石田 祥代

本稿では、スウェーデンにおいて学齢障害児が充実した地域生活を送るためのキーパーソンであるパーソナルアシスタンスの意義を検討した。結果、学齢障害児のパーソナルアシスタンスは1969年に公的に導入され、現在はLSSにより保障されていること、アシスタンスは包括的に充足的に学齢障害児の生活の質を高めていること、LSS制度後アシスタンスの選択・変更がより容易になったことが明らかとなった。また、アシスタンスに関連したサービス内容に関するコミューン間の格差の縮小とアシスタンス養成・再養成の検討が今後の課題として示された。

本稿ではPCP(Person-centered planning;本人主体の計画作成)を用いたITP(Individualized Transition Plans;個別移行計画)を推進するカリフォルニア州の実践について概観した｡1)生徒の卒後のヴィジョンの確認､2)現在のレベルのアセスメント､3)移行サービスのニーズの記述､4)移行サービスのデザイン､5)長期･短期目標の設定､という5つのステップがカリフォルニア州教育局によって提案されていた｡また､1)教師主導型の従来のITPと異なり､生徒と親の主体的な役割が明確であること､2)ニーズのアセスメントから開始した従来のITPと異なり､生徒の将来の夢やヴィジョンの確認から開始すること､3)生徒の長所を大切にし､ポジティブな言語を使用すること､が考察された｡養護学校高等部で試行中の個別移行支援計画について､PCPを参考にした作成が示唆された｡

本稿ではPCP(Person-centered planning;本人主体の計画作成)を用いたITP(Individualized Transition Plans;個別移行計画)を推進するカリフォルニア州の実践について概観した｡1)生徒の卒後のヴィジョンの確認､2)現在のレベルのアセスメント､3)移行サービスのニーズの記述､4)移行サービスのデザイン､5)長期･短期目標の設定､という5つのステップがカリフォルニア州教育局によって提案されていた｡また､1)教師主導型の従来のITPと異なり､生徒と親の主体的な役割が明確であること､2)ニーズのアセスメントから開始した従来のITPと異なり､生徒の将来の夢やヴィジョンの確認から開始すること､3)生徒の長所を大切にし､ポジティブな言語を使用すること､が考察された｡養護学校高等部で試行中の個別移行支援計画について､PCPを参考にした作成が示唆された｡

This paper has the following themes: 1) to divide the development of special education for children with physical disabilities into three historical periods and re-examine the historical significance of each period, 2) to study the characteristics of educational institutions/special schools for children with physical disabilities before and after the enactment of compulsory education for such children, and 3) to examine the effects of political measures with regard to integration and the changes in special education during the historic periods. The following findings about the divergence between special education for students with physical disabilities in Sweden and Japan were obtained: 1) The first divergence occurred starting at the end of the 1950's and continued to the beginning of the 1960's. The fundamental measures of education for students with physical disabilities were directed toward integration of the special population into mainstream schools in Sweden. In contrast, regulations were enacted in Japan to establish special schools throughout the whole country. 2) The second divergence was observed during the 1970's. Classes for students with severe physical disabilities were established by prefecture plans instead of special schools for children with physical disabilities, and integration of those children was further promoted in Sweden. In Japan, special schools for students with physical disabilities in every prefecture continued to provide educational exchanges between special schools and ordinary schools for children with physical disabilities.

スウェーデンの通常学校におけるインテグレーションの展開を歴史的視点から明らかにする一段階として､学習指導要領告示までの過程を明らかにすることと指導要領の規定によってインテグレーションはいかに展開したかを明らかにすることを検討の課題とした｡その結果､第一に､55年指導要領では通常学校の指導の一部として特別指導が正式に導入されたこと､Lgr62では特別指導の拡大によって補助学級の独立分離化が阻止されたことに意義が認められた｡さらに､これらの通常学校内で特別学級を中心に特別指導体制が拡充していったことが明らかとなった｡また､第二には､Lgr69では個々のニーズに相応した指導へと方向付けられたこと､Lgr80ではさらにそれが強調されていることに意義が認められた｡さらに､これら指導要領の規定によって､通常学校において集団的から個別的なインテグレーションへと導かれたことが明らかとなった｡