ヒストン修飾酵素であるポリコーム群(PcG)およびトライソラックス群(TrxG)複合体、DNAシトシンメチル基酸化酵素TETの機能解析を中心としたT細胞のepigenetic研究に行っています。免疫学は、基礎的な分子生物学と臨床医学を繋ぐ接点となる非常に大切かつ魅力的な研究分野であることから、この領域の研究者になりました。 工学部で学んだ化学とプログラミングの知識と、医学部で学んだ基礎医学と臨床医学の知識をもとに、物質科学の観点から生命現象を解き明かすべく研究に取り組んでいます。言い換えると、複雑な生命現象をよりシンプルな物質科学の法則で説明することを目標としています。医学部卒業後にすぐに大学院に進学したため臨床経験はありませんが、基礎研究を通じて医学の発展に貢献したいと志して研究活動を続けております。 米国国立衛生研究所(NIH)との国際共同研究によりbioinformaticsに関するプログラミングを学ぶなど、次世代シークエンサーによる解析に初期から取り組み、既存の解析ソフトのみならず自作の解析ツールを開発して研究に用いています。2016年に千葉大学国際粘膜免疫・アレルギー治療学研究センターが米国サンディエゴのUCSD内に設置されたことを機に、UCSDおよび近隣の研究所(La Jolla Institute for Immunology: LJI)との国際共同研究を開始しました。化学反応を利用したメチル化DNAの新規検出方法を応用して、生命科学の未解決問題に挑み、未知の生命現象の発見に繋げたいと考えております。 2023年7月より、災害治療学研究所に着任しました。(1)今までに取り組んできた免疫のepigenetic研究とbioinformaticsツール開発をさらに発展させること、(2)災害発生後の慢性期に視点をおいた生活習慣病、感染症の対策に繋がる基礎研究をすること、(3)災害対策の観点から様々な研究者と異分野融合の研究を行い、新たなフィールドを開拓すること、を目標に活動しております。
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 120(2) e2218345120 2023年1月 [査読有り]
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