研究者業績

足立 明彦

アダチ アキヒコ  (Akihiko Adachi)

基本情報

所属
千葉大学大学院医学研究院 脳神経外科 特任助教
(兼任)医学部附属病院 脳神経外科 診療助教
日本赤十字社 成田赤十字病院 脳神経外科 副部長
一ノ瀬病院 脳神経外科
学位
学士(薬学)(2003年3月 東京大学)
学士(医学)(2007年3月 千葉大学)
博士(医学)(2014年3月 千葉大学大学院医学研究院)

連絡先
adachi-cibumin.ac.jp
研究者番号
60758407
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-9172-8974
J-GLOBAL ID
201401036406794140
researchmap会員ID
B000243021

外部リンク

脳外科疾患と戦われる全ての患者さんとその御家族に少しでもお役に立てれば幸甚です。

【各種資格管理用メモ】

薬剤師(2004/05/27)

医師(2007/04/19)

博士(医学 2014/03/25 千大院医薬博甲)

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医(5年更新)
  (109123・7924) 、
  初回 2014/8/9~2020/03、現在の認定期間 2020/04-2025/03、
  次回申請期限 2024/12/31、医療安全講習会受講期限 2024/12/31、第4 group)

同学会認定 脳神経外科指導医(5年更新)
 (初回2017/04〜2022/03、前回FD講習会受講期限 2022/03/31、
  現在2022/04〜2027/03、次回FD講習会受講期限 2027/03/31、次回申請 2027/04)

日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医(5年更新)
 (A003087・983)
  初回2015/9/1~2021/3/31 現在の認定期間 2021/4/1~2026/3/31)

日本脳卒中学会認定 脳卒中専門医(5年更新)
 (010632・20160142、初回認定日 2016/7/3)
  現在の認定期間 2021/4/1〜2026/3/31、現取得単位/必要単位 0/50単位)

同学会認定 脳卒中指導医(5年更新、番号 設定なし、現在の認定期間 2019/10/12〜2024/12/31)

脳卒中外科医(あ0261)
 (2020/8/23 第7回 技術認定医・指導医CEP講習会 (STROKE2020オンデマンド配信)参加)

日本神経内視鏡学会 会員(番号 jsne01896)
 (2022年5月12日 大阪 『2021年度第3回日本神経内視鏡学会主催講習会(血腫コース)』参加)

日本神経外傷学会 会員(番号 A05566)

日本抗加齢医学会認定 抗加齢専門医(3年更新)
 (00015940・4110(第14回)、
  初回認定期間 2019年1月1日〜2021年12月31日、現在の認定期間 2022年1月1日〜2024年12月31日)

日本分子生物学会 会員(番号 159437(要変換))

【リンク集】

★脳外科統合TV★
http://plaza.umin.ac.jp/NogekaTogoTV/cgi-bin/index.html(工事中)

★成田赤十字病院 StrokeUnit 勉強会★
講義資料は 左上、資料公開 → 右下、詳細表示
からpdfないしppt形式でダウンロードできます。
質問は g950539あっとyahoo.co.jpまで

★LINE スタンプ★
https://store.line.me/stickershop/search/creators/ja?q=Aki+M.D.+Ph.D.
本HPを下の方までスクロールしてゆくとWorks欄にも、医療従事者向け3種の
スタンプの購入サイトへ飛ぶURLリンクを貼っています。

★JSNET 2018★
TS/SS dAVFのYes/No chartは下記URLより
 ●最新16分類バージョン
   https://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=211589
 ●上記コピペでダウンロード出来ない方は、そのまま下までスクロール】
 『講演・口頭発表など』欄のダウンロードボタンのタップ、
  ないし同部位を新規タブで開く。
 ●もしくは
  左上、資料公開→詳細表示からもアクセスできます。


主要な論文

 33
  • Akihiko Adachi, Yuri Kawashima
    BIO Clinica 39(11) 962-963 2024年10月  査読有り招待有り筆頭著者責任著者
  • Marina Sakata, Yuri Kawashima, Akihiko Adachi, Kosuke Adachi, Yuya Furukawa, Tomoko Yoneyama-Sarnecky, Michio Nakamura
    CMJ 99 51-56 2023年12月  査読有り責任著者
    Displacement of the tip of an implanted tube is a serious complication in medical practice. Herein, we report two cases of unintended advancement of a drainage catheter during external ventricular drainage (EVD). Fortuitously, the patient did not present with any associated symptoms. The similarities between the two patients included the technique used, such that the EVD catheter was inserted through the occipital area, as well as the patient’ s postoperative tendency to be restless and rub the back of his/her head against a pillow. In other words, the same phenomenon occurred in the postoperative period of two surgeries performed at different times over an interval of two years by different surgical teams. Therefore, it is considered appropriate to investigate the constitutive causes from the viewpoint of medical safety. Our detailed material science and mathematical considerations, especially topological considerations, proved that the outer diameter of the catheter decreases with tension and twisting. Therefore, strategies to prevent catheter migration include the following. 1) EVD should be tunneled subcutaneously to an appropriate length, and the EVD exit site should be adequately far from the main incision site. 2) The distal end of the ligature thread on the distal drainage catheter might be sutured to the skin instead of being cut. 3) A purse-string suture at the catheter exit site and modified Roman sandal tie could be created. 4) Frequent rubbing against the pillow or bed at the exit site of the EVD catheter should be avoided.
  • Yuri Kawashima, Akihiko Adachi
    Pediatrics International 65(1) 2023年1月  査読有り最終著者責任著者
  • Akihiko Adachi
    Medical Science Digest 48(9) 444-445 2022年8月  査読有り招待有り筆頭著者最終著者責任著者
  • Yousuke Watanabe, Akihiko Adachi, Yasuo Iwadate
    CMJ 95(3) 53-55 2019年6月  査読有り責任著者
    Endovascular therapy has gained popularity over the years alongside open surgery, radiosurgery, and medical therapy. Various devices are used in endovascular therapy, including the catheter introducer(also called catheter inserter), which is commonly used when catheters(guiding balloon catheters, thrombectomy catheters, or microcatheters)are introduced into hemostasis valves or Y connecters. However, it has not been officially described in any medical article, technical book, or proceedings. There are two kinds of introducers, slit type(pull-out type)and split type(peel-away type); the former is difficult to attach over the middle of the catheter, the latter, meanwhile, cannot be reused. We found that widening the slit of the pull-out type introducer and opening only one side of the split type introducer solve these problems, respectively. Although these processes may seem trivial, they shorten the procedure time and consequently improve treatment results.
  • Akihiko Adachi, Yoshinori Higuchi
    Journal of Neurotrauma 36(7) 1192-1193 2019年3月  査読有り筆頭著者責任著者
    Dear Editor: With great interest, we read the recent article by Toi and colleagues concerning their multi-center prospective randomized clinical trial, which compared the recurrence rates of chronic subdural hematoma (CSDH) following the administration of two irrigation …
  • 阿部有香里, 藤田直子, 足立明彦
    ブレインナーシング 34(12) 62-63 2018年12月  招待有り最終著者
  • 足立明彦, 堀口健太郎, 樋口佳則, 松谷智郎, 原彩佳, 久保田真彰, 菊地浩, 岩立康男, 神戸美千代, 長谷川安都佐, 小藤昌志, 伊原史英, 大熊雄介, 堅田浩司, 花澤豊行, 岡本美孝
    千葉医学雑誌 93(4) 151-156 2017年8月  招待有り筆頭著者責任著者
    【目的・背景】重粒子線治療は本邦が実運用に成功した技術である。我々は重粒子線治療後に誘発された二次性腫瘍の初の臨床 2 症例を経験し一昨年および昨年,国際学会にて発表した。本研究では,その臨床検体を用いた解析から染色体構造の変化を捉え得たので報告する。 【症例報告】症例 1 : 外耳道癌に対する重粒子線照射の 4 年後,片麻痺・失語・てんかん発作で発 症した側頭葉病変で,摘出した腫瘤の病理は原疾患(扁平上皮がん)と全く異なる,海綿状血管腫であった。周囲脳には硝子化など放射線誘発性変化を伴っており,これら複数所見より重粒子線に より発生した腫瘍であることが示された。<br /> 症例 2 : 上顎洞未分化癌への重粒子線照射の13年後,歯痛・頬腫脹・てんかん発作で発症した,眼窩から中頭蓋窩(側頭葉先端)まで拡がる腫瘍で,生検により重粒子線による二次性の骨肉腫と 病理診断された。腫瘍は広範に浸潤しており,耳鼻咽喉科および脳外科による合同手術を行った。 【結果】G-band 染色ならびに腫瘍 CGH+SNP アレイによる分析を行ったところ,欠失・逆位・ 転座を含む複数の染色体構造異常を見出だすことができた。<br /> 【考察・今後の計画】以上より,X 線・ガンマ線照射後に報告のある誘発腫瘍が,重粒子線治療後にも起こりうることを証明した。また,重粒子線誘発腫瘍において geneticな変化が起きている 可能性を示した。但し同一腫瘍検体内に複数の個別の変異が含まれていることからは,構造変化を伴わず現時点で検出できていない共通する遺伝子異常が存在している可能性も示唆され,今後は塩基配列決定などにて,詳細な変異部位,更には腫瘍関連遺伝子の同定を目指す。
  • Akihiko Adachi, Eiichi Kobayashi, Ken Kado, Naokatsu Saeki
    Journal of Neuroendovascular Therapy 10(5) 236-242 2016年11月  査読有り筆頭著者責任著者
    【目的】マイクロカテーテルシェーピングは、プリシェープ先端のマイクロカテーテルでは誘導や保持が困難な際に必要となる。一般に意図した形状の『倍曲げ』の上、添付文書上は『スチーム源から約 25mm 離して約 30 秒間スチームに当て』形作ることになっているが、形成が不充分なことや、鈍化してしまうことも多い。今回、特定のマイクロカテーテルにおいてシェーピングの最適条件を検討した。【方法】マイクロカテーテルとしてはHeadwayを用いた。その上でホットエアガンによるシェーピングの最適な温度設定を検索した。【結果】熱風の実測温は吹出口から25mm離した状態で安定して ( 設 定温- 20) °C を示した。 110°C ~ 140°C 設定(実測温は90 ~ 120°C ) の範囲でシェーピングを行ったところ、Headwayは 130°C 設定(実測 110°C ) 以上で、先端に毛羽立ちや水泡・孔開きがみられた。また 形状保持力につき検証したところ、 120°C 設定(実測 100°C )、 90秒以上が最も優れていることが分かった。【結論】マイクロカテーテルの構造・材質によっては若干最適温が異なる可能性はあるが、Headwayにおいてはホットエアガン 120°C 設定 90 秒間が最も良いパフォーマンスを示し有効であった
  • Adachi Akihiko, Hara Ayaka, Horiguchi Kentaro, Kubota Masaaki, Matsutani Tomoo, Kambe Michiyo, Hasegawa Azusa, Inaniwa Taku, Hanazawa Toyoyuki, Okamoto Yshitaka, Iwadate Yasuo
    International Journal of Molecular Medicine 38 S57 2016年  査読有り筆頭著者責任著者
  • Akihiko Adachi, Yoshinori Higuchi, Atsushi Fujikawa, Toshio Machida, Shigeo Sueyoshi, Kenichi Harigaya, Junichi Ono, Naokatsu Saeki
    9(8) e103703 2014年8月  査読有り筆頭著者責任著者
  • Masayo Adachi-Hayama, Akihiko Adachi, Natsuki Shinozaki, Tomoo Matsutani, Takaki Hiwasa, Masaki Takiguchi, Naokatsu Saeki, Yasuo Iwadate
    BMC Cancer 14 452 2014年6月  査読有り筆頭著者
  • 足立 明彦, 小林 英一, 渡邉 義之, 米山サーネキー 智子, 早坂 典弘, 鈴木 誉, 岡本 美孝, 佐伯 直勝
    脳神経外科ジャーナル 20(8) 597-603 2011年  査読有り筆頭著者責任著者
    CBS(carotid blowout syndrome)は,頭頚部腫瘍に対する放射線治療後に,遅発性に動脈破裂をきたす致死的疾患として知られている.今回,放射線治療後36年および2年を経て大量出血で発症し,血管内治療で良好な結果が得られた2例を報告する.1例目は,瘤内塞栓をしたものの,2週間後に再出血し,母動脈を閉塞した.2例目は,虚血耐性を確認できたため,同様にtrappingにて止血を得た.大量出血で発症するCBSは緊急の止血処置を要する.将来的には膜付きステントに期待が寄せられるが,現時点では閉塞試験が不可能な際にも,救命目的に母動脈閉塞を要する場面は少なくない.その際,照射野を外してのendovascular trappingは永続的止血を得る確実な方法であり,有効と考えられた.
  • Akihiko Adachi, Noriko Shinjyo, Daisuke Fujita, Hideto Miyoshi, Hisako Amino, Yoh-ichi Watanabe, Kiyoshi Kita
    FEBS Letters 543(1-3) 174-178 2003年5月  査読有り筆頭著者

書籍等出版物

 5

講演・口頭発表等

 101
  • 足立明彦
    第146回 一般社団法人 日本脳神経外科学会 関東支部学術集会 2021年12月21日 前原健寿(東医歯大 脳経科)
  • 吉田陽一, 小林英一, 久保田真彰, 足立明彦, 岩立康男
    第36回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2020年11月19日 石井暁
    【はじめに】 放射線誘発性頚動脈狭窄では、両側性で病変が長いという形態的特徴や頚動脈ス テント留置術(CAS)後のステント内狭窄が多いことが報告されている。今回、当 院で放射線誘発性頚動脈狭窄に対してCASを施行した症例について、形態学的特徴 および治療成績について検討したので報告する。 【方法】 対象は2002年3月~2020年7月、当院で放射線誘発性頚動脈狭窄に対してCASを施 行した21患者25例。患者背景、プラークMRIを含めた狭窄所見、周術期および術後 経過について、同等のfollow up期間として2015年4月~2016年3月にCASを施行し た25例をコントロールとして比較検討した。 【結果】 平均年齢69.9±6.9歳、全例男性、食道癌2例、咽頭癌8例、喉頭癌9例、その他2例 に対して60~72Gyの放射線治療施行後、平均10.0±5.2年後にCAS施行。対側閉塞 5例、両側治療9例。左14例、症候性8例、狭窄率はNASCET法で平均79.1%、狭窄 が1椎体以上のlong lesionを10例に認め、総頚動脈狭窄が5例あった。Black-blood 法によるプラークMRIでは胸鎖乳突筋比がT1WI 1.36±0.5、T2WI 2.33±1.5であっ た。治療中10例でdebrisが吸引され、頚動脈反射は2例、過灌流症候群は軽度も含 め6例、術後DWI高信号は12例に確認された。中央値で45ヶ月のfollow upにより、 ステント内狭窄は2例、閉塞は1例であった。 【考察】 放射線誘発性症例では平均年齢が低く(p=0.0075)、狭窄率が高く(p=0.0032)、long lesion が多かった (p=0.0046)。プラーク MRI は T2WI が有意に高信号であった (p=0.0381)。統計学的有意差はないが、男性、総頚動脈病変が多く、脳梗塞既往が 少なかった。術後ステント内狭窄/閉塞は多い傾向であった。
  • 宮﨑格, 足立明彦, 脇田翔吾, 布瀬善彦, 米山サーネキー智子, 中村道夫
    第36回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2020年11月19日 石井暁
    【はじめに】血栓回収療法後に脳塞栓症と判断した場合、当院では塞栓源の確定前 でも DOAC を開始することが少なくない。DOAC 内服下に脳塞栓症を再発し、入 院後に肺癌が診断されたトルーソー症候群の一例を経験したので報告する。 【症例】69歳女性で左 M1 閉塞に対して tPA、血栓回収療法を施行。塞栓源不明 ながら DOAC の内服を開始し、POD11 に mRS2 で自宅退院。喘息の既往に加え CT で無気肺を認めて呼吸器内科併診。POD44 に左 M1 閉塞を再発し再度血栓回 収療法を施行。腫瘍マーカーの高値を認め、生検で肺腺癌が確定してトルーソー症 候群と診断。mRS2 で自宅退院し、抗癌剤治療を開始している。 【考察】トルーソー症候群の機序として一部の腫瘍マーカーの関与が提唱されてい る。FDP、Dダイマーの上昇が特徴とされるが本症例では比較的軽度の上昇に留ま り、むしろ腫瘍マーカーの高値が目立った。再発予防ではワーファリンに比してヘ パリンの有効性が示される一方で DOAC については見解の確立に至っていない。 当院で血栓回収療法後に悪性腫瘍が診断されたもう一例も DOAC 内服下に再発し ており、充分ではない可能性が高いが運用の面ではヘパリンが難しい状況もある。 抗凝固薬以上に悪性腫瘍の治療で凝固機能亢進をコントロールすることも求められ てくる。本症例では肺に腫瘤影が疑われながら抗凝固薬などを理由に検査が先送り になった経過があった。非侵襲的な腫瘍マーカー検査がより早期の診断と治療介入 につながった可能性も考えられた。 【結語】DOAC 内服下でも早期に再発したトルーソー症候群の一例を経験した。腫 瘍マーカーによる低侵襲な検査が早期の診断確定に役立つ可能性も考えられた。
  • 吉田 陽一, 小林 英一, 久保田 真彰, 足立 明彦, 岩立 康男
    脳血管内治療 2020年11月 (NPO)日本脳神経血管内治療学会
  • 宮崎 格, 足立 明彦, 脇田 翔吾, 布瀬 善彦, 米山サーネキー 智子, 中村 道夫
    脳血管内治療 2020年11月 (NPO)日本脳神経血管内治療学会
  • 宮﨑格, 足立明彦, 尾﨑航, 布瀬善彦, 米山サーネキー智子, 中村道夫
    第45回日本脳卒中学会学術集会 2020年3月28日 塩川芳昭
  • 中村道夫, 宮﨑格, 足立明彦, 米山サーネキー智子, 布瀬善彦, 尾﨑航
    第45回日本脳卒中学会学術集会 2020年3月27日 塩川芳昭
  • 吉田 陽一, 小林 英一, 久保田真彰, 足立 明彦, 岩立 康男
    第18回NPO法人 日本脳神経血管内治療学会 関東地方会学術集会 2020年9月5日 キッティポン スィーワッタナクン
    頚動脈ステント留置術 (CAS) 後に脳血管攣縮を来し、一過性の脳虚血症状を呈した症例報告が散見される。典型的な雷 鳴頭痛を伴う可逆性血管攣縮症候群を呈した報告もあるが、今回経験した2症例では典型的な頭痛を呈しておらず異なる症 候と考えた。既報を渉猟し、病態につき考察したので報告する。 81歳男性。脳梗塞後に進行した右内頚動脈高度狭窄に対して CAS を施行。術前脳循環予備能の低下は軽度。8Fr Optimo および Guardwire による double ballon protection 下に Precise 8x40mm を留置。Sterling 5.5x20mm で後拡張した際に 7秒程度の Asystole となったが、自然に改善した。多量の Debris が吸引されたため WallStent 6x22mm を追加留置した。 長時間の遮断となったため、不耐性によるけいれん発作に伴う意識混濁、左上下肢麻痺が出現し、遷延した。 66歳男性。無症候性右内頚動脈高度狭窄に対し CAS を施行。術前脳血流低下は軽度。9Fr Mo.Ma を用いて Precise 8x40mm を留置。Bandicoot 5.0x20mm で後拡張し、問題なく終了したが、治療12時間後に左上下肢麻痺、構音障害、 半側空間無視が出現した。 いずれの症例も症状を説明しうる粗大な脳梗塞を認めなかったが、精査で脳血管攣縮と診断した。保存的加療で攣縮所見 および症状は改善し、自宅退院した。 Kang らは慢性的な血流低下を背景にして血行再建時に血管自動調節能が働くことで、CAS 後に無症候性の血管攣縮を呈 する症例が少なくないことを報告した。また石橋らは、debris 塞栓に低灌流が加わることで、画像所見よりも強い脳虚血症 状を呈することを報告しており、これらが今回の病態に関わる要素と考えた。慢性的な血流低下を伴い debris 塞栓を来し た CAS 症例では、脳血管攣縮による脳虚血症状を呈しうることに注意すべきである。
  • 折本亮介, 小林英一, 阿部翠, 吉田陽一, 足立明彦, 奥山翼, 岩立康男
    第35回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2019年11月23日 廣畑優
    【背景】日常臨床において,Carotid artery stenting(CAS)を施行後に高次脳機能が改善していると思われる症例に度々遭遇する.我々はCAS施行前後での高次脳機能の変化について研究を行っている.これまでに,特に仮名拾いテストの成績がCAS施行の前後で比較して統計学的有意差をもって改善していた.これには血行再建による脳血流の改善が寄与していると考えられる.今回我々は,検査前後のSingle photon emission computed tomography(SPECT)の変化と高次脳機能の変化について考察を行った.【対象】2017年9月から2019年4月までの期間で,CASの前後で高次脳機能検査を行った32症例(男性30例,女性2例,74.2±7.71歳)のうち,仮名拾いテスト1および2の検査を完遂し得た23例(男性21例,女性2例,72.8±8.03歳)を抽出した.【方法・結果】CAS施行前にアセタゾラミド負荷脳血流定量シンチグラフィー検査を,CAS施行翌日に負荷無しで検査を行った.患側大脳半球のcerabral blood flow(CBF)を同側小脳半球のCBFで除した値と,仮名拾いテスト1および2の成績の相関を調べた.23例全てを対象とした場合,CBFの変化と仮名拾いテストの成績の間に相関は認められなかった.術前に高次脳機能障害が認められなかった5例,狭窄率が60%以下の1例,他の検査で認知症と考えられた1例,後に対側のCASも施行した3例を除外すると,CBFの変化と仮名拾いテストの成績の間に相関が認められた(R2:0.624).【結論】CAS施行後に高次脳機能障害が改善する症例があり,そのような症例ではSPECTでのCBFと仮名拾いテストの成績の間に相関が認められた.
  • 和泉允基, 小林英一, 足立明彦, 横田元, 樋口佳則, 岩立康男
    第35回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2019年11月22日 廣畑優
    【背景】未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後,約0.6%の症例にてんかん発作を合併するとされている.今回,治療後に遅発性の片麻痺・失語を呈した症例を経験した.MRI所見から異物由来の肉芽腫形成に伴うてんかん発作の可能性が示唆され,文献的考察を含め報告する.【症例】45歳女性.ADL自立.てんかん既往なし.左未破裂硬膜内内頚動脈瘤12mmに対してFlowDiverter留置を行うため,まずコイル塞栓術のみを施行した.術直後MRIでは左中大脳動脈領域に拡散強調画像で点状高信号域の散在を認めたが,合併症なく自宅退院した.術後17日目に突然の右片麻痺・失語を認めた.発症時けいれんは指摘されなかった.NIHSS13点であり,MRIでは左中大脳動脈領域の皮質と左視床に拡散強調画像で高信号域を認め,同部位はADCも低下していた.体動のためMRAは評価困難だった.病歴・検査結果よりコイル塞栓術後の脳塞栓症と判断し,入院加療とした.翌日に失語以外は改善しており,拡散強調画像で高信号域がほとんど消失していた.脳波を施行すると約3-5Hzの高振幅徐波が一過性に出現していた.MRI・脳波所見より症候性てんかんに伴う症状だった可能性も考慮し,イーケプラ投与を開始した.入院2日目には失語症状も改善しており,その後も再発・後遺症なく自宅退院した.画像所見をreviewすると,発症時FLAIRで左MCA領域白質に高信号域を認めており,異物肉芽種症の可能性が示唆された.追加でSWANを撮影すると,同部位に無数の点状低信号域を認め,造影MRIではその一部に造影効果を認めた.発作の原因と考えられた.【結語】てんかん発作合併症例においては,異物肉芽腫を鑑別にあげて精査する必要性が示唆された.
  • 宮﨑格, 足立明彦, 尾﨑航, 伊藤将人, 布瀬善彦, 米山サーネキー智子, 中村道夫
    第35回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2019年11月22日 廣畑優
    【はじめに】超急性期脳梗塞に対する血栓回収療法は広く行われるようになり,近年では最終健常確認から時間の経過した症例に対する有効性も示されている.経皮経管的血栓回収機器適正使用指針第3版でも DWI と NIHSS の mismatch など一定の条件を満たしたものについて最終健常確認から最大24時間までの適応拡大が示されるようになっている.【目的】これらの適応拡大に準じて当院で治療を行った症例についてその特徴などを検討した.【方法】2018年3月以降に当院で血栓回収療法を施行した40例のうち,最終健常から穿刺までの時間が6時間以上であった11例について術前検査,治療などについて検討した.【結果】9/11例にMRIを施行しており,MRIを施行しなかった1例はペースメーカー,1例は最終健常から4時間12分で来院したが結果的に6時間を超えての穿刺になった症例であった.治療では6例でPTAの併用などを要し,再開通後の再閉塞などで明らかになったものを含めるとアテローム動脈硬化性病変は8例と割合が高かった.一方で wake up stroke などの中から time window 内の心原性脳塞栓症を拾い上げられたのは2例に留まっていた.【考察,結論】心原性脳塞栓症の場合には発症6時間以内でも広範な完成脳梗塞を認める症例も多い中,アテローム動脈硬化性脳梗塞は階段状に発症,進行しているところに mismatch を確認して治療介入する余地があると思われた.適応を拡げる中でアテローム動脈硬化性病変に対応する機会が増えており, PTA や CAS の準備など必要性が増している.一方で治療適応の判断においては側副血行の発達などに注意して,不必要な治療介入や合併症を避ける細心の注意が必要とも考えられた.
  • 久保田真彰, 小林英一, 吉田陽一, 折本亮介, 渡邉庸介, 足立明彦, 青墳佑弥, 岩立康男
    第35回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2019年11月22日 廣畑優
    【目的】感染性心内膜炎による細菌性塞栓子から,脳塞栓症を来し血栓溶解療法や機械的血栓除去術(MT)による治療報告は散見されるが,比較的稀有な症例であることからその安全性や効果,治療方法については定まっていない.今回我々は,細菌性髄膜炎と感染性心内膜炎を合併し,その加療中に脳塞栓症を来した1例を経験したので,文献的考察を含め報告する.【症例】82歳女性.歯科治療歴はなかった.発熱,頭痛,意識障害で近医を受診し,細菌性髄膜炎と診断.また,血液培養からStreptococcus gordoniiを検出し,抗生剤による加療で,第3病日には神経学的異常所見は認めない程度まで改善した.第6病日に右片麻痺,失語症を発症.NIHSS 20点.MRIで左中大脳動脈の閉塞を認め,当院へ紹介となった.時間経過からrt-PAは投与せずMTを施行し,TICI 3で終了した(D2P=53分,P2R=56分,O2R=369分).回収された塞栓子は白色,弾性硬であり,病理所見から細菌性塞栓と診断され,塞栓子の培養から血液培養と同菌が検出され,修正Duke診断基準より感染性心内膜炎と診断した.経過中,2度の経胸壁心エコーを施行したが,有意な所見は認めなかった.術後,NIHSS 5点まで改善し,90日後modified Rankin scale は3であった.【考察】細菌性髄膜炎と感染性心内膜炎の合併は2%程度と非常に稀であり,さらに死亡率 29%と予後不良である.また,細菌性塞栓子による脳塞栓は,血管内皮の炎症を惹起するためMTによる血管攣縮や術後出血を来す可能性が高く,使用するデバイスの選択や血栓溶解療法の可否など議論の余地がある.【結論】細菌性髄膜炎合併で発症した脳梗塞では常に細菌性塞栓を念頭に入れ治療を行うべきである.
  • 尾﨑航, 宮﨑格, 足立明彦, 伊藤将人, 布瀬善彦, 米山-サーネキー智子, 中村道夫
    第35回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2019年11月21日 廣畑優
    【はじめに】超急性期脳梗塞において少しでも多くの患者に治療を適応できるように,病院間搬送を含めた地域ごとの包括的な連携作りが推奨されている.本邦でも2018年から施設認定の基準が発表され,各病院の情報を統合し連携することで,患者を素早く適切な施設に搬送する取り組みが始まった.【目的】他院から搬送され当院で血栓回収を行った症例から,前医の施設状況も踏まえて問題点を考察した.【対象】過去5年間に行われた血栓回収療法96例の内,他院から転院搬送された症例は5例であった.搬送元は脳外科医不在1施設,脳外科医が日中のみ勤務1施設,脳外科医+血管内治療医常勤2施設の計4施設だった.【方法】以降前者2施設をtPA投与ができないA群,後者2施設を血栓回収まで行えるB群として両群での比較を行った.【結果】A群からは2例が搬送され,B群からは治療医不在で2例,治療室の使用不能で1例の計3例が搬送された.それぞれ発症から当院来院までの時間は,A群が平均9時間0分,B群が4時間20分だった.A群では全例t-PA投与されず,B群は全例 drip & ship での搬送だった.当院来院からの治療開始までの時間はA群が平均44分,B群が38分だった.【考察】予後に関して明らかな差はなかったが,B群からの症例では発症から搬送までの時間が短く,全例でt-PA投与も行われていた.B群の病院はそれぞれ,現在脳卒中学会で認定を予定されている一次脳卒中センター,あるいは血栓回収療法センターに該当すると考えられた.【結語】脳卒中診療において,施設毎の特徴を踏まえた適切な病院の選択と素早い搬送は重要である.更に地域病院間のネットワークを用いた連携も重要性を増してきている.
  • 折本 亮介, 小林 英一, 吉田 陽一, 足立 明彦, 奥山 翼, 岩立 康男
    日本脳神経外科学会 第78回学術総会 2019年10月
    【背景】内頚動脈near occlusion(ICA NO)は狭窄より末梢の血管が虚脱し、その治療方針に議論の余地がある。ガイドラインではbest medical treatment(BMT)が推奨され、多くのランダム化比較試験でICA NOは除外されているが、ICA NOの頻度は高度狭窄のうち10%程とされ、比較的稀ながらも遭遇する。当科で経験したICA NOの症例について文献的考察を加え報告する。【症例】(症例1)69歳男性。慢性腎不全で透析導入されている。スクリーニングのMRIおよびMRAで右ICA NOを認めた。Carotid Artery Stenting(CAS)を行うと虚脱した末梢血管は拡張した。頭蓋内内頚動脈に狭窄があるが、同側脳卒中の発症なく経過良好である。(症例2)70歳男性。失語、右片麻痺で左脳梗塞を発症した。脳血管撮影で左ICA NO、SPECTで左脳血流低下ありCASを試みた。石灰化が強く大腿動脈はシース留置できず、右上腕動脈穿刺に変更したが、動脈硬化のため狭窄部まで到達できなかった。高位病変、抗血小板薬2剤内服中で、Carotid Endarterctomy(CEA)はハイリスクであり、頸動脈直接穿刺によるCASも同様にリスクが高くBMTの方針となった。その後も一過性の失語、右片麻痺を繰り返している。(症例3)75歳男性。右片麻痺、失語で発症しMRIで左脳梗塞、ICA NOを認めた。その後麻痺の増悪、寛解を繰り返した。SPECTで左脳血流低下を認めCASの方針となった。血管の蛇行でアクセス困難であったが、狭窄部まで到達し血管形成術を行った。その後の症状増悪はない。今後CAS(Staged CAS)を行う予定である。【考察】ICA NOについて、単施設の報告やメタ解析でBMTより外科的介入が推奨されている。しかし全身の動脈硬化によるアクセス困難、他疾患の合併、頸動脈洞反射、過還流症候群の高危険群等でハイリスク症例である事が多い。個々の症例に応じてrisk/benefitを考慮し治療方針を考える必要がある。
  • 座長 長尾建樹, 演者 足立明彦
    上部消化管疾患診療Webセミナーin千葉 2019年6月13日  招待有り
  • 足立明彦, 小林 英一, 和泉 允基, 吉田 陽一, 原 彩佳, 折本 亮介, 飯島 靖, 牧 聡, 古矢 丈雄, 國府田 正雄, 大鳥 精司, 岩立 康男
    第44回日本脳卒中学会学術集会 2019年3月22日 会長 北川一夫(東京女子医科大学 脳内)、座長 加藤宏之(国際医療福祉大学 脳内)
    【背景】鈍的外傷による椎骨動脈損傷からの遠位塞栓は重篤な脳梗塞を起すことが、特に整形外科での整復手術周術期の合併症として知られている。今回、頸部損傷後の血管造影検査にて椎骨動脈内に典型的な閉塞と特徴的な浮遊血栓を認め、頸椎固定術術前に予防的抗血栓薬内服および血管内治療を行った症例を紹介する。 【症例】74歳女性、脚立から転落し四肢麻痺にて他院搬送。頸椎脱臼および椎間孔骨折を指摘され当院転送となった。入院後、麻痺は改善傾向で、再検画像(造影CT)では脱臼は自然整復されていたものの患側椎骨動脈は途絶していた。DSAにて途絶部近位および遠位からの造影を行ったところ、近位からの造影では明らかな閉塞を示していた一方で、対側椎骨動脈からUnionを超えて導入したバルーンマイクロカテーテルからの遠位側造影では入道雲様に血栓が揺蕩っている状態が観察された。整形外科では不安定性あるため固定術が必要とのことで、周術期の血栓性合併症予防として、病変部上下で親動脈塞栓を行った。後方固定術後、3年間外来フォローしてきたが何らの神経学的症状を後遺することなく経過している。 【考察と結語】頸椎損傷後の椎骨動脈損傷(Denver Grade IV)からの遠位塞栓飛散は医療安全上も問題となる病態であるが、既報はCase report/seriesのみでガイドラインなどもないため、エビデンスレベルに拘泥し治療の機を逸しないことが重要と考える。本病態における血栓性閉塞部は過去の報告では、近位端側からの撮影のみで終了している場合が殆どで、Unionを超えて遠位端側の詳細な描出を図った画像所見は本症例が初めてである。遠位端側では血栓が揺らいでいるものと認識し危機感をもって治療にあたっていただければ幸甚である。
  • 田宮亜堂, 足立 明彦, 折本亮介, 小林英一, 岩立康男
    第44回日本脳卒中学会学術集会 22日 16:10 - 17:10 ポスター 2019年3月
    [はじめに]脊髄動脈に動脈瘤が発生することは頭蓋内に比較したら非常にまれであり、破裂に伴うくも膜下出血は全くも膜下出血の1%程度と報告されている。しかし、致死的となる可能性があることから、頭蓋内に所見がなければ必ず出血性脊髄病変の一つとして念頭におかなければならない。今回我々はくも膜下出血で発症し、脊髄髄質動脈に発生した動脈瘤破裂例を経験したので報告する。[症例]63歳女性。激しい頭痛により救急搬送され、頭蓋内血管病変を精査するも明らかな所見は認めなかった。脊髄病変の有無を精査したところ、Th1脊髄腹側に血管病変を認め脊髄血管造影検査を施行したところ、Th1脊髄髄質動脈に部分的に血栓化した解離性動脈瘤を認めた。[考察・まとめ]脊髄動脈瘤破裂例はまれであるが、致死的となる可能性があるので治療が必要となる。過去にはクリッピング、ラッピングもしくは保存的治療と報告されている。文献的考察とともに報告する。
  • 折本亮介, 小林英一, 足立明彦, 阿部翠, 吉田陽一, 奥山翼
    第44回日本脳卒中学会学術集会 21日 09:30 - 10:20 一般口演 2019年3月
    【背景】内頸動脈狭窄症による虚血性脳卒中発症予防のために、頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)および頸動脈ステント留置術(CAS)はその有効性が確立されている。しかし治療後に高次脳機能も改善している印象を受ける事があり、それを支持する論文も散見される。我々は当科でCASを行った症例に対してその前後で高次脳機能検査を行ったので、考察を加えて報告する。【方法】対象は2017年10月から2018年9月までに当科でCASを行った22例(男性20例、女性2例)で、年齢は75.4±7.92歳であった。検査バッテリーは、認知機能のスクリーニング検査としてMini-Mental state Examination(MMSE), レーブン色彩マトリックス検査(RCPM), 注意の分配性の検査としてSymbol Digit Modalities Test, 注意機能の持続、視覚的探索、視覚運動協調性の評価、ワーキングメモリーの評価としてTrail Making Test(TMT)のPart AおよびPart B, 注意機能の評価として仮名拾いテスト1および2を採用した。それぞれをCAS直前、術後1週間、術後1~3か月に行った。【結果】それぞれの検査でCASの前後で高次脳機能が改善する一定の傾向を示したが、特に仮名拾いテスト2においてCASの前後で有意差を持って高次脳機能が改善した(P=0.0292)。また高次脳機能の改善とSPECTでの脳血流は相関関係を示した。【考察・結語】本研究によりCASの前後で高次脳機能が改善する可能性を示した。更に検査バッテリーの再構成、症例の蓄積を重ねて新たな知見を見出していきたい。
  • 足立明彦, 小林英一, 岩立康男
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 17:00 〜 18:00 第6会場 (展示棟 会議室2) 2018年11月23日 松本康史
    質問項目は ・Shunt部位 ‐(静脈洞/脳表静脈/MassEffectを示す硬膜(下)静脈貯留) ・Shunt部位が脳表静脈の際、 ‐脊髄逆流の有無 ‐拡張の有無 ・Shunt部位が静脈洞の際、 ‐洞の様態(遠位狭窄/遠位閉塞/両側閉塞) ‐洞の逆流の有無 ‐脳表静脈の逆流の有無 である。
  • 足立明彦, 小林英一, 岩立康男
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2018年11月23日 松本康史
    17:00 〜 18:00 第6会場 (展示棟 会議室2) Ts/SS dAVFに適用される分類は、Borden、Cognard、Djindjan、Lalwani、Piton、と複数存在し、微妙に基準が異なっており混乱を招きがちである。各分類が全く別視点で独立であれば3×7×4×3×4=1008通りの組み合わせが考えられるが、実際には重複表現や不可能な組合せなどがあり、各原著の意図する解剖を詳細に検討した結果、理論的に可能な編成は13通りに限られた。我々は最大4回の質問だけで、正しい組合せに到達するYes/No Chartを作成したので紹介する(演者個人HPおよび自施設HPで公開中)。
  • 久保田真彰, 小林英一, 渡邉庸介, 折本亮介, 小林正芳, 足立明彦, 岩立康男
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 23日(金) 08:10 〜 09:10 第9会場 (会議棟1F小会議室1) 2018年11月
  • 吉田陽一, 小林英一, 久保田真彰, 足立明彦, 岩立康男
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 22日(木) 17:50 〜 18:50 ポスター会場3 (会議棟2F萩) 2018年11月 (NPO)日本脳神経血管内治療学会
  • 折本亮介, 小林英一, 足立明彦, 阿部翠, 吉田陽一, 奥山翼, 岩立康男
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 24日(土) 10:10 〜 11:10 第8会場 (会議棟3F小会議室8) 2018年11月 (NPO)日本脳神経血管内治療学会
  • 渡邉庸介, 小林英一, 久保田真彰, 折本亮介, 小林正芳, 足立明彦, 岩立康男
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 22日(木) 11:00 〜 12:00 第9会場 (会議棟1F小会議室1) 2018年11月
  • 足立明彦, 小林英一, 折口槙一, 佐々木みなみ, 杉山友啓, 久保田真彰, 渡邉庸介, 宮崎格, 山内利宏, 吉田陽一, 奥山翼, 折本亮介
    第34回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会 2018年11月 松本康史
    16:00 〜 17:00 ポスター会場2 (会議棟2F橘) 【背景と目的】頚動脈狭窄症患者の平均年齢にも高齢化の波がみられ、80代での頚動脈ステント留置術(CAS)も珍しいことではなくなってきた。一方で、CREST試験では70歳以上の高齢群におけるCEAの有用性が示され、内科加療の成績も年々進歩している。高齢者のCAS適応に関しSAPPHIRE時代に比し厳しい目が向けられている現状をふまえ、当院における高齢者でのCASの治療成績を検討した。【方法と結果】NCD/JNRデータベースに前向き登録された2015年1月~2018年7月に当院で行われた150例を対象とした。80歳以上は30例(20%)であった。合併症例におけるリスク因子を抽出し問題点を検証した。また80歳以上と80歳未満における合併症率の比較を行った。【結語】年齢によるevent発症率に有意な差はみられず、適切に症例を選択することで高齢者でも安全に加療が証明された。
  • 足立明彦, セッション, グリオーマ, 分子診断
    日本脳神経外科学会 第77回学術総会 2018年10月12日 冨永悌二
    2018J-2268 3F-O091-07 F会場 金 10:00~11:00(6分/2分)
  • 樋口佳則, 池上史郎, 河内大輔, 堀口健太郎, 足立明彦, 小林英一, 岩立康男
    日本脳腫瘍の外科学会プログラム・抄録集 2018年9月1日
  • 折本亮介, 小林英一, 足立明彦, 奥山翼, 吉田陽一, 岩立康男
    第15回NPO法人日本脳神経血管内治療学会関東地方会学術集会 2018年7月
  • 足立明彦, 小林英一, 奥山翼, 堀口健太郎, 樋口佳則, 松田達磨, 折本亮介, 田宮亜堂, 小林繁樹, 山内利宏, 中野茂樹, 町田利生, 小野純一, 藤田直子, 梅本真史, 間所真実, 豐田早苗, 新崎ちひろ, 幸森英里, 岩立康男
    第47回日本脳卒中の外科学会学術集会 2018年3月15日
  • 藤田直子, 山崎可奈子, 梅本真史, 豊田早苗, 間所真美, 山本直子, 濱砂祐子, 梅北英夫, 足立明彦, 田宮亜堂, 小林英一
    第43回日本脳卒中学会学術集会 2018年3月
  • 奥山翼, 小林英一, 足立明彦, 折本亮介, 尾崎航, 須田泉, 河内大輔, 砂岡宏和, 伊東大祐, 高躍, 岩立康男
    第43回日本脳卒中学会学術集会 2018年3月
  • 小林英一, 足立明彦, 吉田陽一, 折本亮介, 奥山翼, 高躍, 伊東大祐, 岩立康男
    第47回日本脳卒中の外科学会学術集会 2018年3月
  • 小林英一, 梅北英夫, 吉田陽一, 足立明彦, 折本亮介, 奥山翼, 岩立康男
    第47回日本脳卒中の外科学会学術集会 2018年3月
  • 折本亮介, 小林英一, 足立明彦, 河内大輔, 岩立康男
    2018年3月
  • 足立明彦
    フレイルと脳卒中 2018年1月12日 協賛: 第一三共  招待有り
    開催目的:老年病と脳卒中領域における最新の知識習得 参加対象者:高齢者の診断・治療に携わっている医療関係者
  • 足立明彦, 小林英一, 折本亮介, 奥山翼, 高躍, 岩立康男
    第33回日本脳血管内治療学会学術総会 2017年11月23日 会長:大石英則
    頭頚部腫瘍に対する塞栓術は術中出血率の減少に有用であるが、重篤な合併症に繋がる落とし穴が複数存在する。過去8年の経験から、実際の合併症症例も提示しつつ、これらを避けるために注意すべき点につき血管別に検討した。2009年8月以降当院で栄養血管塞栓術を行った40例を対象に解析した。内訳としては髄膜腫30例、 血管芽腫5例、傍神経節腫2例、HPC/SFT 1例、嗅神経芽腫1例、甲状腺癌転移1例であった。塞栓術を行った血管はMMA31例、OA5例、APA3例、SPA3例、STA2例、SCA2例、ほかMDTA、AFR、AICA、PICA、CBAから各1例ずつ施行した。粒子状塞栓物質としては最近の15例ではエンボスフィアを、認可前の19例ではPVAを使用した。液体塞栓物質としては単体ないし併用でNBCAを9例で用いた。またPushable coilは23例で併用している。永続的な合併症としては、頭蓋内外吻合の存在した1例で後方循環に迷入し後頭蓋窩減圧開頭を必要とした他、造影剤圧入時にMMAが破綻した1例で急性硬膜下血腫を呈し当日の減圧開頭腫瘍摘出術を余儀なくされた。一過性のものとしては頭痛・嘔気・発熱を各5・3・1例で呈しており、画像上の副次的所見としては血行動態の変化に伴うと思われる静脈性小出血および無症候性腫瘍内出血を各1例で認めている。これらの合併症に繋がりうる解剖・術中操作などにつき提示し、対策に関し報告する。
  • 折本亮介, 小林英一, 足立明彦, 尾崎航, 砂岡宏和, 岩立康男
    2017年11月
  • 奥山翼, 小林英一, 足立明彦, 折本亮介, 岩立康男
    第33回日本脳血管内治療学会学術総会 2017年11月
  • 足立明彦, 小林英一, 堀口健太郎, 樋口佳則, 奥山翼, 小林繁樹, 山内利宏, 折本亮介, 中野茂樹, 町田利生, 小野純一, 岩立康男
    日本脳神経外科学会第76回学術総会 2017年10月12日 会長:若林俊彦
    12日(木) 12:50 - 13:50 I会場 【はじめに】治療に難渋する後方循環の脳動脈瘤は、血栓化およびvasa vasorumの発達により血管内加療 により完治しえず、そのサイズと深い視野故に到達困難でクリッピングも不可能となることが ある。同病変に対する内視鏡下経鼻アプローチはKassamらにより約10年前に報告されLawtonら により解剖学的にも有用性が示されているが、一般に治療選択肢として知られているとは言い 難い。 我々は拡大内視鏡手術を多く経験しており、そこから考察される本アプローチの要点を、巨 大血栓化椎骨動脈瘤の手術ビデオを用いて報告する。また、本アプローチを用いず治療しえた 他症例(代表4例)の3D-CTA画像及び術中ビデオを簡単に紹介し、経斜台アプローチが必要とな る解剖学的状況につき考察する。 【手術法】 ・確実な血流遮断および穿通枝の血流をリアルタイムに確認するため、ハイブリッド手術室に てハイビジョン内視鏡を使用した。 ・頭部はX線透過の3ピン(DORO)で固定し、管球(ArtisZego)が干渉しないことを確認する。 ・骨削除の高位判断には、適宜、ナビゲーションおよびドップラーを用いた。 ・粘膜弁を作成し、骨性鼻中隔を削除。鋤骨から蝶形骨洞底面をドリリングし、トルコ鞍から 斜台前面を確認。斜台骨削除し硬膜を露出する。 ・硬膜削除にて蛇行・横走するVA-BA・AICA・瘤本体を確認し、確実に閉鎖しうる長さのクリ ップを選択。クリップ後に3D-DSAにて瘤内血流の消失および合併症なきことを確認する。 ・クリップヘッドは硬膜外に出てしまうため、包み込む形で鼻中隔粘膜・大腿筋膜・硬膜を縫 合し多層性再建を行う。 【考察・結語】 提示症例では2回の血管内治療および開頭術による近位クリッピングが行われたが、再開通 をきたし、今回動画紹介の経鼻アプローチによる遠位閉塞、および再開頭での瘤切開/縫縮・ 血栓/コイル塊摘除後に症状改善がみられた。 治療抵抗性の動脈瘤において、このような経斜台アプローチは安全な治療戦略の幅を広げる ことが期待される。
  • 奥山翼, 樋口佳則, 堀口健太郎, 小林英一, 松田達磨, 高躍, 伊東大祐, 尾崎航, 須田泉, 砂岡宏和, 河内大輔, 足立明彦, 岩立康男
    日本脳神経外科学会第76回学術総会 2017年10月
  • 小林英一, 足立明彦, 折本亮介, 吉田陽一, 奥山翼, 高躍, 岩立康男
    日本脳神経外科学会第76回学術総会 2017年10月
  • 折本亮介, 小林英一, 足立明彦, 吉田陽一, 奥山翼, 岩立康男
    日本脳神経外科学会第76回学術総会 2017年10月
  • 足立明彦
    第5回 千葉未来開拓セミナー 2017年7月21日 主催:千葉大学 医学部(MD-PhD) 4年 河野健太, 座長:大学院医学研究院 細胞治療内科学 木下大輔  招待有り
    - たまたま出会った重粒子線誘発腫瘍から癌遺伝子を発見できるんじゃないかと複数の研究費を得て染色体構造異常は証明してみたものの変異遺伝子の部位はまだ分からない件と、そもそも『100年後の今頃には皆死んじゃってるんだから』と抗老化に夢を見ていた薬学出身者が脳外科医になって考えた上での結論のようなもの -
  • 小林英一, 足立明彦, 奥山翼, 吉田陽一, 折本亮介, 高躍, 伊東大祐, 岩立康男
    脳血管内治療ブラッシュアップセミナー 2017 (抄録pp.79-82) 2017年7月8日  招待有り
  • 奥山翼, 堀口健太郎, 小林英一, 樋口佳則, 足立明彦, 山内利宏, 河内大輔, 砂岡宏和, 菊地浩, 松田逹磨, 高躍, 伊東大祐, 折本亮介, 岩立康男
    第29回房総血管内治療カンファレンス 2017年4月22日
  • 足立明彦, 松戸市立病院, 神経内科部長, 福島剛志先生
    学術講演会 ~脳疾患と合併症を考える~ 2017年4月21日 松戸市立病院 院長 烏谷博英先生  招待有り
  • 奥山翼, 樋口佳則, 小林英一, 松田達磨, 足立明彦, 山内利宏, 菊池浩, 高躍, 伊東大祐, 岩立康男
    第42回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2017プログラムp214) 2017年3月17日
  • 小林英一, 足立明彦, 吉田陽一, 奥山翼, 岩立康男
    第46回日本脳卒中の外科学会学術集会 (STROKE2017プログラムp139) 2017年3月16日
  • 足立明彦, 小林英一, 吉田陽一, 奥山翼, 高躍, 伊東大祐, 菊池浩, 海保亜紀子, 竹本真弓, 岩立康男
    第42回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2017プログラムp283) 2017年3月15日 会長:峰松一夫,座長:岩田智則
  • 高躍, 小林英一, 足立明彦, 吉田陽一, 奥山翼, 岩立康男
    第32回日本脳神経血管内治療学会学術総会(抄録:脳血管内治療2016:1(S),100) 2016年11月26日 (NPO)日本脳神経血管内治療学会

主要な担当経験のある科目(授業)

 8

主要な所属学協会

 12

主要なWorks(作品等)

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  • 足立明彦
    2014年 芸術活動
    ドクターの日常における頻用フレーズを業務からプライベートまで網羅したLINEスタンプ。院内コミュニケーションに最適。病棟内や科内の定型連絡事項など取揃えました。

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

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学術貢献活動

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  • 審査・評価
    Spandidos Publications社 Medicine International 2022年11月7日 - 2022年11月16日
  • 審査・評価
    中央欧州脳外科 The Journal of Neurological Surgery (JNLS): Part A 2022年7月29日 - 2022年8月2日
  • 中央欧州脳外科 2015年6月3日 - 2015年6月7日
  • 中央欧州脳外科 2015年4月2日 - 2015年4月28日
  • 中央欧州脳外科 2015年2月26日 - 2015年3月3日

社会貢献活動

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メディア報道

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  • Science Japan by JST (Japan Science and Technology Agency) Latest News 2023年12月 インターネットメディア
    A research group led by Specially Appointed Assistant Professor Akihiko Adachi of the Graduate School of Medicine at Chiba University and Dr. Yuri Kawashima of the Graduate School of Arts and Sciences at the University of Tokyo (currently Specially Appointed Assistant Professor of the Research Institute for Radiation Biology and Medicine at Hiroshima University) recorded a video of a phenomenon called Pseudoleukocoria (false white pupil), in which even the pupil of a healthy child appears white, and explains its mechanism and shows the phenomenon to the public for the first time in the world. The research group demonstrated that when light enters the pupil at a specific angle at the time of imaging, 'pseudoleukocoria' appears as the reflection from the optic disc. When a white pupil (leukocoria) is observed in a child, parents should take the child to a doctor promptly (as it could present as a sign of a serious medical conditions) but without feeling excessive concern (since it may be a false positive phenomenon, as depicted in this report). The findings were published in the medical journal Pediatrics International. Leukocoria' is the symptom of a whitish (yellow or beige) reflection of light from an ophthalmic lesion or fundus structure through the pupil when flash photographs or videos are taken and is a sign of potentially serious conditions including a congenital cataract, retinoblastoma, retinal detachment, persistent hyperplastic primary vitreous, and Coats' disease. In particular, as retinoblastomas are characterized by rapid growth, children showing leukocoria in photographs should visit a specialized medical institution within one week. Due to the widespread use of smartphones, 'leukocoria' may be noticed more and more by families in digital images. However, white pupils may also be observed in images of healthy children. This phenomenon is called pseudoleukocoria. However, previous medical books and articles illustrate 'pseudoleukocoria' using still images, which limits their interpretability. In the current study, the research group described 'pseudoleukocoria' using a video to publicize and promote an increased understanding of the difference between a healthy 'pseudoleukocoria' and a dangerous 'leukocoria.' A video can be downloaded from the journal website (https://doi.org/10.1111/ped.15600). The video capturing 'pseudoleukocoria' consists of 15 frames, with each frame lasting approximately 33ms. 'Leukocoria' caused by retinoblastoma appears as a white reflection from the growing tumor, whereas 'pseudoleukocoria' appears as a white reflection from the optic disc seen in images taken from 15° outward. As 'pseudoleukocoria' is characterized by the reflection of light from the optic disc corresponding to the blind spot, which is a small area, the color of the eye in the video returns to the normal black when the angle of light entering the eye and/or the angle of view is changed slightly. Adachi commented, "Dr. Kawashima is a basic researcher of DNA recombination, and I am a neurosurgeon. We published this article on pediatric ophthalmology by pure happenstance. I would like to continue publishing reports on basic and clinical research according to our findings, even those beyond our area of specialty."
  • 日経新聞 NIKKEI COMPASS 2023年8月24日 新聞・雑誌
    千葉大学大学院医学研究院の足立明彦特任助教と、東京大学大学院総合文化研究科の川島友莉博士(研究当時(注1))らのグループは、世界で初めてPseudoleukocoria(偽性白色瞳孔)の動画により、その機序を説明しました。本研究により、健常児であっても瞳孔が白く見えてしまうケースが明らかとなることで、偽性白色瞳孔だけでなく白色瞳孔に関する理解も進むことが期待されます。 Leukocoria(白色瞳孔(注2))は、先天白内障(注3)・網膜芽細胞腫(注4)・網膜剥離(注5)・第一次硝子体過形成遺残(注6)・コーツ病(注7)などの存在を示唆する症状として知られています。なかでも、網膜芽細胞腫は増殖が速い腫瘍であるため、子供の写真などで瞳孔からの白い反射に気付いた時は1週間以内の専門機関への受診が勧められています。しかし白色瞳孔を示した子供が全て病気とは限りません。過度に怖がらず、速やかに小児眼科医の診察を受けるようにしましょう。 本成果は、令和5年7月28日に小児科分野の国際誌である Pediatrics Internationalに掲載されました。 研究の背景 フラッシュを用いた写真や動画の撮影時に、瞳孔が黒や赤ではなく眼底からの反射によって白っぽく(黄色や肌色に)見える症状は「白色瞳孔」と呼ばれ、最近ではスマートフォンの普及により、デジタル画像で指摘されることが増えています。白色瞳孔では上述の大きな病気の兆候が隠されている可能性が高く、気付いた際は適切な治療に繋げるため、すぐに精査を行う必要があります。一方で、健常であるにも関わらず白色瞳孔を呈することがあり、そのような偽陽性所見はPseudoleukocoriaと呼ばれています。まだ公式の和訳が無い用語ですが、ここでは分かり易さのため「偽性白色瞳孔」と呼びます(図1)。 これまで偽性白色瞳孔を含め白色瞳孔の多くは家庭での写真撮影で指摘されてきました。しかし医学書や論文やWeb上で公開されている全ての症例画像は静止画であり捉えどころに乏しいものでした。 研究の成果 本論文の資料では約0.5秒間15コマに渡って偽性白色瞳孔をビデオでキャプチャーしており、その様態の把握や概念の普及に役立つものと考えられます。(図2:動画はhttps://doi.org/10.1111/ped.15600 からDL閲覧可能。) 網膜芽細胞腫における白色瞳孔では増大した腫瘍からの反射をみているのに対して、健常児における偽性白色瞳孔では外側(耳側)約15°から撮影した際に生じる視神経乳頭からの反射を見ていることになります。(図1) 今後の展望 白色瞳孔を呈する代表的な疾患である網膜芽細胞腫は致命的かつ視力を脅かす病気であるが故に、患児や両親が精査を怖がり逆に受診が遅れるケースも想定されます。 本報告により偽性白色瞳孔の存在や概念が理解され、白色瞳孔が偽陽性である可能性も広く知られることで逆説的に、患児の迅速な受診に繋がることが期待されます。 用語解説 注1)現在は広島大学原爆放射線医科学研究所特任助教 注2)白色瞳孔:通常は黒く(稀に赤く)見えるはずの瞳が白っぽく(ないし黄色~肌色っぽく)見える症状。 注3)先天白内障:生まれつき水晶体が白く混濁している病気で、先天素因、胎内感染、全身疾患など様々な原因によって起こる。混濁の強い高度の先天白内障では視覚刺激が遮断されるため重度の弱視(生涯にわたる視力障害)や眼振や斜視をきたす。 注4)網膜芽細胞腫:眼底の網膜にできる悪性腫瘍。初発症状の頻度は、白色瞳孔60%、斜視13%、結膜充血5%、視力低下2%、眼瞼腫脹1%、眼球突出0.5%である。腫瘍が成長して眼球外へ浸潤したり転移を生じたりすると生命の危険を伴うため、早期診断および早期治療が重要で、白色瞳孔に気付いた時は1週間以内に専門医療機関(小児眼科)で評価を受けるべきである。国内では毎年約70人が発症している。第13番染色体に存在するがん抑制遺伝子の1つであるRB1遺伝子の異常により生じる。 注5)網膜剥離:眼底の最も内側に張り付いている薄い膜状の神経組織である網膜が本来の位置から剥がれてしまった状態で、その機序から①裂孔原性網膜剥離、②滲出性網膜剥離(コーツ病など)、③牽引性網膜剥離(未熟児網膜症など)に分類される。 注6)第一次硝子体過形成遺残:硝子体と、そこに含まれる胎児特有の血管である硝子体血管が発達の途中で消えずに残ってしまうことで重篤な視力障害を引き起こす疾患。 注7)コーツ病:特殊な網膜剥離をおこして視力が低下する男児に多い病気。網膜血管の異常拡張とそれに伴う網膜の滲出性病変を特徴とする原因不明の小児疾患である。

その他

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  • ① Anywhere Door (Yamcha 2006) ② Ship of Theseus (Plutarchus ca.45–120) ③ Swampman (Donald Herbert Davidson 1987) ④ Brain in a Vat (Hilary Whitehall Putnam 1982) ⑤ Smooth Red Bean Bread Man (MACCHIRO 2013) ⑥ The 500 million year button (Souta Sugawara 2001) ⑦ Five-minute hypothesis (Bertrand Arthur William Russell 1971)