田所 良之, 菅谷 綾子, 榎元 美紀代, 清水 安子, 正木 治恵
千葉看護学会会誌 11(2) 39-47 2005年12月30日 査読有り最終著者
本研究の目的は,日常生活上の改善を要するが切迫感を抱きにくい成人・老人患者に対して看護師が用いている対人援助技術を,国内の雑誌論文の記述から明らかにすることである。医学中央雑誌による検索ならびに自作の文献選定基準を用いた文献選定で得られた6文献を分析した結果,61ラベルを抽出し,それらを続合することで,16の対人援助技術が得られた。これらの対人援助技術は,2つに大別することができ,【対人援助関係を促進する可能性のある対人援助技術】として,1)まだ対象特性のつかめていない対象者を全人的に理解するために,現在までの生活・経過も含めた情報を得る,2)対象者の変化の可能性をアセスメントしつつ,関係性や援助の発展の方向性・タイミングを見据えて試みる,3)対象者の状況が変化しても関心を寄せ続ける,4)その人のために専念して存在する,5)イメージしやすい情報を提供する/対象者の関心を引き寄せる理解しやすい方法で情報を提供する,6)対象者の意思・気持ち・決定・主体性を尊重し,また,それを引き出すようにする,7)対象者からの要求に対して親切に対応したり,察して不足・不便を解消する,8)対象者の体験・気持ち・おかれている状況に思いを寄せ,推し量り,共感を示す,9)対象者の反応に照らしながら,その人に合った対応・援助方法を模索していく,10)これまでに構築された「なじみ」の関係を意図的に援助に活かすの10の対人援助技術が,また,【対人援助関係を阻害・停滞させる可能性のある対人援助技術】として,11)対象者の個別な体験や思い・感情を注目・尊重するより,医療者としての客観的で一般的な立場で対応する,12)対象者の思いや感情に十分思いを寄せたり,推し量ることThe purpose of this study was to identify interpersonal nursing skills for patients without a sense of urgency and need by using Japanese nursing literature. Igakuchuouzasshi system (Japanese medical literature database system) and the researcher's own criteria were utilized for searching and picking out appropriate literature. As a result of qualitative analysis and synthesis of 6 articles, 16 interpersonal nursing skills were obtained. These skills were divided into two groups. Firstly, interpersonal nursing skills with the possibility of facilitating interpersonal relations which includes 10 interpersonal nursing skills and secondly, interpersonal nursing skills with the possibility of disturbing/stagnating interpersonal relations which includes 6 interpersonal nursing skills.