研究者業績

中村 伸枝

ナカムラ ノブエ  (Nobue Nakamura)

基本情報

所属
千葉大学 大学院看護学研究院 教授
学位
博士(看護学)(千葉大学)
修士(看護学)(千葉大学)

J-GLOBAL ID
200901094252305753
researchmap会員ID
1000200592

研究キーワード

 3

経歴

 1

学歴

 3

論文

 125
  • 中村 伸枝, 石川 紀子, 武田 淳子, 内田 雅代, 遠藤 巴子, 兼松 百合子
    日本小児保健研究 60(6) 721-729 2001年11月  査読有り筆頭著者
    小学校3校の1〜6年生の学童とその親1485組を対象に,学童の日常生活習慣と健康状態の関連の特徴を調べた上で,子供の健康に関する親の気がかりを把握し,子供の健康状態と比較した.その結果,就寝時間や清潔行動,食行動は学童全般に亘り親が実際に行う行動の影響が大きく,親を含めた指導が重要であると考えられた.朝の目覚めは,学童の生活と身体的・精神的両面の健康状態の重要な観察項目であると考えられた.学童において楽しく体を動かすことは肥満の観点に加え,心身の健康を整える上で重要であると考えられた.親は学童の身体面の健康に関する気がかりを多く述べ,学童の身体面をよくとらえていた.一方,精神面の気がかりを挙げた親は少なく,学童の回答との間にギャップがみられ,学童の精神面に目を向ける働きかけが必要と考えられた
  • 出野 慶子, 徳田 友, 今野 美紀, 兼松 百合子, 中村 伸枝
    千葉看護学会会誌 7(1) 1-6 2001年6月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,(1)小児糖尿病患者の肥満度と,体脂肪,年齢,性別,血糖コントロール,インスリン量,療養行動の関連について明らかにする,(2)小児糖尿病患者自身の体重についてのとらえ方を明らかにすることである。小児糖尿病外来を受診中の10歳以上の1型小児糖尿病患者のうち,承諾が得られた10〜24才の53名(男子22名,女子31名)を対象に,療養行動質問紙,理想体重,体重が気になるか,体重測定頻度についての自記式質問紙調査と,面接調査,身長・体重・体脂肪測定を行った。その結果,肥満度の平均は4.9±12.1%であり,肥満度10〜20%未満は9名(17.0%),肥満度20%以上は5名(9.4%)であった。肥満度と体脂肪には相関がみられ,肥満度の低い者は,運動をよく行い,身体活動に合わせて間食の時間を決めていた。血糖コントロールを3群に分けて比較した結果,血糖コントロールが不良(HbA1c9.0%以上)の者は,平均肥満度が高く,体重あたりのインスリン量が多かった。女子は男子より血糖コントロールが同じ群でも肥満度の高い傾向がみられた。女子は男子より体重が気になる者が多く,現在の体重より平均5.6kgやせたいと回答した。男子は,筋肉をつけ体型を維持したいと考える者がいる一方で,体重に関心がうすい者も多かった。自分の体重が増加する原因を,生活と結びつけてとらえ整えている者は,血糖コントロールが良好で体重も適正であった。患者の体重についてのとらえ方を把握した上で,性差,年齢差を考慮し,インスリン不足になることなく徐々に理想体重に導く看護援助の方向性が示唆された。This study examined the relationship between body fatness and body fat, age, sex, blood glucose control, insulin dose, and self-care behavior behavior in type 1 diabetes mellitus in children and adolescents, and also investigated the patient's self awareness of their own body weight. Informed consent was obtained from 53 diabetic patients (22 boys and 31 girls, 10~24 years old) who were being followed in the pediatric diabetic clinic. The subjects completed a diabetic self-care behaviors questionnaire, and participated in an interview involving self awareness of their own body weight, and then their height, body weight and body fat were measured. The results were as follows. The average body fatness was 4.9±12.1%, and 9 patients had a body fatness level of 10~20%. In 5 patients, the body fatness level exceeded 20%. A correlation was observed between body fatness and body fat. Patients in whom body fatness was low often had decided a time for exercise and between-meal snacks with respect to physical activities. Poor control patients had high average body fatness, and the insulin dose was high in relation to body weight. Girls tended to exhibit higher body fatness than boys, even under equal blood glucose control conditions. Girls and boys thought quite differently about body weight, and girls wanted to become an average of 5.6kg thinner compared to their present body weight. Boys, on the other hand, thought that body weight added muscle and wanted to maintain their physique. Some boys had almost no awareness or interest in body weight. Patients who understood that body weight was linked with life style, and arranged their life style accordingly, showed good blood glucose control and proper body weight. Nursing intervention is therefore needed to help patients understand their role in body weight control, considering differences in sex and age, and to gradually lead patients to a proper body weight without them experiencing insulin insufficiency.
  • 中村 伸枝, 石川 紀子, 武田 淳子, 内田 雅代, 遠藤 巴子, 兼松 百合子
    小児保健研究 60(2) 229-229 2001年3月  査読有り
  • 武田 利明, 石田 陽子, 兼松 百合子, 中村 伸枝
    岩手県立大学看護学部紀要 3 9-12 2001年3月  査読有り
    インスリン製剤であるノボリンR及びモノタードをラットに単回皮下注射することにより,本剤の組織傷害の程度や持続時間について病理学的検索を実施した.各製剤0.5ml/head(20単位/head)を頸背部皮下に注射後,6,12,24,48,72時間及び7日目に肉眼所見と組織所見により,傷害の程度について経時的に検索した.その結果,肉眼所見において2種の製剤に差は認められなかった.一方組織所見においてはノボリンRの皮下組織内での炎症反応はモノタードと比較しやや強い傾向にあった.又,ノボリンRによる筋肉組織の傷害(線維化巣)は,7日目においても残存することが確認された.モノタードにおいても同様の変化が認められたが,その程度はノボリンRより弱かった
  • 中村 伸枝, 石川 紀子, 武田 淳子, 内田 雅代, 遠藤 巴子
    千葉大学看護学部紀要 23 15-22 2001年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,(1)学童の親が,子どもの日常生活習慣をどの様にとらえているかを明らかにする。(2)学童の親がとらえた子どもの運動習慣・食習慣・生活規律と,学童の実際の生活習慣を比較する.(3)学童の親がとらえた,子どもの運動習慣・食習慣・生活規律の問題を改善できない理由を把握する,ことである.小学1〜6年生の学童とその親1485組を対象に,自記式質問紙調査を行い,以下の結果を得た.約6割の親は学童の運動習慣,特にスポーツをすることを,よい習慣としてとらえていた.運動不足を改善したいと述べた親は,男子や肥満度の高い学童の親が多かった.食習慣の問題は,親が改善したい習慣のうち最も多く,低学年や肥満度の高い学童の親が多かった.低学年学童の親は,生活規律をよい習慣に挙げ,高学年学童の親は生活規律を改善したいととらえている者が多かった.親の生活習慣のとらえ方は,学童の生活習慣の実際に添ったものであった.親は,生活習慣が改善できない理由として,運動不足では子どもの感情・意志や友達の影響を,食習慣の問題では家族の影響や子どもの意志・感情を,生活規律では家族の影響や時間がないことを多く述べでいた.学童の生活習慣を改善するためには,改善できない理由の特徴をとらえたうえで,段階的に親子あるいは学童自身に関わっていくプログラムが必要であると考えられた.
  • 中村 伸枝, 出野 慶子, 徳田 友, 今野 美紀, 兼松 百合子, 宮本 茂樹
    日本糖尿病教育・看護学会誌 4(2) 101-107 2000年9月  査読有り筆頭著者
    合併症発症後,療養行動と血糖コントロールが改善した2例について,病気と療養行動に関する認識が変化した時点で実施した半構成面接と,外来での経過をもとに検討した.症例は,糖尿病と13歳時に診断された23歳女と,9歳時に診断された23歳女である.2例がインスリン注射を必要と認識したのは,インスリン注射を中断し,ケトーシスを起こしてからで,合併症やケトーシスを身にもって体験した事で,病気や療養行動に対する認識が変化した.また,それまで認識が変化しなかった要因として,同じ糖尿病をもつ家族自身の療養行動や,家族の患者への関りが不適切であった事が考察された.病気や療養行動の認識が変化した患者は,経過をありのままに受けとめ,療養行動を改善していた.小児期発症の2型糖尿病患者に対し,患者が糖尿病を受けとめ,療法行動を生活の中に組み込んでいけるよう,年齢や患者の関心に合わせて援助していく事が必要である
  • 中村 伸枝, 石川 紀子, 武田 淳子, 内田 雅代
    小児保健研究 59(2) 293-293 2000年3月  査読有り
  • 中村 伸枝, 出野 慶子, 徳田 友, 兼松 百合子, 今野 美紀
    千葉大学看護学部紀要 22(22) 63-67 2000年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,(1)部位別の注射頻度と,注射部位を変えられない理由,(2)注射部位の選択と関連する要因,(3)注射部位の硬結の有無と関連する要因を調べることである.インスリン注射を行っている4才から23才の小児糖尿病患者44名を対象に,外来の待ち時間にインスリン注射の部位別の注射頻度を4段階で回答を求め,注射を打たない部位がある場合にはその理由を尋ねた.また,年齢,罹病期間,注射部位のずらし方と,注射部位の硬結の有無,硬結部位,使用中のインスリン製剤の種類と1日の注射回数,インスリン量,キャンプ経験の有無を調べた.その結果,最も注射を打つ頻度が高かったのは大腿であり,臀部は打ったことがない者が約65%を占めた.同一部位に注射することが多い理由は,やりやすさや痛くないことであった.上腕に注射を打つ頻度が高い患児は,注射部位を毎回ずらしている者が多く,腹部に打つ頻度が高い患児は,注射回数が多かった.男子より女子の方が,また,キャンプ経験者の方が,全ての部位で注射を打つ頻度が高かった.注射部位の硬結は,過去の経験を加えると,半数以上の者が経験していた.硬結の経験がある者は,中期型インスリンの量が有意に多く,硬結部位は,臀部に少なく上腕に多い傾向を示した.キャンプなどで継続的に注射部位の拡大を含む技術の見直しを行うこと,中間型インスリンや上腕への注射の指導は,注射部位のずらし方や手技などをより丁寧に行う必要があると考えられた.
  • 中村 伸枝, 武田 淳子, 出野 慶子, 徳田 友
    千葉大学看護学部紀要 22(22) 33-37 2000年3月  査読有り筆頭著者
    ヘルスケア非関連学部の学生を対象に行われた,大学の普遍教育「心と身体の症状とケア」において,「食生活と健康」というテーマで2コマ180分のセミナー型授業を展開し,有効性を検討した.1回目の授業では,(1)学生が自分の食生活をどのように捉えているかを振り返ることができる.(2)学生が食生活の内容に注意を向ける,ことを目標として,講義と食事記録の分析を行った.食事記録の分析の結果,1日に10品目以下しか摂取していない学生が1/3おり,果物を全く摂取しない者は60%以上であった.また,2回目の授業では,学生が自分の食生活の問題点をどのように具体的に改善できるか考えることを目標として,食事記録の分析結果を提示して講義を行った後,同じ問題点をもつ学生同士の話し合いを行った.受講1ヶ月後に行った学生の食生活に関する調査の結果,食生活の改善に取り組んでいると答えた学生は21人(84%)であり,また,24人(96%)が,受講後に自分の食生活について考えることがあると答えた.受講した学生の食生活そのものを素材にして分析し,分析結果を提示したことで,演習を行う学生自身が,食生活を含めた生活習慣についての気付きが多かった.また,同じ様な食生活の問題をもつ学生との話し合いを通して,食生活の改善について具体的にいろいろな角度からみていくことが可能になったと考えられた.ヘルスケア非関連学部学生に対する食生活を含めた健康教育は,学生のニードが高く意義も大きいため,授業の中で漸進的に展開できるよう今後も検討していく必要があると考えられた.
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子, 武田 淳子, 丸 光惠, 松岡 真里, 内田 雅代, 二宮 啓子, 今野 美紀, 谷 洋江
    日本看護科学会誌 19(3) 74-82 1999年11月  査読有り筆頭著者
    1)親の健康責任と自己実現,ストレス管理,及び,子育てpositiveと自己実現,ストレス管理には正の相関が見られた. 2)親の日常生活習慣の項目の内「朝すっきり起きられる」は,親の自実現が高いこと,ストレスの少ないこと,子育てがnegativeではないことと関連が見られた. 3)患児の日常生活習慣は,親のライフスタイルの内,親の日常生活習慣である「就寝時間」「歯磨き」のみと相関が見られた. 4)患児の療養行動が適切であることは,親の自己実現が高いこと,疾患に関連したストレスが少ないこと,子育てがnegativeではないこと,親が「朝すっきり起きられる」こと,「就寝時間」が適切なこと,「外出後の手洗い」をすることと関連が見られた
  • 奈良間美保, 兼松百合子, 荒木暁子, 丸光恵, 中村伸枝, 武田淳子, 白畑範子, 工藤美子
    小児保健研究 58(5) 610-616 1999年9月  査読有り
    本研究は,米国において育児ストレスを測定するために開発されたParenting Stress Index(PSI)の日本版を作成し,日本の乳幼児の母親を対象に,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした.原版PSIを翻訳,内容の妥当性を検討した質問紙を用いて,乳幼児健診に来所中の母親に調査を行った.1109名の回答より,日本版PSIの構成概念妥当性を検討した結果,原版とは異なる因子構造が認められ,最終的に78項目15下位尺度として使用することが妥当であると判断した.78項目の日本版PSIは,質問紙全体と下位尺度の内的整合性に優れ,検査・再検査法による安定性が確認された
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子, 今野 美紀, 二宮 啓子, 内田 雅代, 武田 淳子
    千葉大学看護学部紀要 21 17-24 1999年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,1)小児期発症のNIDDM患者の糖尿病と療養行動についての認識をIDDM患者と比較して把握すること,および2)NIDDM患者の糖尿病と療養行動の認識と,自尊感情,およびソーシャルサポートとの関連を調べることである.対象は,小児糖尿病外来を受診中の小児期発症のNIDDM患者,および,年齢と性をマッチさせたIDDM患者,各20名である.対象者に対し,糖尿病の生活への影響と療養行動に対する認識などについての面接調査と,療養行動の実際,自尊感情,ソーシャルサポートについての質問紙調査を行った.その結果,NIDDM患者もIDDM患者も糖尿病の生活への影響の大きさには有意差は見られなかったが,IDDM患者の方がより肯定的な影響を述べていた.療養行動の大切さについては,外来受診,ストレスをためないこと,禁煙,体重管理についてNIDDM患者の方がIDDM患者より大切ではないと答え,禁酒のみNIDDM患者の方が大切であると答えた.外来受診の意味は,コントロール状態や健康状態の把握のためが多かったが,IDDM患者では同時に,友達からのサポートを得たり,1ケ月間の療養行動の振り返りを行っていた.療養行動の動機づけには,病院に来ること,太ったこと,合併症を増やしたくないことなどが挙げられていた.血糖コントロールのよい者は自尊感情が高く,食事療法や体重管理を大切だと認識している者は療養行動が適切であった.病気について理解してくれる人がいないと感じている者や,親族が糖尿病であっても自分とは別であると考えている者は,療養行動や血糖コントロールが不良であった.NIDDM患者に対し,外来受診時にリラックスして話し合える場を提供し,患者の努力しているところやよくできているところを認め,自尊感情を高めていくように,家族を含めて関わっていくことが大切であると考えられた.
  • 松岡 真里, 丸 光惠, 武田 淳子, 中村 伸枝, 兼松 百合子, 松本 暁子, 内田 雅代, 竹内 幸江, 佐藤 奈保, 栗林 浩子, 篠原 玲子, 西牟田 敏之
    千葉大学看護学部紀要 20(20) 59-68 1998年3月  査読有り
    気管支喘息患児をもつ母親の,1)ライフスタイルの実態を明らかにする,2)ライフスタイルの要素間の関連を明らかにする,3)母親の特性,喘息児の特性とライフスタイル間の関連を明らかにする,ことを目的に研究を行った.対象は,喘息児をもつ75名の母親であった.質問紙による調査の結果,以下のことが明らかとなった.気管支喘息患児をもつ母親は,家族の健康に関心が高く,楽観的な考えの母親ほど,日常の中でストレスを管理している様子が明らかとなった.また,こどもの自立を望み,子育てへの関心も高かった.しかし,発作に関するストレスや薬の不安などを抱く母親も多く,発作が母親のストレスとなり,発作をコントロールするためにこどもへの統制的な関わりが増していた.以上より,疾患管理についてのみでなく,子育てについてをともに考え,母親自身の生活が充実したものになるように援助することが,喘息児の発作のコントロール,ひいては児の自立にもつながると考えられた.
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 1(2) 76-83 1997年12月  査読有り筆頭著者
    「お酒を飲む」対処行動が健康児に有意に多く用いられていた.重回帰分析の結果,小児糖尿病患者では「お酒を飲む」対処行動は日常生活に関するストレスが高いこと,自分で積極的に問題に取り組む対処パターンが少ないこと,前年度の「お酒を飲む」対処行動の3変数が有意な変数として採択された.「たばこを吸う」対処行動は前年度の「たばこを吸う」対処行動のみが採択され,「食べて気をまぎらす」は,疾患に関するストレスが高いこと,自分で積極的に問題に取り組む対処パターンが多いことの2変数が採択された.これらの結果は,年齢が高くなることや友達のサポートを求める対処パターンが多いことが関連していた健康児の結果とは異なっていた
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子
    千葉看護学会会誌 3(2) 99-101 1997年12月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,小児糖尿病患者がもちいている情緒志向型の対処行動がどの様なものかを調べることである。10〜19歳の小児糖尿病患者13名が,ストレスがあるときに気晴らしになったり気が休まるものを写した36枚の写真を分析した。その結果,「好きなことに熱中してストレスを発散させる」「ソーシャルサポートを求める」「ペットと過ごす」「景色を眺める」内容が得られた。ストレスが高いときに最も役立った対処行動は,患児がいっも行っている身近なものであり,患児がいっも行っている情緒志向型の対処行動を支援していくことが大切であると考えられた。
  • 兼松 百合子, 中村 伸枝, 内田 雅代
    小児保健研究 56(6) 777-783 1997年11月  査読有り
    10歳から20歳のインスリン使用中の糖尿病患児70名を対象として,糖尿病の治療処方を家庭や学校で実施する行動(療養行動)と,全ての子どもが健康な生活のために必要とする行動(健康行動)を質問紙により調査した.年齢と共に療養行動の自立は高まるが, 1)起床・就寝時間は次第に遅くなり,運動しなくなる,毎日の生活の楽しさや親からのサポート感は低下する, 2)インスリン注射を忘れるもの,朝食を摂らないもの等がみられた.しかし,療養行動と健康行動との相関は高く,とくに「食事時間は規則的」「朝すっきり起きられる」が療養行動の多くの項目と関連していた
  • 武田淳子, 兼松百合子, 古谷佳由理, 丸光恵, 中村伸枝, 内田雅代
    千葉看護学会誌 3(1) 64-71 1997年6月  査読有り
    1)慢性疾患患児は日常生活において清潔習慣の実施率が高く,その他疾患管理に必要な日常生活行動の実施率が高かった. 2)学校生活において,悪性腫瘍患児や腎疾患患児は欠席日数が多く,体育の授業や行事への参加度が低いなど,友人と同じ経験をすることが困難であった. 3)学校生活において患児の病気のことを知っている人・理解してくれる人としては,担任に次いで養護教諭,親友が多く挙げられていたが,てんかん患児ではいずれも少なかった. 4)療養行動4項目(食事,運動,検査,注射・内服(吸入))については,身体のために必要と考える患児が多く,実施度も比較的高かったが,食事,運動共に制限の強い腎疾患患児では,友人との違いや否定的な気持ちを表現する患児が多かった. 5)てんかん患児は,病名を知らされていないことが多いために療養行動の必要性が理解できず,自立した行動がとれていない場合が多かった
  • 兼松 百合子, 中村 伸枝, 内田 雅代
    千葉大学看護学部紀要 19(19) 71-78 1997年3月  査読有り
    本論文は,筆者らが小児糖尿病外来で患児と親への援助を続ける中で,治療処方を的確に実施しよい血糖コントロールを維持するために必要な30項目をまとめたIDDM療養行動質問紙について,調査と臨床活用から信頼性と妥当性を検討し,考察を述べたものである。主な内容は次の通りである。1.30項目は食事療法,インスリン注射,自己血糖測定,低血糖への対処,運動,日常生活に関し,技術,知識,自立,気持ちの側面を含む項目から成り,3段階の回答を得点化する。小学校3年生以上20歳位までに使用できる自記式の質問紙である。2.平成6年度75名の調査によるCronbachα信頼性係数は0.76,各項目と総得点との相関は25項目において有意であった。3.因子分析では技術,知識に関する項目は「親との関係による療養行動」「自らの意識による療養行動」に分けられた。4.項目の重要性について医師,看護婦の合意がほぼ得られた。5.総得点の群分けが対象児の臨床像をよく反映すること,継続的な事例の指導に効果的に用いられることから臨床的な妥当性と有用性を知ることが出来た。
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子, 二宮 啓子, 今野 美紀, 谷 洋江
    千葉大学看護学部紀要 19(19) 61-69 1997年3月  査読有り筆頭著者
    ライフスタイルのなかの日常生活習慣に焦点を当て,1)糖尿病患児とその親の日常生活習慣と糖尿病管理に関わる療養行動との関連を調べること,および,2)子どもの糖尿病発症が家族の日常生活習慣に与える影響について調べることを目的に本研究を行った。対象は,6歳(小学校1年生)から20歳の小児糖尿病患者とその親で任意の承諾が得られた49組のペアである。小児糖尿病外来の待ち時間に,糖尿病患児に対し「子どもの健康習慣の質問紙」と「療養行動に関する質問紙」を,親に対し「親の健康習慣の質問紙」を用いて調査を行った。その結果,以下のことがわかった。1)糖尿病患児の療養行動と日常生活習慣で関連のみられた項目は,生活の規則性や清潔行動に関する項目であった。2)糖尿病患児の親の日常生活習慣,特に就寝時間は,糖尿病患児の日常生活習慣だけでなく,糖尿病の管理に関わる療養行動にも影響を与えていた。3)多くの親は,子どもの発病が家族の日常生活習慣によい変化をもたらしたと述べていた。以上の結果より,家族が日常生活習慣を整えていくように援助していくことが,糖尿病患児の日常生活習慣だけでなく,糖尿病の管理に関わる療養行動を適切にすることにつながると考えられた。
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子
    小児保健研究 55(3) 442-449 1996年5月  査読有り筆頭著者
  • 中村 伸枝
    千葉看護学会会誌 2(1) 23-29 1996年  査読有り筆頭著者
  • 中村 伸枝
    千葉看護学会会誌 2(2) 56-62 1996年  査読有り筆頭著者
    10代の小児糖尿病患者のストレスを軽減し対処能力を高めるためには,患児が自分自身のストレスや対処行動の傾向を自覚し,より良い対処ができるように援助していくことが必要であると考えられる。そこで,1994年と1995年に小児糖尿病外来を受診した10歳〜19歳の小児糖尿病患者のうち調査への承諾が得られた延べ118名を対象として,日本版A-COPE: Adolescent Coping Orientation for Problem Experiencesで得られた6対処パターンの得点を,健康児のデータに基づいたレーダーチャートを用いて視覚化した。118例のレーダーチャートは6つの型に分類された。対処行動の型を年齢,罹病期間,ストレス,療養行動,血糖コントロールについて一元配置分散分析を行った結果,F.3「感情の表出」とF.6「気晴らしとリラックス」が高くF.2「自分で積極的に問題に取り組む」が低い4型と,5因子以上が-1SD以下である5型が療養行動や血糖コントロールが有意に悪かった。また,1994年と1995年の対処行動の型を55名で比較したところ31名(56.4%)が変化していたが,2回ともに4型または5型のものは6名(10.9%)であった。レーダーチャートを用いて個別に面接した結果,レーダーチャートは,患児が自分の対処行動の傾向やその変化を知る上で有用であるとともに,看護者が患児の対処行動を把握し看護援助方法を選択する際にも有用であると考えられた。The purposes of this study are (1) to make the coping radar graph to visualize individual coping ability, (2) to categorize the coping radar graph to determine the problematic coping types, (3) to investigate the nursing interventions using coping radar graphs. A total of 118 diabetic teenagers completed three questionnaires of stress, coping and self-care behaviors. 63 subjects were studied in 1994 and 55 among 63 subjects in 1995. Coping was measured by Japanese Adolescents Coping Orientation for Problem Experiences (Japanese A-COPE) translated and validated by the author. The Japanese A-COPE consists of six coping patterns. The coping radar graph was made from six coping patterns of Japanese A-COPE to visualize individual coping ability. 118 coping radar graphs were categorized into six coping types. The type 4 (low "Engaging in demanding activity" and high "Ventilating feeling" and "Relaxing") and the type 5 (low in all coping patterns) were associated with poor self-care behavior and poor blood glucose control. The 55 subjects' coping types were compared at 2 points-time in 1994 and 1995. 31 among 55 subjects' coping types were changed, and 6 subjects' coping types were type 4 or type 5 both of the time. The findings of nursing interventions using coping radar graphs suggested that the coping radar graphs were effective to understand individual coping ability, and to support nursing interventions focused on the individual coping.
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子, 武田 淳子
    小児保健研究 55(1) 55-60 1996年1月  査読有り筆頭著者
    慢性疾患患児のストレスを質問紙を用いて調査し,健康児との比較,及び患児の疾患,年齢,性別の比較を行った. 1)健康児より慢性疾患患児の方が日常生活に関するストレスが高かった. 2)疾患によってストレスの内容,程度に差がみられ,行動制限や容姿の変化を伴うことの多い腎疾患患児のストレスが最も高く,悪性腫瘍患児のストレスが次に高かった. 3)慢性疾患患児は,中学生では成績の悩みが,高校生では容姿の悩みが大きく,特に女子において顕著であった
  • Nobue Nakamura, Yuriko Kanematsu
    Journal of Pediatric Nursing 9(6) 427-432 1994年  査読有り筆頭著者
  • 兼松 百合子, 横沢 せい子, 内田 雅代, 中村 伸枝
    生命倫理 2(1) 32-36 1992年  
    昭和58年に調査した小児の看護婦が直面した倫理上のジレンマ40例について分析した。生命倫理上の問題としては、重症奇形児・障害児への医療に関するものが29例あった。看護婦の倫理規定に関しては、「可能な限り高度な看護を提供し実施した看護に責任を持つ」に関連するものが27例あった。患者の状態としては、先天性の疾病・異常に関するもの22例、後天性のもの18例であり、前者は親の考え方により、後者は医師により医療方針の意思決定がなされている傾向が見られた。いずれの場合も、直接ケアに当たっている看護婦の多くが意思決定に参加しておらず、疑問、怒り、悩み、諦めなどの複雑な気持ちを持ちながら、多くの時間をかけてケアに当たっていることがわかった。本調査から、子どもの権利を尊重すること、関係者の意見共有と相互支持および看護婦の役割の明確化が必要であることが強調される。

主要なMISC

 51

書籍等出版物

 3

主要な講演・口頭発表等

 33

共同研究・競争的資金等の研究課題

 25