山下 豊, 渡部 公介, 小室 信喜, 阪田 史郎, 塩田 茂雄, 村瀬 勉
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム 2011年7月14日 一般社団法人電子情報通信学会
複数の無線LANの利用が可能な環境において,新規参入端末が自身のスループットを最大化するアクセスポイント(AP)を選択した場合,その他のAPに接続した場合と比べ,全端末の合計スループットが最大でない場合がある.この問題を解決するために,確率的にACKフレームを返信しない受信機会制御を用いたAP選択方式を提案する.本方式では,新規参入端末及び各APによるスループット測定時に,全端末の合計スループットが最大でない選択結果となる場合,APが新規参入端末または自身の全既接続端末に受信機会制御を適用する.新規参入端末の測定スループット値は,前者に適用した場合は減少し,後者に適用した場合は増加する.その結果,新規参入端末は,前者の場合他のAPへ,後者の場合当該APへ,すなわちいずれの場合も全端末の合計スループットが最大になる接続へと導びかれる.この合計スループットを最大にする提案方式と,新規参入端末の得られるスループットを最大にするAP選択方式をシミュレーションにより評価し,比較することで提案方式の有効性を示した.