大学院社会科学研究院

荻山 正浩

オギヤマ マサヒロ  (Masahiro Ogiyama)

基本情報

所属
千葉大学 大学院社会科学研究院(法政経学部) 教授
学位
博士(経済学)(東京大学)

J-GLOBAL ID
200901040736025019
researchmap会員ID
5000043175

論文

 10
  • 荻山正浩
    佐藤健太郎・荻山正浩編著『公正の遍歴―近代日本の地域と国家』吉田書店 515-554 2022年8月  
  • 荻山 正浩
    Okuda, N. and Takai, T. eds., Gender and Family in Japan, Monograph Series of Socio-Economic History Society, Japan, vol. 6 (Singapore: Springer) 2019年12月  査読有り
  • 荻山 正浩
    佐藤健太郎・荻山正浩・山口道弘編著『公正から問う近代日本史』吉田書店 57-100 2019年3月  
  • 荻山 正浩
    社会経済史学 77(4) 549-571 2012年  査読有り
    戦前の日本では,農業部門からの潤沢な労働供給が存在したため各部門の賃金の上昇が抑制されたと考えられてきた。だが,そこで見逃されてきたのは,日本では,工業化とともに農業生産が目覚しく発展した点てある。こうした農業生産の発展は,農業部門の賃金を引き上げ,さらに農業部門から工業部門への労働供給を制約し,工業部門の賃金を上昇させる役割を果たした。そこで本稿では,この点が最も顕在化した地域として,全国有数の綿織物の産地であった大阪府泉南地方を対象とし,農業生産の発展が農業部門から工業部門への労働供給に与えた影響を明らかにした。泉南では,1900年代中頃まで綿織物業は問屋制家内工業の下で農家の副業として発展したが,1900年代末から力織機を備えた織物工場が設立されると,問屋制家内工業が衰退し,農家は副業の綿布生産による収入を失った。しかし,この地域では,農業生産が発展した結果,農家は農業収入の増加によって副業収入の減少を補うことができた。そのため,農家は働き手を織物工場に送り出そうとせず,織物工場の経営者は高賃金を支給して人手を確保する必要に迫られた。
  • 荻山 正浩
    社会経済史学 75(4) 389-411 2009年  査読有り
    戦前の日本では,労働市場の動向には著しい地域差が存在し,なかでも後進地域の労働供給の動向は未解明の問題として残されている。そこで本稿では,工業化が進展せず農業生産力も相対的に低位にあった秋田県北部に焦点を当て,第一次大戦期前後の家事使用人の雇用動向を分析し,労働供給の動向がどう変化したかを明らかにした。第一次大戦期以前の秋田県北部では,家事使用人の雇主は下層の娘たちを働き手として容易に雇用でき,その給金は一向に上昇しなかったから,労働供給は無制限的であった可能性がある。だが,この地域では,第一次大戦期以降,稲の反収が急速に上昇した結果,下層の農家は,娘たちを世帯内にとどめ,耕作規模を拡大すれば,彼女たちを奉公に出すよりも多くの収入を得られるようになった。そのため,家事使用人の雇主は,人手不足に見舞われ,給金を大幅に引き上げて働き手を雇入れる必要に迫られた。このことは,後進地域では,農業生産力の上昇に支えられた地域内の経済発展によって,農業部門から非農業部門への労働供給が制約され,制限的労働供給が顕在化したことを示している。

MISC

 12

書籍等出版物

 5
  • 佐藤, 健太郎, 荻山, 正浩, 中西, 啓太, 加藤, 祐介, 冨江, 直子, 青木, 健, 尾原, 宏之, 今野, 裕子, 井上, 直子, 池田, 真歩, 出口, 雄大 (担当:共編者(共編著者))
    吉田書店 2022年8月 (ISBN: 9784910590059)
  • 社会経済史学会 (担当:分担執筆)
    丸善出版 2021年6月 (ISBN: 9784621306024)
  • 奥田, 伸子, 高井, 哲彦 (担当:分担執筆)
    Springer 2019年 (ISBN: 9789811399084)
  • 佐藤 健太郎, 荻山 正浩, 山口 道弘, 青木 健 (担当:共編者(共編著者))
    吉田書店 2019年 (ISBN: 9784905497745)
  • 石井, 寛治, 原, 朗, 武田, 晴人 (担当:分担執筆)
    東京大学出版会 2000年12月 (ISBN: 4130440721)

担当経験のある科目(授業)

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共同研究・競争的資金等の研究課題

 4