大六一志, 長崎勤, 園山繁樹, 宮本信也, 野呂文行, 多田昌代, 岡崎慎治, 東原文子, 竹田一則, 柿澤敏文, 坂尻千恵, 菊池麻由子
障害科学研究 32 35-45 2008年1月 査読有り
発達上の問題を示す子どもを就学前に発見するための5歳児発達障害・知的障害スクリーニング質問票(石川ら,2007)について、発達的変化およびスクリーニング精度を検討した。2005年度に、つくば市内の年少園児758名を対象に、担任および保護者に質問票への回答を求めるとともに、保育場面を観察し、介入や経過観察の必要性を判断した。また、2006年度に再度質問票を実施した。その結果、友だちがいないこと、集団への不参加、遊びや作業でルールや順番に従えないこと、不器用さ、ことばや会話の問題などは、一般的には解消されることが多いのに対し、介入が必要な群では持続しやすいことが明らかになった。スクリーニング精度については、陰性反応的中度を高めに設定した結果、感度が低めとなった。質問項目の追加や幼稚園・保護者への説明に加え、介入が必要な群で持続しやすい特性への重みづけ等により、感度を高めることについて考察した。