研究者業績

小林 達明

コバヤシ タツアキ  (Tatsuaki Kobayashi)

基本情報

所属
千葉大学 大学院園芸学研究院ランドスケープ・経済学講座 教授
学位
博士(農学)(京都大学)
農学修士(京都大学)

J-GLOBAL ID
200901040994957970
researchmap会員ID
1000357218

外部リンク

経歴

 1

論文

 142
  • 小林 達明, 高橋 里奈, 神原 謙太, 加藤 顕, 高橋 輝昌, 福島 成樹
    日本緑化工学会誌 47(1) 105-110 2021年8月  査読有り筆頭著者責任著者
  • 吉﨑 真司, 森本 淳子, 蔵本 洋介, 塚本 文, 木田 幸男, 吉田 寛, 岡 浩平, 小林 達明, 大塚 芳嵩, 岩崎 寛, 上野 裕介, 上野 崇之, 長谷川 啓一
    日本緑化工学会誌 46(4) 369-391 2021年5月31日  
  • 市川 貴大, 逢沢 峰昭, 大久保 達弘, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 132 480 2021年5月24日  
    東日本大震災後人手を加えていない里山林(放置区)と,隣接した2013年に熊手でリター層を除去した里山林(除染区)において,除染の有無が分解に伴う落葉中の放射性Cs濃度・量に及ぼす影響を調査した。試験は福島県川俣町山木屋地区のコナラが優占する里山林で行った。放置区,除染区に1m×1m,深さ30cmの底の開いた木枠を1つずつ設置し,2020年4月に林床の落葉を各木枠内に敷き詰め堆肥化した。数か月ごとに分解中の落葉の重量と放射性Cs (134Cs+137Cs)濃度を測定した。放置区,除染区ともに9月には重量含水率は約80%,重量残存率は約50%となった。除染区の落葉堆肥の放射性Cs濃度および量は放置区の0.4~0.5倍であった。9月の落葉堆肥の放射性Cs濃度は4月に比べて放置区,除染区ともに2.0~2.3倍であった。落葉堆肥の放射性Cs量は放置区,除染区ともに4~9月まで違いがみられなかった。除染により林床の落葉および落葉堆肥の放射性Cs濃度が低下していた。また,落葉堆肥中への系外からの放射性Csの取込みはみられないと考えられた。
  • 小林 達明
    食と緑の科学 = HortResearch 75 1-8 2021年3月31日  査読有り筆頭著者責任著者
  • T. Yasutaka, Y. Kanai, M. Kurihara, T. Kobayashi, A. Kondoh, T. Takahashi, Y. Kuroda
    Radioprotection 55(3) 215-224 2020年7月  査読有り
    This paper describes the involvement of the residents of the Yamakiya district of the Kawamata town, a former evacuation area after the accident of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP), in the on-going research activities of the authors on the behaviour of radioactive caesium in the environment. By relying on dialogue, measuring radiation, and other collaborative practices, this involvement enabled a series of actions to be taken to resolve the challenges related to the recovery after the lifting of the evacuation order that were appreciated by the residents. The paper also discusses the effects of the interactive program led by the Yamakiya School organized by the authors in cooperation with the residents including among others lectures, voluntary works and radiological surveys on local issues. Based on the above, the authors make recommendations on the desirable form of relationship between residents and experts after an event of large-scale environmental pollution including radiological contamination. Through these activities the authors have also gradually changed their research approach.

MISC

 119
  • 小林達明, 栗原伸一, 秋田典子, 武田史朗
    食と緑の科学 77 13-14 2023年3月  筆頭著者
  • 小林達明
    特集を行うにあたって 48 494-494 2023年2月  筆頭著者
  • 小林達明
    ビオシティ 92 86-93 2022年10月  招待有り
  • 倉重祐二, 大野暁彦, 田草川みずき, 國本千裕, 小林達明
    食と緑の科学 76 7-21 2022年3月  最終著者
  • 小林達明
    食と緑の科学 76 1-4 2022年3月  筆頭著者
  • 小林達明
    日本緑化工学会誌 47 374-377 2022年2月  招待有り筆頭著者
  • 小林達明
    こんぶくろ池通信 84 1-2 2021年4月  筆頭著者
  • 小林達明
    こんぶくろ池通信 83 1-3 2021年3月  
  • 森本 淳子, 小林 達明, 岡 浩平, 吉﨑 真司
    日本緑化工学会誌 46(2) 259-262 2020年11月  
  • 小林達明
    ツリードクター 26 14-18 2019年3月  筆頭著者
  • 小林達明
    グリーン・エージ 45(8) 2‐3 2018年8月15日  
  • 小林達明
    食と緑の科学 71 60-68 2017年  
  • 小林達明
    放射線相談室だより (6月) 5-5 2017年  
  • 小林達明
    放射線相談室だより (5月) 5-5 2017年  
  • 小林達明, 加藤顕, 中村忠昌
    ランドスケープ研究 80(3) 228‐229-234 2016年10月31日  
  • 斎藤 翔, 高橋 輝昌, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 127 416-416 2016年  
    林地への木質チップ材施用が、林木への吸収含め、土壌中の放射性セシウム(rCs)移行に与える効果を明らかにするため、福島県川俣町の落葉広葉樹林斜面において試験を行った。2013年7月に、斜面上部、中部、下部にそれぞれ40m2の調査区を設け、予め林床のリター層を除去し、スギの幹と枝を粉砕したチップ材を3kg/m2(斜面上部)~5kg/m2(斜面中部、下部)敷き均した区とリター層を除去しただけの区を設けた。チップ材敷き均し後1年間にチップ材に吸収されたrCs量は斜面上部、中部、下部でそれぞれ19、21、15kBq/m2であり、チップ材敷き均し時に下層のFH層や鉱質土層に含まれていたrCs量の4~5%に相当した。2年後、土壌中のrCs濃度はチップ材を敷き均し区ではFH層で最大であり、敷き均していない区では鉱質土層表層(0-1cm)で最大だった。コナラの葉のrCs濃度は、チップ材を敷き均した区で4~7kBq/kg、敷き均していない区で約0.7~3.5kBq/kgとチップ材敷き均しによって樹木への吸収が促進されたと考えられる。
  • 小林 達明, 降籏 大樹, 鈴木 弘行, 平野 尭将, 齋藤 翔, 遠藤 雅樹, 高橋 輝昌
    日本森林学会大会発表データベース 127 802-802 2016年  
    福島県川俣町の農地に接する落葉広葉樹林において、<sup>137</sup>Csのストックとフラックスを2013年から継続測定している。林床有機物層除去処理区も設け、生態系の反応について調べた。以下の数値はすべて2011年3月15日基準で半減期補正した。試験地にはトータル500kBq/m<sup>2</sup>の<sup>137</sup>Csが存在したが、当初より大部分は林床に集積していた。林床の<sup>137</sup>Csは、2014年まで50%以上が有機物層にあったが、2015年は72%が鉱質土層に存在し、下層移行が進行した。林内雨と樹幹流中の<sup>137</sup>Csは、2014年1.2kBq/m<sup>2</sup>だったのが2015年は0.8kBq/m<sup>2</sup>に減少したが、リターフォール中の<sup>137</sup>Csは、2014年3.2 kBq/m<sup>2</sup>だったのが2015年は3.8kBq/m<sup>2</sup>に増加した。系外への<sup>137</sup>Cs流出量は2013年から2015年にかけていずれも0.3kBq/m<sup>2</sup>前後で大きな変化はなかった。熊手による有機物層部分除去区の林床<sup>137</sup>Cs集積量は対照区の55%だったが、リターフォール<sup>137</sup>Cs量は83%、林内雨<sup>137</sup>Cs量は約70%で、有機物層除去により林木吸収量が減り、林地供給量が減少したと考えられる。
  • 平野 尭将, 小林 達明, 高橋 輝昌, 恩田 裕一, 高橋 純子, 遠藤 雅貴, 斎藤 翔
    日本森林学会大会発表データベース 127 804-804 2016年  
    里山生態系内での放射性セシウム(以下RCs)の樹木の吸収量や材への固定量を明らかにするため、川俣町山木屋地区の森林において樹体各部位と土壌のRCs量を調査した。森林内の調査地では対照区、A<sub>0</sub>層除去区、L層除去区を設け、土壌中のRCsの低下が樹木に与える影響について調査した。調査区に生育するコナラの林冠木を選択し、成長錐による材の採取を行いRCsの測定を行なった。採取した成長錐の試料の分析からRCs量の幹断面分布と肥大成長量を求め、WIP(wood immobilisation potential)の考え方を用いて、材へのRCsの不動化量の推定を行った。肥大成長量が大きい個体はRCsの現存量や不動化量の値が大きく、肥大成長量の小さい個体は値が小さい傾向が見られた。また、A0層除去区、L層除去区では同じ成長量(cm)でも材へのRCs不動化係数(Bq/cm<sup>3</sup>)は、対照区より低い値を示した。林分全体の材のRCs現存量は対照区が5.8kBq/m<sup>2</sup>、A<sub>0</sub>層除去処理区が4.3kBq/m<sup>2</sup>、L層除去処理区が4.2kBq/m<sup>2</sup>と推定された。
  • 遠藤 雅貴, 小林 達明, 高橋 輝昌, 平野 尭将, 斎藤 翔
    日本森林学会大会発表データベース 127 806-806 2016年  
    林床へ降下した放射性セシウム(RCs)の移行における有機物と微生物の関わりを解明するため、福島県川俣町山木屋地区にて、土壌中のRCs、有機物量、クロロホルム燻蒸抽出法による微生物のバイオマス量およびRCs吸収量の測定を行った。広葉樹林・マツ林の有機物層においては、有機物量とRCs量に正の相関がみられた。単位有機物量あたりのRCs量は前年から約70%減少し、11~48kBq/m<sup>2</sup>であった。鉱質土層の表層では相関がみられなかったが、RCs量は前年から約30%増加し、29~89kBq/m<sup>2</sup>であった。有機物分解によりRCsの下層移行と植物吸収が進行したと考えられる。スギ林では有機物層・鉱質土層のどちらでも有機物量とRCs量に正の相関がみられ、RCs量は前年と同程度であった。微生物のRCs吸収量は、広葉樹林・マツ林の有機物層で前年度と同程度の0.05~0.6kBq/m<sup>2</sup>であり、微生物への有機物層からのRCs供給効率は増加したと考えられる。
  • 小林達明
    放射線相談室だより (23) 3-3 2016年  
  • 小林達明, 加藤顕, 中村忠昌
    ランドスケープ研究 80 228-229 2016年  査読有り
  • 小林達明
    放射線相談室だより (19) 3-3 2016年  
  • 小林達明
    放射線相談室だより (18) 3-3 2016年  
  • 小林 達明
    ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture 79(2) 141-144 2015年7月  
  • 小林 達明
    グリーン・エージ 42(4) 12-16 2015年4月  
  • 小林 達明, 平野 尭将, 鈴木 弘行, 近藤 昭彦
    日本森林学会大会発表データベース 126 2015年  
    福島第一原子力発電所事故による避難区域の解除がようやく進み、緊急時被ばく状況から現存被ばく状況へと移行し、帰還する住民自身の対処が求められつつある。その際、里山の自然資源の汚染状況を可視化することは、住民による選択の適切な実行をはかる上で重要になる。福島県川俣町山木屋地区の現在避難中の住民とともに、2014年5月から11月まで月一回ずつ、避難前の習慣に従って山菜採りを行い、山菜と土壌の放射能、生育場所の空間線量と事故前の山菜の消費状況を把握した。草本植物26種、木本植物11種、シダ植物3種、キノコ17種の可食部位を中心に採取し、土壌との関係から放射性セシウムの移行係数を求めた。これらのデータに加え、別に行っている生態系調査、地域空間線量分布の成果より、地域の山菜汚染マップの作成、将来の汚染状況変化の予測について検討した。
  • 高橋 輝昌, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 126 2015年  
    本研究の目的は、有機物(木質チップ材)に増殖する糸状菌による土壌中のセシウム(Cs)吸収特性を明らかにすることである。試験地は福島県川俣町にあるCsで汚染された斜面上の落葉広葉樹林である。2013年7月に、斜面上部、中部、下部にそれぞれおよそ40 m<sup>2</sup>の調査区を設け、林床のL層を除去して、スギを粉砕したチップ材を3 kg m<sup>-2</sup>(斜面上部)~5 kg m<sup>-2</sup>(斜面中部、下部)敷きならした。チップ材敷きならし後、1~6ヶ月の間隔でチップ材を採取し、篩い分けて、粒径毎にチップ材の量とCs濃度を測定し、Cs吸収量を算出した。Cs濃度は粒径の小さいチップ材で高く、粒径の大きなチップ材でも経時的に増加した。Cs濃度の増加はチップ材全体では敷きならし後5ヶ月間で特に大きかった。チップ材によるCs吸収量は、敷きならし後5ヶ月間までに増加し、その後あまり増えなかった。敷きならし後1年間にチップ材に吸収されたCs量は斜面上部、中部、下部でそれぞれ19、21、15 kBq m<sup>-2</sup>であり、チップ材敷きならし時にF層や鉱質土壌に含まれていたCs量の4~5 %に相当した。チップ材敷きならし量はCs吸収量にあまり影響しなかった。
  • 小林 達明
    ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture 78(2) 135-138 2014年7月  
  • 山本 理恵, 小林 達明, 高橋 輝昌, 江幡 知紗, 保高 徹生
    日本森林学会大会発表データベース 125 2014年  
    福島県川俣町山木屋地区の農地に隣接した森林斜面でA0層の除去処理などの試験を行い、放射性Csの森林生態系内での循環と森林外への流出について把握した。2013年7月1日に作業を完了し、同年11月30日まで樹幹流、林内雨、リターフォール、表面流出水、流出土砂等を採取しゲルマニウム半導体検出器で放射能の測定を行った。その結果、樹幹流に含まれる放射性Csの濃度は対照区で9.6~40.5Bq/L、A0層除去処理区で7.4~20.3Bq/Lであり、後者において減少傾向にある。また、表面流中に溶存態として存在する放射性Csの濃度は対照区で1.6~7.3Bq/L、A0層除去処理区で0.3~4.6Bq/Lとなり、これも後者において減少傾向にあった。一方で、A0層除去処理を行うと土壌表層の侵食流亡が増加した。試験地の斜面から流出したリターや土砂に含まれる放射性Csの総量を試験地の面積で割った流出率は、対照区が0.16Bq/m<sup>2</sup>であるのに対しA0層除去処理区では1.49Bq/m<sup>2</sup>だった。但し、斜面末端に設置した不織布つきの柵で土砂流出のほとんどは阻止されていた。
  • 小嶋 大地, 小林 達明, 高橋 輝昌, 鈴木 弘行, 山本 理恵
    日本森林学会大会発表データベース 125 2014年  
    落葉広葉樹の放射性セシウム(rCs)の吸収実態を把握するため、コナラ・ミズナラ・ヤマザクラ・コシアブラを対象とするrCsの樹体内分布特性の調査を、川俣町山木屋地区の丘陵地二次林にて行った。調査の結果、コナラ・ミズナラなどの高木では、rCs濃度は葉や樹皮において高く、木部において低い値を示した。葉・樹皮・木部のrCs濃度の相関を調べたところ、葉と木部の間で相関がみられたが、樹皮と木部の間には関係が見られず、rCsが経皮吸収ではなく根を通して吸収され蒸散流によって移動していることが示唆された。またヤマザクラを年枝毎に樹皮と木部に分けた測定結果によっても、事故以前に存在していた古い樹皮でrCs濃度が高いのに対し、木部は新しい年枝ほど高く、rCsが樹液によって当年生木部に集積されると考えられた。林床処理を行った林分では、コナラ・ミズナラの葉および木部のrCs濃度が対照区より低かった。林内雨の影響がある閉鎖林と影響がない伐開地という異なる環境に生育するコシアブラの若齢木を調べたところ、閉鎖林に生育する個体のrCs濃度は伐開地に生育する個体よりも高く、低木では林内雨によるrCs供給の影響が大きいと推察された。
  • 加藤 顕, 大萱 直花, 笹川 裕史, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 125 2014年  
    [目的] 地上レーザーの利用により森林簿に必要な樹高、胸高直径、材積, 曲がり等を直接計測できるようになった。しかし、センサーの種類によっては広範囲に取得できるものから立木1本を詳細に計測するものまで、データ収集能力に大きな差がある。本研究は、近年利用可能な代表的なセンサーすべて用い、取得されたデータを比較し、各センサーの特徴と樹木計測における有効照射距離を把握することを目的とする。[手法] 主な樹木計測項目は、樹高、胸高直径、幹体積とし、同じ林分を対象に計測したデータを用いて精度比較を行った。解析には点群から自動で樹木計測が行えるアルゴリズムを開発し、共通の手法を用いることで客観的評価を行った。[結果] センサーの計測距離、mrad(レーザービーム径)を基準にセンサーを3つのグループに大別し、精度を比較した。長距離小ビーム径型は60mまで、中距離小ビーム径型は30mまで、短距離大ビーム径型は10mまでが樹木計測における有効照射範囲となった。本研究で得られた有効照射範囲を基準に、実利用におけるセンサー設置間隔を決定するための基礎的知見としたい。本研究は環境省研究総合推進費[2RF-1301]の助成を受け実施した。
  • 高橋 輝昌, 小林 達明, 金子 信博, 山本 理恵, 小嶋 大地
    日本森林学会大会発表データベース 125 773-773 2014年  
    糸状菌が土壌中のセシウムを吸収することが知られている。生物を用いた除染について検討するため、放射能で汚染された森林において、林床に木材チップを敷きならし、木材チップを分解する微生物(糸状菌)が土壌中の放射能をどの程度吸収するかを調査した。福島県川俣町の広葉樹林ではスギの木材チップを敷きならした。同県東和町の広葉樹林では、伐採や落葉除去を組み合わせていくつかの異なる環境を作り出し、広葉樹の木材チップを敷きならした。いずれの場所でも木材チップの重量、炭素濃度、窒素濃度、放射能濃度の変化を経時的に測定した。敷きならし後およそ半年間で、木材チップの重量は樹種や環境により10~50%減少した。また、窒素濃度が増加する木材の分解過程に見られる一般的な変化が見られた。木材チップに含まれるセシウム濃度は敷きならし半年後におおむね増加した。スギの木材チップでは、チップ材の粒径が小さいほどチップ材の単位重量あたりのセシウム吸収量が多くなる傾向にあった。チップ材の置かれた環境間で木材チップへのセシウムの吸収量を比較すると、林内より伐採地で、また、落葉を除去するより落葉の上にチップ材を置くことで、多くなった。
  • 小林 達明, 高橋 輝昌, 鈴木 弘行, 近藤 昭彦, 関崎 益夫, 星澤 保弘, 小竹守 敏彦, 江幡 知紗, 篠崎 敬太, 小嶋 大地, 太田 祥子, 飯塚 和裕, 木村 絵里, 山本 理恵, 宮本 ウルルマ
    日本森林学会大会発表データベース 125 2014年  
    里山の環境回復を目指して、川俣町山木屋地区にて農家と共同で、2011年より景観レベルの放射性環境動態を調べてきた。その結果、放射線量は全体に減少していたが、大部分は物理的減衰に従っており、放射性物質の異所的移動は顕著でなかった。土層深層への放射性Csの浸透は、事故当初の地表のリター被覆状況によって主に異なっていたが、A<sub>0</sub>層が発達した落葉広葉樹林では2013年でも6割以上A<sub>0</sub>層に残存していたのに対し、伐開地や林内放牧地等の攪乱地では4~8割A層に浸透していた。2013年には、A<sub>0</sub>層除去処理や木質チップ敷き均し処理等の環境回復試験を丘陵地斜面に広がる落葉広葉樹林(全1500m<sup>2</sup>)で行い、放射性Csの循環量・流出量の測定を始めた。L層除去処理では1アールあたり400kgの除去に1人日、A<sub>0</sub>層全層含む厳密除去処理では同じく1200kgの除去に3.5人日の作業を要した。L層除去によって林床の放射能は2~5割、空間線量率は1~2割減少するとともに、樹体内や林内雨の放射性Cs濃度の低下も見られた。A<sub>0</sub>層厳密除去処理によって、林床の放射能は9割近く、空間線量率は5割減少したが、土砂流出が大幅に増大した。
  • 小林 達明, 高橋 輝昌, 加藤 顕
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 38(3) 387-387 2013年2月28日  
  • 加藤 顕, 石井 弘明, 梅木 清, 大澤 晃, 吉田 俊也, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 124 349-349 2013年  
    レーザーリモートセンシング技術の発展により、これまで不可能であった樹木構造把握が可能となってきた。本研究では地上レーザーを用いて詳細に樹木構造データを取得し、3次元点群データから樹木の幹枝を分類し、各構造を測定した。樹木構造の把握は、コンピュータグラフィックの技術を用いて、レーザー点群に対し内挿する表面を作成した。地上レーザー計測を北海道から滋賀まで様々な樹種を対象に行い、得られたデータを解析し、現地調査したデータと比較した。現地調査は伐倒やロープ登攀によって取得した。研究結果は、胸高直径はどの樹種に対しても3cm以内の誤差で測定可能であり、樹高は地上からのレーザー照射にも関わらず、50cm以内の誤差で測定できた。地上レーザーは航空機レーザーによるデータ取得と視点が異なるため、今後効率の良いサンプル手法が必要である。また枝葉構造の把握も可能であるが、レーザー照射可能距離がセンサーによって異なることから、樹木測定に有効な照射範囲を今後考慮する必要があることがわかった。
  • 近藤 昭彦, 小林 達明, 鈴木 弘行, 山口 英俊, 早川 敏雄, 松下 龍之介
    日本地理学会発表要旨集 2013 122-122 2013年  
    筆者らは飯舘村、川俣町山木屋地区を中心とした阿武隈山地における空間線量率の空間分布の測定を継続してきた。複数の手法を用いて広域から流域単位まで異なる空間スケールで空間線量率の分布図を作成した結果、放射性プルーム(放射能雲)の移動と放射性物質の沈着の状況に関わる情報が得られた。(1)広域スケール:最初の航空機モニタリングの結果は2011年5月6日に公表され、福島第一原発から北西方向に伸びる高濃度汚染域の状況が明らかになった。放射性物質の大半は太平洋流域に沈着し、分水界を超えた北西側では高標高部に高汚染域が点在している。(2)走行サーベイ:広域スケールとほぼ同様の分布傾向が得られたが、浪江町津島および飯舘村比曽地区では谷底が最も空間線量率が高く、斜面では相対的に低くなっていた。一方、川俣町山木屋地区および飯舘村中・北部では斜面上部の空間線量率が高くなっている。飯舘村前田地区のような纏まった高濃度汚染域の形成は地形によるプルームのジャンプが原因と考えられる。(3)里山流域スケール:川俣町山木屋地区では歩行サーベイにより、谷底より山地斜面の空間線量率が高いこと、常緑針葉樹林で空間線量率の高い領域があること、南東向き斜面(原発方向)の空間線量率が高い傾向にあることが明らかとなった。 東電福島第一原発は海岸沿いに位置する。阿武隈山地の太平洋流域は北西方向に向かって海岸から30~40kmで標高1000mに達し、中通りに続く阿武隈川流域と接する。原子炉建屋から放出された放射性物質は阿武隈山地を谷底に沿って運搬されながら上昇し、谷底に高濃度汚染域を残した。分水界に到達した後は相対的に高い位置を運搬され、高標高域に高濃度汚染域を形成した。その過程で、風上側斜面に高濃度汚染域を形成した。その時、常緑針葉樹林の樹冠に多くの放射性物質が沈着することとなった。プルームが尾根を越える時は風下側でジャンプし、離れた地点に高濃度汚染域を形成した。よって、地域、地形、植生を勘案することにより、放射能汚染の状況がある程度推定することが可能となった。 これにより、山地斜面を含めた詳細な空間線量率分布をある程度予測することも可能となる。今後の帰還と復興、放射能対策立案のための基礎的情報として成果を活かしたい。
  • 小林達明, 長谷川いずみ, 野原麻由実, 加藤顕, 本條毅, 岡田悠, 山下俊男
    応用生態工学会研究発表会講演集 2012 245 2012年9月8日  
  • 松下 龍之介, 近藤 昭彦, 小林 達明, 鈴木 弘行, 山口 英俊, 早川 敏雄
    日本地理学会発表要旨集 2012 100114-100114 2012年  
    福島第一原発の事故からすでに一年以上経過したが、この間に飯舘村、川俣町山木屋地区を中心とした阿武隈山地における空間線量率の空間分布の測定を複数回実施した。その結果、小流域単位の汚染マップを作成する必要性が明らかとなり、複数の手法を組み合わせて空間線量率の分布の実態について調査した結果、および経時変化について報告する。
  • 近藤 昭彦, 小林 達明, 鈴木 弘行
    日本地理学会発表要旨集 2012 100231-100231 2012年  
    2011年3月11日は日本にとって忘れられない日となった。東電福島第一原発の一連の事故により大量の放射性物質が環境中に放出され、阿武隈の山村で人の暮らしが突然奪われてしまった。人と自然の関係学である地理学の立場から、福島に通いつつ地理学の貢献のあり方について考え続けてきた。<br> 福島県を含む広域を対象として空間線量率、沈着量等の地図化が試みられている(文科省HP)。しかし、地域はそれが狭くても個性を持つ。“暮らしスケール”の汚染の実態を認識し、対策を進めるためには地域の個性を理解する地理学の知識、経験が力を発揮すると考えられる。<br> 現在公開されている空間線量率、沈着量等のマップは自動車による走行サーベイ、および航空機サーベイによって作成されている。走行サーベイでは道路上の測定しかできない。航空機サーベイはフットプリントの範囲の平均を測定しているが、汚染状況は3月の沈着時の不均一性に加え、その後の再配分により複雑になっている(近藤ほか、2011abc)。<br> 放射能汚染地域の今後については机上で考えるのではなく、まず地域と話し合い“問題の解決を共有”する枠組みを作る必要がある。その中で研究者の役割の部分を果たしていく態度が必要であろう。<br> 山村の暮らしは田畑、住居、裏山の水循環・物質循環を取り込んで行われている。暮らしの復旧を目指した除染は住居から一定距離のバッファー領域では不十分で、住居を含む小流域スケールの視点で考える必要がある。そのために地理学の知識、経験が役に立つはずである。<br>
  • 小林 達明, 大澤 啓志
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 36(3) 392-393 2011年2月28日  
  • ユーイング カーン, 加藤 顕, 小林 達明
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 36(3) 394-397 2011年2月28日  
  • 根本 光, 加藤 顕, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 122 179-179 2011年  
  • 加藤 顕, 小林 達明
    日本森林学会大会発表データベース 122 288-288 2011年  

書籍等出版物

 25

講演・口頭発表等

 116

担当経験のある科目(授業)

 18

Works(作品等)

 5

共同研究・競争的資金等の研究課題

 28

メディア報道

 4