岩瀬 雄仁   馬場 隆之   
眼科 65(10) 1033-1036 2023年10月
<文献概要>硝子体内ガス注入に用いられるガスは六フッ化硫黄(SF6)と八フッ化プロパン(C3F8)があり,2007年11月にC3F8,2008年4月にSF6がそれぞれ厚生労働省の承認を受けている。添付文書によればその適応は「網膜裂孔に伴う,網膜剥離患者における網膜復位」となっているが,ガイドラインによれば,裂孔原性網膜剥離や黄斑円孔に対する硝子体手術時のタンポナーデ物質として用いられるほか,気体網膜復位術,黄斑下血腫の移動が適応とされている。本邦では,網膜細動脈瘤破裂や加齢黄斑変性における...