三宅 直人, 松田 知己, 安藤 正夫, 川崎 剛, 三島 利之, 日下 利広, 安倍 修, 石橋 潤一, 杉山 幸一, 長南 明道, 望月 福治
早期大腸癌 8(4) 307-312 2004年7月 査読有り
54歳女.検診で便潜血反応陽性を指摘され,生検で印環細胞癌と診断さた.大腸内視鏡検査で直腸下部左壁に透明感のある黄白色調の粘液の付着した隆起性病変を認め,病変の肛門側は平坦な隆起部,口側には高さを有する発赤調の隆起部を認めた.拡大内視鏡のクリスタルバイオレット染色でVN型pit patternとI型pit patternの混在を認め,超音波内視鏡検査では第3層の菲薄化が認められた.以上より,sm-massive以深に浸潤した直腸印環細胞癌の診断し,直腸切除術を施行した.術後の病理組織学的検索で病変全体に印環細胞癌を認めたが,腺腫や高・中分化腺癌は認めなかった