織田 成人, 平澤 博之, 志賀 英敏, 中西 加寿也, 松田 兼一, 仲村 将高, 平野 剛, 平山 陽, 森口 武史, 渡邉 栄三, 新田 正和, 安部 隆三, 中田 孝明
日本外科感染症研究 15 23-28 2003年10月
外科重症感染症の治療においては,感染のコントロールと共に,続発する多臓器不全の予防及び治療が救命のために不可欠である.著者等は最近,IL-6血中濃度迅速測定システムを導入し,real timeに高サイトカイン血症を診断し,その対策を講じることが可能となった.その結果,敗血症性ショック症例に対して,早期よりサイトカイン除去を目的としたPMMA-CHDFを施行することが可能となり,ショック離脱率,救命率の改善が認められた.又,TNF-α308A/Gの遺伝子多型を解析したところ,IL-6異常高値例では特定のgenotypeが高頻度に認められ,これらの症例は予後不良であることが判明した