研究者業績

吉岡 陽介

ヨシオカ ヨウスケ  (Yohsuke Yoshioka)

基本情報

所属
千葉大学 大学院工学研究院建築学コース 准教授
学位
博士(京都大学)

J-GLOBAL ID
200901035725552587
researchmap会員ID
5000098628

外部リンク

論文

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  • 吉岡 陽介, 一色 高志, 岡崎 甚幸
    人間工学 39(1) 1-8 2003年  査読有り
    本研究では迷路内探索歩行時における周辺視の役割を解明するため, 制限視野法を用いた歩行実験を実験用迷路内で行った. 以下にその成果をまとめる. (1) はじめての経路を探索しながら歩行する時には, 身体近傍の空間や複雑な経路空間を効率よく把握するために周辺視を有効に活用する必要がある. しかし, いったん経路を学習してしまえば, 経路空間の特徴的な部分を周辺視を活用しなくとも見つけ出せるようになり, そのことで正確に目的地まで到達できるようになる. (2) 通常の視野状態では,「壁と床の境界」や「身体側方の壁面」など経路歩行に必要な環境情報を周辺視で捉えることで, 余裕のある注視活動を行うことができる. また,「壁と床の境界」に関しては, 経路学習前には中心視で, 学習後には周辺視でそれを捉える傾向がある.
  • 吉岡 陽介, 一色 高志, 岡崎 甚幸
    人間工学 39(1) 9-15 2003年  査読有り
    本研究では, 探索歩行時に見られる特徴的な行動特性と中心視および周辺視との関わりを解明するため、制限視野法を用いた迷路内探索歩行実験を行った. 今回使用した制限視野マスクは中心視野や周辺視野の一部など任意の視野範囲を正確に制限することのできるものである. 実験の成果を以下にまとめる. (1) 中心視が機能していれば「行き止まりの奥へ侵入」することなく歩行でき, かつ歩行中に「進行方向側方に広がる分岐路に気づく」ことができる. (2) 周辺視が機能していれば.「経路を大幅に逆行」することなく目的地に到達することができる. (3) 中心視と周辺視が同時に機能していれば,「立ち止まる」ことなく, かつ「壁面に触れる」ことなく歩行することができる.
  • 吉岡 陽介, 岡崎 甚幸
    人間工学 38(2) 104-111 2002年  査読有り筆頭著者
    廊下や階段など日常の生活空間を歩行するとき, 歩行者は, 歩行場面ごとに異なる範囲の視野を選択的に活用していると予想される. このことを定量的に検証するため, 制限視野法を用いた歩行実験を行った. 結果は以下のとおりである. (1) 歩行時における選択的な活用範囲は, 階段や曲がり角などの歩行局面ごとに固有な方向への「広がり」を持っていることが示唆された. また, 歩行行動全般を通してみれば, 選択的な活用範囲は常に耳側方向への「広がり」を持つ傾向にあることが示唆された. (2)「階段下りはじめの段」であれば「段」よりも身体近傍の環境情報と,「曲がり角を構成する壁の縁」であれば「縁」よりも奥の環境情報と, といったように, 複数の環境情報を一括して捉えることで, より安定した歩行が可能になっていると推察された.
  • 黒岩 将人, 岡崎 甚幸, 吉岡 陽介
    人間工学 37(1) 29-40 2001年  査読有り筆頭著者
    生活空間を歩行中の周辺視の役割を, 通常視野実験と制限視野実験の比較によって解明する. 通常視野実験ではアイカメラを装着して廊下および階段を歩行し, 制限視野実験では著者らが新しく開発した周辺視野を制限するマスクを装着して同じ場所を歩行した. その結果, 通常視野下に対して制限視野下では, 1) 進行方向の床と壁の境界を注視しながら歩行する傾向がある, 2) 角を曲がる時には大廻りをする, 足や手がアンダーリーチングになる, 3) 階段下り歩行開始時に極端に歩行速度が落ちる, 4) 階段上り歩行時に足を擦らせて歩く等の特徴的な行動が見られた. 以上から歩行時の周辺視が, 身体と歩行環境との間の正確な距離や位置関係の把握を助ける役割を果たすことが明らかになった.

MISC

 78

書籍等出版物

 3

所属学協会

 4

共同研究・競争的資金等の研究課題

 9