャリア開発を支援する.この指標を作成することで,看護管理者と専門看護師が共通の指標を用いて活動内容やサポートなどについて合意形成を図ることができ,他の看護スタッフの理解を得るためにも活用できる.また,県内に共通した指標があることで,看護管理者と専門看護師の合意形成が促進できる」ことで合意した.それぞれが専門性の高い医療を提供している県立病院群において,看護管理者が共通の指標を用いて専門看護師の育成や活用にかかわることが期待される.
  • 中村 伸枝, 奥 朋子, 松本 ゆり子, 松本 ゆり子, 大野 朋加, 神津 三佳, 森田 公美子
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 34(34) 33-37 2012年3月  査読有り筆頭著者
    千葉大学大学院看護学研究科・医学部附属病院看護部連絡会議の専門看護師・認定看護師部会において,看護学研究科の教員と看護部に所属する専門看護師・認定看護師の協働により,専門看護師・認定看護師の実習評価票を作成した.評価票は,専門看護師教育課程の大学院生と認定看護師教育課程の研修生が用いる「学生用」と,専門看護師・認定看護師が用いる「実習指導者用」の2つを作成し,平成22年度の専門看護師・認定看護の実習で試行した.その結果,学生は実習に慣れるのに時間を有し慣れるまでは積極的な実習が行いにくく達成感も得られにくいことが分かった.また,実習指導者と学生の評価の両方を見ることで教育施設の教員は実習の効果や課題について多角的に評価することができたり,学生の評価票から情報収集時間の不足が分かり,実習日程の調整にもつながった.さらに,実習指導要綱には書かれていない実習目標の意図や実習の進め方について学生が困難に感じている点や,実習指導者が実習中に気づかなかった学生の思い等が明らかになった.評価票は,専門看護師・認定看護師の実習を行ううえで前提となる姿勢や態度の評価として活用可能であり,実習までの教育や実習の組み立ての改善に役立てることができると考える.
  • 中村伸枝, 武田淳子, 内田雅代, 遠藤巴子, 兼松百合子
    千葉大学看護学部紀要 (24) 1-7 2012年3月  査読有り筆頭著者
  • 臼井 いづみ, 中村 伸枝, 松田 直正, 荒木 暁子, 市原 真穂, 奥 朋子, 添田 百合子, 細矢 美紀, 松岡 真里
    千葉看護学会会誌 17(1) 35-42 2011年8月  査読有り
    本研究の目的は、専門看護師・専門看護師教育課程修了者および看護管理者の専門看護師教育課程へのニーズを把握することにより、専門看護師教育課程の改善に向けた示唆を得ることである。全国の専門看護師・専門看護師教育課程修了者(以下、修了者とする)および看護管理者に自作の無記名による質問紙調査を行い、専門看護師159名、修了者197名、看護管理者203名から回答を得た。専門看護師70名、修了者140名、看護管理者56名分の有効回答をそれぞれ質的に分析した結果、以下が明らかとなった。教育課程に対し、専門看護師としての実践力の強化を含む質の高い教育内容の提供や、教育課程と臨床の連携を求めていることが、専門看護師・修了者・看護管理者に共通していた。一方で、専門看護師は専門看護師の質を保証する修了後の支援を多く求めていること、修了者は認定審査に向けた支援を多く求めていること、看護管理者は基本的な姿勢やマネジメント能力、コミュニケーション能力といった組織の中で看護管理者と協働していく際に必要な能力の強化や在職のままでも通学できるシステムの構築、専門看護師活用のネットワーク作りを求めていることなどの特徴があった。教育課程は、専門看護師の実践力強化や自己学習力強化を含む効果的で有用な教育カリキュラムを工夫する必要があること、教育内容に関する情報提供や意見交換を丁寧に実施して臨床との連携を強化する必要があることが示された。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 臼井 いづみ, 松田 直正, 荒木 暁子, 市原 真穂, 奥 朋子, 添田 百合子, 細矢 美紀, 松岡 真里
    千葉看護学会会誌 17(1) 17-24 2011年8月  査読有り筆頭著者
    専門看護師として認定を受けていない専門看護師教育課程修了者の認定申請に向けたサポートニーズを明らかにすることを目的に、専門看護師として認定を受けていない専門看護師教育課程修了者に自記式質問紙調査を行い、197名から回答を得た。調査内容は、看護師経験年数、課程修了後の年数、現在の立場、認定申請に向けた準備状況、医療施設での雇用や活動の実態、認定申請に向けて受けた支援、申請準備を行わない理由、申請のために必要な支援や条件などであった。専門看護師認定審査の受験資格となる実務研修期間を満たしていない対象者は93名(47.2%)であり、認定申請の申請を目指して準備をしていない修了者は100名(50.8%)を占めた。申請準備をしている修了者の95.6%は医療施設に在職しており、申請準備をしている者は、活動範囲が病院全体である者(カイ二乗値9.14、P&lt;0.03)、勤務時間での活動が可能である者(カイ二乗値10.27、P&lt;0.01)が有意に多かった。申請に向けた支援は、「医療施設からの支援」が最も多かった。申請準備をしていない100名の申請準備をしない理由は、「個人的理由により実務経験が積めない」、「臨床経験を積んでから申請準備をしたい」が多く、修了後の年数による特徴がみられた。申請準備中の修了者に対する医療施設からの申請に必要な活動を行いやすくする立場や役割、活動時間等の支援が求められる一方で、申請準備をしていない修了生への臨床能力を高める支援や専門看護師を目指す動機づけの維持、ワークライフバランスなど多様なサポートニーズが明らかになった。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 出野 慶子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 15(1) 18-24 2011年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、小学校低学年で糖尿病を発症し小児糖尿病キャンプに参加経験がある子どもの糖尿病をもちながら成長する体験を明らかにし、長期的な成長発達の視点をもつ看護援助への示唆を得ることである。小学校低学年で1型糖尿病を発症し、現在22〜28歳の青年4名を対象に、発症時期から現在までの時間経過に沿って糖尿病や療養行動に関連した生活のあり様について自由な語りを得た。それぞれの時期の体験から、糖尿病をもちながら成長する体験、小児糖尿病キャンプの体験、糖尿病になったことを抽出した。その結果、小学校低学年に発症した者は、発症時の状況や親のショックなどを鮮明に覚えていた。全ケースが糖尿病発症により周囲の人とうまくいかない経験やとても気を使う体験をし、本人の努力と周囲のサポート、小児糖尿病キャンプへの参加により乗り越えていた。高校卒業後は、全ケースが親の意向も受け入れつつ自立して自らの道を選択し、新たな課題には新たな対処を取り入れて向かっていた。以上の体験と糖尿病になったことの意味づけから、【糖尿病と向き合う人生は、より豊かでメリハリのある人生】が導かれた。発症時の状況や親のショックを感じながらも自力で対処する力が充分には備わっていない小学校低学年発症の子どもに対し、発症時から年齢なりに糖尿病と向き合い、対処しながら成長していく体験を支える看護の必要性が示唆された。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 臼井 いづみ, 松田 直正, 荒木 暁子, 市原 真穂, 奥 朋子, 添田 百合子, 細矢 美紀, 松岡 真里
    千葉大学大学院看護学研究科紀要 (33) 31-37 2011年3月  査読有り筆頭著者
    専門看護師として認定を受けていない専門看護師教育課程修了者の、教育課程での学びと教育ニーズについて検討するため、質問紙調査を実施し、197名から回答を得た。その結果、教育課程で役だった内容は、「理論・知識」が39件、「実習」35件、「研究」25件であった。不足を感じた内容は、「健康教育のアセスメント・診断・治療」36件、「理論と実践の統合・事例分析」27件、「専門領域の知識や技術」13件など看護実践に関わる内容が多かった。修了後の実践では学びを実践に適応する具体的な方策や、多様な実践への応用、基礎となる健康教育のアセスメントや診断・治療に関わる知識などに不足を感じていた。多様な背景をもつ修了者が専門看護師として活動するには、修了後も継続した段階的な学習支援の方策が必要と考えられた。

主要なMISC

 51

書籍等出版物

 3

主要な講演・口頭発表等

 33

共同研究・競争的資金等の研究課題

 25