服部 真也, 横田 元, 向井 宏樹, 羽柴 淳
脊椎脊髄ジャーナル 34(9) 553-560 2022年2月
<文献概要>はじめに 頭蓋頸椎移行部(craniovertebral junction:CVJ)とは,後頭骨,環椎,軸椎にかけての大後頭孔を取り囲む解剖学的領域を指す.後頭骨と頸椎の境界領域であり,頭部と頸部の回転運動,屈曲-伸展運動を司る,脊柱の中で最も可動性の高い部位である.また,神経学的にも脳幹と脊髄の境界部が存在する重要な領域である.その複雑な発生過程から種々の先天奇形が多発し,これら骨構造の異常がときに重篤な神経症状の原因となる.本稿では,はじめに脊椎全般の発生に重要となる体節(somite)の形成と,その再分節化(resegmentation)による椎板(sclerotome)の形成について述べる.次に,CVJの特異な発生様式に関して概説し,体節・椎板の形成や再分節化の障害で生じる形態変化を例示する.また,後頭骨と環椎,軸椎の骨化過程と,これらの部位の骨化障害でどのような形態異常が生じるかを述べる.