守尾 嘉晃   堤 建男   栗山 祥子   長岡 鉄太郎   
内科 117(3) 429-436 2016年3月
肺疾患に伴う肺高血圧症(PH)は,全経過中に発症しうる合併症で,臨床的に重要な病態である.肺疾患に伴うPHの合併頻度は,肺疾患や肺血行動態の重症度によって異なる.換気障害が経時的に安定し有意なほかの併存疾患がない症例で,呼吸困難や肺拡散能力の悪化が認められた場合,肺疾患に伴うPHの存在を考える必要がある.肺疾患に伴うPHのスクリーニングや早期診断には経胸壁心エコー,確定診断には右心カテーテル検査(RHC)を行う.肺疾患に伴うPHの治療は,肺機能障害とPHの重症度で分類された各群の推奨指針に...