廣砂 琢也   磯崎 哲朗   早野 康一   水内 喬   豊住 武司   加野 将之   坂田 治人   村上 健太郎   上里 昌也   林 秀樹   松原 久裕   
日本腹部救急医学会雑誌 41(1) 93-97 2021年1月
症例は77歳男性。1mのはしごより階段へ転落し左半身を強打,左胸痛が出現し救急搬送された。当院救急科で外傷性左血気胸,左肋骨骨折の診断で緊急入院,左胸腔ドレーンが挿入された。受傷後5日目の胸部X線で左肺透過性低下を認め,CTで左胸腔内に脂肪組織が脱出し,肺が圧排されていた。外傷性横隔膜ヘルニアの診断で同日腹腔鏡下手術を行った。腹腔内を観察すると,他臓器損傷を認めず,横隔膜損傷部位を経由し大網が胸腔内に脱出していた。癒着剥離を行い大網を腹腔内に還納した。ヘルニア門は40×40mmであり,非吸...