伝 康晴, 小木曽 智信, 小椋 秀樹, 山田 篤, 峯松 信明, 内元 清貴, 小磯 花絵, Yasuharu DEN, Toshinobu OGISO, Hideki OGURA, Atsushi YAMADA, Nobuaki MINEMATSU, Kiyotaka UCHIMOTO, Hanae KOISO
日本語科学 22 101-123 2007年10月 査読有り
千葉大学国立国語研究所国立国語研究所京都高度技術研究所東京大学情報通信研究機構国立国語研究所コーパス日本語学への応用を指向した形態素解析用電子化辞書UniDicを開発した。大規模コーパスに対する形態論情報付与作業には,計算機を用いた形態素解析システムの利用が不可欠であるが,既存の形態素解析システム用辞書には,コーパス日本語学への応用を考える上でさまざまな不都合がある。1つは,単位の認定がある場合には長く,ある場合には短いといった不揃いがあることであり,もう1つは,異表記や異形態に対して同一の見出しが与えられないということである。言語研究で重要な要件となる,このような単位の斉一性や見出しの同一性への対処といったことを中心に,本電子化辞書の設計方針とそれを実装した辞書データベースシステムについて述べる。さらに,この設計の有用性を示すため,表記や語形の変異に関するコーパス分析の事例を紹介する。