西垣 知佳子, 物井 尚子, 星野 由子, 橋本 修, 安部 朋世, 矢澤 真人, 佐藤 悦子, 石井 恭平, 大木 純一, 神谷 昇, 小山 義徳, 石井 雄隆
小学校英語教育学会誌 21(01) 176-191 2021年3月20日
本研究では,児童が英語のきまりを帰納的に学ぶ際に用いたメタ言語を調査し,その結果から,小学校の外国語科(英語)と国語科の授業を有機的に連携させる方法を探究した。はじめに,児童が使用したメタ言語の分析結果から,国語で得た知識を英語の知識の理解に活用している児童がいること,英語のきまりを一般化して概念で捉えようとしている児童がいること,英語の文構造に関する気付きを引き出す際,英語とその逐語訳的な日本語訳の比較は有効であること等が確認された。続いて,全ての小学校の英語科検定教科書で扱われている活動を抽出した結果,文法に関する活動は,活動全体の1.4%(46 件/3,300 件)であり,また,全ての小学校の国語科検定教科書では,文型,主語・述語・修飾語,品詞に該当する概念が扱われており,これらは英語の学習に活用できる可能性があることが確認された。最後に,英語と国語の授業の連携の方法として,両言語において,文中の語のまとまりに注目させること,また,品詞に関わる概念を捉えるようにすることは有効であることが示唆された。