花岡 昇平, 野村 行弘, 根本 充貴, 増谷 佳孝, 前田 恵理子, 吉川 健啓, 林 直人, 吉岡 直紀, 大友 邦
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 2008年10月23日
椎骨後方要素は,前方要素(椎体)と比較して椎間関節などの構造が複雑であり,セグメンテーションがより難しい部位である.今回われわれは新たに作成した熱流束モデルを用いて,個々の椎骨の分離を試みた.この手法においては,セグメンテーションは骨を迂回して流れる熱流をシミュレーションすることによって行われる.まず元画像から,各ボクセルの熱伝導率を定義する熱伝導率画像を作成する.骨皮質では熱伝導率は小さく,関節間隙では大きくなるようにする.与えられた部分画像に外部から熱量を加えまたは奪い,内部に熱流を生じさせる.骨を迂回して流れる熱流を追跡することにより,個々の骨の分離を行う手法である.ファントム,患者CT画像の頸椎,腰椎についてこの手法を適用し,その有用性について評価を行った.