研究者業績

小野 健太

オノ ケンタ  (Kenta Ono)

基本情報

所属
千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 工学部 デザイン工学科 教授
学位
博士(工学)(千葉大学)

J-GLOBAL ID
200901016460476072
researchmap会員ID
5000048007

研究分野

 1

論文

 32
  • WATANABE Makoto, ONO Kenta, ASHIZAWA Yusuke, XIONG Na, WANG Yun
    Journal of the Science of Design 6(2) 2_51-2_58 2022年11月30日  
    This paper analyzes Japan's Good Design Awards in a representative Asian region. As a result, the following three features were obtained.<br>(1) China is the country with the highest percentage in the number of awards since 2002.<br>(2) South Korea and Thailand have seen a decrease in their share of the number of awards.<br>(3) The number of awards in a new design fields, service and innovation design, are not related to the total number of awards in each country and region.<br>Moreover, there are three characteristics of Asian companies from this analysis.<br>(A) Chinese companies have increased the percentage of awards since 2002.<br>(B) South Korea and Taiwan have different percentage fluctuations in each company.<br>(C) Some companies in each country/region have seen an increase in the percentage. This is because companies continually wish to receive the Good Design Award.<br>Based on the above, it can be predicted that awards in Asia will continue to increase. However, there are few applications from Asia to new design areas. In order to achieve this, it is necessary to announce the changing scope of Good Design outside of Japan and to encourage applications in new areas. In particular, it is necessary to deepen the understanding of the "The Age of Sharing" advocated by the Good Design Awards. As mentioned above, the awards over the past 65 years suggest the direction of future development in Asia.
  • 谷口 武司, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 68(4) 4_55-4_64 2022年3月31日  査読有り
    透析装置の開発は、患者への安全で快適な治療の提供と医療従事者の負担軽減が目的であった。その実現のためには、技術のみならずデザインが果たした役割が大きい。本稿では透析装置デザインをモジュールの組み合わせととらえ 50 年間のモジュール変遷を検証した。初代の透析装置は 7 モジュールで始まった。人工腎臓であるダイアライザー、血液が循環する血液回路、透析液原液が入る原液タンク、透析液を生成する透析液調整部、設定を行う操作部、治療や設定状況を確認する表示部、これらを制御する電装部である。モジュールは小型化され統合されるものもあれば、高機能になり大型化するモジュールも見られた。さらに、あまり変化が見られないモジュールもあった。透析装置デザインに大きな影響があった変遷として、日本独自のモジュール方式が出現したこと。血液回路とダイアライザーが量産化され小型化が進んだこと。表示部と操作部は一般技術の影響を受け大きく進化したこと。電装部と透析液調製部は筐体容積の大部分を占めており、それらの構成は初期から現在まで変化が無いことなどがあげられる。
  • Juan Carlos Chacón, Hisa Martinez Nimi, Bastian Kloss, Ono Kenta
    DLI 63-73 2020年  査読有り
  • Minoru Matsui, Kenta Ono, Makoto Watanabe
    Letters on Evolutionary Behavioral Science 8(2) 24-27 2017年7月9日  査読有り
    Previous cultural evolutionary analyses argue that random-copying model that is analogous to genetic drift in population genetics explains a variety of real-world datasets. Few empirical investigations have been done on how cultural traits are actually generated and selected. We present experimental data that matches random-copying simulation very well. In our experiment, designers copied what they considered well designed, and eliminated the poor ones, and designed several novel drawings by different design strategies in a cultural transmission chain. What were conventionally thought useful for designers to produce designs that prosper, such as practice, exposure to other design and experience in design, do not quite contribute to its prosperity. We suggest that some design’s creation processes as well as its market may be value-neutral.
  • 崔 晋海, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 64(2) 2_21-2_28 2017年  
    本研究の広義の目的は,戦略的デザインプロセスとは,について答えることである。しかし,まずデザインプロセスを語るためには,デザインプロセスを記述する必要があり,またその記述方法は,他のデザインプロセスと比較検討できるような記述方法でなくてはならない。<br> そこで本研究は,デザインプロセス同士を比較・検討できる記述方法を模索し,その記述方法に従い,試行としてA社の実際に行われているプロダクトのデザインプロセスを記述し,分類した。<br> そして実際に,A社の9つのデザインプロセスを記述し,工程数に着目することにより,4つのタイプ(デザイン先行型,ルーチン開発型,市場反映型,デザイン受注型)に分類し,またそれぞれの関係性を明らかにした。
  • 峯元 長, 秋山 福生, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 63(3) 3_21-3_28 2016年  
    位置情報技術やビッグデータ技術の発展などを背景に,人流データの活用に注目が集まっている。本研究は,人流データをより効果的に活用するために,個人単位の移動行動をモデル化する。モデルの構築は,実際の人流データに基づいて行った。浜松駅や千葉駅周辺を歩く移動者の行動をシャドーイング調査にて収集し,モデル構築のためのデータとして用いた。行動データの分類,特徴抽出,構造化を行った結果,「移動モード・切迫度の遷移モデル」と名付けた移動行動モデルを構築した。このモデルは移動者の状態を「直行」,「停止」,「経路探索」,「目的探索」の4つのモードと,時間的な余裕を表す切迫度によって分類し,それぞれの状態の変化点について説明する。このモデルを通して人流を見ることで,単なる動線だけでは得られなかった人の移動目的における感覚的要素を含めた情報を抽出することが可能になった。この情報は今後,様々なサービスへの活用が期待できる。
  • 松井 実, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 63(3) 3_1-3_10 2016年  
    進化理論の適用範囲は生物にとどまらない.本稿は文化進化の議論を基盤に,設計の進化について論じる.設計は2つに大別される.一方は理念で,機能に関するアイディアや情報である.他方は設計理念に基づいて開発された製品などである.本稿は,前者の設計理念は進化するが,後者の人工物は進化の主体ではないことを示す.設計理念とその発露としての人工物の関係は,生物学における遺伝子型と表現型の関係に似ている.表現型とは,腕や目,行動などをさし,遺伝子型はその原因となる遺伝子の構成をさす.表現型は,生物の製作するものをさすことがある.たとえば鳥の巣やビーバーが製作するダムなどで,「延長された表現型」とよばれる.人工物は設計の表現型ではあるが,人間の延長された表現型ではない.人工物は文化的遺伝子の発露であって,人間の遺伝子の発露ではない.もしそうであれば,人工物の良し悪しによってその製作者の遺伝子が繁栄するか否かが影響されなければならないからだ.進化理論は,とらえがたい複雑な現象である設計を理解するには非常に有用である.
  • 渡辺 慎二, 渡辺 誠, 小野 健太
    デザイン学研究 61(6) 6_35-6_44 2015年  
    常に新製品を開発し,売上や販売台数の目標を確実に達成することが重要となる製品として,テレビや洗濯機などの継続型主力製品がある。企業のデザイン部門では,常に自社製品が事業目標を達成することに寄与することを使命とするが,その方法論は明らかでない。そこで本研究は,継続型主力製品のデザイン開発プロセスの中で,事業目標として設定した販売台数目標との合致性をタイムリーに検証しながら,製品デザインを開発する方法論を提示した。本方法論は,販売台数目標との合致性を製品の外観デザインとユーザーイメージの両視点から分析することに特徴がある。外観デザインの分析では,販売台数の多い製品に共通するフォルム要素を抽出し,ユーザーイメージの分析では,ユーザー評価と販売台数との関係を明らかにした。これらの結果から,ポジショニングマップ上で,販売台数目標と合致した位置を特定し,この位置を狙う製品デザイン開発を行い,方法論の妥当性を確認した。
  • 渡辺 慎二, 小野 健太
    デザイン学研究 62(2) 2_31-2_38 2015年  
    本研究は,いかにデザイン開発プロセスの効率化を行うべきかについて論じたものである。まず一般論として,創造的ワークにおける効率化の3つのパターン(①定量品質または定性品質を維持/コストは削減,②定量品質の向上を図る/コストは維持または削減,③定性品質の向上を図る/コストは維持または削減)を導出した。<br>その中で,①定量品質または定性品質を維持/コストは削減のパターンに着目し,企業内デザイン部門で社会インフラストラクチャー分野を対象に実施した,データによる可視化を基本とするデザイン開発プロセスの効率化について説明する。<br>具体的には,1)デザイン開発プロセスのデータによる可視化,2)効率化の方向性と対策すべきワークの特定,3)効率化のための施策決定,4)対策実施と効果測定,の4つのステップよりデザイン開発プロセスの効率化のあり方について示した。
  • 林 孝一, 馬場 亮太, 御園 秀一, 小野 健太, 小原 康裕, 渡邉 誠
    デザイン学研究 60(6) 6_39-6_48 2014年  
    60年近い歴史をもつ東京モーターショーに出展されたショーカーはそれぞれの時代の社会変化を鋭く反映してきた。本研究は各ショーカーの訴求ポイントをグループ化し、そのコンセプトを、「性能」、「社会対応」、「サイズ」、「付加価値」の4カテゴリーに分類し考察を加えた。その結果、日本の自動車産業とデザインの変遷は7つの時代に分類して精査していくことが適切であるとわかった。さらにその時代ごとのデザインへの期待や役割の変化が以下の4つに区分される事も判明した。1954~70年:欧米のライフスタイルに追従するドリームデザイン、1971~84年:機能とデザインの融合により意味と独自性があるデザインの創生、1985~2008年:製品多様化と市場の飽和を背景とした新規性コンセプトの探求とデザイン領域の拡大、2009年~現在: 環境問題や高齢化を反映した車の次世代モビリティーとしての再構築である。この様に社会情勢の変化に応じたデザインへの期待、役割の変化を明らかにした。
  • 鈴木 偵之, 石塚 昭彦, 中本 和宏, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 60(4) 4_77-4_86 2013年  
    本研究では子供向けデジタルサイネージのGUIデザインの指標を明らかにした。デジタルサイネージが持つ特徴のうち、大画面を有し、タッチ等によるインタラクションがある点、設置して利用される点を中心に調査を行った。<br>子供の行動把握にはエスノグラフィ(行動観察調査)法を使い、子供特有の特徴を抽出するため、PCリテラシのある年齢(大人)についての比較調査を行った。結果の分析には、行動比較マップを用いた。これは子供と大人の行動を比較するために、子供と大人がとった行動の頻度をそれぞれ集計し、その結果をプロットしたマップである。このマップをもとに子供と大人の行動の共通部分と子供特有の部分について考察を行った。<br>これらの結果、子供特有のデジタルサイネージの利用に関する特徴として、「目標設定」「ボタン等の操作部」「操作に対する満足」に関係する3つの観点にまとめられることが分かった。
  • 北村 充, 中本 和宏, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 60(4) 4_97-4_104 2013年  
    本研究では、日本デザイン振興会の主催するグッドデザイン賞におけるUIの評価方法について検討した。調査方法は、品質要素の考え方である狩野モデルに基づき、当たり前品質と魅力的品質を考慮した。まず当たり前品質の調査として、応募された機種のユーザテストを行った。ここからステップ数等、定量的なデータを取得し、受賞結果と照らし合わせ、評価項目の妥当性を検討した。次に、魅力的品質の調査として、応募者からのアピールポイント等を基に評価項目を求め、魅力的品質の側面から、同様の検討を行った。結果、当り前品質の調査からは、機種ごとの操作ステップ数では受賞に結び付くような差異が見られないことが分かった。また、魅力的品質の調査では、UIの特徴に関するグループと、UIデザインの方向性などが得られた。
  • 齋藤 南, 本山 拓人, 小野 健太, 小原 康裕, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 228 2012年  
    本研究では、千葉大学農産物直売所ー「みらくる」において、実際の店舗のリノベーション・デザインを行った。はじめにフィールドワークを通し、聞き取り調査や観察調査を行った。調査結果に基づき、農産物直売所に求められるデザイン要素を明らかにし、「みらくる」のブランドアイデンティティを決定した。 その後、情報デザイン、グラフィックデザイン、空間デザインの3つのデザイン領域から総合的にリノベーション・デザインを提案した。 実在する店舗デザインを行うことによって、農産物直売所が求められる役割、それに対するデザインアプローチの一端を明らかにした。
  • 金 永彬, 李 眞烈, 蘆澤 雄亮, 小原 康裕, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 284 2012年  
    ショッピングバッグは世界的な環境汚染の大きな要因としてしばしば採り上げられる。 ショッピングバッグの問題点は、持ち手の部分が破れてしまうと使えなくなることである。 今回提案したLizard bagは、持ち手が切れた場合に点線が印刷されている上部と穴の部分を切り取れば再びショッピン グバッグとして使うことができる。また、「もう一度使用する」というコンセプトを考慮し、ショッピングバッグの材質は再生紙を使用することで廃棄されるショッピングバッグの量を削減して行けるものと予想される。
  • 李 奎昊, 蘆澤 雄亮, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 139 2012年  
    本研究は、コンバージェンスにおいて誤謬を避けるためのガイドライン構築を行うため、コンバージェンスの特性を把握することでユーザーと製品間の関係性を明らかにし、コンバージェンスを類型化することを目的として行った。コンバージェンスの中で製品を製品のコンバージェンスに研究対象とし、成功・失敗事例を調査し各々の特性を把握した。調査結果をもとに類似な製品をグルーピングし、ユーザーと製品間の関係について考察した。これらの結果をもとに製品コンバージェンスを4つの類型に整理することができた。
  • 李 夙曜, 小野 健太, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 96 2012年  
    植物工場とは、農業の知識と工学の産業技術を組み合わせた「食糧産業」という新しい産業集積の形だと思われる。 最近、台湾ではLED向け及び半導体事業向けの会社は自分の得意な技術で工業的な視点を植物工場の研究に取り入れている。農業分野に参入する企業が急激に増加している。 台湾大学と鴻海精密工業の植物工場開発に取り組んだ例として、東アジアに必要な葉物野菜の需要を解決するために研究を進めている。また、多くの企業が付加価値の高い漢方薬の材料や海藻などを LED照明技術を利用し新たな薬品を開発するための研究に使用している。 「天候に左右されず、どこでつくっても同じ品質の農作物を安定した価格で供給できる」という条件を満たす「植物工場」は多くの利点があるが、もちろん欠点もある。例えば、機械設備のコストはまだ高いし、顧客に教育することも不足などと考えられる。
  • 李 振鵬, 小野 健太, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 64 2012年  
    SNSブームは人間の社交範囲をある程度、広がった。人間もこのブームで、付き合う友達が増加したようだ。しかし、SNSブームにつれて、付き合う友達が多くなったが、現実には、われわれの孤独感がまだ、消していない。そして、現実にの人間交際は大部分が音声や表情、行為、行動などで、話し合う相手から獲得した真実の人間関係で実現される。それに、、SNSだけで、獲得した人間関係は軽薄感と不信頼感をある程度、示している。特に、コミュニティ-での人間関係に対して、コミュニティー友達との関係を強化するために、我々はSNS以外のある直面での交流が必要であると思われる だから、私たちはIHPFというものをデザインした。IHPFをメディアとして、コミュニティ-での人間関係の深度を増加して、それによって孤独感を消すと思われる
  • Paskevicius Algirdas, 小野 健太, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 59 122 2012年  
    ロゴをデザインする場合、色や形をはじめとし、様々な要素に配慮する必要がある。これまでロゴデザインに関する研究では色や形に関する研究は多々行われてきたが、素材の質感に関する研究はあまり行われていない。だが、素材もイメージを左右する大きな要素であり、研究の必要性はあると考えられる。そこで本研究ではロゴの一要素としてエコマテリアルの質感に着目し、素材の質感をロゴデザインの要素として用いる場合の指針を導き出すことを目的とした。本研究では日本の自動車会社6社のロゴをサンプルとして用い、それらに6つの素材を組み合わせ印象評価を行うことにより、ロゴデザインにおける最適な素材を導き出した。その結果、葉、木、竹がエコイメージを表現する素材として最も適したエコマテリアルであることが明らかとなった。<br>
  • 佐々 牧雄, 福山 恵理, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 59(1) 1_15-1_22 2012年  
    近年,紙媒体が主流であったものが,デジタル化さらには,ウェブ化されている。情報の入力・伝達などの分野においても,電子化の動きが顕著で,これらの傾向は,サービスの申込の場面においても見受けられる。その一方で,高齢者層を中心とするパソコン非利用者がいることなどから,今後しばらくは,紙媒体とデジタルメディアは平行して存続すると考えられる。<br>本研究は,サービスの申込みにおける紙およびウェブ上の申込フォームに着目した研究である。申込フォームを利用する際に,そのデザインの「分かりにくさ」「記入のしにくさ」などユーザビリティに起因する間違え,漏れなどが頻繁に起きており,修正や書類のやりとりで,国内全体でみると莫大な時間的,経済的損失が発生している。本研究では,デザイナーがあまり関与しない申込フォームの分野において,その最低限の利用品質を確保するため,デザイン・ガイドラインを構築した。ガイドラインは,既存の申込フォームを用いて,ユーザーテストを実施し,テスト中にユーザーがとった行動を分析するとともに,先行研究や先行基準を参考にしながら構築した。
  • 佐々 牧雄, 福山 恵理, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 59(1) 1_23-1_30 2012年  
    本研究は,「サービス申込フォームにおけるデザイン・ガイドラインの構築」の継続研究であり,すでに構築したデザイン・ガイドラインを検証し,その有用性を証明するものである。まず,既存の自動車保険申込フォームに対して,デザイン・ガイドラインに基づきデザイン改善を行い,プロトタイプの提案を行った。そして,プロトタイプにおけるデザインの改善による効果を検証した。検証方法として,ユーザビリティの分野で多く用いられているパフォーマンス測定を採用し,デザイン改善前後でタスク達成率とタスク達成時間を計測した。検証の結果デザイン・ガイドラインの有用性を示す事ができた。<br> また,デザイン・ガイドラインは,紙とウェブ用のものを並列に構築したため,紙とウェブの中間的な存在である PDFに着目した。そして「PDF帳票」という新たな概念の提案を行い,プロトタイプとして具現化した。プロトタイプは,ガイドラインに基づいて設計を行い,そのプロトタイプに対して,再度パフォーマンス測定を行うことで,「PDF帳票」の使いやすさが,紙やウェブ媒体に比べ向上したことが明らかになった。
  • 佐々 牧雄, 牧野 喬, 小野 健太
    デザイン学研究 59(2) 2_1-2_8 2012年  
    デザインプロセスにおける重要なステップに,デザイン評価がある。デザイン評価は,想定ユーザーを招聘し,グループインタビューを行う定性調査や,デザインを表現する評価用語を用い,アンケートを行う定量調査が主流である。しかしながら,これらは時間やコストもかかり,自動車産業のように開発期間も長く,開発コストをかけられるケースを除き,商品開発プロセスにデザイン評価を必ず組み込んで,定常的に実施することは難しい。本研究は,デザイナーの予測能力を生かして,これらの課題を解決することを目的としている。具体的には「群衆の叡智」という概念を参考にしながら,複数のデザイナーが,想定ターゲットユーザーが行ったデザイン評価結果の予測を行い,その精度を測定した。その結果,個人嗜好についての評価語は,印象についての評価語と比べ,予測精度が良くないこと,また,デザイナーが複数で予測を行えば,ユーザーに対して行う,デザイン印象評価結果の再現性が高いことが分かった。
  • 楚 東暁, 小野 健太, 寺内 文雄, 渡辺 誠, 青木 弘行
    デザイン学研究 57(3) 87-96 2010年  
    21世紀を迎えた社会はサービスの時代に入っており,プロダクトデザインにとって新たなチャレンジが求められている.なかでも,サービス・プロダクトにおける価値創造は,問題解決に向けた重要な柱の一つである.本稿においては,設計パラダイムの転換という観点からサービスデザインにおける価値共創について考察を行った.具体的には,製品開発プロセスを4つの段階に分類し,[仁品]というサービス・プロダクトの概念を提示した.そして,サービス・プロダクトにおける価値を[経済価値,使用価値,感性価値]に分類し,各価値間の関係を明らかにした.さらに,時間軸デザインの重要性に配慮して,サービス・プロダクトにおける価値を維持・向上させるための方策をライフサイクルの観点から検討した.
  • 中本 和宏, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 57(1) 1-8 2010年  
    本研究では、携帯電話を対象としユーザに注目されるパターンの抽出方法を示すことを目的とする。ユーザインタフェースの設計においては、以前に利用した構造や設計の一部が再利用可能である場合があり、この場合、その単位をどのように定義するかという問題がある。最初にこれを検討し、パターンと決定した。次に文献を参考にパターンを抽出し、携帯電話での確認を行って41種類のパターンを抽出した。続いてこれらに視点を設けて分類し、7種類のカテゴリにまとめた。その後、これらのカテゴリのうち、どのような内容のものがユーザに受け入れられるかを視点に調査を行った。その際、評価グリッド法を用い行動、発言を整理した。結果、「メニュー構造」「アクションとコマンド」「ユーザ対応」が特にユーザに注目されるカテゴリであることが分かった。
  • 侯 茉莉, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 57(4) 11-16 2010年  
    近年、中国では大学数、大学の学生数、及び研究機構、研究者が急速に増加している。大学進学率は、1990年の3.4%から2007年の23%まで成長した。本論では、急成長する中国の大学におけるデザイン関連学科の教育について、主に、カリキュラムや教育内容について、デザイン系学科を有する主な10校に対し、工業デザイン関連学科の調査を行った。これらのデータより、各大学の特徴をグループとして把握した。その結果、グループは4つに分類でき、中央美術学院、同済大学及び江南大学は、主にプロダクトに対しての技術性の実習科目を学ぶ大学、広州美術学院、北京理工大学及び清華大学のように、基礎知識の養成が重視される大学、湖南大学や復旦大学のように商業ベースの授業の多い大学、浙江大学のように感性に関する課程が多い大学というグループが形成された。また、10校中7校で、クリエイティブデザインという科目が設置されているのが特徴的であった。
  • 侯 茉莉, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 57(4) 17-24 2010年  
    台湾では戦後早期のデザイン発展およびデザイン教育において、日本からの影響と、米国およびヨーロッパの専門家や学者から多くの協力が得られた。日本の影響のもとに築かれた台湾のデザイン教育が、商工業の発展につれて次第に独自のスタイルを持つようになった。一方、日本でも、ものを作るだけの時代から、更にマーケティング等の視点を取り入れ発展してきた。本論では、100年以上の歴史を経た現在の日本および台湾における高等デザイン教育の状況、また、日本と台湾のデザイン教育の相違を抽出することが目的である。日本の35のデザイン学科および台湾の32のデザイン学科に対し、カリキュラムの調査を行った。具体的には、それぞれのカリキュラムについて、重視されている、あるいは欠けている課程を調べ、数量化理論III類を用いて分析することにより、9つのタイプに分類を行った。それらのタイプと日本、台湾との関係を見ることにより、日本のデザイン教育は多様な要素を含んだ総合的な学問として、台湾のデザイン教育は「ものづくり」ための技術教育を中心に発展してきたことが分かった。
  • 蘆澤雄亮, 森行浩人, 小野健太, 渡辺誠
    デザイン学研究 56(3) 71-80 2009年9月30日  査読有り
    本稿ではデザイン行為の思考モデルであるFASEモデルをさらに掘り下げ、デザイン思考の仕組みについて認知科学の観点から考察を行なった。その結果、FASEモデルにおいて最も特徴的な思考プロセスは外的刺激を伴わずとも行なうことができるSimulationであり、その仕組みはソマティック・マーカー仮説による「あたかもループ」に類似していることがわかった。また、あたかもループを神経科学的な観点から考察した結果、あたかもループは「情報の統合と予測」と「情動情報の変換」が重要なファクターとなり、言語機能を直接介さないことがわかった。そして、これらの理論の整合性を確認するために異なる思考パターンを用いた2つの思考実験を行った結果、デザイナーはそれ以外の被験者と比較して言語機能を直接介さない思考方法に関して有利であることがわかった。
  • 中本 和宏, 小野 健太, 渡邉 誠, 横内 恭人, 渡辺 慎二
    デザイン学研究 56(1) 7-12 2009年  
    携帯電話のメーカーにおいて、デザイン案を絞り込む際には、レビューや、複数の評価者においての合議がなされる場合が多い。しかしそのための前提資料がなく、合議のみで決定しようとする場合には、デザイン案を採択した基準や、デザイン案とデザインコンセプトとの適合の度合いについて明確にすることができない。このためデザイン案採択にいたる検討プロセスを残すことや、評価に参加しなかった第三者に検討結果を伝えることが困難である。本研究では、意志決定問題の手法として知られるAHP(Analytic Hierarchy Process:階層分析法)を利用し、評価語、重要度を用いて説明することで、デザインコンセプトに適合したユーザーインターフェースのデザイン案を採択するための方法を提案した。結果として、デザインコンセプトとデザイン案との適合について、AHPにおける重要度を用いて説明し、デザイン案採択のプロセスを明確にした。
  • 中本 和宏, 小野 健太, 渡邉 誠
    デザイン学研究 56(1) 1-6 2009年  
    本論文では、機器の操作フロー(一連のタスクを達成する操作手順)を基に、機器の操作面からの製品特性を抽出することを目的とする。方法としては、国内でほぼ同時期に販売されていた10メーカー11機種を対象とし、操作説明書から一連のタスクを選択し、実機を用いながら操作フローとその際に利用する操作子(キー)を記録、両者の関係を対応付けた。このことにより、キー割り当て、操作方法によるユーザーインターフェースの機器ごとの総合的な特徴を抽出し、操作上の特徴を分析した。この対応付けに関しては、多変量解析手法の一種である数量化理論III類を用いて、操作子をカテゴリーに、操作フローをサンプルとして分析した。結果、数量化理論III類の散布図として、グループ別に分けた機種の操作上の特徴を抽出した。
  • 蘆澤 雄亮, 森行 浩人, 小野 健太, 渡辺 誠
    デザイン学研究 56(3) 61-70 2009年  
    今日、デザインが対象とする領域は拡大の一途を辿っている。その理由としてデザインという行為が非常に多くのことがらにおいて適用可能な方法論を持っているということが考えられる。しかし既存のデザイン方法論は、特定の領域に特化したものが多く、デザインの普遍的な方法論を解明したものは見られない。そこで本稿では多くの領域において適用可能である基本的なデザインの思考方法論構築を行った。過去に行われた研究におけるプロセスモデルや方法論をまとめたデザインプロセス概念図と、デザイナーへのヒアリング調査から得られた実務プロセス事例の分析より、Find、Acquisition、Evaluation、Simulationのループによって構成されるFASEモデルが導かれた。さらにFASEモデルに沿ったデザインプロセスの解釈により、これまで分類不可能とされてきた「解決型」および「提案型」の特徴を発見することができた。
  • 渡辺 誠, 小野 健太, 金 哲浩, 杉山 和雄
    デザイン学研究 vol.148(4) 31-36 2002年  
    本研究は, 企業における事業ドメインとインハウスデザインの関係について明らかにしたものである。本研究では, 事業ドメインの変化が激しくかつデザイン部門を有する企業が多い, 電気機器と精密機器業界に絞り調査を行った。まず第一に, 電気機器・精密機器業界の事業ドメインを「家電」や「情報技術」などの8つに分類した。次に, この8つの事業ドメインを全て持つ企業から2つだけの企業で, デザイン部門を持つ企業13社に調査を行った。その結果, 以下に記すように, 事業ドメインの方針は3つに分類でき, それに対するデザイン部門の戦略的活動は4つであることがわかった。1.変化する事業ドメイン=「a.柔軟なデザイン組織の運営」2.コア・ドメインの先鋭化=「b.デザインの独自性の顕在化」3.事業ドメインの形成が今後も変化=「c.組織的な専門能力の育成」及び「d.デザイン組織における業務の領域拡大」そしてこれらは, 今後のインハウスデザイン部門のマネージメントの一つの指標になりうると考えられる。
  • Bulletin of the 4th Asian Design Conference International Symposium on Design Science 1999年  
  • 杉山 和碓, 金 哲浩, 小野 健太, 渡辺 誠
    デザイン学研究 vol.132(6) 11-18 1999年  
    デザイン決定プロセスはその企業の状況, 体質などによって異なる。その中で本研究ではデザイン決定プロセスに影響を与えると思われる要素の一つとして組織体系(企業におけるデザイン機能の組織的な位置)を取り上げ, 各企業におけるデザイン決定プロセスと組織体系との関係を明らかにし, 効率的なデザイン決定プロセスを行うための方向性を示すことを目的とした。そして, 各社のプロセスの現状を把握するために調査を行い, 各社のデザイン決定プロセスと組織体系を分類し, 比較を行った。その結果, デザイン決定プロセスの効率化においては, 事業部内デザイン組織の方が, 企業内独立デザイン組織に比べて効率的なプロセスをとっていることが分かった。しかし, 企業内独立デザイン組織であっても, 情報・知識の共有, 思考様式の統一を図るための工夫, 努力をすることによリ, 効率的なプロセスをとることは可能であることもわかった。

MISC

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  • 髙橋 晴飛, 加藤 由宇, 佐々木 大和, 田畑 沙彩, 小野 健太, 原 寛道, 青木 宏展, 根津 孝太, 高木 正太郎
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 474 2023年  
    地域観光への公共サイン及びAR技術の活用に関する研究 本研究では、観光において公共サインを有効に利用することを目的とした。今回は、墨田区向島地区の歴史散策案内板の改修に加え新たな価値を付加し、独自の観光モデルを提案した。 また目的達成に向けて、案内板を観光資源とするためARコンテンツの制作・実験を行い、実証実験を経て、最終的に社会実装することを提案の目標とした。
  • 中川 景太, 小野 健太, 三浦 秀彦, 檜尾 安樹絵
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 104 2023年  
    本研究は「USEをPLAYに」というテーマのもと、アナログの持つ「質感」や操作性により生まれる「解釈の余地」をデジタルディスプレイに適用し、鑑賞者が能動的に関わる「PLAY」な鑑賞体験を生み出すことを目的とした。また、その過程や制作物を通じて「USE」と「PLAY」について更なる理解を深め、それらに対する新たな視点を提案していく。前半では、様々な「フィルター」によってデジタルディスプレイに物理的に干渉する手法とその効果を検証した。後半ではゼラチン素材に着目し、その性質とディスプレイの無機質な映像によって生まれる新たな立体映像表現の提案を行った。
  • 新井 律, 檜尾 安樹絵, 三浦 秀彦, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 390 2023年  
    本研究では、「USEをPLAYに」というテーマのもと、デジタルデバイスのユーザインタフェースについて注目し、プロトタイプ制作・検証を重ね「PLAY」な要素を含んだインタフェースの可能性を探ること、その過程や制作物から「USE」と「PLAY」についての考察を深めることを目的とした。最終制作として、磁性流体を一種の生命体のように感じさせ、自律性を持つ生命体の動きにユーザーが影響を与えられるような「PLAY」な要素を含んだインタフェースを制作した。また、その制作物のシステムを用いて、磁性流体の動きやユーザーへのフィードバックを変化させることで、「USE」的に感じられたり「PLAY」的に感じられることを発見し、ユーザインタフェースにおける「USE」と「PLAY」をプリミティブな形で抽出した。
  • 村上 恭理, 小野 健太, チャコン キンテロ カルロス
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 69 232 2022年  
    本研究では、デジタル空間上でのセレンディピティを高めることを目的とし、そのための手段の一つとして立体音響を用いた音楽コンテンツの回遊体験の可能性模索と提案を行った。スマートフォン上で音楽コンテンツをブラウジングするために効果的なインタフェースデザインの検討過程を示す。 ユーザーインタフェースの作成にあたり、まず既存の先行研究からデジタル空間上で回遊体験を創出するにあたって必要な要件を定義した。次に、複数のプロトタイプを製作し本研究の目的に適した表現であるか印象評価実験を行った。また、より回遊感を高めるための操作方法について考察し、今まで検討してきたプロトタイプや印象実験の結果を元に最終提案を制作し、まとめとして立体音響を用いた楽曲の流動的な回遊体験創出におけるインタフェース設計の方向性、留意点について述べた。
  • 稲垣 俊太朗, チャコン キンテロ カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 69 230 2022年  
    本研究では、非接触ディスプレイの特質を活かした独自の表現方法の検討と、要件抽出を目的とした。近年、非接触ディスプレイが広く社会に普及している一方で、現在の非接触インタフェースはタッチディスプレイのインタフェースと似たものとなっているため、非接触ディスプレイの特質を起点にインタフェースを考え直し、その特質を活かした表現方法を検討する必要がある。 本研究では、既存の非接触インタフェース及びプロトタイプを用いた検証により、非接触インタフェースについて考察し、非接触ディスプレイの特質を活かした表現のための要件を抽出した。要件をもとに非接触ディスプレイに適したインタフェースのプロトタイプを複数製作し、印象実験を行うことで、「押し込むと平面が伸び、画面外に広がる空間が見える」インタフェースが本研究に適した表現であることを確認した。また、その表現方法をオンラインコミュニケーションツールのインタフェースに適用させることで、非接触ディスプレイに適した表現方法の可能性、及びその表現方法の様々なシーンへの応用の可能性を示唆した。

講演・口頭発表等

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  • 中川 景太, 小野 健太, 三浦 秀彦, 檜尾 安樹絵
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2023年 一般社団法人 日本デザイン学会
    本研究は「USEをPLAYに」というテーマのもと、アナログの持つ「質感」や操作性により生まれる「解釈の余地」をデジタルディスプレイに適用し、鑑賞者が能動的に関わる「PLAY」な鑑賞体験を生み出すことを目的とした。また、その過程や制作物を通じて「USE」と「PLAY」について更なる理解を深め、それらに対する新たな視点を提案していく。前半では、様々な「フィルター」によってデジタルディスプレイに物理的に干渉する手法とその効果を検証した。後半ではゼラチン素材に着目し、その性質とディスプレイの無機質な映像によって生まれる新たな立体映像表現の提案を行った。
  • 新井 律, 檜尾 安樹絵, 三浦 秀彦, 小野 健太
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2023年 一般社団法人 日本デザイン学会
    本研究では、「USEをPLAYに」というテーマのもと、デジタルデバイスのユーザインタフェースについて注目し、プロトタイプ制作・検証を重ね「PLAY」な要素を含んだインタフェースの可能性を探ること、その過程や制作物から「USE」と「PLAY」についての考察を深めることを目的とした。最終制作として、磁性流体を一種の生命体のように感じさせ、自律性を持つ生命体の動きにユーザーが影響を与えられるような「PLAY」な要素を含んだインタフェースを制作した。また、その制作物のシステムを用いて、磁性流体の動きやユーザーへのフィードバックを変化させることで、「USE」的に感じられたり「PLAY」的に感じられることを発見し、ユーザインタフェースにおける「USE」と「PLAY」をプリミティブな形で抽出した。
  • 三輪 正幸, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2023年 一般社団法人 日本デザイン学会
    国内のセイヨウミツバチの養蜂箱のニーズを明らかにするために、巣箱の性能や設計要求に関するアンケート調査をした。プロ養蜂家はハチミツの生産性や品質を重視しているのに対して、趣味養蜂家は作業性や外観のデザインのよさを求めていることが示唆された。 また国内の養蜂において新しく求められている巣箱は趣味養蜂に特化した巣箱の開発であることが分かった。特に小型化および軽量化された巣箱のニーズが高いことが分かった。
  • 稲垣 俊太朗, チャコン キンテロ カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2022年 一般社団法人 日本デザイン学会
    本研究では、非接触ディスプレイの特質を活かした独自の表現方法の検討と、要件抽出を目的とした。近年、非接触ディスプレイが広く社会に普及している一方で、現在の非接触インタフェースはタッチディスプレイのインタフェースと似たものとなっているため、非接触ディスプレイの特質を起点にインタフェースを考え直し、その特質を活かした表現方法を検討する必要がある。 本研究では、既存の非接触インタフェース及びプロトタイプを用いた検証により、非接触インタフェースについて考察し、非接触ディスプレイの特質を活かした表現のための要件を抽出した。要件をもとに非接触ディスプレイに適したインタフェースのプロトタイプを複数製作し、印象実験を行うことで、「押し込むと平面が伸び、画面外に広がる空間が見える」インタフェースが本研究に適した表現であることを確認した。また、その表現方法をオンラインコミュニケーションツールのインタフェースに適用させることで、非接触ディスプレイに適した表現方法の可能性、及びその表現方法の様々なシーンへの応用の可能性を示唆した。
  • 山本 聡太, チャコン キンテロ ファン カルロス, 小野 健太, 渡邉 誠
    日本デザイン学会研究発表大会概要集 2022年 一般社団法人 日本デザイン学会
    近年、AR グラスの一般消費者向けの販売が始まろうとして いる。本研究では AR グラスを使用した歩行者用ナビゲーショ ンを題材とし、新たなシステムを提案する。既存のスマートフォ ンによる AR ナビゲーションには、没入すると危険であるという 問題点がある。そこで、没入しても安全かつ、新規価値を追加 したナビゲーションシステムを製作する。