島村 敦子, 辻村 真由子, 権平 くみ子, 加瀬 千鶴, 木暮 みどり, 河野 由紀, 津野 祥子, 鈴木 のり子, 山崎 潤子, 岩田 尚子, 渡邊 章子, 犬山 彩乃, 諏訪 さゆり
千葉大学大学院看護学研究科紀要 (39) 11-19 2017年3月 査読有り
本研究の目的は、受け持ち病棟看護師と退院後同行訪問を行った訪問看護師の気づきと看護活動の変化および、連携の変化を明らかにすることである。受け持ち病棟看護師と同行訪問を行った訪問看護師7名に対して、受け持ち病棟看護師とのディスカッション(同行訪問直後)、個別の半構成的面接調査(同行訪問直後、同行訪問3ヵ月後)、さらに、在宅医療介護従事者における顔の見える関係評価尺度による質問紙調査(同行訪問前、同行訪問3ヵ月後)を実施した。ディスカッションおよび個別面接調査のデータは、質的内容分析を行い、在宅医療介護従事者における顔の見える関係評価尺度については同行訪問前、同行訪問3ヵ月後の得点について比較した。質的内容分析の結果、同行訪問直後の気づきは、同行訪問対象者、病院との連携、自身の看護活動に関連した6カテゴリーにまとめられた。同行訪問3ヵ月後の看護活動の変化は、同行訪問対象者を取り巻く状況への理解の深まり、病棟看護師へのフィードバックを行うなどの看護活動の変化と、同行訪問前と変わらない考え方を含む6カテゴリーにまとめられた。顔の見える関係評価尺度の訪問前と3ヵ月後の各下位尺度得点および合計得点の平均値の変化に有意差はなかった。以上より、受け持ち病棟看護師との同行訪問は、訪問看護師にとって、同行訪問対象者に対する理解が深まり、多職種との連携に向けた看護活動へと変化をもたらす機会になると考えられた。(著者抄録)