研究者業績

小野 健太

オノ ケンタ  (Kenta Ono)

基本情報

所属
千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 工学部 デザイン工学科 教授
学位
博士(工学)(千葉大学)

J-GLOBAL ID
200901016460476072
researchmap会員ID
5000048007

研究分野

 1

論文

 32
  • WATANABE Makoto, ONO Kenta, ASHIZAWA Yusuke, XIONG Na, WANG Yun
    Journal of the Science of Design 6(2) 2_51-2_58 2022年11月30日  
    This paper analyzes Japan's Good Design Awards in a representative Asian region. As a result, the following three features were obtained.<br>(1) China is the country with the highest percentage in the number of awards since 2002.<br>(2) South Korea and Thailand have seen a decrease in their share of the number of awards.<br>(3) The number of awards in a new design fields, service and innovation design, are not related to the total number of awards in each country and region.<br>Moreover, there are three characteristics of Asian companies from this analysis.<br>(A) Chinese companies have increased the percentage of awards since 2002.<br>(B) South Korea and Taiwan have different percentage fluctuations in each company.<br>(C) Some companies in each country/region have seen an increase in the percentage. This is because companies continually wish to receive the Good Design Award.<br>Based on the above, it can be predicted that awards in Asia will continue to increase. However, there are few applications from Asia to new design areas. In order to achieve this, it is necessary to announce the changing scope of Good Design outside of Japan and to encourage applications in new areas. In particular, it is necessary to deepen the understanding of the "The Age of Sharing" advocated by the Good Design Awards. As mentioned above, the awards over the past 65 years suggest the direction of future development in Asia.
  • 谷口 武司, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 68(4) 4_55-4_64 2022年3月31日  査読有り
    透析装置の開発は、患者への安全で快適な治療の提供と医療従事者の負担軽減が目的であった。その実現のためには、技術のみならずデザインが果たした役割が大きい。本稿では透析装置デザインをモジュールの組み合わせととらえ 50 年間のモジュール変遷を検証した。初代の透析装置は 7 モジュールで始まった。人工腎臓であるダイアライザー、血液が循環する血液回路、透析液原液が入る原液タンク、透析液を生成する透析液調整部、設定を行う操作部、治療や設定状況を確認する表示部、これらを制御する電装部である。モジュールは小型化され統合されるものもあれば、高機能になり大型化するモジュールも見られた。さらに、あまり変化が見られないモジュールもあった。透析装置デザインに大きな影響があった変遷として、日本独自のモジュール方式が出現したこと。血液回路とダイアライザーが量産化され小型化が進んだこと。表示部と操作部は一般技術の影響を受け大きく進化したこと。電装部と透析液調製部は筐体容積の大部分を占めており、それらの構成は初期から現在まで変化が無いことなどがあげられる。
  • Juan Carlos Chacón, Hisa Martinez Nimi, Bastian Kloss, Ono Kenta
    DLI 63-73 2020年  査読有り
  • Minoru Matsui, Kenta Ono, Makoto Watanabe
    Letters on Evolutionary Behavioral Science 8(2) 24-27 2017年7月9日  査読有り
    Previous cultural evolutionary analyses argue that random-copying model that is analogous to genetic drift in population genetics explains a variety of real-world datasets. Few empirical investigations have been done on how cultural traits are actually generated and selected. We present experimental data that matches random-copying simulation very well. In our experiment, designers copied what they considered well designed, and eliminated the poor ones, and designed several novel drawings by different design strategies in a cultural transmission chain. What were conventionally thought useful for designers to produce designs that prosper, such as practice, exposure to other design and experience in design, do not quite contribute to its prosperity. We suggest that some design’s creation processes as well as its market may be value-neutral.
  • 崔 晋海, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 64(2) 2_21-2_28 2017年  
    本研究の広義の目的は,戦略的デザインプロセスとは,について答えることである。しかし,まずデザインプロセスを語るためには,デザインプロセスを記述する必要があり,またその記述方法は,他のデザインプロセスと比較検討できるような記述方法でなくてはならない。<br> そこで本研究は,デザインプロセス同士を比較・検討できる記述方法を模索し,その記述方法に従い,試行としてA社の実際に行われているプロダクトのデザインプロセスを記述し,分類した。<br> そして実際に,A社の9つのデザインプロセスを記述し,工程数に着目することにより,4つのタイプ(デザイン先行型,ルーチン開発型,市場反映型,デザイン受注型)に分類し,またそれぞれの関係性を明らかにした。

MISC

 66
  • 髙橋 晴飛, 加藤 由宇, 佐々木 大和, 田畑 沙彩, 小野 健太, 原 寛道, 青木 宏展, 根津 孝太, 高木 正太郎
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 474 2023年  
    地域観光への公共サイン及びAR技術の活用に関する研究 本研究では、観光において公共サインを有効に利用することを目的とした。今回は、墨田区向島地区の歴史散策案内板の改修に加え新たな価値を付加し、独自の観光モデルを提案した。 また目的達成に向けて、案内板を観光資源とするためARコンテンツの制作・実験を行い、実証実験を経て、最終的に社会実装することを提案の目標とした。
  • 中川 景太, 小野 健太, 三浦 秀彦, 檜尾 安樹絵
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 104 2023年  
    本研究は「USEをPLAYに」というテーマのもと、アナログの持つ「質感」や操作性により生まれる「解釈の余地」をデジタルディスプレイに適用し、鑑賞者が能動的に関わる「PLAY」な鑑賞体験を生み出すことを目的とした。また、その過程や制作物を通じて「USE」と「PLAY」について更なる理解を深め、それらに対する新たな視点を提案していく。前半では、様々な「フィルター」によってデジタルディスプレイに物理的に干渉する手法とその効果を検証した。後半ではゼラチン素材に着目し、その性質とディスプレイの無機質な映像によって生まれる新たな立体映像表現の提案を行った。
  • 新井 律, 檜尾 安樹絵, 三浦 秀彦, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 390 2023年  
    本研究では、「USEをPLAYに」というテーマのもと、デジタルデバイスのユーザインタフェースについて注目し、プロトタイプ制作・検証を重ね「PLAY」な要素を含んだインタフェースの可能性を探ること、その過程や制作物から「USE」と「PLAY」についての考察を深めることを目的とした。最終制作として、磁性流体を一種の生命体のように感じさせ、自律性を持つ生命体の動きにユーザーが影響を与えられるような「PLAY」な要素を含んだインタフェースを制作した。また、その制作物のシステムを用いて、磁性流体の動きやユーザーへのフィードバックを変化させることで、「USE」的に感じられたり「PLAY」的に感じられることを発見し、ユーザインタフェースにおける「USE」と「PLAY」をプリミティブな形で抽出した。
  • 村上 恭理, 小野 健太, チャコン キンテロ カルロス
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 69 232 2022年  
    本研究では、デジタル空間上でのセレンディピティを高めることを目的とし、そのための手段の一つとして立体音響を用いた音楽コンテンツの回遊体験の可能性模索と提案を行った。スマートフォン上で音楽コンテンツをブラウジングするために効果的なインタフェースデザインの検討過程を示す。 ユーザーインタフェースの作成にあたり、まず既存の先行研究からデジタル空間上で回遊体験を創出するにあたって必要な要件を定義した。次に、複数のプロトタイプを製作し本研究の目的に適した表現であるか印象評価実験を行った。また、より回遊感を高めるための操作方法について考察し、今まで検討してきたプロトタイプや印象実験の結果を元に最終提案を制作し、まとめとして立体音響を用いた楽曲の流動的な回遊体験創出におけるインタフェース設計の方向性、留意点について述べた。
  • 稲垣 俊太朗, チャコン キンテロ カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 69 230 2022年  
    本研究では、非接触ディスプレイの特質を活かした独自の表現方法の検討と、要件抽出を目的とした。近年、非接触ディスプレイが広く社会に普及している一方で、現在の非接触インタフェースはタッチディスプレイのインタフェースと似たものとなっているため、非接触ディスプレイの特質を起点にインタフェースを考え直し、その特質を活かした表現方法を検討する必要がある。 本研究では、既存の非接触インタフェース及びプロトタイプを用いた検証により、非接触インタフェースについて考察し、非接触ディスプレイの特質を活かした表現のための要件を抽出した。要件をもとに非接触ディスプレイに適したインタフェースのプロトタイプを複数製作し、印象実験を行うことで、「押し込むと平面が伸び、画面外に広がる空間が見える」インタフェースが本研究に適した表現であることを確認した。また、その表現方法をオンラインコミュニケーションツールのインタフェースに適用させることで、非接触ディスプレイに適した表現方法の可能性、及びその表現方法の様々なシーンへの応用の可能性を示唆した。
  • 中村 朝輝, チャコン キンテロ カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 69 234 2022年  
    本研究では、新しい読み進め方ができるような書籍デバイスの制作と、そのデバイスに適した表現方法を検討することを目的とした。近年、電子書籍は広く社会に普及してきており、今後も出版市場における電子書籍の割合は増加していくと考えられる。一方で、現在の電子書籍は紙媒体の書籍の読み進め方をメタファーとして適用しただけであり、紙媒体の書籍の模倣に留まってしまっている。また、電子書籍を読む際の平面的な動作では読書が単純な作業のように感じてしまうという可能性が考えられる。電子書籍での読書を楽しんでもらうためには、どのような読み進め方が適しているのか理解し、新しい書籍デバイスを検討する必要がある。 本研究では、紙媒体の書籍と既存の電子書籍との読み進め方を考察し、新しい書籍デバイスに必要な要件を抽出した。簡易プロトタイプを用いた形状の検討の後、立方体型書籍デバイスを制作し、表現手法のアイデアを実働プロトタイプを用いて検証した。検証から得られた気づきを基に、立方体型書籍デバイスに適した表現方法の可能性をまとめ、オリジナルのコンテンツを制作した。
  • 山本 聡太, チャコン キンテロ ファン カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 69 268 2022年  
    近年、AR グラスの一般消費者向けの販売が始まろうとして いる。本研究では AR グラスを使用した歩行者用ナビゲーショ ンを題材とし、新たなシステムを提案する。既存のスマートフォ ンによる AR ナビゲーションには、没入すると危険であるという 問題点がある。そこで、没入しても安全かつ、新規価値を追加 したナビゲーションシステムを製作する。
  • 國澤 好衛, 小野 健太, 蘆澤 雄亮
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 52-60 2021年  
  • 齋藤 精一, 小野 健太, 蘆澤 雄亮
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 42-51 2021年  
  • 小野 健太
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 62-65 2021年  
  • 柴田 文江, 小野 健太, 蘆澤 雄亮
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 24-31 2021年  
  • 田中 一雄, 小野 健太, 蘆澤 雄亮
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 16-23 2021年  
  • 小林 昭世, 小野 健太, 蘆澤 雄亮
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 2-15 2021年  
  • 青木 史郎, 小野 健太, 蘆澤 雄亮
    デザイン学研究特集号 = Special issue of Japanese Society for the Science of Design : 日本デザイン学会誌 29(1) 32-41 2021年  
  • 仲宗根 掌心, 久保田 百合, 染谷 芳輝, 万 宝中, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 67 246 2020年  
    本研究は、遠隔コミュニケーションツールの可能性を探り、新規ツールの提案を目指した。先ず、既存ツールを用いた遠隔コミュニケーションを体験し、デバイスならではのコミュニケーションの価値を導出した。 次に既存のツールがサポートするコミュニケーションの要素を分類・モデル化することで、新規ツールの開発指針を定めた。 アイディア創出から音量差により会話をホッピングさせるアイディアにフォーカスし、その有用性を予備調査で確かめた。更に実現性の高いプロトタイプを制作し、インターフェースを検討することで、今までの遠隔ツールに無い会話体験ができるツールの開発ができた。今回、実用性の高いツールの開発を行い、それを用いた体験の新しさの検証はできたが、短時間の使用での調査のみを行なった。実際に想定していたテレワーク中の長時間の使用で、どのようなものが有用であるかの検証を今後の課題としたい。
  • 伊集 千夏, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 67 194 2020年  
    店頭でワインを購入する際に複数の商品の中から1つを選択する際、主な判断材料となるのがワインのラベルである。ラベルには産地や原料となるブドウの種類、ワインについての大まかな説明書きなどが文章で記されているほか、ワイン特有の指標としてその風味を表す、渋み・辛さ・ボディと呼ばれる厚みの3要素が5段階のパラメーターにより表記されている。しかし、ワインを飲み慣れていない者にとってぶどうの産地や種類を見ても特徴がわからないため味をイメージすることができず、選択時の判断材料として不十分だという問題がある。また、レストラン等ではメニューにワインの名前しか表記されていないことも多くソムリエがいないカジュアルなレストランではワインを選ぶ判断材料が少ない。本研究では、ワインの味の特徴を反映した音声によって、ワイン初心者が購入時に直感的に味をイメージできる音声サポートツールの作成を目的とする。赤ワインのサンプルをいくつか用意したうえで味のパラメーターから相応しい音声を作成する方法を検討し、実際に音声から味のイメージを持つことができるかどうかを検証した。
  • 峯元 長, 土肥 真梨子, 久保田 夏子, 絵内 祐樹, 黒田 康子, 平沢 徹, 緒形 允彦, 秋山 福生, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 66 332 2019年  
    本研究では,プロジェクトデザインの実践により,協創提案から検討の効率化を図り,長期構想から短期問題を捉えての事業ロードマップの具体化が可能となる,概観モデル・手法を再定義した。同時に,多様な関係者との全体観理解と活動マイルストーン・ビジネスの具体化に向けて,実行プロセス・推進体制を再定義した。これらとデータとツール活用の有用性を含めて,社会変化対応型に向けた手法活用と推進方法を体系化した。
  • 峯元 長, 土肥 真梨子, 久保田 夏子, 絵内 祐樹, 黒田 康子, 平沢 徹, 緒形 允彦, 秋山 福生, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 66 464 2019年  
    本研究では,学生の視点で地域・事業協創への参画意識醸成の為のビジュアライズマニュアルを作成し,企業と顧客との協創案件において活用した。更に,学生が顧客との協創案件に参画,プロジェクトデザインの実践により,地域・事業協創活動における産学共同研究活用の可能性について再考察し,報告する。
  • 志田 樹大, 秋山 福生, 中野 司, 伊藤 優花, 太田 壮, 小黒 興太郎, 土肥 真梨子, 峯元 長, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 66 212 2019年  
    技術の普及によって、多くの人が、周囲の人に頼らずとも一人で生きていけるようになった。本研究では、このような現象を指して「一人化」という名前をつけた。この現象は様々な分野のサービス創造において、協創に対向する大きなトレンドであると考える。この現象の理解・説明を進めるために、特に選択行動における一人化を題材とし、実験・分析を行った。その結果、一人化の発生する過程と、引き起こす問題点について発見した。
  • 峯元 長, 土肥 真梨子, 後藤 康, 瀬戸 宏一, 久保田 夏子, 秋山 福生, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 65 94-95 2018年  
    社会変化に伴い,企業は製品からサービス事業への転換が必要となり,短期事業から長期構想視点まで捉えた研究開発が必要となっていた。デザイン領域での産学共同研究の多くは,先生方々の知見享受と併せて,商品・製品開発における若者ニーズの収集や学生アイデアによる製品イメージ・表現の研究が中心であった。近年では,企業側の社会要請に応えるデザイン思考の活用から,都市開発やサービス事業での構想, 事業開発の手法やプロセスまでの共同研究に拡大している。しかし,企業側の事業関係者は,学生と年齢差があり,IT技術が浸透している若者世代を意識した開発や,異なる将来のありたい姿を捉えた構想検討が不足していた。本研究では,新事業から都市開発まで実施した産学共同研究において,若者視点での研究成果内容を整理・分類,時代背景や技術動向からの若者視点の把握・再定義を行い,産学共同研究の有用性を確認する事とした。特に近年の都市・地域構想やサービス・事業研究では,若者視点・活動が今後の都市活性化の重要な役割を担う事が確認出来ている為,オープンイノベーションでの協創に向けた取り組み方の研究まで行った。
  • 土肥 真梨子, 峯元 長, 後藤 康, 瀬戸 宏一, 久保田 夏子, 秋山 福生, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 65 96-97 2018年  
    近年の社会・都市・事業開発では,加速的な経済成長への期待と複雑な社会課題を背景に,社会システムの新規構築や再構築の要望が高まっている。2030年をターゲットに先端技術をあらゆる産業や社会生活に適用検討する動向から,官民連携により,技術の社会実装を具現化していく事業・都市開発が増加している。この動向に同期して,将来の都市や地域における事業構想策定に向け,自治体や事業者との協創活動を通じて全国各地の都市・地域開発へ参画してきた。しかし,過去の取組みにおいては,現状課題解決や将来機会創出が単発的で,中短期的の地域施策の検討が不足していた。また,検討内容も企画視点と現場視点の相互を同時に捉えられていなかった。更に,中短期事業化に向けては多様な関係者との連携が必要となるが,現状はデザイナーがプロジェクト全体検討の中心として不可欠な存在であり,参画負荷が増大していた。そこで,プロジェクト全体を俯瞰的に捉えられるプロジェクト企画概観の表象化モデルから中短期事業構想に向けたアプローチ方法を検討した。体系化された実行プロセスにより,関係者が相互関係を持ち推進できるスキームの研究を行った。
  • 石井 菜月, 秋山 福生, 松井 咲樹, 志田 樹大, 橋本 慶吾, 久保田 夏子, 土肥 真梨子, 峯元 長, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 65 402-403 2018年  
    本研究では地域・事業協創におけるプロジェクト手法,プロセスの共有方法として,地域住民等が地域参画しやすく,事業者側もプロジェクト参画者全員が主体的に全体プロセスを理解できるようなマニュアルの製作を行なった.整理したスキルセットを説明するマニュアルの形式は,既存のマニュアル本やドキュメンタリー動画など,ノウハウを伝える様々な媒体の調査を基に検討した結果,プロジェクトの一連の流れが追いやすく,また,文章では伝わりづらいプロジェクト参加者が持つべきマインドを伝えることが可能であることから,ストーリーによる表現方法,特にビジュアライズを中心とした方法を採用し,最終成果物として全10章に渡るストーリービジュアライズによるプロジェクトのマニュアルを製作した.
  • 松井 実, 竹内 崇馬, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 64 226 2017年  
    集団遺伝学における遺伝的浮動と同等の,個体が文化的形質をランダムに模倣するモデルが実世界の様々な形質データを説明することを文化進化学の諸研究は明らかにしてきた.しかし文化的形質が実際にどのように変異し,選択されるかについての実証研究はほとんどなされていない.本研究ではデザインの進化実験で生じた頻度のデータが,ランダムコピーモデルのシミュレーションによる帰無モデルに極めてよく一致することを示す.実験では,デザイナーがよくデザインされていると感じるものを模倣し,よくないと思うものを排除してもらった.同時に新奇のデザインをいくつか考案してもらい,集団に投入した.これを何度も繰り返し,伝達連鎖ネットワークを形成した.その頻度を解析すると,従来デザインの質を向上すると考えられていた様々な処理が有用でないこともわかった.この結果は特定の環境下においてデザインの創造プロセスとその市場での選択はその価値に関係なく行なわれていることを示唆する.
  • 峯元 長, 土肥 真梨子, チョウ ショウセイ, 秋山 福生, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 63(5) 5_33-5_42 2017年  
    前報『人流データに基づいた個人単位移動行動のモデル化』では,人の移動を4つのモード+切迫度で表す新しい人流モデルの提案を行った。本報では,前報で得られた新しい人流モデルをいかにビジュアライズすべきかについて論じたものである。<br> 静止画によるアイディア提案,次にパラメトリックデザインによるアイディア提案を行い,それらの提案に対して印象評価を行い,アイディアの絞り込みを行った。絞り込まれたアイディアに従い,調査により得られたサンプルデータを用いた3種類のプロトタイプを作成し,さらに再度印象評価を行うことより,最終提案に至った。<br> 最終提案は,各モードを異なる色で表現し,「直行」については,直線の軌跡を用いることにより表現し,「経路探索」は頭の形状を三角として,その三角が左右に回転することで表現し,「目的探索」について,頭の形状を丸として,軌道にsinカーブを用いたものとなっており,「直感性」,「見やすさ」の両方を満たす,新しい人流モデルに相応しいビジュアライゼーションが行えた。
  • 秋山 福生, 中西 菜穂子, 弓場 大夢, 松井 咲樹, 湯浅 美里, 曽我 佑, 土肥 真梨子, 峯元 長, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 64 244 2017年  
    これから消費の中心となる現在の20代にあたる世代は、幼い頃から高度な情報技術に触れてきたことから、それ以前の世代とは大きく異なった価値観を持った世代であると言われている。そこで本研究では、この世代に向けたサービスを考案するため、特徴的な行動のビジュアライゼーションを行った。予備調査から、若者世代が特有の価値観を持っていることが想定された、「プライバシー」、「コミュニティ」、「プロパティ」の3つの領域について、実際の行動データを収集し、ビジュアライゼーションの結果から、特徴的な行動パターンを抽出した。
  • 松井 咲樹, 秋山 福生, 中西 菜穂子, 弓場 大夢, 湯浅 美里, 曽我 佑, 土肥 真梨子, 峯元 長, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 64 246 2017年  
    本研究では、現代の若者の9つの価値観モデルを作成し、そのモデルに基づいたサービス創出を行った。<br />事前調査で若者世代とその上の世代で「プライバシー」、「コミュニティ」、「プロパティ」の3つのカテゴリーに着目して若者の行動事例を集め、マッピングやビジュアライズを用いてその行動の裏にある価値観を分析した。<br />そうして得られた「とりまティブ」という若者の価値観を表す新たな概念は、受動的かつ無欲に見えながらも戦略的な現代の若者の一面を表している。
  • 徐 威, 張 路, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 178 2016年  
    系統的な学校教育を通して、設計専攻の学生は設計者としての基本素養があるが、実際の設計中、ユーザーニーズ、商業環境、技術条件などの客観的なものの制約を受けて、設計者は色々なイノベーションアビリティに挑戦しなければならない。設計のイノベーションが成功できるかどうかは、具体的な目標、任務及び設計者の個性、知識、経験に関わっている。デザイナー+デザインクエスチョン+環境の組み合わせは、それぞれの方法で対応し、実践訓練をして、具体的な問題を解決する中で、イノベーションアビリティを高めることができると思われる。国際化生産・学習・研究の共同授業モデルは、学生にイノベーション アビリティを身に付けさせる適当な設計専攻の授業方法の一つである。
  • 大月 雄介, 秋山 福生, 冨田 美鈴, 石塚 理華, 長田 直, 土肥 真梨子, 峯元 長, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 155 2016年  
    2020年に開催が予定されるオリンピッックによる都市開発やリニアや新駅などの導入による様々な交通手段の導入、自動運転などの技術の発達など今後、日本の交通分野では大きな変化がおきると考えられている。そうした中で、価値のあるサービスを考案するためには未来の都市・交通・駅の将来像を正しく捉えることは必須であると考える。そこで本研究では、未来の交通分野でのサービス創出支援の為に Politics/政治、Economy/経済、Society/社会、 Technology/技術の視点から変化分析を行う分析手法、PEST分析を応用利用して2030年における都市の将来ビジョン創出を行った。最終的に、消費者視点での都市・交通・駅に対する8つの将来ビジョンを創出した。
  • 中西 菜穂子, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 119 2016年  
    今日、ガラス張りの壁を用いて、空間に開放的な雰囲気を与える建築が多く生まれている。そういった開けた空間で、同じ趣味の人たちが集まってコミュニティーをつくり、活動していることがよくある。しかし、外から見える構造になってはいるものの、それだけでは実際にそのコミュニティーに参加したいと思うところまでは至りにくい。そこで、ガラス張りの壁を用いて、中のコミュニティーへの関心を与え、実際に室内外のつながりを促すような作品を制作した。制作にあたって、透明なスクリーンに、周りの人の動きに合わせて変化する映像を投影することで、近くの通行者に注目し足を止めてもらうような方法をとった。ガラス面が透明であることから、映像とガラスの向こうの人を重ねて見ることが可能である。制作した映像は、実際に正面がガラス張りのカフェにて投影を行い、通行者が室内の人と会話をする様子などが見られたことより、ガラス面への映像投影で室内外の人がつながるきっかけを生み出せることが明らかになった。今後作品の作り方次第で、さらに自然につながりを促すようなものができると考えられる。
  • 梶田 航一, 寺内 文雄, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 151 2016年  
    交通事故やスポーツ事故等で頚髄損傷者(以下頚損者)になると、手足が麻痺するため、一般的な身体障害者用トイレを利用することができない。そこで従来のリハビリテーションの現場では高床式トイレというものが最善と考えられている。リハビリセンターなどでは頸損者が自力で生活が行えるようになるために各種の訓練を行っているが、その中で高床式トイレを使用するための訓練として直角移乗などの訓練も行われている。高床式トイレは車椅子から直角移乗をし、いざり動作で便座まで移動して使うものである。しかし高床式トイレは住宅を大幅に改修する必要がある、外出先に無いため頚損者が長期の旅行に行く事が出来ないなどの問題がある。そこで本研究では頸損者でも一般的な身体障害者用トイレに行くことを可能にする長座位車椅子という製品を提案した。実際の使用方法としては頸損者が普段使用している車椅子から直接長座位車椅子へ直角移乗をし、一般的な身体障害者用トイレの便器の上に長座位車椅子ごと移動し、排泄を行うというものである。
  • 北崎 太介, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 63 133 2016年  
    かつてインターネットの誕生が人々の生活を大きく変えたように、次の時代はバイオテクノロジーが我々の生活を大きく変えるのではないかと言われている。発光生物に分類される夜光虫は、海に浮遊する直径1~2mmの動物プランクトンであり、世界各国の熱帯から温帯の沿岸部にかけて幅広く分布している。波などの物理刺激に反応して一瞬青白く光る性質があり、時折沿岸部では幻想的な光景が確認できる。夜光虫をモチーフにしたデジタルアート作品はいくつか見られるが、夜光虫そのものが応用された事例は少ない。本研究では、夜光虫をアートや工業製品等に実利用するための生物発光制御方法を、培養・刺激実験・制御実験の3段階の過程から考察した。培養からは、夜光虫は水面に浮遊し、特に瓶のような容器中では淵に集中することがわかった。刺激実験からは、夜光虫が生物発光するための物理刺激として、一定以上勢力のある水流、もしくは泡が有効であることがわかった。制御実験では、培養・刺激実験を基に、夜光虫の生物発光を利用し、水中で数字など記号の描画を行った。将来的に遺伝子操作等で発光時間と輝度を高めることで、電球や炎と並ぶ光源になりうると考えられる。
  • 松井 実, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 5 2015年  
    設計や設計理念は進化するが,人工物は進化しない.二重相続理論からミーム学,進化経済学の様々な理論を引き合いに,普遍ダーウィニズムを基板に進化学のアナロジーを設計に援用し人工物の系譜について論じる.人工物を時系列的に変化させるのは人工物そのものからの形質の直接的な相続ではなく,より高次の支配的なメカニズムの遺伝によるものである.それが設計や設計理念と呼ばれるものであり,特に後者は極めて長期間の洗礼に耐え形作られてきた,人工物にとっての遺伝子に匹敵するものかもしれない.文化の進化はラマルク的な主体的で意識的なフィードバックの中で考えられることが多いが,ダーウィン主義的な淘汰はより優れた設計理念,アイディアが我々のもつ資源,特に我々自身を消費して繁栄している構図を明らかにする.
  • 落合 桜子, サンティアゴ タベルナ, トーマス クリメック, ウタ ブランデス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 216 2015年  
    私たちがデザイン史を学ぶことは、新しいデザインを提案する際に大きな糧となりうる。しかしながら、そういった知識を活かしたアイデア展開やデザイン提案が行われているような事例は多くは見られない。そこで、本提案では、指定されたある特定のプロダクト、及びそのデザイナーを調査し、調査結果を参考にして現代的な新しいプロダクトのデザインを行った。今回、プロダクトはBRAUN 社のレコードプレイヤー「SK4」、デザイナーはSK4の生みの親である「Hans Gugelot」「Dieter Rams」が指定され、これらの調査をもとにして新しいプロダクトの提案を行った。本提案はKöln International School of Design にて、Uta Brandes 監修のもと行われた。
  • 秋山 福生, 石垣 純一, 小松 岳, チョウ ショウセイ, 土肥 真梨子, 峯元 長, 瀬戸 宏一, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 43 2015年  
    位置情報やビッグデータ技術の発展などを背景に「人流」と呼ばれる、人の移動行動を追ったデータを扱う技術に注目が集まっている。本研究の目的は、一般個人単位の、普段の人流データを有効活用するために、移動行動のモデル化を行う。ここでいうモデルとは、人はどんな時にどんな行動を取るのかという、移動者の状態と行動の対応関係を指す。このモデルによって、移動者の行動から、状態を推測することを可能とする。モデル化にあたって駅周辺移動者の行動観察を基に、人流データを収集した。収集したデータ基に移動行動パターンのグルーピングを行った結果、様々な移動者に共通して行われる行動パターンを発見し、その区分単位を移動モードと名付けた。移動モードは「直行」、「停止」、「経路探索」、「目的探索」、の4種類が発見された。また、移動モード以外の移動行動を変化させる要因として、どれだけ急いでるかを表す切迫度も発見された。人は常にこの移動モード、切迫度を切替えながら移動しているとしてモデル化したものが、移動モードの遷移モデルである。このモデル通して動線を見ることで、人流データから個人の行動に関するより価値ある情報を取り出せる。<br>
  • チョウ ショウセイ, 秋山 福生, 石垣 純一, 小松 岳, 土肥 真梨子, 峯元 長, 瀬戸 宏一, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 44 2015年  
    高精度で大量の位置情報データを集める技術、またそれを扱うビッグデータ技術の発達によって、人の移動流れデータである「人流」に注目が集まっている。しかし、既存の人流のビジュアライゼーションは群衆の人流について取り扱っており、個人の行動を読み取るための情報について乏しい。そこで、本研究では移動者個人に注目し、ミクロな個人の行動を可視化する、新たな人流ビジュアライズ手法の確立を目的とする。 <br> ビジュアライズにあたって、追跡調査の分析より発見した、移動モードという新しい概念を導入する。移動モードとは、移動者の状態の分類方法であり、これを通して人流を見る事で、個人の行動から有益な情報を得る事が出来る。マクロな人の流れに、移動モードというミクロな情報を付加したときに、どのようにすればわかりやすくビジュアライズできるかを明らかにする。
  • 篠原 由樹, アルギルダス パシュキャビチュウス, 永瀬 彩子, 蘆澤 雄亮, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 153 2015年  
    現在,車椅子の移乗時における転倒・転落事故が問題になっている.改善策として,移乗指導の充実や福祉用品,環境設備の改善が求められており,特に車椅子の改善が重要視されている. 一方で,高齢化が進むにつれ,介護者不足問題が深刻化し,車椅子使用者が自ら操作できる福祉用具が求められている.また,車椅子の使用者は他人へ迷惑をかけたくないという思いが強いという報告がある.移乗補助製品として,トランスファーボードや移乗を補助する車椅子などが販売されているが,それら製品の大半は移乗時に介護者の負担を軽減する為のものである.また,移乗先へ高低差がある場合には使用に適さないという問題もあり,車椅子使用者が自ら操作するための移乗補助製品として十分ではないのが現状である.車椅子の中には使用者自身の移乗を助ける機能にはリクライニングやリフトなどがある.それらは大きな動力を必要とするため,電動車椅子で使われており,これも介護者の負担を軽減するのが目的である.本研究は、車椅子使用者の移乗時における負担を軽減 する電動機構付き車椅子の製作を目的とする.
  • 五十嵐 真希子, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 248 2015年  
    アップサイクルとは,使われなくなった物や端材・廃棄物から,新たな価値を見出だし製品として再開発する行為を指す.アップサイクルの取り組みは近年増えているが,工業製品分野におけるアップサイクルについては未だ発展途中である.奥村(2014) による先行研究では,デザイナーが産業廃棄物のアップサイクルを提案する際に,糸口を掴むために使用できる3つの補助ツールを提案した.本研究では,先行研究で定義されたアップサイクルの概念と先の発想補助ツールに基づき,1つの製品種からコンセプトがそれぞれ異なる複数のアップサイクル製品を提案・制作することで,ツールの有用性と工業製品のアップサイクルの可能性を広げていった.また,現存しているアップサイクルに対する消費者の印象を調査しつつ,制作した製品が消費者にどのような印象を抱かせるのか,実際に受け入れられて価値が高まったかどうかを検討していった.先行調査からアップサイクルにおける重要な要素を引き出し,複数のプロトタイプを対象にそれらの項目について印象評価を行った結果,一次製品意匠や機能・特性を利用した物は,消費者に魅力的に映るということが分かった.
  • 張 路, 徐 威, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 263 2015年  
    イノベーションシンキングはスケッチ、ソフトウェアなどのように直接にデザイン技能を伝えるものではなく、各授業の段階において、多様の手段と方法を使って知らず知らずのうちに学生に分かってもらうものである。本研究は国際ワークショップを形式で、「授業設置のイノベーション」、「チームーワークの訓練」、「多文化と多学科の交差」及び「開放性の結果」その五つの方面からデザインのイノベーションシンキングを中心とする教育方法を検討した。
  • 東江 麻祐, 永瀬 彩子, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 225 2015年  
    近年, 人間活動による環境破壊が顕在化するにつれ, 持続可能な社会に参画する人間を育てる取り組みとして児童への環境教育に関心が高まっている.環境教育の取り組みの一つとして, 欧州においてはインセクトホテルを用いて昆虫とふれ合うことで自然を体験する方法がある. インセクトホテルとは木枠の中に木の枝や藁など様々なものをつめた人工的な昆虫の住処である.欧州においてインセクトホテルは サイエンスミュージアムや公園に設置されており,環境教育の取り組みとして広く認知されていると言える.日本の学校においても様々な環境教育の取り組みがなされており,「昆虫や植物の観察を通して自然を体験する」といったような内容の,インセクトホテルを用いて学習できるような取り組みもたくさん見受けられる.しかし,日本では知名度が低く普及していないために,インセクトホテルを用いた環境教育が実践されている例は見当たらない. 本研究では,日本においてインセクトホテルを用いた環境教育が実践されるために,日本用に改良したインセクトホテルの開発を行うことと,より教育の現場で実践しやすい指針の提案を目的と定めた.
  • 鈴木 祐太郎, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 255 2015年  
    地域ブランディングとは、地域資源のブランド化と地域のブランド化が相まって相乗効果をもたらしつつ地域のブランドが確立されていくことで、地域経済や地域そのものの活性化がもたらされることが期待されるものである。とりわけ食・食文化を生かした地域ブランディングは多くの地方自治体が取り組んでおり、地域の特産物を活用した「おみやげ」のブランドは地域産の食材であることをアイデンティティとすることにより特定の商品のブランド化に留まらず、その地域全体のブランディングへとつながる可能性がある。複数の企業の土産品を統一されたパッケージで組み合わせて販売することにより地域全体の印象が強まる「地域統合おみやげブランド」は、ブランディングの力で土地の魅力や価値を高める施策であるとしてグッドデザイン賞を受賞するなどその価値が認められている。本研究では広域にわたる地域ブランディングを目指し、多品目の食品に対する1つの統一したブランド「地域統合おみやげブランド」を千葉県産の食品を事例として提案することを目的とし、千葉県の風土を表現したロゴマークと内容物によってパッケージの色が変わる「千葉巴」というブランドを提案した。
  • 八里 大介, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 246 2015年  
    近年、経済状況の悪化や住民の価値観の多様化によって、行政主導でなく住民による地域活動が求められている。しかし、同じような経済状況・自然環境の2つの地域でも活動の成否が分かれることがある。その要因の一つは人的資源の差である。地域活動の先導役となる人材と、それに続く住民の有無が重要であり、彼らがうまく役割を分担できるような仕組みが求められている。本研究では、具体的な状況を把握するため京成稲毛駅近くで毎年11月に行われている灯篭祭り「夜灯祭」を事例に調査を行った。夜灯祭の運営では、リーダーが作業を細分化できなかったために、後手後手の運営に陥ったケースが見られた。不足が出ればその都度対応していくような現場調整的な運営の特徴があり、調整は立ち話の中で行われていた。そこで立ち話というスタッフ間のチェック機能を用いて、スタッフ会議中に作業の優先順位を決定できるツールを提案することで、リーダーの資質によらない運営を築く一助になると考えた。作業の優先順位をつけるにあたり、予想されるタスク同士のつながりを分類し、これを元に立ち話で抽出したタスクをスタッフ会議中に構造化できるツールを制作した。
  • 福田 亮太, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 62 82 2015年  
    病院緑化という分野は来院者の精神的ストレスを軽減する目的で近年注目されており、植物工場は病院緑化に対し大きな利点を持っている。しかし現在病院に導入されている植物工場はコンテナ式で筺体自体が大きく、導入がエントランスや待合空間のみに留まっていた。病院緑化の本来の意味を考えると設置する場所を選ばず、また煩雑なメンテナンスを必要としない小型植物工場が求められることが明らかとなった。そこで今回はモジュール構造を用いることによって様々なスペースに対応でき、また等水位給水システムにより、ひとつのウォーターモジュールからパワートレインを継続しながら複数のプラントモジュール内の植物に培養液を供給にする形を採用した。これにより自由な数、好きな形でモジュールを組み合わせることが可能で、生育サイクルに関わらず複数の種類の植物を同時に育成できる植物工場を考案した。また、継続的、衛生的に植物工場を管理・運用してもらうためにメンテナンス面のデザイン展開にも注力し、新たな緑化手段としての植物工場の提案を行った。
  • 渡邉 理恵, ブリジット ブリジット, リーデル バーンド, オローブ マギー, クーン テイラー, テクセイラ カルロス, 蘆澤 雄亮, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 202 2014年  
    南インドのトゥムクル地方には干ばつによる水不足、急激な天候の変化や天災など多くの問題が存在しており、それらはこの地方の農業・農家に大きな被害を与えている。結果として、多額の負債を抱える農家や、ストレスから自殺に追い込まれた農家も少なくない。我々は、これらの問題の原因が農家の経営・農業に関する知識と情報の欠如にあると捉え、これを解決する為の情報収集・アイディア展開を、ワークショップを通して行なった。 最終提案として農家の知識の不足を補う為の農家を中心とした支援ネットワーク"スマートファーミング"をデザインした。スマートファーミングは、クラウド技術を用いた情報のネットワークを主体とし、農家の経済に対する知識の補充や既存の地域コミュニティの連携の強化を行なうシステムである。このシステムを用い、農家の連携を強化することでトゥムクル地方に存在する様々な問題に対しコミュニティ・地域単位で対応することが可能になる。また個人の農家・地域のコミュニティが知識を得ることで、各農家の"農業事業家"としての能力を高めることも可能である。
  • 小川 晃志, 曽我 佑, 木戸 次郎, 遠藤 生萌, 池田 茉莉花, 真貝 雄一郎, 大日方 歩, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 140 2014年  
    本研究は植物工場の社会への認知と普及、導入について考えるとともに、生産者、消費者双方の視点にたち、人と野菜の関係についての包括的なサービスおよびシステムの提案を行うことを目的とする。 植物工場は野菜を安定供給できる食の生産拠点として実社会に導入していくためのコスト削減、技術の確率等に取り組んでいる。一方で、一般個人消費者の植物工場で栽培された野菜に対して認知度の低さが伺え、生産者と消費者の間にギャップが存在している。 2011年に,国内外8カ所の植物工場を訪問し、農林水産省の「平成23年3月現在の国内で稼働中の植物工場一覧」に掲載されている施設65カ所について事例調査をおこなった。 本研究では「野菜と人を情報でつなぐ」というコンセプトを基にして提案を行った。野菜と人との関わり方を情報でつなぐことで、野菜と人の新たな関係が生まれ、利用者を幸せにするサービス提案を、⑴生産工場⑵カフェ⑶家庭用キッチン⑷家庭用宅配サービス⑸集合住宅⑹病院の計6箇所について考察した。生活に密着した包括的にサービス展開を行うことで、植物工場の発展・普及を促進させることを目指した。
  • 秋山 福生, 石垣 純一, 三好 絢子, 小松 岳, 田尻 力也, 峯元 長, 瀬戸 宏一, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 174 2014年  
    近年、食に関する社会環境が大きな転換期を迎えており、食分野におけるインフラ技術と高度な ICT を組み合わせたイノベーションが求められている。そこで、本研究では都市生活における食とICT の関わりを多面的な視点で捉え、考察、分析を試み、その内容を基にICT サービスをデザインした。農業施設の実地調査からは、農業ICTの動向を把握した。食の個人史からは、食嗜好の形成過程を分析した。食事記録からは、食事の選択に関わる要素を導いた。食環境の動向調査から、食の未来予測を立てた。これらの調査を基に、食ICTサービスをデザインした。サービスターゲットは2020年に最も重要な消費世代となる、現在の20~30代に設定し、彼らの求める「ベストな選択感」を実現する仕組みを立案した。この仕組みは食、状況、健康の3種のログデータを基礎とする。<br>
  • 佐久間 彩記, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 137 2014年  
    昨今のデザイン対象の複雑化とデザイン活動の国際化は、デザイン評価に多大な影響を与えている。それらの動きに伴って、デザインを評価する基準や視点を明確にすることが強く求められている。本研究では、グッドデザイン賞における実際の審査に帯同しその様子を調査・観察した。調査から評価するにあたって重要とされる考察点を導き出し、重要語句を分類分析した。分析から、デザインを評価するためには3つの段階を踏む必要があることが指摘された。その3つとは、対象がデザインであるかどうか、対象が遵守すべき点を守っているか、対象がよいデザインかどうかである。次に、グッドデザイン賞には2つの視点と2つの役割があることが指摘された。2つの視点とは産業振興を目的とした視点と実際に対象を利用する立場であるユーザー視点である。2つの役割とは、これからのデザインの未来を指し示す指針としての役割と、今までの優れた活動を顕彰する記録としての役割である。これらの考察によって、整理された審査方法及び審査基準を考案した。明確化された審査方法及び審査基準は、これからのデザイン評価をより良いものとし、デザイン活動の活性化が期待できる。
  • 大門 祐亮, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 61 187 2014年  
    本研究では、東京メトロ国会議事堂駅および溜池山王駅を対象とし、乗り換え時のナビゲーションインタフェースを提案・制作し、エレベーター内でユーザーに提示することで、地下駅舎における自己の空間的位置の把握に対する有効性を検証した。 背景として、近年都心部には新たに既存の路線の下に地下鉄路線を通すため、地下駅舎は複雑な多層ネットワークで構成される傾向にあり、このような閉鎖的空間では自己ならびに対象の空間的位置づけが困難であり、利用者にとってはストレスや不安感といったネガティブな印象を抱く傾向があると指摘されている。 そこで本研究におけるナビゲーションの定義・領域を明らかにし、 既存のフロアガイドのサンプルを収集した。本研究で対象とした国会議事堂駅および溜池山王駅での地下駅舎を3DCGで空間を再現し、乗り換え時のナビゲーションインタフェースの制作を行った。男女の被験者に対しインタフェースをディスプレイに提示し、ユーザーテスト・印象評価を行った。エレベーターに本提案を設置することで、ユーザーが地下空間において自己の空間的位置づけを把握させることが可能であると考えられた。
  • 江田 直紀, 田中 俊, 松井 実, 小野 健太, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 229 2012年  
    植物工場とは水耕栽培技術と環境管理システムを組み合わせた先進的な作物の栽培方法である.栽培領域の省スペース化,栽培工程の簡略化といった様々な利点を持っているため,農家の減少や食の安全問題などの農業問題の解決策として,注目を集めている.一方で,その人工的な栽培環境のため,マイナスイメージを持たれることも多く,これまでもそれらを払拭すべく,その産業展開の方法が検討されてきた.しかし,植物工場で生産される野菜の販売に関するブランディングは検討されていない.野菜の普及において,消費者が販売方法やパッケージから受ける影響は大きい.そのため,野菜の販売に対するブランディングは植物工場の普及に大きな役割があると考えられる.<br> そこで本研究では野菜の販売時におけるイメージ改善を目的に,千葉大学で実際に生産・販売される植物工場野菜のブランディング及びパッケージのデザイン提案を行う.<br>
  • 牧野 喬, 佐々 牧雄, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 77 2012年  
    デザインプロセスにおけるプロダクトデザイナー(デザイナー)の重要な役割の一つにプロダクトデザイン評価(評価)がある。そしてその評価は様々な場面, レベルでの意思決定の材料として用いられる。現在行われている評価は一定人数のターゲットユーザー(ユーザー)の属性を持った被験者にアンケートやインタビューを通し評価を得る方法が主流である。しかしこの方法ではユーザーの属性に合う被験者を一定人数集めなければならず時間的, 金銭的にコストが高くなる。その為, 実際は殆どの場面でデザイナーによる「このデザインがどう思われるか」という評価の予測(評価予測)が行われている。しかし, デザイナーの評価予測精度に関する研究はなく予測精度に疑問が残る。そこで本研究では2度の実験を通しデザイナーの評価予測の確かさを明らかにし, その精度を上げる方法を模索する事で, 実際のユーザーの評価と代替できる方法について研究する。以上より、本研究の独自性は評価を得る為の材料をユーザーによる「このデザインをどう思うか」という評価ではなく, ユーザーに「このデザインがどう思われるか」というデザイナーの評価予測とするところである。
  • 高野 葉子, 太田 耕介, エスラ レンチベル, 奥村 優子, 小野 健太, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 227 2012年  
    近年、農業に関するさまざまな取り組みがクローズアップさ れる一方で、植物工場という技術が注目を集めている。植物工 場とは、とは高度な環境制御を行うことによって、野菜や花な どの周年・計画生産が可能な施設園芸農業の一形態である。そ の中でも、完全閉鎖型植物工場と太陽光利用型植物工場があり、 多くの企業や団体によって運用されている。しかしながら、「工 場」という人工的なイメージが先行してしまい、安心・安全で あるにも関わらず、それを求めているはずの子持ちの消費者に 植物工場野菜の魅力が正しく認知されていないという問題点が ある。  一方、家庭菜園が自宅でできない理由としては「害虫や病気 になると対策に困る」「栽培方法そのものがわからない」など が挙げられる。この問題は、技術と技術を用いるフィールドの 不一致に起因する。そこで今回、両者を踏まえたサービス、ビジネスモデルの提案を行った。

講演・口頭発表等

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  • 中川 景太, 小野 健太, 三浦 秀彦, 檜尾 安樹絵
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2023年 一般社団法人 日本デザイン学会
    本研究は「USEをPLAYに」というテーマのもと、アナログの持つ「質感」や操作性により生まれる「解釈の余地」をデジタルディスプレイに適用し、鑑賞者が能動的に関わる「PLAY」な鑑賞体験を生み出すことを目的とした。また、その過程や制作物を通じて「USE」と「PLAY」について更なる理解を深め、それらに対する新たな視点を提案していく。前半では、様々な「フィルター」によってデジタルディスプレイに物理的に干渉する手法とその効果を検証した。後半ではゼラチン素材に着目し、その性質とディスプレイの無機質な映像によって生まれる新たな立体映像表現の提案を行った。
  • 新井 律, 檜尾 安樹絵, 三浦 秀彦, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2023年 一般社団法人 日本デザイン学会
    本研究では、「USEをPLAYに」というテーマのもと、デジタルデバイスのユーザインタフェースについて注目し、プロトタイプ制作・検証を重ね「PLAY」な要素を含んだインタフェースの可能性を探ること、その過程や制作物から「USE」と「PLAY」についての考察を深めることを目的とした。最終制作として、磁性流体を一種の生命体のように感じさせ、自律性を持つ生命体の動きにユーザーが影響を与えられるような「PLAY」な要素を含んだインタフェースを制作した。また、その制作物のシステムを用いて、磁性流体の動きやユーザーへのフィードバックを変化させることで、「USE」的に感じられたり「PLAY」的に感じられることを発見し、ユーザインタフェースにおける「USE」と「PLAY」をプリミティブな形で抽出した。
  • 三輪 正幸, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2023年 一般社団法人 日本デザイン学会
    国内のセイヨウミツバチの養蜂箱のニーズを明らかにするために、巣箱の性能や設計要求に関するアンケート調査をした。プロ養蜂家はハチミツの生産性や品質を重視しているのに対して、趣味養蜂家は作業性や外観のデザインのよさを求めていることが示唆された。 また国内の養蜂において新しく求められている巣箱は趣味養蜂に特化した巣箱の開発であることが分かった。特に小型化および軽量化された巣箱のニーズが高いことが分かった。
  • 稲垣 俊太朗, チャコン キンテロ カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2022年 一般社団法人 日本デザイン学会
    本研究では、非接触ディスプレイの特質を活かした独自の表現方法の検討と、要件抽出を目的とした。近年、非接触ディスプレイが広く社会に普及している一方で、現在の非接触インタフェースはタッチディスプレイのインタフェースと似たものとなっているため、非接触ディスプレイの特質を起点にインタフェースを考え直し、その特質を活かした表現方法を検討する必要がある。 本研究では、既存の非接触インタフェース及びプロトタイプを用いた検証により、非接触インタフェースについて考察し、非接触ディスプレイの特質を活かした表現のための要件を抽出した。要件をもとに非接触ディスプレイに適したインタフェースのプロトタイプを複数製作し、印象実験を行うことで、「押し込むと平面が伸び、画面外に広がる空間が見える」インタフェースが本研究に適した表現であることを確認した。また、その表現方法をオンラインコミュニケーションツールのインタフェースに適用させることで、非接触ディスプレイに適した表現方法の可能性、及びその表現方法の様々なシーンへの応用の可能性を示唆した。
  • 山本 聡太, チャコン キンテロ ファン カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2022年 一般社団法人 日本デザイン学会
    近年、AR グラスの一般消費者向けの販売が始まろうとして いる。本研究では AR グラスを使用した歩行者用ナビゲーショ ンを題材とし、新たなシステムを提案する。既存のスマートフォ ンによる AR ナビゲーションには、没入すると危険であるという 問題点がある。そこで、没入しても安全かつ、新規価値を追加 したナビゲーションシステムを製作する。