酒井 希望   錦見 恭子   大塚 聡代   松岡 歩   楯 真一   生水 真紀夫   
千葉県産科婦人科医学会雑誌 17(1) 46-52 2023年7月
【緒言】広範な腹腔内播種や腹水貯留があり,原発巣が不明な場合にはまず卵管癌や腹膜癌が疑われる.今回,腹腔内播種や腹水貯留があり進行卵管癌・腹膜癌を疑ったが,腹膜サルコイドーシスであった症例を経験したため報告する.【症例】患者は50歳女性.右下腹部および排尿時痛,発熱が出現し,腹水と腹膜播種を指摘され当科に紹介受診となった.CA125 387U/mlで,胸腹骨盤部CT検査では,腹水貯留と腹膜の肥厚,縦隔リンパ節腫大を認めたが,腹水細胞診は陰性であった.原発不明癌と術前診断し,試験開腹術を施行...