研究者業績

中村 伸枝

ナカムラ ノブエ  (Nobue Nakamura)

基本情報

所属
千葉大学 大学院看護学研究院 教授
学位
博士(看護学)(千葉大学)
修士(看護学)(千葉大学)

J-GLOBAL ID
200901094252305753
researchmap会員ID
1000200592

研究キーワード

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経歴

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学歴

 3

論文

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  • 出野 慶子, 中村 伸枝
    日本糖尿病教育・看護学会誌 14(2) 155-161 2010年9月  査読有り
    本研究の目的は、幼児期発症の1型糖尿病をもつ学童期の子どもに対する母親の、幼児期から現在までの子どもへのかかわり方と、子どもの療養生活の状況を明らかにすることにより、1型糖尿病をもつ幼児の母親に対する看護援助の示唆を得ることである。幼児期発症の1型糖尿病をもつ学童の母親7名を対象とし、母親の子どもへのかかわり方と子どもの療養生活の状況などについて半構造化面接を実施した。その結果、血糖コントロールをあまり乱さないように気をつけながら、子どもの気持ちや欲求にできるだけ応じている母親は、子どもの療養生活におけるストレスを増強させないことにつながっていた。また、子どもの具体的な療養行動の自立を視野に入れている母親は、子どもが理解・実施できそうな療養行動を促しており、子どもは発達段階に見合った療養行動を実施していた。一方、子どもの「注射は痛い、面倒。」という感情に巻き込まれている母親は、子どもに療養行動を促すことが難しく、子どもは療養行動を自分のこととして意識しにくい状況があった。これらより、言語的表現が未熟な幼児の気持ちや欲求を母親が読み取り、それらと血糖コントロールとの折り合いをつけて母親がかかわれるように援助すること、および母親が療養行動の自立を視野に入れて子どもにかかわれるように援助することは、1型糖尿病をもつ幼児期の子どもを育てる母親への看護援助として示唆された。(著者抄録)
  • 劉 新彦, 中村 伸枝, 北池 正
    千葉看護学会会誌 16(1) 35-43 2010年8月  査読有り
    中国都市部の中学生の自己効力感、肥満と生活習慣の関係を明らかにすることを目的に、瀋陽市の中学3年生1167名へアンケート調査を行った。その結果、肥満の出現率は20.6%で男子(26.8%)が女子(14.4%)より高く、自己効力感の高い者は積極的生活習慣(健康のために自身が主体的積極的に好ましい行動を行う)の得点が有意に高かった。また、軽度肥満の男子、重度肥満の女子は、体重正常の男女より積極的生活習慣の得点が有意に高いことが分かった。
  • 金丸 友, 中村 伸枝
    千葉看護学会会誌 16(1) 17-25 2010年8月  査読有り
    学童期以降に糖尿病を診断された若者のセルフマネジメントに関する経験の積み重ねの特徴を明らかにすることを目的に、小学校4年生以降に糖尿病と診断された8名(男性2名、女性6名。10代後半2名、20代前半3名、20代後半3名)を対象に、発症時から調査時点までの生活や疾患管理上の出来事などについて半構成的面接を行った。先行研究や文献検討から導出された"糖尿病とともに生きることのとらえ方""セルフマネジメント""周囲の人の関わり"の3つの視点から質的帰納的分析を行った結果、糖尿病患者の経験の積み重ねの特徴として以下の3つのパターンが明らかになった。1)思春期になると糖尿病の管理よりも望む生活を優先して、コントロールが悪化していくパターン。2)思春期になって糖尿病の管理と望む生活との間に葛藤やギャップが生じるパターン。3)診断時に生じた葛藤やギャップを思春期には乗り越えて、青年期になると糖尿病が自分の一部になっているパターン。
  • 金丸 友, 中村 伸枝, 出野 慶子, 遠藤 数江
    小児保健研究 69(4) 553-558 2010年7月  査読有り
    糖尿病をもつ9名の学童後期・思春期の子どもにフットケアに対する支援を行い、有用性と課題を検討した。支援では実際に足を洗ってもらい視覚的に洗い残しの確認をした後、パンフレットとやすりを用いた指導を行った。4ヵ月間、受診時にフットケアと足の評価をしながら支援を行い、その後フォローアップ調査を行った。支援後ケアが改善している者が多く、支援の有用性が示された。実際に足を洗い、洗い残しを視覚的、体験的に確認したことは有用であった。深爪に注意して爪を切ることはほとんどのケースが改善していた。しかし、深爪の小学生は爪の切り方の習得に時間がかかっており、継続して関わることが重要と考えられる。(著者抄録)
  • Nobue Nakamura, Nozomu Sasaki, Kaichi Kida, Nobuo Matsuura
    PEDIATRICS INTERNATIONAL 52(2) 224-229 2010年4月  査読有り筆頭著者
    Background: The aim of this study was to assess (i) the health-related quality of life (HR-QOL) of primary, junior and high school children with type 1 and type 2 diabetes and to compare it with that of healthy school children; and (ii) to compare the diabetes-related QOL (DR-QOL) and the QOL of parents of children with diabetes, between type 1 and type 2 diabetes in Japan. Methods: Overall, 471 patients aged 9-18 years (368 with type 1 and 103 with type 2 diabetes) and their parents were involved. QOL was assessed using a self-administered questionnaire. Results: The total score for HR-QOL of primary and junior school children with type 1 diabetes was significantly higher than that of those with type 2 diabetes and healthy controls. However, there were no significant differences in high school children. Some subscales regarding HR-QOL were significantly lower for children with type 2 diabetes than for children with type 1 diabetes or healthy controls. The DR-QOL of children with type 1 and type 2 diabetes did not significantly differ. The Family Burden and Family Involvement were significantly greater in parents of children with type 1 diabetes. There were significantly positive correlations between HR-QOL and DR-QOL in both groups. In type 1 diabetes only, there were significant negative correlations between glycated hemoglobin and some subscales of the HR-QOL and QOL of parents of children with diabetes, and weak positive correlation between glycated hemoglobin and Family Burden. Conclusions: The HR-QOL of school children with type 1 diabetes was higher than that of those with type 2 diabetes and healthy school children. The QOL of school children with type 1 diabetes was not impaired.
  • 中村 伸枝, 松浦 信夫, 佐藤 浩一, 佐々木 望, 兼松 百合子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 14(1) 4-10 2010年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、1型糖尿病をもつ子ども/青年のQOLに、親のQOLや血糖コントロール等の要因がどのように関連しているかを明らかにし、看護援助への示唆を得ることである。小学校3年生以上22歳までの1型糖尿病をもつ子ども/青年474名とその親を対象に、子ども/青年の「生活の満足度:HR-QOL」と「糖尿病に関連した満足度:DR-QOL」、「親の生活の満足度:PDQOL」、「親の糖尿病と疾患管理の負担」、「親の糖尿病管理へのかかわり」、HbA1c、罹病期間、年齢について回答を求めた。各変数の相関関係を検討しながらパス解析を行い、モデル適合度判定に基づきモデルを修正した。その結果、小中学生の子どもでは、子どもの年齢と「生活の満足度:HR-QOL」、「親の糖尿病管理へのかかわり」のパスが有意であり、年齢が高いほど生活の満足度は低下し、親のかかわりは減少した。また、「親の生活の満足度:PDQOL」、「親の糖尿病と疾患管理の負担」、「親の糖尿病管理へのかかわり」間には有意なパスがあり、加えてこれらの親の各変数から子どもの「生活の満足度:HR-QOL」へのパスも有意であった。HbA1cは、「親の糖尿病と疾患管理の負担」とのみ有意なパスがみられた。一方、高校生以上の青年においては、年齢および青年の「生活の満足度:HR-QOL」、「親の糖尿病管理へのかかわり」間のパスは有意ではなかった。HbA1cは、「親の糖尿病と疾患管理の負担」と青年の「生活の満足度:HR-QOL」に有意なパスがみられた。修正したモデルの適合度は高く、1型糖尿病をもつ子ども/青年と親のQOLおよびHbA1cの関連が検証され、子ども/青年と親のQOLを高める看護援助への示唆が得られた。(著者抄録)
  • 中村 伸枝, 遠藤 数江, 出野 慶子, 荒木 暁子, 佐藤 奈保, 沖 奈津子, 三瀬 尚子, 小川 純子, 金丸 友
    千葉大学看護学部紀要 32(32) 57-61 2010年3月  査読有り筆頭著者
    子育て支援センターを利用する母親の生活習慣・BMI・骨量と幼児の生活習慣を明らかにすることを目的に、子育て支援センターの「幼児を育てるお母さんの健康教室」に参加した母親と幼児31組を対象にアンケート調査を行った。その結果、肥満傾向の母親は1名のみで、肥満度15%以上の児は1名のみであった。テレビやビデオ等で1日2時間以上遊ぶ幼児は13名(42.%)で、全員が21時以降に就寝し、このうち4名に朝食の欠食がみられた。
  • 松田 直正, 中村 伸枝
    千葉大学看護学部紀要 32(32) 43-47 2010年3月  査読有り
    看護基礎教育における高性能シミュレータを活用した教育の可能性を、高性能乳児医療トレーニングシミュレータ「シムベビー」を用いて乳児の呼吸窮迫時の看護を実施した看護学部3年次生3名への半構成的面接から検討した。内容分析の結果、学生の学びとして、「知識と実践が結びつき、記憶が薄れない」「実際に体験することで自分が知らないことやできないことに気づく」「変化し続けている患者の状態を、観察し判断する必要性に気づく」「臨場感があり、衝撃が強い」が抽出された。
  • 中村 伸枝, 阿部 恭子, 石橋 みゆき, 奥 朋子, 大野 朋加, 神津 三佳, 藤澤 陽子, 菅原 聡美, 光 多恵子, 松本 ゆり子, 千葉 均, 森 かずえ
    千葉大学看護学部紀要 (32) 17-22 2010年3月  査読有り筆頭著者
    高度先進医療を提供する大学病院における、専門看護師・認定看護師の役割に対する看護師以外の医療職者のニーズを明らかにすることを目的に、A大学病院(病床数:約800)に在職する看護師以外の医療職者を対象にアンケート調査を行い、337名(医師214名、薬剤師42名、臨床検査技師40名など)より有効回答を得た。その結果、専門看護師・認定看護師について「聞いたことはあるが詳しくは知らない」が約半数を占め、過去10ヵ月間に62名(18.3%)の医療職者が専門看護師・認定看護師に相談を行っており、皮膚・排泄ケア認定看護師と癌看護に関わる専門看護師・認定看護師への相談が多かった。専門看護師・認定看護師に依頼・相談したい内容は、身体的・心理的苦痛の軽減、終末期ケアなどの「患者・家族ケア」が最も多く、次いで「倫理的問題の調整」が多かった。
  • 遠藤 数江, 小川 純子, 中村 伸枝
    国立看護大学校研究紀要 9(1) 1-8 2010年  査読有り
  • 中村 伸枝, 金丸 友, 出野 慶子
    千葉看護学会会誌 15(2) 18-26 2009年12月  査読有り筆頭著者
    小児期に糖尿病を発症した青年の「糖尿病をもちながら成長する体験」を明らかにすることを目的に、2〜5歳で1型糖尿病を発症し、研究時点に19〜24歳で、小児糖尿病キャンプに参加経験のある5名(男性3名、女性2名)を対象に半構成的面接を行った。内容分析の結果、小児期に糖尿病を発症した青年の「糖尿病をもちながら成長する体験」は、発症の記憶がほとんどなく、成長の中で病気のためにできないことや苦い体験に出会いながらも、周囲のサポートや自らの努力で乗り越え、青年期となった現在【時折、制約のある自分をもどかしく感じながらも、糖尿病である自分はふつう】で、「病気がなければもっと小さい人間だったと思う」など病気を肯定的に捉え、【よりよい人生を送っている】と感じる体験であることが分かった。また、小児糖尿病キャンプへの参加は、【いろんな人から話が聞けた】ことで糖尿病である自分がふつうに生活していくために有用な情報が得られた体験であることが分かった。
  • 奥 朋子, 中村 伸枝, 大野 朋加, 阿部 恭子, 神津 三佳, 藤澤 陽子, 石橋 みゆき, 菅原 聡美, 光 多恵子, 松本 ゆり子, 千葉 均, 森 かずえ
    千葉看護学会会誌 15(1) 43-50 2009年6月  査読有り
    本研究の目的は,高度先進医療を提供する病院における専門看護師・認定看護師に対する看護師のニーズを把握し,専門看護師・認定看護師の活動の方向性を検討することである。高度先進医療を提供する大学病院1施設の看護師に自作の質問紙調査を行い,297人から有効回答を得た。その結果,以下が明らかとなった。平成19年4月から平成20年1月までに145人(48.8%)の看護師が,専門看護師/認定看護師に271件の相談を行っており,皮膚・排泄ケア認定看護師と,がん看護に関わる専門看護師・認定看護師に対する相談が多かった。看護師が専門看護師・認定看護師に依頼・相談したい内容は,身体的・心理的苦痛の軽減,終末期ケアなどの「患者・家族ケア」が最も多く,続いて,最新知識の習得などの「医療者を対象とした勉強会の開催」であった。看護師は,高度先進医療を提供する大学病院の特徴を反映した,部署内では解決できない問題を数多く認識していたが,38.7%の看護師が「誰にどのように相談してよいか分からない」,37.4%が「相談してよいかどうかわからない」と回答した。以上より,専門看護師/認定看護師は,相談の依頼を待つだけでなく,様々な機会を利用して,現場でのニーズを敏感に捉える,ニーズに合わせた学習を提供する,複雑で多種多様な問題に的確に対応できるよう専門看護師・認定看護師同士が連携を図る,専門看護師・認定看護師にアクセスしやすい体制を整える,自らが役立てると思う場面に積極的に加わり多職種と連携して問題解決にあたる重要性が示された。The purpose of the present study was to elucidate nurses' needs for Certified Nurse Specialists(CNSs)/Certified Nurses(CNs)and clarify their roles at a general hospital that provides highly advanced medical treatment. An original questionnaire created by the authors was completed by a total of 297 nurses at the general hospital. The following results were obtained. : From April 2007 to January 2008, 145(48.8%)of the 297 nurses consulted with CNSs/CNs about 271 cases. Nurses reported consulting with CN in Wound, Ostomy, and Continence Nursing and CN in Cancer Pain Management Nursing, CN in Brest Cancer Nursing, and CNS in Cancer Nursing. Most nurses consulted with CNSs/CNs regarding "care for patients and families" with the aim of reducing the physical and psychological pain and when providing terminal care. Nurses also consulted with CNSs/CNs during "study meetings for medical staff" in order to gain up-to-date knowledge. The nurses reported encountering many difficulties that they could not solve independently. Thesedifficulties reflected the unique conditions they faced in a general hospital that provides highly advanced medical treatment. A total of 38.7% of nurses responded, "I can't understand who to consult with and how to consult with them", while 37.4% responded, "I can't decide if my difficulties are problems that warrant consulting with them or not." The present findings indicate that it is necessary for CNSs/CNs to receive consultations, but also proactively address the needs of nurses. Furthermore, CNSs/CNs must provide up-to-date medical/nursing knowledge and collaborate with CNSs and CNs in orderto solve difficult problems. It is also necessary to develop infrastructure that facilitatesaccess to CNSs/CNs so that nurses can solve difficult problems. These findings also highlight the necessity of proactive participation in problem solving through collaborate inter-professional teams at the hospital.
  • 中村 伸枝, 遠藤 数江, 荒木 暁子, 出野 慶子, 佐藤 奈保, 小川 純子, 金丸 友
    千葉大学看護学部紀要 31(31) 13-16 2009年3月  査読有り筆頭著者
    本活動は、幼児をもつ母親が自分の健康に関心を寄せ生活習慣を整えていくことを促進することにより、母親の健康増進を図るとともに幼児の生活習慣が改善することを目指している。平成18年度に行った事前調査では、1/3の母親が自身の健康への関心が向けられておらず、育児を含めた生活の仕方に慣れていない母親に対する支援や、母親が育児をしながら日常生活の中で身体活動を行ったり、定期的に検診を受検するための具体的な支援の必要性が示唆された。以上の結果をふまえて6ヶ月間に渡り「幼児を育てるお母さんの健康教室」:4回の講習会"こどもの食について""おむつがはずれるまで""お母さんの健康と検診""子どもの睡眠・生活リズム"の開催と、前後の母親の生活習慣調査、骨密度・体脂肪・血圧・身長・体重測定、および、子どもの身長・体重測定を実施した。健康教室の講習会へは毎回16~25人、4回で延べ77人が参加した。また、教室初回の調査と計測には22人、教室最終回の調査・計測には13人が参加した。健康教室のミニアンケート結果から、健康教室の開催が子どもへの関わり方や自分自身の健康を考えるきっかけになったことが示された。
  • Hirokazu Sato, Nobue Nakamura, Shohei Harada, Naoko Kakee, Nozomu Sasaki
    PEDIATRICS INTERNATIONAL 51(1) 126-131 2009年2月  査読有り
    The aim of the present study was to investigate health-related quality of life (HRQOL) and the living conditions of young adults with congenital hypothyroidism (CH) detected on newborn screening. Among medical institutions that care for CH patients in Japan and were approached to in the present study, 78 institutions agreed to participate. The World Health Organization Quality of Life-26 (WHO/QOL-26) was used for measurement of HRQOL. CH patients who gave consent after receiving an explanation from their physicians filled in questionnaires at home and sent them by mail. This survey involved 51 CH patients (15 male; 36 female) whose mean age was 21.1 +/- 2.7 years (+/- SD; range, 18-27 years). The data from WHO/QOL-26 forms completed by 43 patients (12 male; 31 female) were compared with those for healthy individuals. Mean WHO/QOL-26 scores were 3.51 +/- 0.43 for male patients and 3.59 +/- 0.42 for female patients, and there were no significant differences between them and healthy individuals (men, 3.32 +/- 0.42; women, 3.35 +/- 0.49). No significant difference was observed between patients and healthy individuals on any domain of the WHO/QOL-26. Their degree of educational attainment was not poor. The HRQOL of young adults with CH detected on newborn screening was not poor.
  • Hirokazu Sato, Nobue Nakamura, Nozomu Sasaki
    PEDIATRICS INTERNATIONAL 50(4) 552-556 2008年8月  査読有り
    Background: The purpose of the present study was to investigate the effects of bodyweight on health-related quality of life (QOL) in children. Methods: A questionnaire to assess health-related QOL was developed and completed by 242 primary school children and 180 junior high school students in Morioka, Japan. Subjects were classified by obesity index into three groups as follows: underweight, <= -20% obesity index (n = 13); normal weight, between +20% and -20% (n = 354); and overweight, >= +20% (n = 55). The overall QOL score and the score of each domain were compared among the three groups and in each gender. Results: Overall QOL scores did not differ significantly among the three groups. The scores for the domain of 'strength, diligence and self-esteem' in the underweight and overweight groups were significantly lower than those for the normal-weight group overall and for girls (P < 0.01). Scores for the 'school' domain in the underweight group were significantly lower than those for the overweight group overall and for boys (P < 0.05). Conclusions: Children, except those of normal bodyweight, have low scores in some domains of health-related QOL, suggesting the importance of considering the effects of bodyweight on QOL in programs aimed at further understanding under- or overweight children and adolescents.
  • 小川 純子, 中村 美和, 遠藤 数江, 金丸 友, 佐藤 奈保, 中村 伸枝
    小児がん看護 3 54-62 2008年3月  
    小児癌の子どもが癌や治療による痛みに対して主体的に行動できることを促すCAI(Computer Aided Instruction)を作成、報告した。作成したCAIは、1)子どもの理解を促すための情報(検査や処置・入院生活・副作用・対処行動)、2)子どもの痛み日記(痛みの自己評価と血液データ、自由記載の日記)などからなり、1)についてはとくに、初回の痛み体験が大きい髄腔内注射と骨髄穿刺に関しては、子どもが理解しやすいように、処置の進行に沿った画像を併せて用いた。CAIの対象は、"病気や治療のことを自分のこととして考えられる""繰り返して行われる治療の経験を次に生かせる""コンピュータを自分で操作し、入力できる"年齢として、小学校4年以上とした。
  • 平賀 ゆかり, 兼松 百合子, 白畑 範子, 天野 洋子, 遠藤 巴子, 中村 伸枝
    岩手県立大学看護学部紀要 10 63-72 2008年3月  査読有り
    アメリカ・フィンランドと日本における小児期の糖尿病管理活動の体制を比較検討した。その結果、糖尿病患児数はフィンランドでは15歳以下の1型糖尿病患児数が約4200人で、アメリカと日本では1型・2型糖尿病を合わせた20歳未満の患児数はそれぞれ176500人・約7000人であり、3カ国とも年々増加している。10万人あたりの1型糖尿病の子ども(0〜14歳)の年間発症率はフィンランド36.5人・アメリカ17.8人・日本1.5〜2.0人で、フィンランドが世界で最も多く、いずれの国でも2型糖尿病の正確な患児数は把握されていない。糖尿病患児対する支援はアメリカやフィンランドでは主治医やCDE(Certified Diabetes Educator)、糖尿病ナースからの連絡表を基にスクールナースが行っており、医療関係者との連絡が取りやすく、糖尿病に関する外的な情報源も得られやすい環境づくりがされていた。それに対し日本では養護教諭が担当しており、近年ようやく糖尿病療法指導士の教育が始まったばかりで、医療における役割が確立していないためサポート源としての役割が果し難い状況にあるため、主治医への連絡体制の整備を進めることが先決と考えられた。日本の擁護教諭制度や活動は他の国では例がなく、系統付けられた「保健」教科の中で2型糖尿病予防を展開できるといった保健教育の推進者としても期待される面もある。以上より、養護教諭を支えるための体制の充実を学校関係者や医療関係者が早急に図る必要があると考えられた。
  • 中村 伸枝, 遠藤 数江, 荒木 暁子, 小川 純子, 佐藤 奈保, 金丸 友
    千葉大学看護学部紀要 30(30) 25-29 2008年3月  査読有り筆頭著者
    幼児と母親の生活習慣の実態と、母親の健康に関する認識を明らかにすることを目的に、子育て支援センターに来所した幼児をもつ母親57名へアンケート調査を実施した。自身の健康への「関心が低い群」(19名)と「関心が高い群」(38名)の2群に分け生活習慣について比較した結果、喫煙についてのみ有意差がみられ、関心が低い群は「家の中でもよく吸う」と回答した者が多かった。一方、子どもの生活習慣については、母親自身の健康への関心の高低にかかわらず、約9割の母親が気をつけていることが分かった。
  • 中村 伸枝, 星野 美穂, 二宮 啓子, 石井 康子, 今野 美紀, 錢 淑君
    小児保健研究 66(5) 682-687 2007年9月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は、「小学校中学年から中学生の生活の満足度(QOL)質問紙」の標準化を行い、通常学校に在籍する児童生徒の基礎データとすることである。全国6道県、12の小中学校に在籍する、小学生1,106名と中学生1,004名から有効回答が得られ、小中学校別および性別の標準値が算出された。小中学生を比較すると、総得点とすべての下位尺度において小学生のほうが中学生より有意に得点が高かった。性別比較では、「F1:不安や悩み(がない)」および「F6:体力と勤勉性、自尊感情」が、女子より男子の方が有意に高かった。加えて、中学生では総得点は男子の方が有意に高く、「F3:友達の満足」は、女子の方が有意に高い結果であった。本調査の結果は、通常学校に在籍する児童生徒の基礎データとして活用可能である。(著者抄録)
  • 出野 慶子, 中村 伸枝, 金丸 友, 遠藤 数江
    千葉看護学会会誌 13(1) 53-60 2007年6月  査読有り
    7〜11歳のきょうだい13名の話し合い内容を録音して逐語録に起こし、「疾患や療養行動の理解」「療養行動への関わり」「同胞(患児)の疾患に関連した気持ち」「学校での体験」の視点から質的に分析した。結果、「疾患や療養行動の理解」と「療養行動への関わり」はきょうだい・同胞の年齢や出生順位により相違がみられた。年下の同胞をもつ小学校高学年のきょうだいは、疾患や療養行動への理解が深まるなかで自発的な関わりをしており、同胞の療養行動における頑張りを誇らしく思う一方で、食事や間食に不満を感じていることもあった。年上の同胞をもつきょうだいは、疾患や療養行動に対する理解度は低かったが自然に受けとめており、協力を求められた場合には応じていた。同じ学校に同胞が通学しているきょうだいは、同胞がいつも保健室にいる理由を友達から尋ねられたり、母親が頻回に来校することに複雑な感情を抱きながら対処していた。
  • 中村 美和, 中村 伸枝, 荒木 暁子
    千葉看護学会会誌 13(1) 44-52 2007年6月  査読有り
    小児がん患者とその家族を看護した経験のある小児関連病棟/緩和ケア病棟看護師および訪問看護師、計13名を対象に、ターミナル期にある患児・家族1事例の想起に基づく半構成的面接を行い、標題の「構成概念」「介入の枠組み」について検討した。結果、9つの「構成概念」とこれらに対応する6種類の「看護援助」が抽出され、さらに3つの「介入の枠組み」とこれらを構成する「看護援助」を明らかにすることができた。介入の枠組み(以下;「枠組み」)の1つ目は『子どもの生活の質向上を目指した症状コントロール』で、この枠組みを構成する「看護援助」は《症状のモニタリングおよび症状の特性に基づく薬理的・治療的方法の適切かつ積極的な適用》《症状の増悪・増強要因の除去および症状の軽減・緩和要因の導入》《原疾患・治療に起因する症状に伴う日常生活上の支障の最小限化》であった。「枠組み」の2つ目は『子どもの症状マネジメントの促進』で、構成する「看護援助」は《症状および症状緩和に関する認識の獲得・組織化・再組織化の促進》《症状に対する対処の探索・獲得・強化の促進》《症状および症状緩和に対する能動的意思活動の喚起と支持》であった。「枠組みの3つ目は『子どもの症状マネジメントに対する家族の応答性の促進』で、構成する「看護援助」は《症状に対する家族の対処の探索・獲得・強化の促進》《症状および症状緩和に関する家族の認識の獲得・組織化・再組織化の促進》《症状の増悪・増強および症状の軽減・緩和から生起する家族の感情の表出・喚起・安定化の促進と受容》であった。
  • 金丸 友, 中村 伸枝
    日本糖尿病教育・看護学会誌 11(1) 28-35 2007年3月  査読有り
    本研究の目的は、糖尿病をもつ学童・思春期の子どもの足の実態とフットケアの実施を明らかにし、看護援助を検討することである。糖尿病キャンプに参加した小学4年から高校3年の21名の子どもに対し、アンケート調査と足の観察を行った。66.7%の子どもになんらかの足の変化がみられた。過去の変化や足病変につながるおそれのある状態を含めると全員がなんらかの状態を経験しており、第1、5趾に多かった。よく行っているケアは「足はきれいにしている・ていねいに洗っている」「きつい靴やかかとの高い靴は履かない」「裸足で靴を履かない」であり、あまり行っていないケアは「足に傷があるときは誰かに相談する」「深づめしないように爪はまっすぐに切る」であった。足の変化やフットケアの実施に影響する要因として、年齢・性別、靴によるトラブル、部活動・運動による負荷、親のかかわり・家庭での生活習慣、フットケア指導の経験が考えられた。子どもの成長発達段階や生活をアセスメントし、基本的生活習慣の位置づけで支援することが必要と思われた。(著者抄録)
  • 兼松 百合子, 平賀 ゆかり, 天野 洋子, 白畑 範子, 遠藤 巴子, 中村 伸枝
    岩手県立大学看護学部紀要 9 1-12 2007年3月  査読有り
    学校関係者、特に養護教諭を対象としたマニュアルを作成し、その有用性を検討した。岩手県内の小児科外来に通院中の児童生徒11名、親11名、養護教諭・担任11名を対象に面接による実態調査を行い、改善すべき事項を抽出した。次に実態調査の結果と、ロスアンゼルス小児病院総合糖尿病センターの冊子、US保健福祉省の学校職員のためのガイド等を参照してマニュアルを作成した。作成したマニュアルについての意見調査を行い、学校ケアプランの活用の実際と糖尿病児童生徒へのチームアプローチについて、養護教諭10名を対象に調査を行った。学校関係者は、医療の現場との関係が少なく、糖尿病についての専門知識を深めることが困難である。本マニュアルに加え、更に情報源や相談窓口が必要であり、対象児の主治医や校医を含むチームアプローチが有用であると考えられた。
  • 中村 伸枝, 遠藤 数江, 荒木 暁子, 小川 純子, 金丸 友, 武田 淳子
    千葉大学看護学部紀要 29(29) 21-24 2007年3月  査読有り筆頭著者
    慢性疾患をもつ学童・青年の食習慣の特徴を明らかにすることを目的に、慢性疾患患者71名(糖尿病24名、自己免疫疾患29名、食物アレルギー12名、小児癌治療後6名)、および慢性疾患患者と年齢・性を一致させた健康な学童・青年71名へアンケート調査を実施した。その結果、慢性疾患をもつ学童・青年の方が好き嫌いが多く、とくに、小児癌と食物アレルギーでは約半数が好き嫌いをすると回答した。一方、砂糖の過剰摂取、油の過剰摂取、買い食い、夕食時間が不規則、スポーツドリンクの摂取の5項目では、慢性疾患をもつ学童・青年の方が有意によい習慣であることが分かった。
  • Kazuko Ishigaki, Harue Masaki, Nobue Nakamura, Misako Miyazaki, Noriko Yamamoto-Mitani
    Japan Journal of Nursing Science 3(1) 77-82 2006年6月  査読有り
    Aim: The Center of Excellence for the Creation and Dissemination of a New Japanese Nursing Science at Chiba University School of Nursing is now in its third year of operation. This center aims to develop nursing science that is appropriate for Japanese culture and to internationally disseminate the importance of culturally based care. Our project seeks to systematically transform the art of nursing practise into a nursing science. Method: To date, multiple frameworks have been created through the qualitative meta-synthesis of research on effective nursing care. To create a nursing science, these frameworks derived from meta-synthesis must be verified and internalized in nursing practise. Results: After three years of research, the following findings are emerging: professional care relationships in nursing practise in Japan are characterized by the bidirectional process between the nurse and the client, in which both gradually undergo a transformation in order to establish a collaborative, therapeutic relationship; Japanese nurses emphasize the importance of understanding adolescent clients' subjective understanding of their own life with self-care, as well as social support; and the priority for community health nurses in Japan is to create support systems in the community, regardless of whether the intended client is an individual, a family, a specific group, or the community as a whole. Conclusions: Our future efforts will focus on verifying our findings through interdisciplinary and international comparative research and by integrating various frameworks in order to create a new Japanese nursing science. © 2006 Japan Academy of Nursing Science.
  • 中村 美和, 中村 伸枝, 荒木 暁子
    千葉看護学会会誌 12(1) 71-78 2006年6月  査読有り
    ターミナル期にある小児癌の子どもを抱える家族の体験を明らかにすることを目的に,小児関連病院/緩和ケア病棟看護師10名,訪問看護師3名の計13名を対象に,ターミナル期にある小児癌の子どもと家族の1事例の想起による半構成的面接を実施した.その結果,家族の体験として,【局面1 子どもの疾患・病状の受容と今後の治療の方向性の決定】【局面2 治療,看取りの場の移行】【局面3 子どもと家族の希望実現への志向と奮闘努力】【局面4 子どもの身体状態の増悪と身体的苦痛の増強】【局面5 子どもの死期の接近】の5つの局面が抽出され,このうち,【局面4 子どもの身体状態の増悪と身体的苦痛の増強】は他の局面と混在することが多いことが分かった
  • 佐藤 まゆみ, 中村 伸枝, 宮崎 美砂子, 本田 彰子, 赤井 ユキ子, 荘司 京子, 瀧口 章子, 吉川 淳子, 石垣 和子, 濱野 孝子
    千葉看護学会会誌 12(1) 14-21 2006年6月  査読有り
    臨床実践における看護技術の内容を明らかにすることを目的に,熟練看護師20名(平均年齢37.4歳)を対象に,「清拭」「気管内吸引」「急変時対応」「入院時看護歴聴取」の4つの看護技術における「看護行為実施前のアセスメント」「看護行為の実施方法に関する計画および実施」「実施した看護行為の評価」について,半構成的面接を実施した.質的帰納的分析の結果,それぞれ以下のカテゴリーが抽出された.1)看護行為実施前のアセスメント:<観察を通して看護行為の必要性をアセスメントする><今は看護行為に専念できる状況かどうかアセスメントする>など4カテゴリー.2)看護行為の実施方法に関する計画および実施:<患者を尊重する><安全安楽に実施する><効果的効率的に実施する>など13カテゴリー.3)実施した看護行為の評価:<主目的および二次的な目的の達成を多面的に評価する><評価の結果から次の改善点を考察する>
  • 中村 伸枝, 岡田 忍, 石垣 和子
    千葉大学看護学部紀要 28(28) 59-63 2006年3月  査読有り筆頭著者
    近年,予防接種法の改正による予防接種率が低い成人や予防接種を行っていても抗体価が低下している成人の増加,高度医療を受ける患者や高齢患者の増加などを背景に,医療福祉施設や教育施設側のリスクマネージメントとしての感染対策が重要になっている.看護学部においても,感染症対策の必要性が議論され学生生活支援委員会が中心となり感染症対策が進められた.看護学部における感染症対策は,学生に対する抗体検査や予防接種に関する説明や掲示などを通して感染症に対する関心や知識を高めること,抗体検査を行う場の設定や費用負担の調整,教員の感染症に対する関心を高めること,学生の各種抗体の保有状況を把握することであった.3年間の活動の中で,学部学生が在学中に受検できる抗体検査に麻疹,風疹,水痘,おたふくかぜと,HBワクチン接種後の抗体検査が含まれるようになり,インフルエンザワクチンも附属病院で実施可能となった.しかし,看護学部生の28.4〜36.8%が麻疹抗体陰性であり,近年,急速に麻疹抗体の保有率が低下していることが伺えた.おたふくかぜの抗体が陰性であった学生も16.3〜26.8%と多く,麻疹・水痘の抗体が陰性であった学生も少数ではあるが存在していた.以上より,学生に対して感染症や予防接種に関する啓発を続けると共に,予防接種の場を設定したり費用補助を行うなど,予防接種を推進するための対策を進めていく必要があると考えられた.
  • 中村 伸枝, 遠藤 数江, 武田 淳子, 荒木 暁子, 香川 靖子
    千葉大学看護学部紀要 28(28) 9-15 2006年3月  査読有り筆頭著者
    小学校の5年生を対象に看護師と養護教諭が連携して食習慣に焦点をあてて行った「生活習慣改善プログラム」の長期的効果を検討した.プログラムを受けた群のほうが,休み時間に外で遊ぶことが多く,近くに出かけるときにはよく歩いていた.食習慣に関する項目では有意差はみられなかった.プログラム開始時および終了時とで食習慣を比較すると,野菜を食べないことの減少に加え,脂肪の摂りすぎや,インスタント食品の摂取も減少した.小学校で学習した内容について覚えていることを自由記載で求めた結果,仮想航海のブレーンストーミングを用いて学習した内容が特徴的に記述されていた.小学生から中学生にかけて改善しにくい食習慣への効果や,視覚教材など新奇性のある方法を取り入れた学習が有効である可能性が示唆された.加えて,中学生以降の追加教育の必要性が示唆された
  • 中村 伸枝, 松浦 信夫, 佐々木 望, 貴田 嘉一, 兼松 百合子
    糖尿病 49(1) 11-18 2006年1月  査読有り筆頭著者
    1型糖尿病の小学3年生から高校生368名(男性138名,女性230名)を対象に,小中学生用(6因子,37項目)と高校生以上用(8因子,40項目)の「生活の満足度(QOL)質問紙」を用い,対照の健康児と比較した.1)糖尿病を持つ小学生では総得点および5個の下位尺度が,また中学生は総得点ならびに4個の下位尺度が健康児に比し有意に高かった.しかし,高校生では1個の下位尺度が健康児に比し有意に高いのみで,高校2年生は健康児より低く,3年生になって改善を認めた.2)糖尿病をもつ子どものHbA1cとQOLの関係は,小中学生では「全体的な健康の満足度」,高校生では「親と経済の満足」と「身体的活力」に有意差を認め,どちらもHbA1cが低いほどQOLが高かった.3)QOLと罹病期間に関しては有意な相関は認めず,インスリン注射回数とQOLは高校生では有意差はなかったが,小中学生では2回打ちの方が4回打ちに比し子どもの不安や悩みが少なかった
  • 金丸 友, 中村 伸枝, 荒木 暁子, 中村 美和, 佐藤 奈保, 小川 純子, 遠藤 数江, 村上 寛子
    千葉看護学会会誌 11(1) 63-70 2005年6月  査読有り
    慢性疾患をもつ学童・思春期患者の自己管理およびそのとらえ方の特徴と影響要因を明らかにすることを目的に,Patersonのmeta-studyの手法を用いて26文献を分析した.その結果,慢性疾患の学童・思春期患者の自己管理のとらえ方には,「本人の望む生活」と「疾患の理解・適切な療養行動」のギャップの大きさが影響していることが分かった.このギャップが大きな患者は,生活と療養行動の両者を大切なものと考え自己管理に葛藤を感じており,ギャップが小さい患者は自己管理を肯定的にとらえ葛藤はなく,ギャップが不明瞭な患者は自己管理に受け身的で不確かにとらえていた
  • 佐藤 奈保, 荒木 暁子, 中村 伸枝, 金丸 友, 中村 美和, 小川 純子, 遠藤 数江
    千葉看護学会会誌 11(1) 71-78 2005年6月  査読有り
    本研究の目的は,障害をもつ乳幼児の家族の日常生活における体験を家族のノーマリゼーションの視点から体系的に表現することである。千葉大学看護学部小児看護学教育研究分野から最近5年間に発表され,障害を持つ乳幼児の家族の体験について詳細な記述がされている修士論文と,乳幼児期の障害児をもつ家族を研究対象とした原著論文を分析対象とし,Patersonのmeta-studyの手法を参考に分析を行った結果,次の内容を得た。1)障害をもつ乳幼児の家族のノーマリゼーションの過程は,児の身体状態の管理の困難さにより,3つのパターンに分類された。2)児の身体状態の管理が困難な家族では,家族は児の身体管理を中心に生活しており,生活リズムが整えられにくく,家族のノーマリゼーションは低い状況にあると考えられた。また,母親がひとりで育児の責任を負い,負担の大きい状況であった。児の身体状態の改善や家族の対処方法の習得から,家族が児の身体状態の管理に自信をもてるようになると,児の世話を家族の日常生活に組み込みやすくなり,家族の生活リズムが整えられやすくなっていた。3)児の身体状態が安定しており,児の睡眠パターンが安定している家族では,早期から家族の生活リズムが整えられやすく,家族のノーマリゼーションは比較的高い状況にあると考えられた。しかし,これらの家族でも,家族内のサポートや社会資源の利用は少なく,母親の負担は大きいと考えられた。4)医療的に新たなケアを導入する必要があった家族では,ケアの導入による一時的な混乱のため,家族のノーマリゼーション状況は著しい落ち込みが見られた。その後,ケア導入による児,家族の利益が知覚されると,家族のノーマリゼーショThe purpose of this study was to systematize experiences of daily life in families of children with disabilities, in terms of family normalization. The results of selected theses and research published in the past 5 years were reanalyzed using meta-data-analysis, according to the methods described by Paterson. Permissions from authors regarding secondary analyses of theses were obtained in advance. Phrases representing family normalization were extracted from statements relevant to the daily life of families. All phrases were contrasted and compared, noting similarities and differences, and placed in a figure constructed using two axes: a horizontal axis indicating growth and development of the child and the accumulation of caring experiences by the family; and a vertical axis indicating the condition of family normalization. The following results were obtained: 1) Three trajectories were identified to explain changes in family normalization according to difficulties in physical management of children. 2) Families with children in whom physical conditions were unstable and easily deteriorated regarded physical management of the child as the focus of daily life. These families tended to experience difficulty in regulating daily life, and condition of family normalization thus seemed low. In addition, mothers took full responsibility upon themselves for providing care for the child and undertook severe burdens in these families. As condition of the child improved and family members acquired confidence in skills, families integrated care into daily routines and regulated daily life appropriately. 3) Families with children in whom physical condition was stable were able to regulate daily life from an early stage and condition of family normalization seemed relatively high. 4) Families that needed to introduce new medical care for children experienced temporary confusion that conspicuously lowered family normalization. After recognizing the benefits of the introduced care, condition of family normalization recovered p
  • 遠藤 数江, 中村 伸枝, 荒木 暁子, 小川 純子, 村上 寛子, 武田 淳子
    千葉大学看護学部紀要 27(27) 43-48 2005年3月  査読有り
    学童・思春期の食習慣の現状を明らかにすることを目的に,自作の調査用紙を用いたアンケート調査を実施し,小学生245名,中学生654名,高校生576名の計1475名より有効回答を得た.その結果,&lt;野菜を食べない&gt;など発達段階による差が比較的少ない項目と,&lt;塩分の多い食品をたくさん食べる&gt;など発達段階により差がみられる項目があった.また,男女差がもっとも認められた項目は&lt;ダイエットをする&gt;で,肥満者の割合が女子より男子の方が多かったにもかかわらず,女子では男子に比べ中学から高校にかけて&lt;ダイエットをする&gt;割合が8.7%(男子1.5%)から25.6%(同4.9%)と大きく増加していることが分かった
  • 中村 伸枝, 遠藤 数江, 荒木 暁子, 小川 純子, 村上 寛子, 武田 淳子
    千葉大学看護学部紀要 27(27) 1-8 2005年3月  査読有り筆頭著者
    高校生の食生活の小学校時代からの変化を,男女差に焦点を当て明らかにすることを目的に,高等学校3校の在校生を対象に,26項目からなるアンケート調査を実施し,576名(うち,女子308名)より有効回答を得た.その結果,食習慣の因子として「高脂肪・糖分・塩分・だらだら食い」「不規則な食事」「孤食・外食・コンビニ弁当」「過食・早食い」「好き嫌い」の5つが抽出された.このうち,「孤食・外食・コンビニ弁当」は男子の方が女子より有意に高く,「好き嫌い」および「過食」「ダイエットをする」の2項目は女子の方が有意に高かった.また,男女ともに,「不規則な食事」と「孤食・外食・コンビニ弁当」は学年が進むにつれて増加し,「好き嫌い」は学年が進むにつれて減少していることが分かった
  • 小川 純子, 伊庭 久江, 堂前 有香, 中村 伸枝
    日本小児看護学会誌 14(1) 30-35 2005年3月  
    看護師の育児支援に関する認識を明らかにすることを目的にアンケート調査を実施し,1238名より回答(回収率28.7%)を得,そのうち自由記述欄に記載のあった670名(平均年齢35.8±10.0歳)の回答を検討した.その結果,看護師が親への育児支援で大切にしていることとして,以下の4つのカテゴリーが抽出された.1)信頼関係を築くための看護師の姿勢.2)有効な育児支援のためのアセスメント.3)親が主体的に育児に関われるようになるための育児支援.4)育児支援を円滑に進めるための連携
  • 中村伸枝, 松浦信夫, 佐々木望, 佐藤浩一, 宮本茂樹, 兼松百合子
    日本糖尿病教育・看護学会誌 9(1) 4-13 2005年  査読有り筆頭著者
  • 出野慶子, 中村伸枝, 金丸友
    日本糖尿病教育・看護学会誌 9(1) 23-28 2005年  査読有り
    1型糖尿病をもつ子ども(以下,患児)のきょうだいに対するサポートの方向性を明らかにすることを目的に,2002年に開催された小児糖尿病ファミリーキャンプ(参加28家族)に参加した患児のきょうだい8名(うち,男児4名.8〜11歳)を対象に,グループディスカッションを実施した.その結果,きょうだいは患児と同じ学校に通っている場合が多く,患児がインスリン注射などで保健室に在室していることに対し,きょうだいがともだちからその理由を聞かれる機会も多いことから,きょうだいにも発達段階に合わせた病気や療養行動の説明を行うことが必要であると考えた
  • 堂前 有香, 中村 伸枝
    小児保健研究 63(6) 692-700 2004年11月  査読有り
    小,中学校に通う慢性疾患児の健康管理の責任は,保護者に委ねられ,その患児の健康管理の実態は把握されていない.そこで,小学校,中学校における慢性疾患児の健康管理の現状を調査した.養護教諭を対象に質問紙調査を実施した.多様な慢性疾患児が,運動や食事の管理,自己注射や内服,薬物吸入などの健康管理を必要としていた.学校での健康管理の主な実施者は担任教諭が最も多く,医療処置を必要とする患児には養護教諭が関わる割合が高かった.養護教諭は,健康管理のキーパーソンであると思われたが,患児に関する情報把握や医療的ケアに対する困難感も強く,学校,家庭,医療機関間での情報の共有と柔軟な連携が望まれた
  • 伊庭 久江, 堂前 有香, 小川 純子, 中村 伸枝
    千葉大学看護学部紀要 (26) 19-26 2004年3月  査読有り
    医療機関の看護師は,被虐待のリスクが高い疾患や障害をもつ子どもと,育児負担が高いことが考えられる家族に関わる機会が多く,専門職としての知識と技術をふまえた育児支援を実践していることが考えられるが,その援助の実態は明確にされていない.そこで本研究は,医療機関の看護師が行っている育児支援の実態を把握することを目的とした.A県内の小児科あるいは小児外科を有する病院と診療所1,110施設の,子どもに関わる機会の多い看護師を対象として,職場で行っている育児支援に関する自作の質問紙を用いて調査を行った.対象となった1,238名は【職場で育児支援をどの程度行っているか】という問いに,880名(71.1%)が「必ず行う」あるいは「時々行う」と回答していた.【発熱時の対処方法】【下痢や便秘時の対処方法】【おむつかぶれや皮疹出現時の対処方法】【内服の方法】など,主に子どもの体調に合わせた育児方法の調整に関する支援はよく実施していると捉えていたが,子どもと家族へのソーシャルサポートに関する支援はあまり行われていないと捉えていた.また,子どもと関係の深い部署の経験年数が長い看護師や,子どもと成人の看護を兼任する看護師よりも小児専任の看護師の方が,育児支援をよく実施していると捉えていた.そして,病棟の看護師の方が外来の看護師よりも,よく育児支援を実施していると捉えていた.これには,関わる子どもの疾患の特徴や勤務環境の特徴などが影響していることが考えられた.医療機関の看護師は,疾患や障害をもつ子どもとその家族に対する育児支援の中で,大きな役割を担っている.そして,一時的な健康問題を抱えて来院The purpose of this study is to identify the parenting supports by nurses in clinical settings. The data were collected tllrough the questionnaire. The questionnaire consisted of 34 items about parenting supports. Participants were 1238 nurses who cared for children and their families.The results indicated that 1) nurses often provided information for families about the way of parenting when their children became sick, 2) the more nurses experienced pediatric nursing, the more they supported for parents, and 3) characteristics of children&#039;s diseases affected parenting support by nurses.Nurses must recognized nurses&#039; role in parenting supports, understand characteristics of children&#039;s disease and families&#039; needs included parenting, and refine parenting supports.
  • 中村 伸枝, 武田 淳子, 伊庭 久江, 堂前 有香, 平賀 ゆかり, 香川 靖子, 兼松 百合子
    千葉大学看護学部紀要 26, 1-9(26) 1-9 2004年3月  査読有り筆頭著者
    The present study involved a nurse and school nurse working cooperatively to clarify the effects and limitations of a program focusing on the eating habits of elementary school fifth year pupils. The program was planned based on investigations at the school regarding learning achievement and eating habits. The school nurse. class teachers and school dietician performed the actual program. The nurse was involved in preparation of materials and evaluation of the program. The program analyzed 82 data recovered from 3 time points:before initiating the program, at completion of the program, and at l year after program completion. At completion of the program, improvements in daily Iife habits were 0bserved, including increased walking, decreased constipation and unbalanced diets, and earlier timing of the evening meal. However, improvements in unbalanced diet and time of evening meal were not maintained after l year. Body fatness of children after l year was significantly lower than that before initiating the program. Obese children whose body fatness had decreased to &lt;20% after 1 year displayed the following characteristics: body fatness of &lt;31% before program initiation; 1arge increases in stature; presence of few problematic lifestyle habits; and improved eating habits were continued after completion of the program. Execution and evaluation of the program by the nurse in cooperation with the school nurse enabled that the consideration was deepened on effect of the prograrn.本研究の目的は,看護師が養護教諭と連携して,小学校5年生を対象に食習慣に焦点をあてて実施した「学童とその親の生活習慣改善プログラム」の効果と問題点を明らかにすることである.プログラムは,対象校の調査データに基づく生活習慣上の問題や,学習進度,学校内の協力体制などを考慮して計画した.資料等の準備および評価は看謹師が申心に行い,具体的なプログラムの実施は養護教諭・担任教員・栄養士が行った.プログラムの評価は,プログラム実施前,終了時,終了1年後の3時点で生活調査を実施・回収できた82名(男子47名,女子35名)のデータを分析した.プログラム終了時には,好き嫌いの減少,脂肪の摂りすぎの減少,夕食時間が早くなる,近くに出かけるときには歩く,便秘の減少がみられた.しかし,終了1年後では,好き嫌いや夕食時聞は実施前と有意差が無くなっていた.プログラム実施前と比較してプログラム終了1年後の肥満度は男女共に有意な低下がみられた.プログラム実施後に肥満が改善した学童4名は,肥満が改善しなかった5名と比較し,プログラム実施前の肥満度が軽度である,身長の伸びが大きい,生活習慣上の摺題が少なくプログラム後に食習慣の改善が持続している,という特徴がみられた.
  • 遠藤 数江, 小川 純子, 村上 寛子, 荒木 暁子, 中村 伸枝
    千葉大学看護学部紀要 26(26) 93-97 2004年3月  査読有り
    大学生における食習慣に影響を与える要因を検討する目的で,現在の食生活,食習慣の変化,食に関する体験について,フォーカスグループによる振り返り調査を行った.対象者は18歳から21歳の文化系または,運動系のサークルに所属している大学生9人(男2人,女7人)であった.大学生の食習慣に影響を与える要因として,経済状況,調理器具などの料理をする環境,料理に費やす時間や手間,生活スタイルの変化,嗜好の変化,運動部に入ったことによる影響が抽出された.さらに,幼少時からの家庭環境も大学生の食習慣に影響を与える要因の一つであった.また,家庭や学校の授業での料理経験は,大学生になっても食の体験として記憶に残っていた.大学生の食習慣の形成には,経済状況,生活スタイルの変化,所属サークルなどの現在の生活状況からの要因と,これまでの食に関する体験が影響していることが示唆された.
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子, 小川 純子, 佐藤 浩一, 佐々木 望, 松浦 信夫
    小児保健研究 63(2) 214-220 2004年3月  査読有り筆頭著者
    高校生230名を対象に生活満足度調査を行い,小中学生のデータと比較・検討し信頼性妥当性を検討した.小学生と中学生を対象として質問紙を改定して作成した質問紙を用いたが,信頼性・妥当性はほぼ問題ないと考えられた.高校生では小・中学生とは異なる因子構造をもつことが確認され,学年による生活の満足度は対象高校の特徴を反映した結果となっていた
  • 丸光恵, 兼松百合子, 奈良間美保, 工藤美子, 荒木暁子, 白畑範子, 中村伸枝, 武田淳子
    小児保健研究 60(6) 787-794 2003年11月  査読有り
  • 出野 慶子, 中村 伸枝, 徳田 友, 兼松 百合子, 宮本 茂樹
    日本糖尿病教育・看護学会誌 7(1) 5-14 2003年3月  査読有り
    2000年8月にキャンプに参加し,調査の同意が得られた1型糖尿病の患児とその家族を対象とし,ファミリーキャンプの意義を明らかにすることを目的に質問紙調査を実施した.父親は糖尿病に関する情報収集や疑問の解決を参加目的とした者が多く,母親は他の家族との交流を求め,日常生活における対処方法を知ることを目的とした者が多かった.又,2回目以降の参加目的には,他の家族の役に立ちたいという目的が加わっていた.患児にとっては,友達ができ楽しい体験であったと共に,年長患児のみならず年少患児でも,病気なのは自分だけではないとわかり,療養行動に対する気持ちや行動が変化したことであった.ファミリーキャンプは患児,父親,母親各々にとって意義があることが確認され,キャンプを支援する方向性が見いだされた
  • 中村 伸枝, 武田 淳子, 伊庭 久江, 林 有香, 遠藤 巴子, 日高 倫子, 兼松 百合子
    千葉大学看護学部紀要 25(25) 67-73 2003年3月  査読有り筆頭著者
    本報告では,看護職が養護教諭と連携して,小学校3年生の1クラス31名(男子17名,女子14名)に対し,万歩計を用いた身体活動に焦点をあてた「学童とその親の生活習慣改善プログラム」を作成・実施した内容を報告する.プログラムでは,クラス全体に対するものと従来養護教諭により行われてきた個別指導を合わせて実施した.また,歩数が増えるほどキャラクターが成長する万歩計と,1年間通して使用できる「生活とけんこうを考えよう」と題したファイルを作成して各人に配布し,教材として利用した.1年間の実施の中で,万歩計の歩数が増えキャラクターが成長していくのを楽しむ学童は多く,運動に関することを生活目標にあげ,がんばったとした学童が多かった.1学期と3学期の肥満度は,男子では有意な増加(p&lt;0.05)が認められたが,女子は有意差はなく学期毎にわずかに低下していた.1学期と3学期の間で肥満度が5%以上増加していた学童は,万歩計を用いた身体活動が有意に少ない傾向がみられた(p&lt;0.05).また,自由研究で「万歩計による1日の運動量調べ・食事調べ」を行った中等度肥満の女子では,運動だけでなく食事についての理解も深められていた.従って,万歩計を用いて運動に焦点を当てたプログラムは,小学校3年生に対し効果が期待できると考えられた.看護職と養護教諭が連携して活動していくことで,学童とその親に対する活動を深めることができたと考えられる.
  • 堂前 有香, 小川 純子, 伊庭 久江, 中村 伸枝
    千葉大学看護学部紀要 (26) 11-18 2003年3月  
    外来における看護師が行う育児支援の検討を目的に,小児科・小児外科を有する病院20施設の外来を受診した1歳未満の乳児の母親337名を対象に質問紙調査を実施した.対象を慢性疾患児の母親108名,急性疾患児の母親129名,健康診断の子どもの母親110名に分類し,結果を分析した.その結果,1)乳児の母親は児の体調不良時の対応についての困難が高い.2)慢性疾患のある乳児の母親と健康な乳児の母親では,育児上の困難が多い時期が異なっていた.3)公的な保健福祉領域の知識や,今後の見通しについての情報を求める母親が多かった.4)乳児が病期の際や育児上困難なことがあった際に看護師への相談を希望していたが,看護師が現在行っている育児支援では充分ではないことが明らかになった
  • 林 有香, 石川 紀子, 伊庭 久江, 中村 伸枝, 小宮 久子, 丸 光惠, 内田 雅代
    小児保健研究 62(1) 65-72 2003年1月  
    児童虐待59件(男23件,女33件,不明3件).回答者は看護師27件(A群),保健師18件(B群),保育士14件(C群)であった.身体発育或いは知的発達に遅れのある子どもは各々41%,46%で,A群に多かった.虐待の種類が重複しているのが64%で,身体的虐待はC群,心理的虐待はB群に多かった.虐待者は実母が80%で,非虐待経験者は39%であった.虐待を疑ったきっかけはA群,C群では子どもや親の態度・症状,B群では他施設からの連絡や親からの訴えが多かった.援助で他機関と連携はA群70%,B群89%,C群50%で,B群では多種類の機関と連携していた.家族に対しては全体の46%が関りを持っていたが,A群では26%であった.子どもに対してA群は入院による保護,B群はフォローアップ的な援助,C群は心理面への対応が多く,援助継続はA群48%,B群94%,C群57%であった.虐待による問題は情緒行動的な問題が多く,その後虐待がなくなったのは15件,継続が22件,不明は21件であった
  • 中村 伸枝, 兼松 百合子, 遠藤 巴子, 佐藤 浩一, 宮本 茂樹, 野田 弘昌, 大西 尚志, 今田 進, 佐々木 望
    日本小児保健研究 61(6) 806-813 2002年11月  査読有り筆頭著者
    小学校高学年から中学生を対象とした包括的なQOL質問紙を作成し,その信頼性や妥当性を検討すること,及び,健康児における性別・学年別の特徴を調査することを目的に,小学校3年生から中学校3年生迄の児童・生徒492名を対象に調査を行った.その結果,【不安や悩み】【家と家族の満足】【友達の満足】【学校と先生の満足】【全体的な健康の満足】【体力と勤勉性,自尊感情】の6因子,37項目が得られ,信頼性・妥当性が確認された.又,年齢が高くなるほど満足度が低くなる傾向となる【不安や悩み】と【体力と勤勉性,自尊感情】は男子の方が満足度が高く,【学校と先生の満足】は女子の方が満足度が高い傾向が得られた
  • 中村伸枝, 兼松百合子, 出野慶子, 徳田友, 内田雅代, 今野美紀, 谷洋江, 宮本茂樹
    日本糖尿病教育・看護学会誌 6(2) 141-146 2002年9月  筆頭著者
  • 中村 伸枝, 石川 紀子, 武田 淳子, 内田 雅代, 遠藤 巴子, 兼松 百合子
    千葉大学看護学部紀要 24 1-7 2002年3月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,学童の肥満度と,学童の健康に関する親の気がかりの有無を明らかにすること,および,学童の肥満を気がかりに挙げた親と,学童に肥満があっても気がかりに挙げない親を比較して,その関連要因と,親がどのような学童の生活習慣をよい,あるいは改善したいととらえているかを明らかにし,学童の肥満予防と生活習慣の改善に向けた,学校での学童と親への看護活動の視点を得ることである.小学校1年から6年の学童とその親1354組を対象に自記式質問紙調査を行った.その結果,学童の太り気味・肥満を気がかりに挙げた119名の親のうち,学童の肥満度が20%未満であった者は41名(A群),肥満度が20%以上の者は78名(B群)であり,肥満度20%以上の学童であっても太り気味・肥満を気がかりに挙げなかった親は97名(C群)であった.A群の学童は1年生が多かった.B群の学童は,中等度・高度肥満が44名(56.4%)を占め,男子が48名(61.5%)と,やや多かった.また,C群の学童は,71名(73.2%)が軽度肥満であり,肥満以外の気がかりが有意に多かった.また,学童が回答した実際の日常生活習慣には各群で有意差がみられなかったが,C群では改善したい日常生活習慣が「ある」と解答した我の割合が有意に少なかった.軽度肥満の学童の親が,肥満や日常生活上の問題に目を向けることができるような看護活動の方向性が示唆された.

主要なMISC

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書籍等出版物

 3

主要な講演・口頭発表等

 33

共同研究・競争的資金等の研究課題

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