井上 孝夫   栗林 雅人   曲谷地 咲   岡本 翔吾   
千葉大学教育学部研究紀要 61 337-344 2013年3月
ホテルのコーヒーはなぜ高いのか,という問題は,経済学的には需要と供給の法則によって解くべき一例題とされることがある。しかしそこから導かれる回答は,因果関係の分析にはなっていないため,はぐらかされたような後味の悪さが残る。それに対して,本稿では行為分析の発想に基づいて,相場よりも高いコーヒーを提供する側(店)と享受する側(客)のそれぞれの意図を分析し,「高いコーヒー価格」のからくりを明らかにする。第1部はその分析であり,第2部ではそれに基づいて,中学校公民科を想定した「授業構成案」を提示している。