佐藤 由美, 沼田 加代, 臼田 滋, 長岡 理恵, 浅川 康吉, 佐光 惠子, 矢島 まさえ, 小林 亜由美, 大野 絢子
群馬保健学紀要 24 71-80 2004年3月
高齢者の転倒による寝たきり防止対策の検討を目的に,35名(男性11名,女性24名.平均年齢:男性74.9±7.2歳,女性75.3±5.3歳)を対象に,1)運動及び転倒に関する状況調査,2)バランス及び筋力測定,3)骨密度測定,4)歩数測定を実施した.その結果,日常的な運動の内容は,「歩く」が51.7%で,運動を「ほとんどしていない」者も40.0%いた.加齢に伴い運動機能は低下しているが,男女とも歩数が多いほどバランス機能が高い傾向にあった.また,歩数が多いほど下肢筋力が高く,骨密度が高い傾向を示し,とくに女性にその傾向が強かった.これらの結果から,高齢者の転倒による寝たきりを防止するためには,歩数の確保に着目し,歩行を推進していく必要性のあることが示唆された