塩田 茂雄
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク 2001年10月19日 一般社団法人電子情報通信学会
本論文では, MAP/SM/1 Queueの出力過程を解析し, 出力間隔の分散や出力間隔列の相関構造に関する式を導出する.得られた結果より, Burkeの定理の別証明や出力過程に関する他の既存結果が直ちに導かれる.また, 到着過程やサービス時間過程の分散・相関が出力過程に与える影響を考察し, (1)到着過程の相関構造は待ち行列システムの前後で変化し, 待ち行列システムの負荷が高いほど到着過程の相関構造は出力過程に現れにくい, (2)到着率の分散が大きいほど出力間隔の分散も増大するが, システム高負荷時にはその影響は消える, (3)サービス時間の分散・相関ともに出力過程の相関構造全体に影響を与え, システム高負荷時でもその影響は残る, 等の結論を導く.更に, サービス時間過程が長距離相関性を有すると, たとえ到着過程が短距離相関であっても, 出力過程に長距離相関性が出現することを示す.