高山 智子, 池崎 澄江, 関 由起子, 藤村 一美, 熊谷 たまき, 加藤 礼子, 山崎 喜比古
日本健康教育学会誌 13(Suppl.) 134-135 2005年7月
全国6地域の住民1800名を対象にヘルスリテラシー(HL)の実態調査を行い,有効回答681名(男305名・平均46.3歳,女376名・平均45.9歳)について分析した.質問項目は個人のHLと他者介在のHLに分け,健康関連の情報を自分で(他人を介して)「探すことができる」「理解することができる」「情報が信頼できるものか判断できる」の各々について,「全くそう思わない〜とてもそう思う」の5段階で尋ね合計得点を算出した.その結果,個人HLの平均得点は11.0,他者介在HLは10.5,α係数は各々0.78,0.91であり,高い内的一貫性が示された.個人および他者介在HLの高さ両方に関連がみられた個人特性は,「非就労者」「医療職の従事経験」「精神健康の良好さ」であった.また,「学歴の高さ」「医師から診断された疾患数の多さ」「子どもの数が少ない」は個人HLの高さにのみ関連し,「女性」「身体的健康の良好さ」「配偶者の就労」は他者介在HLとのみ関連した.人的資源では,「友人交流頻度の多さ」「ソーシャル・サポート有り」で個人および他者介在のHLは高かった.地域資源との関連では,「県庁所在地であること」「地区組織活動の認識の高さ」が個人および他者介在のHLのいずれとも関連を示し,「社会関連資本」「地域への愛着の高さ」は他者介在HLと有意な関連を示した