大塚 聡代   楯 真一   松岡 歩   錦見 恭子   生水 真紀夫   
千葉県産科婦人科医学会雑誌 16(1) 17-20 2022年7月
【緒言】卵巣癌患者で鼠径ヘルニアを発症し、鼠径ヘルニア内容が卵巣癌の播種であることは稀である。今回、鼠径ヘルニア嚢内への播種し摘出した卵巣癌の2症例を経験したので報告する。【症例】症例(1)46歳。当院来院3ヵ月前から鼠径部の腫脹を自覚した。呼吸苦のため近医内科を受診し、胸水貯留を指摘された。CTで右卵巣腫瘍、腹膜播種、充実性腫瘍を内包する左鼠径ヘルニアがあり、卵巣癌の診断で当科に紹介された。化学療法後にinterval debulking surgery(以下、IDS)を施行した。鼠径ヘ...