清水健   藤永由佳子   高屋明子   芦田浩   児玉年央   畠山昌則   
日本細菌学雑誌(Web) 70(2) 319-28 2015年 [査読有り]
病原細菌は多様なエフェクター分子や毒素分子を産生し, 宿主生体内の標的臓器/組織の摩耗・機能障害を引き起こす。さらに一部の細菌エフェクター・毒素は, 免疫に代表される生体防御系を鈍化あるいは暴走させ, 結果としてより複雑な感染病態を作り上げていく。これら細菌性病原因子は, 宿主との相互作用を介した進化圧・淘汰圧の下, 標的細胞の構造的・機能的脆弱性を巧妙に利用する姿へと変容し作り上げられてきたのであろう。それゆえ, 細菌毒素・エフェクターの標的となる分子やシグナル伝達系を網羅的に解明する作...