研究者業績

宇佐見 俊行

ウサミ トシユキ  (Toshiyuki Usami)

基本情報

所属
千葉大学 大学院園芸学研究院園芸環境科学講座 准教授
学位
博士(農学)(2001年3月 千葉大学)
修士(農学)(1998年3月 千葉大学)
学士(農学)(1996年3月 千葉大学)

J-GLOBAL ID
200901093895595892
researchmap会員ID
1000357217

外部リンク

委員歴

 7

論文

 62
  • SHISHIDO Masahiro, MIWA Chika, USAMI Toshiyuki, AMEMIYA Yoshimiki, JOHNSON Kenneth B
    Phytopathology 95(9) 1072-1080 2005年9月  査読有り
  • K Morita, S Kimura, M Saito, H Shinoyama, T Usami, Y Amemiya, M Shishido
    MYCOPATHOLOGIA 160(1) 67-73 2005年8月  査読有り
    Pathogenicity-impaired mutants, B02 and H15, of Fusarium oxysporum f. sp. lycorpersici (FOL) were obtained using restriction enzyme-mediated integration. Disease severities of Fusarium wilt caused by these mutants were significantly reduced, and their disease development rates were correlated with their colonization rates in tomato vessels. Both B02 and H15 produced significantly smaller amounts of extracellular proteins as well as fusaric acid than the wild-type. Southern blot analyses suggested that B02 and H15 likely contain a single and three copies of transformation vector, respectively. These mutants may thus be useful in isolating genes involved in pathogenicity of FOL.
  • Toshiyuki Usami, Masahiro Shishido, Yoshiyuki Ebihara, Yuta Kamigahira, Yoshimiki Amemiya
    Journal of General Plant Pathology 71(2) 117-123 2005年4月  査読有り筆頭著者責任著者
    Using differential hybridization, two DNA fragments, VDf35 and VDf90, specific to Verticilllum dahliae, were isolated. These fragments contained truncated open reading frames (ORFs) homologous to the gypsy-type retrotransposon. The ORFs of VDf35 and VDf90 were pol and gag homologs, respectively. In addition, VDf90 had a pol homolog without an ORF sequence. The pol homologs in VDf35 and VDf90 were similar to each other, and these two DNA fragments had completely identical sequences. Genomic Southern analysis revealed that numerous copies of these homologs existed in V. dahliae, suggesting that V. dahliae carries a gypsy-like retroelement. Genomic Southern and polymerase chain reaction (PCR) analysis also indicated that a large number of these homologs exist in V. longisporum as well as in V. dahliae, but only a few were present in V. albo-atrum. No homolog was found in either V. nigrescens or V. tricorpus. The uneven distribution of these homologs of the retroposon-like elements among Verticillium species suggested a close genetic kinship between V. dahliae and V. longisporum. PCR primers designed from VDf35 showed species- or pathotype-specific amplification. Therefore, this sequence may be useful as a DNA marker to identify species and pathotypes of V. dahliae. This is the first report on a retrotransposon-hke sequence in the genome of phytopathogenic Verticillium species. © The Phytopathological Society of Japan and Springer-Verlag Tokyo 2005.
  • 門馬 法明, 宇佐見 俊行, 雨宮 良幹, 宍戸 雅宏
    土と微生物 59(1) 27-33 2005年  査読有り
    小麦フスマを土壌に2t/10aの割合で混和し,潅水・被覆した土壌還元消毒法によって,トマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum f. sp. lycopeysici)の分生子および厚膜胞子の生存は有意に抑制されることが示された。このとき,予め土壌を殺菌することで,病原菌に対する生存抑制効果が失われることから,本法による殺菌効果には土壌微生物が関与していることが示唆された。また,酸化還元電位や土壌pHの変化,FDA加水分解による微生物活性および土壌希釈平板法の結果から,土壌還元化によって顕在化してくるのは,通性嫌気性の細菌群であることが考えられた。PCR-DGGEによって土着の細菌群集構造の経時的変化を調査したところ,還元処理による特異的なバンドが数本認められ,土壌還元消毒による殺菌効果には特定の細菌群の台頭が関与していること,また,その細菌群集構造の変化は土壌還元処理後3日目には既に収束していることが示された。
  • 小長井 健, 坂本 一憲, 宇佐見 俊行, 雨宮 良幹, 宍戸 雅宏
    日本植物病理学会報 71(2) 101-110 2005年  査読有り
    緑肥エンバク野生種の栽培・すき込み後のトマト土壌病害の発生をピシウム苗立枯病, リゾクトニア苗立枯病, 萎凋病, 半身萎凋病および青枯病を対象に調査した結果, 半身養凋病のような進行の遅い土壌病害の発生が抑制され, 特に非殺菌時にその効果が顕著に認められた.その原因として, エンバク野生種栽培・すき込みに伴う土着の土壌微生物相の量的および質的変化による影響が, 希釈平板法, 微生物活性量およびPCR-DGGE法から示唆された.また, エンバク野生種由来の化学物質の抗菌性が関係している可能性も示した.
  • 宇佐見 俊行, 雨宮 良幹
    日本植物病理学会報 71(4) 319-325 2005年  査読有り筆頭著者責任著者
    Verticillium dahliaeは多犯性の土壌伝染性植物病原菌であるが, その宿主範囲は菌株ごとに異なっており, いくつかの病原性系統に分けられている.本菌の各菌株のゲノムをRAPDにより解析したところ, トマト・ピーマン系はトマト系とピーマン系の遺伝的雑種である可能性が示唆された.本菌は不完全菌類であり有性生殖による交雑は行わないが, 菌株間において擬有性生殖による組換えが生じることが知られている.そこで, 本菌のトマト系とピーマン系の間で組換えが生じるかどうかを調査するため, それぞれ異なる遺伝子に変異を持つトマト系とピーマン系のnit変異株を混合培養し, 得られた分生胞子を最少培地で培養した.その結果, 22菌株の原栄養株が得られ, そのうちの1菌株はトマトとピーマンに病原性を併せ持っていた.また, RAPD解析により, 本菌株はトマト系とピーマン系の遺伝的雑種であることが示された.以上の結果より, V. dahliaeにおいては病原性系統間で遺伝的組換えが生じ, 新たな宿主範囲を持つ菌株が発生し得ることが示唆された.
  • 青木 一美, 大志万 浩一, 佐藤 裕隆, 宇佐見 俊行, 雨宮 良幹, 宍戸 雅宏
    土と微生物 58(1) 13-24 2004年  査読有り
    浄水ケーキを培土に用いた野菜育苗時にPythium aphanidermatumによる苗立枯病に対し,有効な新規バイオコントロールエージェント(BCA)を探索することを目的に,様々な土壌より分離した微生物を供試し,発病抑制能力を評価すると共に,菌を同定し微生物学的特徴を検討した。選抜を検討するためのキュウリ苗を用いた植物アッセイ条件を予め確立し,選抜の最初から用いた。微生物の分離源には環境条件の異なる22地点で採集した根圏または非根圏土壌を用い,細菌224菌株と糸状菌56菌株を希釈平板法によって単分離した。これらの微生物をPaphanidermatum汚染土に接種し,苗立枯病の軽減を指標に3回の植物アッセイを行った結果,細菌4菌株および糸状菌4菌株に有意な発病抑制効果が認められた。細菌はすべてArthrobacter属菌と同定され,糸状菌3菌株はPaecilomyces属菌,Malbranchea属菌, Cunninghamella属菌と同定されたが,糸状菌1菌株は分生子不形成のため同定不可能であった。ピシウム苗立枯病のBCAとして,これらの微生物の報告はデータベースから検出できなかった。このBCA菌株の新規性は,選抜に浄水ケーキを培土とした植物アッセイを用いたことが関係しているかも知れない。また,BCA菌株とP. aphanidermatumを対峙培養したところ,糸状菌の1菌株だけが抗菌性を示した。したがって,選抜された8菌株中7菌株は抗菌性以外の病害抑制機構を持つことが示唆された。
  • 宇佐見俊行
    植物防疫 第58巻(3) 107-110 2004年  招待有り筆頭著者責任著者
  • USAMI T, ABIKO M, SHISHIDO M, AMEMIYA Y
    Journal of General Plant Pathology 68(2) 134-140 2002年  査読有り筆頭著者責任著者
    Verticillium dahliae Klebahn is the causal agent of tomato wilt disease. Isolates of V. dahliae can be classified based on pathogenicity to tomato, but the pathotypes are indistinguishable in morphology. We designed PCR primers for specific detection of isolates pathogenic to tomato (tomato pathotype) from the sequences of a pathotype-specific gene, vdtl. With the primer pair Tg5/Tc3, a PCR product (approximately 3.2 kb) specific to tomato pathotype was amplified from the genomic DNA of isolates. Using the primer pair, a tomato pathotype isolate was specifically detected from hypocotyls of inoculated tomato and eggplant. On the other hand, no amplification was observed from non-tomato pathotype isolates of V. dahliae, some other wilt pathogens of tomato and a healthy host plant. Therefore, the primer pair can be useful for pathotype-specific detection of V. dahliae as well as for diagnosis of wilt disease of tomato plant.
  • 宍戸雅宏, 小倉房子, 宇佐見俊行, 雨宮良幹
    千葉大学園芸学部学術報告 55 11-19 2001年  
    制限酵素を介した遺伝子挿入(REMI法)によってトマト萎凋病菌の病原性欠損変異株を作出し,それらの性状解析を行った.ハイグロマイシン耐性を示した82変異株から病原性が明らかに野生株よりも低下しているB02とH15の2変異株が選抜された.これら2菌株は標準的な寒天培地上では正常な生育を示したが,トマト導管内におけるの菌糸の蔓延速度は野生株と比べて著しく遅延していた.この菌糸蔓延の遅延程度はトマト萎凋病の外部・内部病徴の病徴発現と良く相応していたことから,2つの変異株は導管内における菌糸の蔓延が阻害されたために,トマトに対する病原性を低下させたことが示唆された.さらに,これら2菌株は,その培養ろ液のみでも野生株に比べてトマトの萎凋速度を遅延させることから,フザリン酸のような萎凋毒素の生産に関連する遺伝子が破壊されていることも示唆された.また,サザン解析の結果から,これら2変異株でのプラスミドヴュクターの挿入様式は1ないし2コピーの単純な挿入であることが判明した.しかし,これら2変異株は共に毒素生産に関わる病原性を完全には失っていないことから,Fusarium oxysporum f. sp. lycopersiciによるトマト萎凋病の発現には,本実験で破壊された遺伝子とは別の遺伝子も関与していることが示された.
  • 宇佐見俊行, 雨宮良幹, 宍戸雅宏
    土と微生物 55(1) 11-20 2001年  査読有り筆頭著者
    Verticillium dahliaeのゲノムDNAからクローニングしたトマト系菌株特異的DNAプローブの一つVDf130の内部には,転写領域が存在することが判明した。これを遺伝子(vdtlと命名)の一部と想定し,転写領域およびその周辺のゲノムDNAとcDNAの塩基配列を決定した。その結果,転写領域には二つのイントロンに分断された137アミノ酸をコードする推定ORFが見出され,また転写領域の上流にはTATA boxやCAAT boxも認められた。しかし,vdtlの塩基配列あるいは推定アミノ酸配列に相同性のある遺伝子やタンパク質は,既存のデータベースからは見出されなかった。一方,サザンおよびノーザン解析により,vdtlは調査したV. dahliae 19菌株のうちトマト系菌株だけに分布し,培養によって得た菌糸や胞子,微小菌核,さらにトマトに感染した状態においても転写されていることがわかった。
  • 雨宮良幹, 宇佐見俊行, 宍戸雅宏
    土と微生物 54(2) 149-157 2000年  査読有り
    Veyticillium dahliaeの特定の病原菌群の判別を目的として,V. dahliaeトマト系菌株(TV103)ゲノミックDNAのEcoRI消化断片をプラスミドベクターpUC18に挿入して作成したゲノミックライブラリーから,V. albo-atrumおよびFusarium oxysporumのDNAとは全く反応せずにTV103のDNAに特異的にハイブリダイズするプラスミドクローンを探索した。選抜したDNA断片挿入プラスミドをプローブとして,V. dahliaeの各種分離株およびそれ以外の菌株のDNAに対してドットプロットハイブリダイゼーションを行ったところ,V. dahliaeのすべての菌株に反応したものが2クローン,種内のトマト系菌株に特に強く反応したものが2クローン見いだされた。これらのクローンに挿入されているDNA断片をそれぞれプローブに各種菌株DNAとのサザンハイブリダイゼーションを行った結果,いずれも特異性を示した菌株に対しては共通のバンドパターンを検出した。トマト系菌株に特異性があったDNA断片の一つをさらに細断して解析した結果,トマト系菌株だけにしかハイブリダイズしない,より特異性の高い領域が存在した。したがってこのDNA領域は,V. dahliaeのトマト系菌株の判別に有効なプローブとして利用可能と考えられた。

MISC

 13

講演・口頭発表等

 176

担当経験のある科目(授業)

 9

所属学協会

 8

共同研究・競争的資金等の研究課題

 16